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***テニミュキャストの噂***

1 :名無しさん@お腹いっぱい。:2006/10/17(火) 02:15:09
前から立ててみたかったスレ。

どこかで聞いたミュキャスの噂話や裏情報など語りましょう!!







821 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 19:44:09
>819
そこはここ邪魔したくないから210みたいな感じで
漏れが一人で勝手にAA貼り付けて埋めてるだけだお

822 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 20:10:58
>821
ここ埋まったら行くだけだお

823 :九、ジョバンニの切符《きっぷ》 (16):2008/06/29(日) 20:12:57
>816

川下の向う岸に青く茂《しげ》った大きな林が見え、
その枝《えだ》には熟してまっ赤に光る円い実がいっぱい、
その林のまん中に高い高い三角標が立って、
森の中からはオーケストラベルやジロフォンにまじって何とも云えずきれいな音いろが、
とけるように浸《し》みるように風につれて流れて来るのでした。

青年はぞくっとして (( (l|ll´-` ) )) からだをふるうようにしました。

だまってその譜《ふ》を聞いていると、
そこらにいちめん黄いろやうすい緑の明るい野原か敷物かがひろがり、
またまっ白な蝋《ろう》のような露《つゆ》が太陽の面を擦《かす》めて行くように思われました。

(≧_≦)「まあ、あの烏《からす》。」
カムパネルラのとなりのかおると呼ばれた女の子が叫びました。

(´○-○)「からすでない。みんなかささぎだ。」
カムパネルラがまた何気なく叱《しか》るように叫びましたので、

ジョバンニは (( (●∀●) また思わず笑い、
女の子は(≧_≦;)きまり悪そうにしました。
まったく河原《かわら》の青じろいあかりの上に、
黒い鳥がたくさんたくさんいっぱいに列になって
とまってじっと川の微光《びこう》を受けているのでした。

(*´ー`*)「かささぎですねえ、頭のうしろのとこに毛がぴんと延びてますから。」
青年はとりなすように云いました。


824 :九、ジョバンニの切符《きっぷ》 (17):2008/06/29(日) 20:13:40
>823

向うの青い森の中の三角標はすっかり汽車の正面に来ました。
そのとき汽車のずうっとうしろの方からあの聞きなれた
〔約二字分空白〕番の讃美歌《さんびか》のふしが聞えてきました。
よほどの人数で合唱しているらしいのでした。
青年はさっと顔いろが青ざめ、(´-`ll|l|l) )) たって一ぺんそっちへ行きそうにしましたが
思いかえしてまた座《すわ》りました。
かおる子は (∩_∩) ハンケチを顔にあててしまいました。

(●ё●`)ジョバンニまで何だか鼻が変になりました。
けれどもいつともなく誰《たれ》ともなくその歌は歌い出されだんだんはっきり強くなりました。
思わずジョバンニもカムパネルラも一緒《いっしょ》にうたい出したのです。

♪〜(´○0○) (●O●)♪

そして青い橄欖《かんらん》の森が見えない天の川の向うに
さめざめと光りながらだんだんうしろの方へ行ってしまい
そこから流れて来るあやしい楽器の音も
もう汽車のひびきや風の音にすり耗《へ》らされてずうっとかすかになりました。

825 :九、ジョバンニの切符《きっぷ》 (18):2008/06/29(日) 20:14:37
>824

(●ё●)「あ孔雀《くじゃく》が居るよ。」
(≧_≦)「ええたくさん居たわ。」女の子がこたえました。

ジョバンニはその小さく小さくなって
いまはもう一つの緑いろの貝ぼたんのように見える森の上に
さっさっと青じろく時々光ってその孔雀がはねをひろげたりとじたりする光の反射を見ました。

(´○-○)「そうだ、孔雀の声だってさっき聞えた。」
カムパネルラがかおる子に云《い》いました。
(≧_≦)「ええ、三十疋《ぴき》ぐらいはたしかに居たわ。
ハープのように聞えたのはみんな孔雀よ。」女の子が答えました。

ジョバンニは俄《にわ》かに何とも云えず(●ё●`)かなしい気がして思わず
(`●ё●)「カムパネルラ、ここからはねおりて遊んで行こうよ。」
とこわい顔をして云おうとしたくらいでした。

川は二つにわかれました。
そのまっくらな島のまん中に高い高いやぐらが一つ組まれて
その上に一人の寛《ゆる》い服を着て赤い帽子《ぼうし》をかぶった男が立っていました。
そして両手に赤と青の旗をもってそらを見上げて信号しているのでした。
ジョバンニが見ている間その人はしきりに赤い旗をふっていましたが
俄かに赤旗をおろしてうしろにかくすようにし青い旗を高く高くあげて
まるでオーケストラの指揮者のように烈《はげ》しく振《ふ》りました。
すると空中にざあっと雨のような音がして何かまっくらなものが
いくかたまりもいくかたまりも鉄砲丸《てっぽうだま》のように川の向うの方へ飛んで行くのでした。
ジョバンニは思わず窓からからだを半分出してそっちを見あげました。
美しい美しい桔梗《ききょう》いろのがらんとした空の下を
実に何万という小さな鳥どもが幾組《いくくみ》も幾組も
めいめいせわしくせわしく鳴いて通って行くのでした。

826 :九、ジョバンニの切符《きっぷ》 (19):2008/06/29(日) 20:15:27
>825

(●ё●)「鳥が飛んで行くな。」ジョバンニが窓の外で云いました。
(´○-○)「どら、」カムパネルラもそらを見ました。

そのときあのやぐらの上のゆるい服の男は俄かに赤い旗をあげて
狂気《きょうき》のようにふりうごかしました。
するとぴたっと鳥の群は通らなくなりそれと同時に
ぴしゃぁんという潰《つぶ》れたような音が川下の方で起ってそれからしばらくしいんとしました。
と思ったらあの赤帽の信号手がまた青い旗をふって叫《さけ》んでいたのです。
「いまこそわたれわたり鳥、いまこそわたれわたり鳥。」
その声もはっきり聞えました。
それといっしょにまた幾万という鳥の群がそらをまっすぐにかけたのです。

    ┌──────────┐
    │ ∩_∩       ∧,_∧.|
    │(;○-○)∧_∧●ё●#.|
    │(    (≧_≦)     )|
    └──────────┘

二人の顔を出しているまん中の窓からあの女の子が顔を出して
美しい頬《ほほ》をかがやかせながらそらを仰《あお》ぎました。
(≧_≦)「まあ、この鳥、たくさんですわねえ、あらまあそらのきれいなこと。」
女の子はジョバンニにはなしかけましたけれども
ジョバンニは生意気ないやだい(●ё●#)
と思いながらだまって口をむすんでそらを見あげていました。
女の子は小さくほっ(≧_≦;)と息をしてだまって席へ戻《もど》りました。


