5ちゃんねる ★スマホ版★ ■掲示板に戻る■ 全部 1- 最新50  

■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています

ロリショタバトルロワイアル16

1 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/16(日) 23:43:24 ID:Ju4yd44r
本性を晒け出せ!
衝動をぶち撒けろ!
欲望を解き放て!
情熱を、燃やせ!



ここは真性の漢共(女性可)が集まり、
ジャンルを問わないロリショタキャラでバトルロワイアルを行う、
あまりにもCOOLなスレです。
紳士淑女の心を忘れず冷静に逝きましょう。

前スレ
ロリショタバトルロワイアル15
http://human7.2ch.net/test/read.cgi/subcal/1195789761/

過去スレ
ロリショタバトルロワイアル14
http://human7.2ch.net/test/read.cgi/subcal/1192364080/
ロリショタバトルロワイアル13
http://human7.2ch.net/test/read.cgi/subcal/1187884192/
ロリショタバトルロワイアル12
http://human7.2ch.net/test/read.cgi/subcal/1183849166/
ロリショタバトルロワイアル11
http://human7.2ch.net/test/read.cgi/subcal/1179760274/
ロリショタバトルロワイアル10
http://human7.2ch.net/test/read.cgi/subcal/1177507709/
ロリショタバトルロワイアル9
http://human7.2ch.net/test/read.cgi/subcal/1175607059/
ロリショタバトルロワイアル8
http://human7.2ch.net/test/read.cgi/subcal/1174298614/
ロリショタバトルロワイアル7
http://human6.2ch.net/test/read.cgi/subcal/1173267370/
ロリショタバトルロワイアル6
http://human6.2ch.net/test/read.cgi/subcal/1171953607/
ロリショタバトルロワイアル5
http://human6.2ch.net/test/read.cgi/subcal/1170746599/
ロリショタバトルロワイヤル4
http://human6.2ch.net/test/read.cgi/subcal/1169810359/
ロリショタバトルロワイアル3
http://human6.2ch.net/test/read.cgi/subcal/1169293272/
ロリショタバトルロワイアル2
http://human6.2ch.net/test/read.cgi/subcal/1168265134/
ロリショタバトルロワイアルをやれるか話し合うスレ
http://human6.2ch.net/test/read.cgi/subcal/1167045572/

テンプレは>>2-5辺に
ロリショタロワ避難所(したらば)
ttp://jbbs.livedoor.jp/otaku/8274/
LSロワお絵描き掲示板
ttp://oekaki2.basso.to/user11/hisou/
まとめwiki
ttp://www25.atwiki.jp/loli-syota-rowa

2 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/16(日) 23:44:31 ID:Ju4yd44r
〜参加者一覧[作品別]〜
【魔法少女リリカルなのは】高町なのは/フェイト・テスタロッサ/ヴィータ/八神はやて/アリサ・バニングス
【ローゼンメイデン】真紅/翠星石/蒼星石/雛苺/金糸雀
【魔法陣グルグル】ニケ/ククリ/ジュジュ・クー・シュナムル/トマ
【ポケットモンスターSPECIAL】レッド/グリーン/ブルー/イエロー・デ・トキワグローブ
【デジモンアドベンチャー】八神太一/泉光子郎/太刀川ミミ/城戸丈
【ドラえもん】野比のび太/剛田武/リルル
【魔法先生ネギま!】ネギ・スプリングフィールド/エヴァンジェリン・A・K・マクダウェル/犬上小太郎
【絶対可憐チルドレン】明石薫/三宮紫穂/野上葵
【落第忍者乱太郎】猪名寺乱太郎/摂津のきり丸/福富しんべヱ
【名探偵コナン】江戸川コナン/灰原哀
【BLACKLAGOON】ヘンゼル/グレーテル
【クレヨンしんちゃん】野原しんのすけ/野原ひまわり
【ドラゴンクエストX】レックス(主人公の息子)/タバサ(主人公の娘)
【DEATH NOTE】メロ/ニア
【メルティブラッド】白レン/レン
【ちびまる子ちゃん】藤木茂/永沢君男
【カードキャプターさくら】木之本桜/李小狼
【テイルズオブシンフォニア】ジーニアス・セイジ/プレセア・コンバティール
【HUNTER×HUNTER】キルア/ゴン
【東方Project】レミリア・スカーレット/フランドール・スカーレット
【吉永さんちのガーゴイル】吉永双葉/梨々=ハミルトン
【ヴァンパイアセイヴァー】リリス
【MOTHER】ネス
【サモンナイト3】ベルフラウ=マルティーニ
【Fate/stay night】イリヤスフィール・フォン・アインツベルン
【みなみけ】南千秋
【武装錬金】ヴィクトリア=パワード
【BLACKCAT】イヴ
【からくりサーカス】才賀勝
【銀魂】神楽
【ひぐらしのなく頃に】古手梨花
【灼眼のシャナ】シャナ
【とある魔術の禁書目録】インデックス
【るろうに剣心】明神弥彦
【ボボボーボ・ボーボボ】ビュティ
【一休さん】一休さん
【ゼルダの伝説】リンク(子供)
【ベルセルク】イシドロ
【うたわれるもの】アルルゥ
【サザエさん】磯野カツオ
【せんせいのお時間】鈴木みか
【パタリロ!】パタリロ=ド=マリネール8世
【あずまんが大王】美浜ちよ
【ポケットモンスター(アニメ)】サトシ
【SW】ベルカナ=ライザナーザ
【Gunslinger Girl】トリエラ
【ぱにぽに】レベッカ宮本
【FINAL FANTASY4】リディア
【よつばと!】小岩井よつば
計86名