827 :九、ジョバンニの切符《きっぷ》 (20):2008/06/29(日) 20:16:09
>826

カムパネルラが気の毒そうに(;´○-○)窓から顔を引っ込《こ》めて地図を見ていました。
(≧_≦)「あの人鳥へ教えてるんでしょうか。」
女の子がそっとカムパネルラにたずねました。
(´○-○)「わたり鳥へ信号してるんです。きっとどこからかのろしがあがるためでしょう。」
カムパネルラが少しおぼつかなそうに答えました。
そして車の中はしぃんとなりました。

  ┌───────‐┐
  │               .| ジョバンニはもう頭を引っ込めたかったのですけれども
  │   ∧_∧      .| 明るいとこへ顔を出すのがつらかったのでだまってこらえて
  │   (´●3●)〜♪...| そのまま立って口笛《くちぶえ》を吹《ふ》いていました。
  └──ヽつ ───‐┘

(´●ё●)。o(どうして僕《ぼく》はこんなにかなしいのだろう。
         僕はもっとこころもちをきれいに大きくもたなければいけない。
         あすこの岸のずうっと向うにまるでけむりのような小さな青い火が見える。
         あれはほんとうにしずかでつめたい。
         僕はあれをよく見てこころもちをしずめるんだ。)

  ∧_∧   ジョバンニは熱《ほて》って痛いあたまを
∩●ё●∩  両手で押《おさ》えるようにしてそっちの方を見ました。

(ああほんとうにどこまでもどこまでも僕といっしょに行くひとはないだろうか。
カムパネルラだってあんな女の子とおもしろそうに談《はな》しているし
(´○v○)(≧_≦)僕はほんとうにつらいなあ。)
ジョバンニの眼はまた(●ё●。)泪《なみだ》でいっぱいになり
天の川もまるで遠くへ行ったようにぼんやり白く見えるだけでした。

                                      ☆☆つづく☆☆

828 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 23:37:31
これかあいいからこっちにはるお

      (*´○-○)
      ⊂__つ
       (ヽ ゚゚ ノ
       ∪∪



829 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 00:33:13
埋めに最適だとモモッテ始めたギンテツが
20レスぐらいで終るつもりだったのに長くなったお
すまんお

830 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 00:44:11
>829
かまわないわよ
いつも乙乙!楽しみにしてるわ

831 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 02:58:36
>829

癒された

832 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 10:43:47
おは

833 :九、ジョバンニの切符《きっぷ》 (21):2008/06/30(月) 23:18:32
>827

そのとき汽車はだんだん川からはなれて崖《がけ》の上を通るようになりました。
向う岸もまた黒いいろの崖が川の岸を下流に下るにしたがって
だんだん高くなって行くのでした。そしてちらっと大きなとうもろこしの木を見ました。
その葉はぐるぐるに縮れ葉の下にはもう美しい緑いろの大きな苞《ほう》が
赤い毛を吐《は》いて真珠のような実もちらっと見えたのでした。

それはだんだん数を増して来てもういまは列のように崖と線路との間にならび
思わずジョバンニが窓から顔を引っ込めて向う側の窓を見ましたときは
美しいそらの野原の地平線のはてまでその大きなとうもろこしの木が
ほとんどいちめんに植えられてさやさや風にゆらぎ
その立派なちぢれた葉のさきからはまるでひるの間に
いっぱい日光を吸った金剛石《こんごうせき》のように露《つゆ》が
いっぱいについて赤や緑やきらきら燃えて光っているのでした。

カムパネルラが(´○-○)「あれとうもろこしだねえ」とジョバンニに云いました
けれどもジョバンニはどうしても気持がなおりませんでしたから
ただぶっきり棒に野原を見たまま(●ё●´*)「そうだろう。」と答えました。

そのとき汽車はだんだんしずかになっていくつかのシグナルと
てんてつ器の灯を過ぎ小さな停車場にとまりました。


834 :九、ジョバンニの切符《きっぷ》 (22):2008/06/30(月) 23:19:12
>833
その正面の青じろい時計はかっきり第二時を示し
その振子《ふりこ》は風もなくなり汽車もうごかず
しずかなしずかな野原のなかにカチッカチッと正しく時を刻んで行くのでした。
そしてまったくその振子の音のたえまを遠くの遠くの野原のはてから、
かすかなかすかな旋律《せんりつ》が糸のように流れて来るのでした。

(≧_≦)「新世界交響楽《こうきょうがく》だわ。」
姉がひとりごとのようにこっちを見ながらそっと云いました。

全くもう車の中ではあの黒服の丈高《たけたか》い(*´ー`*)青年も
誰《たれ》もみんなやさしい夢《ゆめ》を見ているのでした。

_______|      (こんなしずかないいとこで
         ∧_∧      僕はどうしてもっと愉快《ゆかい》になれないだろう。
        (∩●ё)     どうしてこんなにひとりさびしいのだろう。
  ____/    丿      けれどもカムパネルラなんかあんまりひどい、
_____ゝ⌒)⌒)_\    僕といっしょに汽車に乗っていながら
          し'し'´   |   まるであんな女の子とばかり談《はな》しているんだもの。
                 僕はほんとうにつらい。)

ジョバンニはまた両手で顔を半分かくすようにして向うの窓のそとを見つめていました。

すきとおった硝子《ガラス》のような笛が鳴って汽車はしずかに動き出し、
カムパネルラもさびしそうに星めぐりの口笛を吹きました。
  __________
  |       ∩_∩
  |      (´○3○)〜♪
  |____( ●と )_
/____( ( 、ノ____
|        し'し'


835 :九、ジョバンニの切符《きっぷ》 (23):2008/06/30(月) 23:19:47
>834
「ええ、ええ、もうこの辺はひどい高原ですから。」
うしろの方で誰《たれ》かとしよりらしい人のいま眼《め》がさめたという風で
はきはき談している声がしました。
「とうもろこしだって棒で二尺も孔《あな》をあけておいてそこへ播《ま》かないと生えないんです。」
「そうですか。川まではよほどありましょうかねえ、」
「ええええ河までは二千尺から六千尺あります。
もうまるでひどい峡谷《きょうこく》になっているんです。」

(●ё●)。o(そうそうここはコロラドの高原じゃなかったろうか、
        ジョバンニは思わずそう思いました。

カムパネルラはまださびしそうにひとり口笛を吹き、(´○3○)〜♪

女の子はまるで絹で包んだ苹果《りんご》のような顔いろをして
(●ё● )(≧_≦*)ジョバンニの見る方を見ているのでした。

突然《とつぜん》とうもろこしがなくなって巨《おお》きな黒い野原がいっぱいにひらけました。
新世界交響楽はいよいよはっきり地平線のはてから湧《わ》き
そのまっ黒な野原のなかを一人のインデアンが白い鳥の羽根を頭につけ
たくさんの石を腕《うで》と胸にかざり小さな弓に矢を番《つが》えて
一目散《いちもくさん》に汽車を追って来るのでした。

(*´∀`*)「あら、インデアンですよ。インデアンですよ。ごらんなさい。」
黒服の青年も眼をさましました。ジョバンニもカムパネルラも立ちあがりました。

(≧_≦)「走って来るわ、あら、走って来るわ。追いかけているんでしょう。」

(*´∀`*)「いいえ、汽車を追ってるんじゃないんですよ。
      猟《りょう》をするか踊《おど》るかしてるんですよ。」
青年はいまどこに居るか忘れたという風にポケットに手を入れて立ちながら云いました。


836 :九、ジョバンニの切符《きっぷ》 (24):2008/06/30(月) 23:20:24
>835
まったくインデアンは半分は踊っているようでした。
第一かけるにしても足のふみようがもっと経済もとれ本気にもなれそうでした。
にわかにくっきり白いその羽根は前の方へ倒《たお》れるようになり
インデアンはぴたっと立ちどまってすばやく弓を空にひきました。
そこから一羽の鶴《つる》がふらふらと落ちて来て
また走り出したインデアンの大きくひろげた両手に落ちこみました。
インデアンはうれしそうに立ってわらいました。
そしてその鶴をもってこっちを見ている影《かげ》ももうどんどん小さく遠くなり
電しんばしらの碍子《がいし》がきらっきらっと続いて二つばかり光って
またとうもろこしの林になってしまいました。
こっち側の窓を見ますと汽車はほんとうに高い高い崖《がけ》の上を走っていて
その谷の底には川がやっぱり幅《はば》ひろく明るく流れていたのです。
「ええ、もうこの辺から下りです。
何せこんどは一ぺんにあの水面までおりて行くんですから容易じゃありません。
この傾斜《けいしゃ》があるもんですから汽車は決して向うからこっちへは来ないんです。
そら、もうだんだん早くなったでしょう。」
さっきの老人らしい声が云いました。
どんどんどんどん汽車は降りて行きました。
崖のはじに鉄道がかかるときは川が明るく下にのぞけたのです。
ジョバンニはだんだんこころもちが明るくなって来ました。
汽車が小さな小屋の前を通ってその前にしょんぼりひとりの子供が立って
こっちを見ているときなどは思わずほうと叫びました。
どんどんどんどん汽車は走って行きました。
室中《へやじゅう》のひとたちは半分うしろの方へ倒れるようになりながら
腰掛《こしかけ》にしっかりしがみついていました。
ジョバンニは思わずカムパネルラとわらいました。(´○∀○)(●∀● )
もうそして天の川は汽車のすぐ横手をいままでよほど激《はげ》しく流れて来たらしく
ときどきちらちら光ってながれているのでした。
うすあかい河原《かわら》なでしこの花があちこち咲いていました。
汽車はようやく落ち着いたようにゆっくりと走っていました。

837 :九、ジョバンニの切符《きっぷ》 (25):2008/06/30(月) 23:21:04
>836

向うとこっちの岸に星のかたちとつるはしを書いた旗がたっていました。

(●ё●)「あれ何の旗だろうね。」ジョバンニがやっとものを云いました。

(○-○`)「さあ、わからないねえ、地図にもないんだもの。鉄の舟がおいてあるねえ。」
(●ё●)「ああ。」

(≧_≦)「橋を架《か》けるとこじゃないんでしょうか。」女の子が云いました。

(●ё●)「あああれ工兵の旗だねえ。架橋《かきょう》演習をしてるんだ。
       けれど兵隊のかたちが見えないねえ。」

その時向う岸ちかくの少し下流の方で見えない天の川の水がぎらっと光って
柱のように高くはねあがりどぉと烈《はげ》しい音がしました。

(○∀○`)「発破《はっぱ》だよ、発破だよ。」カムパネルラはこおどりしました。

その柱のようになった水は見えなくなり大きな鮭《さけ》や鱒《ます》が
きらっきらっと白く腹を光らせて空中に抛《ほう》り出されて円い輪を描いてまた水に落ちました。
ジョバンニはもうはねあがりたいくらい(●∀●)気持が軽くなって云いました。


838 :九、ジョバンニの切符《きっぷ》 (26):2008/06/30(月) 23:21:44
>837

(●∀●)「空の工兵大隊だ。どうだ、鱒やなんかがまるでこんなになってはねあげられたねえ。
       僕こんな愉快な旅はしたことない。いいねえ。」

(○∀○`)「あの鱒なら近くで見たらこれくらいあるねえ、たくさんさかな居るんだな、この水の中に。」

(≧_≦)「小さなお魚もいるんでしょうか。」女の子が談《はなし》につり込《こ》まれて云いました。
(●∀●)「居るんでしょう。大きなのが居るんだから小さいのもいるんでしょう。
       けれど遠くだからいま小さいの見えなかったねえ。」ジョバンニは

もうすっかり機嫌《きげん》が直って面白《おもしろ》そうにわらって女の子に答えました。

(≧▽≦)「あれきっと双子《ふたご》のお星さまのお宮だよ。」
男の子がいきなり窓の外をさして叫《さけ》びました。
右手の低い丘《おか》の上に小さな水晶《すいしょう》ででも
こさえたような二つのお宮がならんで立っていました。

(●ё●)「双子のお星さまのお宮って何だい。」
(≧_≦)「あたし前になんべんもお母さんから聴《き》いたわ。
       ちゃんと小さな水晶のお宮で二つならんでいるからきっとそうだわ。」
(´○-○)「はなしてごらん。双子のお星さまが何したっての。」
(≧▽≦)「ぼくも知ってらい。双子のお星さまが野原へ遊びにでてからすと喧嘩《けんか》したんだろう。」
(≧_≦)「そうじゃないわよ。あのね、天の川の岸にね、おっかさんお話なすったわ、……」
(≧▽≦)「それから彗星《ほうきぼし》がギーギーフーギーギーフーて云って来たねえ。」
(≧_≦)「いやだわたあちゃんそうじゃないわよ。それはべつの方だわ。」
(●ё●)「するとあすこにいま笛《ふえ》を吹《ふ》いて居るんだろうか。」
(≧▽≦)「いま海へ行ってらあ。」
(≧_≦)「いけないわよ。もう海からあがっていらっしゃったのよ。」
(≧▽≦)「そうそう。ぼく知ってらあ、ぼくおはなししよう。」

                                      ☆☆つづく☆☆

839 :九、ジョバンニの切符《きっぷ》 (27):2008/06/30(月) 23:23:17
>838
川の向う岸が俄《にわ》かに赤くなりました。
楊《やなぎ》の木や何かもまっ黒にすかし出され
見えない天の川の波もときどきちらちら針のように赤く光りました。
まったく向う岸の野原に大きなまっ赤な火が燃され
その黒いけむりは高く桔梗《ききょう》いろのつめたそうな天をも焦《こ》がしそうでした。
ルビーよりも赤くすきとおりリチウムよりもうつくしく酔《よ》ったようになってその火は燃えているのでした。