3 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/16(日) 23:45:57 ID:Ju4yd44r
〜参加者一覧[あいうえお順(名簿順)]〜

01:明石薫/02:アリサ・バニングス/03:アルルゥ/04:イエロー・デ・トキワグローブ/05:イシドロ/
06:泉光子郎/07:磯野カツオ/08:一休さん/09:猪名寺乱太郎/10:犬上小太郎/
11:イリヤスフィール(略)/12:インデックス/13:イヴ/14:エヴァンジェリン(略)/15:江戸川コナン/
16:神楽/17:金糸雀/18:城戸丈/19:木之本桜/20:キルア/
21:ククリ/22:グリーン/23:グレーテル/24:小岩井よつば/25:剛田武/
26:ゴン/27:才賀勝/28:サトシ/29:三宮紫穂/30:シャナ/
31:ジーニアス・セイジ/32:ジュジュ・クー・シュナムル/33:白レン/34:真紅/35:翠星石/
36:鈴木みか/37:摂津の きり丸/38:蒼星石/39:高町なのは/40:太刀川ミミ/
41:タバサ(主人公の娘)/42:トマ/43:トリエラ/44:永沢君男/45:ニア/
46:ニケ/47:ネギ・スプリングフィールド/48:ネス/49:野上葵/50:野原しんのすけ/
51:野原ひまわり/52:野比のび太/53:灰原哀/54:パタリロ/55:雛苺/
56:ビュティ/57:フェイト・テスタロッサ/58:福富しんべヱ/59:藤木茂/60:フランドール・スカーレット/
61:ブルー/62:古手梨花/63:プレセア・コンバティール/64:ヘンゼル/65:ベルカナ=ライザナーザ/
66:ベルフラウ=マルティーニ/67:南千秋/68:美浜ちよ/69:明神弥彦/70:メロ/
71:八神太一/72:八神はやて/73:吉永双葉/74:李小狼/75:リディア/
76:リリス/77:梨々=ハミルトン/78:リルル/79:リンク(子供)/80:レックス(主人公の息子)/
81:レッド/82:レベッカ宮本/83:レミリア・スカーレット/84:レン/85:ヴィータ/
86:ヴィクトリア=パワード
計86名


4 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/16(日) 23:47:07 ID:Ju4yd44r
〜ロリショタロワ・基本ルールその1〜
【基本ルール】
参加者全員で殺し合い、最後まで生き残った一人が優勝となる。
優勝者のみが生きて残る事ができて『何でも好きな願い』を叶えて貰えるらしい。
参加者はスタート地点の大広間からMAP上にランダムで転移される。
開催場所はジェダの作り出した魔次元であり、基本的にマップ外に逃れる事は出来ない。

【主催者】
主催者:ジェダ=ドーマ@ヴァンパイアセイヴァー(ゲーム・小説・漫画等)
目的:優れた魂を集める為に、魂の選定(バトルロワイアル)を開催したらしい。
なんでロリショタ?:「魂が短期間で大きく成長する可能性を秘めているから」らしい。

【参加者】
参加者は前述の86人(みせしめ除く)。追加参加は認められません。
特異能力を持つ参加者は、能力を制限されている場合があります。
参加者が原作のどの状態から参加したかは、最初に書いた人に委ねられます。
最初に書く人は、参加者の参戦時期をステータス表または作中に記載してください。