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(●ё●)「あれは何の火だろう。あんな赤く光る火は何を燃やせばできるんだろう。」
ジョバンニが云《い》いました。
●(○-○`)「蝎《さそり》の火だな。」カムパネルラが又《また》地図と首っ引きして答えました。

(≧_≦)「あら、蝎の火のことならあたし知ってるわ。」
(●ё●)「蝎の火ってなんだい。」ジョバンニがききました。
(≧_≦)「蝎がやけて死んだのよ。
       その火がいまでも燃えてるってあたし何べんもお父さんから聴いたわ。」
(´●ё●)「蝎って、虫だろう。」
(≧_≦)「ええ、蝎は虫よ。だけどいい虫だわ。」
(`●ё●)「蝎いい虫じゃないよ。僕博物館でアルコールにつけてあるの見た。
        尾にこんなかぎがあってそれで螫《さ》されると死ぬって先生が云ったよ。」


840 :九、ジョバンニの切符《きっぷ》 (28):2008/06/30(月) 23:24:28
>839

(≧_≦)「そうよ。だけどいい虫だわ、お父さん斯《こ》う云ったのよ。

むかしのバルドラの野原に一ぴきの蝎がいて
小さな虫やなんか殺してたべて生きていたんですって。

          ρo
            o
  (V)O""Oヽ(V) O
   ヽ(`ш´)ソ Ο
     ヽ   /○
      U"U

するとある日いたちに見附《みつ》かって食べられそうになったんですって。
          ρo
            o
  (V)O""Oヽ(V) O            ∩
   ヽ(;`ш´)ソ Ο     ヘヘ_γ⌒ヽノノ
     ヽ   /○     <●____ノ
      U"U           

さそりは一生けん命遁《に》げて遁げたけどとうとういたちに押《おさ》えられそうになったわ、
そのときいきなり前に井戸があってその中に落ちてしまったわ、

      '⌒ヽ⌒⌒) つ
    ⊂  ヽヽ| |/ 
   ⊂ (V)O""Oヽ(V)っつ
      ヽ( `ш´;)ソ/
 ̄≡三((.;人 ::,.;人:~人))≡三 ̄
     三ヾ==ソ≡二


841 :九、ジョバンニの切符《きっぷ》 (29):2008/06/30(月) 23:25:19
>840

もうどうしてもあがられないでさそりは溺《おぼ》れはじめたのよ。
そのときさそりは斯う云ってお祈《いの》りしたというの、



。o。゚o         。゚o。゚o 。゚o 。o。゚o   ああ、わたしはいままで
。o。o。゚o     。゚o。゚o 。゚o     。o。゚   いくつのものの命をとったかわからない、
 。o。゚o  。o。゚o。o。゚o     。o。゚o    そしてその私がこんどいたちにとられようとしたときは
     。o。゚o   ρo  。o。゚o 。o。゚o   あんなに一生けん命にげた。
    。o。゚o      o   。o。゚o   それでもとうとうこんなになってしまった。
  (V)O""Oヽ(V) O  。o。゚o   ああなんにもあてにならない。
  。゚oヽ(´ш`)ソ Ο 。o。゚o    どうしてわたしはわたしのからだを
   ゚。゚゚o   / ○ 。o。゚o   だまっていたちに呉《く》れてやらなかったろう。
      U"U  。o。゚o    そしたらいたちも一日生きのびたろうに。
       。o。゚o     どうか神さま。私の心をごらん下さい。
              こんなにむなしく命をすてずどうかこの次には
           まことのみんなの幸《さいわい》のために
      私のからだをおつかい下さい。
                                               ゚


って云ったというの。                              ☆ 。   。
そしたらいつか蝎はじぶんのからだが                   ゚       。
まっ赤なうつくしい火になって                       。
燃えてよるのやみを照らしているのを見たって。   。゚       。
いまでも燃えてるってお父さん仰《おっしゃ》ったわ。  ☆     。
ほんとうにあの火それだわ。」                  ゚

                                      ☆☆つづく☆☆


842 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/01(火) 07:03:01
わくわく

843 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/01(火) 11:07:19
サソリマキタンかあいいよおおおおおお
続き楽しみに待ってるお

844 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/02(水) 01:49:54
癒されるわ…

845 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/02(水) 03:47:46
素晴らしいおね

846 :九、ジョバンニの切符《きっぷ》 (30):2008/07/02(水) 23:29:09
>841

(´○∀○)「そうだ。見たまえ。そこらの三角標はちょうどさそりの形にならんでいるよ。」
(●∀●)ジョバンニはまったくその大きな火の向うに
三つの三角標がちょうどさそりの腕《うで》のようにこっちに五つの三角標が
さそりの尾やかぎのようにならんでいるのを見ました。
そしてほんとうにそのまっ赤なうつくしいさそりの火は音なくあかるくあかるく燃えたのです。

その火がだんだんうしろの方になるにつれてみんなは何とも云えず
にぎやかなさまざまの楽の音《ね》や草花の匂《におい》のようなもの
口笛や人々のざわざわ云う声やらを聞きました。
それはもうじきちかくに町か何かがあってそこにお祭でもあるというような気がするのでした。

(≧▽≦)「ケンタウル露《つゆ》をふらせ。」いきなりいままで睡《ねむ》っていた
ジョバンニのとなりの男の子が向うの窓を見ながら叫んでいました。

ああそこにはクリスマストリイのようにまっ青な唐檜《とうひ》か
もみの木がたってその中にはたくさんのたくさんの豆電燈《まめでんとう》が
まるで千の蛍《ほたる》でも集ったようについていました。


(●ё●)「ああ、そうだ、今夜ケンタウル祭だねえ。」
(´○-○)「ああ、ここはケンタウルの村だよ。」カムパネルラがすぐ云いました。
〔以下原稿一枚?なし〕
(≧▽≦)「ボール投げなら僕《ぼく》決してはずさない。」
男の子が大威張《おおいば》りで云いました。


847 :九、ジョバンニの切符《きっぷ》 (31):2008/07/02(水) 23:29:41
>846

(*´ー`*)「もうじきサウザンクロスです。おりる支度《したく》をして下さい。」
青年がみんなに云いました。
(≧▽≦)「僕も少し汽車へ乗ってるんだよ。」男の子が云いました。
カムパネルラのとなりの女の子はそわそわ立って支度をはじめましたけれども
やっぱりジョバンニたちとわかれたくないようなようすでした。
    ____________
      ∩_∩            ..|
     (´○-○)  ∧_∧   ..|_
   _ (   と )_(    )ρ_|/|
  ___( ( 、ノ__ ( O  づ_/| .|/
      し'し'      | │ │  | .|/
     ____ (_(__)_|/
                  /

(*´ー`*)「ここでおりなけぁいけないのです。」
青年はきちっと口を結んで男の子を見おろしながら云いました。
(≧▽≦)「厭《いや》だい。僕もう少し汽車へ乗ってから行くんだい。」
ジョバンニがこらえ兼ねて云いました。
(●ё●)「僕たちと一緒《いっしょ》に乗って行こう。
       僕たちどこまでだって行ける切符《きっぷ》持ってるんだ。」
(´≧_≦)「だけどあたしたちもうここで降りなけぁいけないのよ。
       ここ天上へ行くとこなんだから。」女の子がさびしそうに云いました。


848 :九、ジョバンニの切符《きっぷ》 (32):2008/07/02(水) 23:30:54
>847

(●ё●)「天上へなんか行かなくたっていいじゃないか。
ぼくたちここで天上よりももっといいとこをこさえなけぁいけないって僕の先生が云ったよ。」

(≧_≦)「だっておっ母さんも行ってらっしゃるしそれに神さまが仰《お》っしゃるんだわ。」

(`●ё●)「そんな神さまうその神さまだい。」
(≧_≦`)「あなたの神さまうその神さまよ。」
(`●ё●)「そうじゃないよ。」

(*´ー`*)「あなたの神さまってどんな神さまですか。」青年は笑いながら云いました。

(`●ё●)「ぼくほんとうはよく知りません、
       けれどもそんなんでなしにほんとうのたった一人の神さまです。」
(*´ー`*)「ほんとうの神さまはもちろんたった一人です。」
(´●ё●)「ああ、そんなんでなしにたったひとりのほんとうのほんとうの神さまです。」

(*´ー`*)「だからそうじゃありませんか。
      わたくしはあなた方がいまにそのほんとうの神さまの前に
      わたくしたちとお会いになることを祈ります。」

      ∧_∧    ∧_∧    青年はつつましく両手を組みました。
     (*´ー`* )  (≧_≦)    女の子もちょうどその通りにしました。
     (  m  )   (  m  )    みんなほんとうに別れが惜《お》しそうで
                       その顔いろも少し青ざめて見えました。

ジョバンニはあぶなく声をあげて (( (。◎Д◎) )) 泣き出そうとしました。

849 :九、ジョバンニの切符《きっぷ》 (33):2008/07/02(水) 23:31:34
>848

(*´ー`*)「さあもう支度はいいんですか。じきサウザンクロスですから。」
ああそのときでした。
見えない天の川のずうっと川下に青や橙《だいだい》や
もうあらゆる光でちりばめられた十字架《じゅうじか》が
まるで一本の木という風に川の中から立ってかがやきその上には
青じろい雲がまるい環《わ》になって後光のようにかかっているのでした。
汽車の中がまるでざわざわしました。
みんなあの北の十字のときのようにまっすぐに立ってお祈りをはじめました。
あっちにもこっちにも子供が瓜《うり》に飛びついたときのようなよろこびの声や
何とも云いようない深いつつましいためいきの音ばかりきこえました。
そしてだんだん十字架は窓の正面になりあの苹果《りんご》の肉のような
青じろい環の雲もゆるやかにゆるやかに繞《めぐ》っているのが見えました。

                  _ ≡-−-≡ _
                 二   __   二
              三   __|  |__   三
              三    |__   __|    三
              ≡     |  |     ≡
               三    |  |    三
                ≡   |  |   ≡
 ''"""'''''"""''""''''""''"''''"""''""" '''' " "''"""'''''"""''""''''""''"''''"""''"""'''
  .:;;:::::::::;::::;;;;;;;;;;;;;;;:::;::;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;::::  :::::;;:: ::: ::;::::::::::;:;;;;::::;:::::::::::::;;;;;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
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850 :九、ジョバンニの切符《きっぷ》 (34):2008/07/02(水) 23:32:06
>849
「ハルレヤハルレヤ。」
明るくたのしくみんなの声はひびきみんなはそのそらの遠くからつめたいそらの遠くから
すきとおった何とも云えずさわやかなラッパの声をききました。
そしてたくさんのシグナルや電燈の灯《あかり》のなかで
汽車はだんだんゆるやかになりとうとう十字架のちょうどま向いに行ってすっかりとまりました。

(*´ー`*)「さあ、下りるんですよ。」青年は男の子の手をひきだんだん向うの出口の方へ歩き出しました。
(´≧_≦)「じゃさよなら。」女の子がふりかえって二人に云いました。
(●ё●。´)「さよなら。」
ジョバンニはまるで泣き出したいのをこらえて怒《おこ》ったようにぶっきり棒に云いました。
女の子はいかにもつらそうに眼《め》を大きくし、
           ___
    ∧_∧  _l≡__|_ 
   (  ≧_)  (    ∧_∧
   (  つ ) ...( O (    )
   | | |   | | と   )
   (__)_)  (_(__)∪∪

も一度こっちをふりかえってそれからあとはもうだまって出て行ってしまいました。
汽車の中はもう半分以上も空いてしまい俄《にわ》かにがらんとしてさびしくなり風がいっぱいに
吹《ふ》き込《こ》みました。そして見ているとみんなはつつましく列を組んで
あの十字架の前の天の川のなぎさにひざまずいていました。
そしてその見えない天の川の水をわたってひとりの神々《こうごう》しい白いきものの人が
手をのばしてこっちへ来るのを二人は見ました。けれどもそのときはもう硝子《ガラス》の呼子《よびこ》が
鳴らされ汽車はうごき出しと思ううちに銀いろの霧《きり》が川下の方からすうっと流れて来て
もうそっちは何も見えなくなりました。ただたくさんのくるみの木が葉をさんさんと光らし、
その霧の中に立ち黄金《きん》の円光をもった電気栗鼠《りす》が可愛《かあい》い顔を
その中からちらちらのぞいているだけでした。

                                      ☆☆つづく☆☆

851 :九、ジョバンニの切符《きっぷ》 (35):2008/07/02(水) 23:32:56
>850

そのときすうっと霧がはれかかりました。
どこかへ行く街道らしく小さな電燈の一列についた通りがありました。
それはしばらく線路に沿って進んでいました。
そして二人がそのあかしの前を通って行くときはその小さな豆いろの火は
ちょうど挨拶《あいさつ》でもするようにぽかっと消え二人が過ぎて行くときまた点《つ》くのでした。

ふりかえって見るとさっきの十字架はすっかり小さくなってしまい
ほんとうにもうそのまま胸にも吊《つる》されそうになり、
さっきの女の子や青年たちがその前の白い渚《なぎさ》にまだひざまずいているのか
それともどこか方角もわからないその天上へ行ったのかぼんやりして見分けられませんでした。