【能力制限】
参加者は特異能力を制限されることがある。疲労を伴うようになっている能力もある。
また特別強力な能力は使用禁止になっているものもあるので要確認。

【放送】
放送は12時間ごとの6時、18時に行われる。内容は「禁止エリアの場所と指定される時間」
「過去12時間に死んだ参加者名」など。

【首輪と禁止エリア】
・参加者は全員、爆弾の仕込まれた首輪を取り付けられている。
・首輪の爆弾が起爆した場合、それを装着している参加者は確実に死ぬ。
・首輪は参加者のデータをジェダ送っており、後述の『ご褒美』の入手にも必要となる。
(何らかの方法で首輪を外した場合、データが送られないので『ご褒美』もない)
・首輪が爆発するのは、以下の4つ。
1:『禁止エリア』内に入ってから規定時間が過ぎたとき。
2:首輪を無理やり取り外そうとしたとき。
3:24時間で死者が出なかったとき。
4:ジェダが必要と判断したとき(面と向かって直接的な造反をした場合)。


5 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/16(日) 23:48:41 ID:Ju4yd44r
〜ロリショタロワ・基本ルールその2〜
【舞台】
ttp://www25.atwiki.jp/loli-syota-rowa?cmd=upload&act=open&pageid=8&file=76.gif

【作中での時間表記(2時間毎)】(1日目は午前6時よりスタート)
 深夜:0〜2
 黎明:2〜4
 早朝:4〜6
 朝:6〜8
 午前:8〜10
 昼:10〜12
 真昼:12〜14
 午後:14〜16
 夕方:16〜18
 夜:18〜20
 夜中:20〜22
 真夜中:22〜24

【支給品】
・参加者が元々所持していた装備品、所持品は全て没収される。
・ただし体と一体化している装備等はその限りではない。
・また衣服のポケットに入る程度の雑貨(武器は除く)は持ち込みを許される物もある。
・ゲームの開始直前に以下の物を「ランドセル」に入れて支給される。
「食料」「飲料水」「懐中電灯」「地図」「鉛筆と紙」「方位磁石」「時計」「名簿」
「ランダムアイテム(1〜3種)」。
なおランドセルは支給品に限り、サイズを無視して幾つでも収納可能で重量増加もない。
その他の物については普通のランドセルの容量分しか入らず、その分の重量が増加する。

【ランダムアイテム】
・参加者一人に付き1〜3種類まで支給される。
・『参加者の作品のアイテム』もしくは『現実に存在する物』から選択すること。
(特例として『バトルロワイアル』に登場したアイテムは選択可能)。
・蘇生アイテムは禁止。
・生物および無生物でも自律行動が可能なアイテムは参加者増加になる為、禁止とする。
・強力なアイテムには能力制限がかかる。非常に強力なものは制限を掛けてもバランスを
取る事が難しいため、出すべきではない。
・人格を変更する恐れのあるアイテムは出さない方が無難。
・建前として『能力差のある参加者を公平にする事が目的』なので、一部の参加者だけに
意味を持つ専用アイテムは避けよう。出すなら多くの参加者が使えるようにしよう。

【ご褒美システム】
・他の参加者を3人殺害する毎に主催者から『ご褒美』を貰う事が出来る。
・トドメを刺した者だけが殺害数をカウントされる。
・支給方法は条件を満たした状態で、首輪に向かって『ご褒美を頂戴』と伝えるか、
次の放送時にQBが現れるので、以下の3つから1つを選択する。

1:追加のランドセルが貰える。支給品はランダムで役に立つ物。
2:ジェダに質問して、知人の場所や愛用品の場所などの情報を一つ聞ける。
3:怪我を治してくれる。その場にいれば他の人間を治すことも可能。


6 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/16(日) 23:49:55 ID:Ju4yd44r
〜ロリショタロワ・基本ルールその3〜
【ステータス表】
・作品の最後にその話に登場した参加者の状態、アイテム、行動指針など書いてください。
・以下、キャラクターの状態表テンプレ
【現在位置(座標/場所)/時間(○日目/深夜〜真夜中)】
【キャラクター名@作品名】
[状態]:(ダメージの具合・動揺、激怒等精神的なこともここ)
[装備]:(身に装備しているもの。武器防具等)
[道具]:(ランタンやパソコン、治療道具・食料といった武器ではないが便利なもの。
     収納している装備等、基本的にランドセルの中身がここに書かれます)
[思考・状況]
(ゲームを脱出・ゲームに乗る・○○を殺す・○○を探す・○○と合流など。
 複数可、書くときは優先順位の高い順に)