ジョバンニはああと深く息しました。

(●ё●)「カムパネルラ、また僕たち二人きりになったねえ、
       どこまでもどこまでも一緒に行こう。
       僕はもうあのさそりのようにほんとうにみんなの幸《さいわい》のためならば
       僕のからだなんか百ぺん灼《や》いてもかまわない。」

(○-○。)「うん。僕だってそうだ。」カムパネルラの眼にはきれいな涙《なみだ》がうかんでいました。

(●ё●)「けれどもほんとうのさいわいは一体何だろう。」ジョバンニが云いました。

(´○-○)「僕わからない。」カムパネルラがぼんやり云いました。

(●ё●)「僕たちしっかりやろうねえ。」

ジョバンニが胸いっぱい新らしい力が湧《わ》くようにふうと息をしながら云いました。


852 :九、ジョバンニの切符《きっぷ》 (36):2008/07/02(水) 23:33:31
>851

ρ(○-○`)「あ、あすこ石炭袋《ぶくろ》だよ。そらの孔《あな》だよ。」
カムパネルラが少しそっちを避《さ》けるようにしながら天の川のひととこを指さしました。

ジョバンニはそっちを見てまるでΣ(◎ё◎)ぎくっとしてしまいました。

天の川の一とこに大きなまっくらな孔がどほんとあいているのです。
その底がどれほど深いかその奥《おく》に何があるか
いくら眼をこすってのぞいても(´●ё⊂ヾ
なんにも見えず(●ё<。)ただ眼がしんしんと痛むのでした。
ジョバンニが云いました。

(●ё●;)「僕もうあんな大きな暗《やみ》の中だってこわくない。
       きっとみんなのほんとうのさいわいをさがしに行く。
       どこまでもどこまでも僕たち一緒に進んで行こう。」

(´○-○)「ああきっと行くよ。ああ、あすこの野原はなんてきれいだろう。
       みんな集ってるねえ。あすこがほんとうの天上なんだ。

       あっあすこにいるのぼくのお母さんだよ。」

カムパネルラは俄《にわ》かに窓の遠くに見える
きれいな野原を指して叫《さけ》びました。

(●ё●`)ジョバンニもそっちを見ましたけれどもそこはぼんやり白くけむっているばかり
どうしてもカムパネルラが云ったように思われませんでした。
何とも云えずさびしい気がしてぼんやりそっちを見ていましたら向うの河岸に
二本の電信ばしらが丁度両方から腕《うで》を組んだように赤い腕木をつらねて立っていました。


853 :九、ジョバンニの切符《きっぷ》 (37):2008/07/02(水) 23:34:02
>852


(;´●ё●)「カムパネルラ、僕たち一緒に行こうねえ。」
ジョバンニが斯《こ》う云いながらふりかえって見ましたら
        _______________
       |______________|
       |          |           . |
       |          |           . |
       |. ∧_∧      |         ._ |
      / ( ●ё)..   |         |\\|
     // /   つ二二二二二二二二|  \\
    ||||  (___⌒))        .. .__|    ||||
    ||||  ./ /し'______.|\  \......||||
    ||||/ /               \  .\||||
    |||| ̄||||  ..              |||| ̄..||||

そのいままでカムパネルラの座《すわ》っていた席に
もうカムパネルラの形は見えずただ黒いびろうどばかりひかっていました。

ジョバンニはまるで鉄砲丸《てっぽうだま》のように立ちあがりました。

________|
         ∧_∧ |
        (◎ё◎)|
  ___(⊃  ⊂)|
___ミ_| | |_\
        (__)_)  |



854 :九、ジョバンニの切符《きっぷ》 (38):2008/07/02(水) 23:34:50
>853



そして誰《たれ》にも聞えないように窓の外へからだを乗り出して


    ┌───────‐.o 。 * .゚ + 。☆ ゚。。. 。,゚.。。゚。゚ 。
    │∧,_∧   。゚ *。,゚,+ 。. o ゚, 。*     , o 。. 。。,゚.。。゚。゚ 。
    (>Д<゚)゚.゚ .゚。゚ ゚。゚ 。。゜  ゚   . , o 。゚. ,゚ +  。 
    │(     ヽ      ...|    。 .   +  ゚   。  。゚ . ゚。, ☆ * 。゚. o.゚
    └‐∪─∪────┘      .。    o   .. 。 ゚  ゚ , 。. o 。* 。 . o. 。 .


力いっぱいはげしく胸をうって叫びそれからもう咽喉《のど》いっぱい泣きだしました。


もうそこらが一ぺんにまっくらになったように思いました。


                                      ☆☆つづく☆☆

855 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/03(木) 02:17:24
ホウ…としか言えないお…
ケンジタンとAA職人タンは素晴らしいお…

856 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/03(木) 04:00:37
ああ…切なすぎるお

857 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/03(木) 04:32:52
ザ・レギュラー
月 和/風/総/本/家 マキタ
  オジサンズ カズキ
水 ゴンゾー アコ
  GW ポポタン・小さくないリョウ
木 4つのウン アド
金 ポチたま タキ
  ルリ エンド
  ドラマ24 ハラマサ
土 ルキズ 太夫 / 変空 セト
日 キバ セト・スレチ束
  厚姫 JR

不定期 野苺 ネラ・ガウチ


ゲスト
T-TIME 7/2 禿
チィ散歩 7/4 ネラ
キラキラ 7/5 ネルケ松田・ネラ
シバトラ 7/8 OG
四角請負人 7/18 八代目
アンドーナシ 7/28 ズキ
ゴーオン ? ヤスカ

顔が残念なルイルイ
午前3時〜4時のどこかで2分
毎週放映時間が公式で告知される
TBSで関東のみ放映
今日は3時16分から 明日は4時24分から

不明 学/園/男/子 ヤスカ・ズリ・チンペ・M介

858 :九、ジョバンニの切符《きっぷ》 (39):2008/07/03(木) 21:20:50
>854

ジョバンニは眼をひらきました。
もとの丘《おか》の草の中につかれてねむっていたのでした。
胸は何だかおかしく熱《ほて》り頬《ほほ》には(●ё●。)つめたい涙がながれていました。

;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;;:;:;
;:;:;:;;;::li;:;:;:;:;:;:;:'
;:;::|i! ll|,,|;:;:;:;''
  | li!Hi|
  |li!i!li |
,.,.;;;ll;;,.,,.ヽ,,,,,......,.,,..,....,,,.,,,.,,.,,,.,.,.,,,,.,,...,,,.,.,,,....,..,..,..,..,.,..,.,.,.,,,..,.,..,
               )ノノ)ノノ
           ∧_∧           )ノノ
          (●ё●;)ミ
         ノ⌒ノ⌒ヽヽ
        (_(,.,__)_)つ
             viハ

ジョバンニはばねのようにはね起きました。
町はすっかりさっきの通りに下でたくさんの灯を綴《つづ》ってはいましたが
その光はなんだかさっきよりは熱したという風でした。
そしてたったいま夢《ゆめ》であるいた天の川もやっぱりさっきの通りに
白くぼんやりかかりまっ黒な南の地平線の上では殊《こと》にけむったようになって
その右には蠍座《さそりざ》の赤い星がうつくしくきらめき、
そらぜんたいの位置はそんなに変ってもいないようでした。

859 :九、ジョバンニの切符《きっぷ》 (40):2008/07/03(木) 21:21:26
>858

ジョバンニは一さんに丘を走って下りました。
まだ夕ごはんをたべないで待っているお母さんのことが胸いっぱいに思いだされたのです。

    ( ヽ^ё^)  )o。 Σ(●ё●)

どんどん黒い松《まつ》の林の中を通ってそれからほの白い牧場の柵《さく》をまわって
さっきの入口から暗い牛舎の前へまた来ました。
そこには誰かがいま帰ったらしくさっきなかった一つの車が
何かの樽《たる》を二つ乗っけて置いてありました。
(●ё●)「今晩は、」ジョバンニは叫びました。

( `ш´ )「はい。」白い太いずぼんをはいた人がすぐ出て来て立ちました。「何のご用ですか。」

(●ё●)「今日牛乳がぼくのところへ来なかったのですが」
Σ( `ш´ )「あ済みませんでした。」
その人はすぐ奥へ行って一本の牛乳瓶《ぎゅうにゅうびん》をもって来て
ジョバンニに渡《わた》しながらまた云いました。

( `ш´ ; )「ほんとうに、済みませんでした。今日はひるすぎうっかりして
       こうしの棚をあけて置いたもんですから大将早速親牛のところへ行って
       半分ばかり呑んでしまいましてね……」その人はわらいました。
(●ё●)「そうですか。ではいただいて行きます。」
( `ш´ )「ええ、どうも済みませんでした。」
(●ё●)「いいえ。」

ジョバンニはまだ熱い乳の瓶を両方のてのひらで包むようにもって牧場の柵を出ました。


860 :九、ジョバンニの切符《きっぷ》 (41):2008/07/03(木) 21:22:06
>859

そしてしばらく木のある町を通って大通りへ出てまたしばらく行きますと
みちは十文字になってその右手の方、通りのはずれに
さっきカムパネルラたちのあかりを流しに行った川へかかった大きな橋のやぐらが
夜のそらにぼんやり立っていました。

  ∧_∧  ∧_∧ ∧_∧
 ( ;´へ`) (    )(Дの )
 ( つ  ) (  o ) (   つ
 | | | | | | || |
 (__)_) (_(_)(__(__)

ところがその十字になった町かどや店の前に女たちが七八人ぐらいずつ集って
橋の方を見ながら何かひそひそ談《はな》しているのです。
それから橋の上にもいろいろなあかりがいっぱいなのでした。
ジョバンニはなぜかさあっ (◎ё◎) と胸が冷たくなったように思いました。
そしていきなり近くの人たちへ

(;●Д●)「何かあったんですか。」と叫ぶようにききました。

「こどもが水へ落ちたんですよ。」一人が云いますと
その人たちは一斉《いっせい》にジョバンニの方を見ました。

861 :九、ジョバンニの切符《きっぷ》 (42):2008/07/03(木) 21:23:03
>860

ジョバンニはまるで夢中で橋の方へ走りました。
橋の上は人でいっぱいで河が見えませんでした。白い服を着た巡査《じゅんさ》も出ていました。
ジョバンニは橋の袂《たもと》から飛ぶように下の広い河原へおりました。
その河原の水際《みずぎわ》に沿ってたくさんのあかりがせわしくのぼったり下ったりしていました。
向う岸の暗いどてにも火が七つ八つうごいていました。
そのまん中をもう烏瓜《からすうり》のあかりもない川が、
わずかに音をたてて灰いろにしずかに流れていたのでした。

    ∧_∧
,.、、iiw(δДδ).,,,、,.、、iiw、,.、、.、、,.,,,、wi,、∧_∧、iiw.、、,,、,∧_∧w,,、,
.;;..;..⊂   て)  ∧_∧';';...;..;:..:;,.,:;.:,;(●ё●;) :;.,;:.;.:,;.(´Д` )::;.:.,:..;.;..;
.:.;.;.;..;.;人  Y. .;.;:,( ∩゚Д゚∩.;.;..;..;:.,.,.,:;.(つ  て).;:..:;. ...(つ   ,ノつ .;.,.,::
:;.,;:.;.:,;し (_),..::;( ノ    ノ.:.::;.:.;.;.;..; ..; Y  人 ::;.:. ;,:;/ ゝ 〉´.:,;.:.::;.:.
:.;.;.;.,:;.;.:,;.:.::;.:,;.:.::.;.と__)_);..;:.,.,:;.;.;..;..;:..,: し'` J.:.;.;.;..(_(__)::;.:.;.;.;..;:,;.:.:..
""゙'""゙""゙'"''"゙'""゙゙"""'""゙'"∧_∧ '""゙'"''"゙'""゙'"""゙""゙'"''"゙'""゙'"
─ニ─   ̄   __   ̄ (@Д@) ─   = ─二 ─ニ_
                と    つ

河原のいちばん下流の方へ州《す》のようになって出たところに人の集りが
くっきりまっ黒に立っていました。ジョバンニはどんどんそっちへ走りました。
するとジョバンニはいきなりさっきカムパネルラといっしょだったマルソに会いました。

マルソがジョバンニに走り寄ってきました。
w(゜o゜)w「ジョバンニ、カムパネルラが川へはいったよ。」
(●ё◎)「どうして、いつ。」


862 :九、ジョバンニの切符《きっぷ》 (43):2008/07/03(木) 21:24:33
>861

w(゜o゜)w                            ..     ∧_∧
「ザネリがね、舟の上から烏うりのあかりを        .    (`.∀´*)
水の流れる方へ押《お》してやろうとしたんだ。     ...    と  と ヽ
そのとき舟がゆれたもんだから水へ落っこったろう。     □ \ ̄ ̄ ̄ ̄
                                 ~~~~~~~^^^~~^~~~^^^~~^~~
       ///  ∩        するとカムパネルラがすぐ飛びこんだんだ。
       ∩_∩⌒ヽつ       そしてザネリを舟の方へ押してよこした。
   c゚。゚。(○-○´) ゚ ゚。 っ     ザネリはカトウにつかまった。
  。 c゚゚。(/  (/゚ ゚。 っ ゚        けれどもあとカムパネルラが見えないんだ。」