◆例
【D-4/学校の校庭/1日目/真夜中】
【カツオ@サザエさん】
[状態]:側頭部打撲、全身に返り血。疲労
[装備]:各種包丁5本
[道具]:サイコソーダ@ポケットモンスター
[思考]
第一行動方針:逃げた藤木を追い、殺害する
第二行動方針:早く仲間の所に帰りたい
基本行動方針:「ご褒美」をもらって梨花の怪我を治す

【予約】
・キャラ被りを防ぐため、書き手は自分の書きたいキャラクターを予約することができます。
・期間は基本的に予約から72時間(3日)です。
・やむにやまれぬ事情で完成が遅れる場合、最大で一週間まで期限を延長することができます。
 ただし、3日の期限の間に、進行状況の報告も合わせて延長申請を行う必要があります。
・予約期間終了後は、他の人がそのキャラを使った話を投下して構いません。
・予約しなくても投下することはできますが、その際は他に予約している人がいないか
十分に確認してから投下しましょう。

【投下宣言】
・投下段階で被るのを防ぐため、投下する前には必ずスレで 「投下します」 と宣言を
して下さい。 投下前にリロードし、被っていないか確認を忘れずに。
・近頃連投規制が厳しくなっております。居合わせた方は、できるだけ支援するようにしましょう。

【トリップ】
 投下後、作品に対しての議論や修正要求等が起こる場合があります。
 本人確認のため、書き手は必ずトリップをつけてください。


7 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/17(月) 21:08:27 ID:rekWQdsi
乙です
wiki更新しときます

8 : ◆sUD0pkyYlo :2007/12/18(火) 23:55:02 ID:6agOGfx/
すいません、72時間というならそろそろ3日間の期限になりますが、少し延長させて下さい。
先に進めるのに重要なポイントが多いのに、申し訳ありません。
延長限度の一週間フルに使うことはないと思います。水曜か木曜の夜には投下できるかと。

9 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/19(水) 00:13:33 ID:bt2T34Lz
>>8
期待してます!

10 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/19(水) 14:42:01 ID:XzG893vd
ot

11 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/19(水) 20:39:01 ID:c1K9LUpQ


これからの見所
○タワーに人がいっぱい集まってるよ!
○街に人がいっぱい集まってるよ!

12 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/19(水) 20:54:10 ID:cHtu97V2
雛苺と桜の行き先も気になるところ。軽い天災みたいになってるからな、あの二人。

13 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/19(水) 22:49:59 ID:IhtKF3Nz
運悪く遭遇した場合に死亡する可能性の高さを考えると下手な天災より怖いかもしれん

14 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/19(水) 23:17:05 ID:Wiw0wGFX
ttp://www25.atwiki.jp/loli-syota-rowa?cmd=upload&act=open&pageid=8&file=romap1182.gif
地図更新のお報せです。

夜を越すに当たって南西と北東の市街地に人が向かいつつあります。
まだ到着していない参加者も多いため地図上ではそれほど目立って見えませんが、
どちらも十名前後の参加者が集まると予想されます。
逆に中央森林地帯に密集している参加者が夜になりどの方向へ移動するかは気になる所です。
森から東のエリアは過疎気味ですが、城や点在する住宅、シェルター、そして病院という重要施設も有る為、
徐々に重要度を増していくかもしれません。
北西の森林地帯で夜を越そうとする者達も割と居ますが、殆ど危険人物なのが怖ろしい所です。
数少ない危険じゃない子供達の安否が心配されます。一応危険な子供達も。

地図更新のお報せでした。

15 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/19(水) 23:26:38 ID:cHtu97V2
乙。確かに東側は過疎ってるけど、誰かを向かわせるにしても理由付けが簡単だからいいですな。
解説のほうも乙。

16 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/19(水) 23:45:29 ID:huOZomY/
乙。あいかわらず仕事が早い。
北東の町はマーダーは少ないけど火種はいっぱいあるんだよね…。
せっかくの温泉がどうなるか心配だ。

17 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/19(水) 23:53:30 ID:SwDx/RM3
地図乙。
これはまた色々考えやすそう。

1つ気になったのは……運ばれてる死体は死体の現在地を表示してるのかな?
なら、はやての腕はアリサが持ってっちゃってるけど……。

18 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/19(水) 23:54:29 ID:c1K9LUpQ

そんなに人集まるのか
ロリショタは夜は寝ろよと言いたくなるな

19 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/19(水) 23:59:45 ID:Wiw0wGFX
>>17
……腕だけになったから忘れてた。
次回修正する事にします。もうwikiの方にアップしてしまいましたので。