(;●ё●)「みんな探してるんだろう。」

w(゜o゜)w「ああすぐみんな来た。カムパネルラのお父さんも来た。
      けれども見附《みつ》からないんだ。ザネリはうちへ連れられてった。」

  ∧_∧   ジョバンニはみんなの居るそっちの方へ行きました。
 (´゚_,゚`)   そこに学生たち町の人たちに囲まれて青じろい
 (  ○と)   尖《とが》ったあごをしたカムパネルラのお父さんが
 | | |   黒い服を着てまっすぐに立って右手に持った時計を
 (__)_)   じっと見つめていたのです。

みんなもじっと河を見ていました。
誰《たれ》も一言も物を云う人もありませんでした。
ジョバンニはわくわくわくわく足がふるえました。
魚をとるときのアセチレンランプがたくさんせわしく行ったり来たりして
黒い川の水はちらちら小さな波をたてて流れているのが見えるのでした。


863 :九、ジョバンニの切符《きっぷ》 (44):2008/07/03(木) 21:25:32
>862

下流の方は川はば一ぱい銀河が巨《おお》きく写って
まるで水のないそのままのそらのように見えました。
ジョバンニはそのカムパネルラはもうあの銀河のはずれにしかいない
というような気がしてしかたなかったのです。

けれどもみんなはまだ、どこかの波の間から、
「ぼくずいぶん泳いだぞ。」と云いながらカムパネルラが出て来るか

          ∧_∧
         (´○∀○)
          と    つ
          | | |
          (__)_)

或《ある》いはカムパネルラがどこかの人の知らない洲にでも着いて立っていて
誰かの来るのを待っているかというような気がして仕方ないらしいのでした。
けれども俄《にわ》かにカムパネルラのお父さんがきっぱり云いました。


( ´゚_,゚ )「もう駄目《だめ》です。落ちてから四十五分たちましたから。」



864 :九、ジョバンニの切符《きっぷ》 (45):2008/07/03(木) 21:27:04
>863

   ∧_∧    ∧_∧
  (;●ё●)   (゚_,゚* )   ジョバンニは思わずかけよって博士の前に立って、
  (   つっ   (  ○と)   ぼくはカムパネルラの行った方を知っています
  人  Y     | | |    ぼくはカムパネルラといっしょに歩いていたのです
  し'(__)    (_(__)   と云おうとしましたがもうのどがつまって何とも云えませんでした。

すると博士はジョバンニが挨拶《あいさつ》に来たとでも思ったものですか、
しばらくしげしげ (*゚_,゚*) ジョバンニを見ていましたが
(*゚_,゚*)「あなたはジョバンニさんでしたね。どうも今晩はありがとう。」
と叮《てい》ねいに云いました。
ジョバンニは何も云えずに (;●ё●)゙ ただおじぎをしました。
                                     ∧_∧
「あなたのお父さんはもう帰っていますか。」           (*゚_,゚*)
博士は堅《かた》く時計を握《にぎ》ったまままたききました。 (  ○と)

(;●ё●)「いいえ。」ジョバンニはかすかに頭をふりました。

(*゚_,゚`*)「どうしたのかなあ。ぼくには一昨日《おととい》大へん元気な便りがあったんだが。
       今日あたりもう着くころなんだが。船が遅《おく》れたんだな。
       ジョバンニさん。あした放課後みなさんとうちへ遊びに来てくださいね。」





  ∧_∧
 ( *゚_,゚)     そう云いながら博士はまた川下の
 (    )     銀河のいっぱいにうつった方へじっと眼を送りました。
 | | |
 (__)_)

865 :九、ジョバンニの切符《きっぷ》 (46):2008/07/03(木) 21:28:32
>864
ジョバンニはもういろいろなことで胸がいっぱいで
なんにも云えずに博士の前をはなれて早くお母さんに牛乳を持って行って
お父さんの帰ることを知らせようと思うともう一目散に河原を街の方へ走りました。

                                      ☆☆☆おわり☆☆☆



底本:「新編 銀河鉄道の夜」新/潮/文/庫、新/潮/社
   1989(平成元)年6月15日発行
   1994(平成6)年6月5日13刷
底本の親本:「新修宮沢賢治全集 第十二巻」筑/摩/書/房
   1980(昭和55)年1月
入力:中/村/隆/生、野/口/英/司
校正:野/口/英/司
1997年10月28日公開
2004年3月2日修正
青空文庫作成ファイル:
このファイルは、インターネットの図書館、
青空文庫(http://www.aozora.gr.jp/)で作られました。
入力、校正、制作にあたったのは、ボランティアの皆さんです。

866 :ギンテツまとめ:2008/07/03(木) 21:33:11
(´○-○`)カンパネルラ  (●ё●)ジョバンニ

(*´ー`*)家庭教師  (≧_≦)女の子  (≧▽≦)男の子

( ・α・ )鳥捕り  (●ゝ●)燈台看守  (´・ω・`)車掌さん  (□∀□)<ww 学士

(*^ё^*)ジョバンニ母  (`(∞)´)ジョバンニ父  (*゚_,゚*)ブルカニロ博士・先生

(*`.∀´*)ザネリ  (*`ш´*)サソリ・牛乳屋さん  w(゜o゜)wマルソ


>640-645 一、午后《ごご》の授業
>686-689 二、活版所
>699-704 三、家
>705-710 四、ケンタウル祭の夜
>723-726 五、天気輪《てんきりん》の柱
>732    六、銀河ステーション (1)
>735-740 六、銀河ステーション(2)〜
>744-754 七、北十字とプリオシン海岸 〜(11)
>760    七、北十字とプリオシン海岸 (12)
>761-765 八、鳥を捕《と》る人 〜(5)
>773-778 八、鳥を捕《と》る人 (6)〜
>795-800 九、ジョバンニの切符《きっぷ》 〜(6)
>804-808 九、ジョバンニの切符《きっぷ》 〜(11)
>813-816 九、ジョバンニの切符《きっぷ》 〜(15)
>823-827 九、ジョバンニの切符《きっぷ》 〜(20)
>833-838 九、ジョバンニの切符《きっぷ》 〜(26)
>839-841 九、ジョバンニの切符《きっぷ》 〜(29)
>846-850 九、ジョバンニの切符《きっぷ》 〜(34)
>851-854 九、ジョバンニの切符《きっぷ》 〜(38)
>858-865 九、ジョバンニの切符《きっぷ》 (39)〜

867 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/03(木) 22:55:35
おおおおおおおおおおおおおお
長大編だったお乙だおすごいお…

868 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/04(金) 00:48:51
乙乙乙乙!!!!
ついに終わってしまったお…

869 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/04(金) 03:15:49
楽しかったおおおおおお
保存しておくお

870 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/04(金) 09:32:59
涙出てきた
やっぱり銀鉄名作だわ
顔文字で楽しく読めたわ編集乙

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