真紅と翠星石の頭も悩み所だけど、あちらは所持品として印象的だから良いかな。

20 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/20(木) 00:00:06 ID:huOZomY/
>>17
死体の一部だしね…。大部分は砲撃地点でケシズミになってるって事じゃないかな。
真紅と翠星石も、首は雛苺が持ってるけど、胴体のある地点になってるし。

21 : ◆H6tMn7KYPQ :2007/12/20(木) 00:02:07 ID:5pd6BknK
このロワで沢山のSSを読んできましたが、やっぱり自分も書いてみたい…
というわけで、高町なのは、イヴ で予約します。
上手く書ける自信はありませんが、自分なりに頑張ってみます…

22 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/20(木) 00:05:03 ID:Fsi9L96B
>>19
重ね重ね乙。死体運ぶ子が多くて複雑だもんな。
まあ、あれだ。子供たちはみんな死体でも何でも持ってないと不安なんだよきっと。
寝るときにぬいぐるみ抱いて寝るのと一緒だ。そう考えるとなんかこう……微笑ましくないかね?
ないですね、すみません。

>>21
期待。放送後になって新人さん来てくれるようになって嬉しい。

23 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/20(木) 00:14:50 ID:nw0O2sZ0
>>21
がんばってください。

>>22
ドールズの残骸なら可愛らしいじゃないか。元は人形だから違和感もなし。
首だけ? 首がない? バラバラ? 何のことです?

24 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/20(木) 01:19:24 ID:yER2PSAa
>>21
この二人、どうなるかな……期待しております。

25 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/20(木) 12:59:15 ID:YQHvuVjf
なのはとイヴのどっに逃げてー!と言えばいいのかわからない面子だなw
楽しみにしてます。

ミミも動いたから、今一番時間進んでないの誰?
ククリ辺り?

26 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/20(木) 17:32:25 ID:yoB08Ke4
まぁ待てなのはは今就寝中だ……

イヴ逃げてー!

27 : ◆cwyZig7Yqw :2007/12/20(木) 17:51:52 ID:GfdVMohr
>>21さんと同じく、自分も書いてみたいです。
キルア、パタリロで予約します。
文章力に自信はありませんが、頑張ってみます…。

28 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/20(木) 18:12:20 ID:YQHvuVjf
新人さんラッシュktkr
これはパタリロ逃げてー!
周りのキャラ全部予約入ってるんで、2人だけしか動かせないパートですね。
難しそうだ。楽しみにしています。

29 : ◆sUD0pkyYlo :2007/12/20(木) 18:13:19 ID:dd/DyviW
新人さんラッシュ来てますねえ。

6:30頃から投下を開始します。お時間ある方、支援お願いします。

30 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/20(木) 18:17:07 ID:nw0O2sZ0
おお、新人さんが来てくれるのは嬉しいな。最初は凄く緊張するだろうけどがんばれ。
どうしても心配な場合はしたらばの仮投下スレに投下するといいですよ。アドバイスを元に微調整することもできますので。

>>29
了解です。

31 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/20(木) 18:30:00 ID:frtx2bvD
支援

32 : ◆sUD0pkyYlo :2007/12/20(木) 18:30:32 ID:dd/DyviW
では、投下始めます。

33 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/20(木) 18:30:47 ID:frtx2bvD
フライング……

34 :遥かなるワイミーズハウス(前編) ◆sUD0pkyYlo :2007/12/20(木) 18:31:41 ID:dd/DyviW

2人は考える。2人は考え続ける。
この殺し合いのゲームが始まって12時間、急転を続ける事態に振り回されながら、考える。
互いに離れた所に居ながら、同じように考える。

それは思考の断片。決して系統立てて練り上げられた論理や想像ではない。
けれども、考えるための時間は十分にあり、思考の断片はやがて1つの大きな筋道を作り上げていく。

ニアは考える。
(……こういう時、Lならどう考える? メロならどう考え、どういう意見を言うだろうか?)
メロも考える。
(……こういう時、Lならどう考える? ニアならどう考え、どういう意見を言うだろうか?)
そして2人の思考は、同じ方向に向かって集束していく。
まるで2人で相談するかのように、考察を深めていく。

思索を深めるには、それに相応しい場が必要だ。
そして、物理的にそういう『場』が用意できなくても、彼らなら十分に想像力で補うことができる。
ニアが脳内に思い描いたのは、Lの後継者になるべく教育を受けたワイミーズハウス。
メロが脳内に思い描いたのも、Lの後継者になるべく教育を受けたワイミーズハウス。
ニアの想像の中にも、メロがいる。メロの想像の中にも、ニアがいる。
どちらもまだ幼い姿。切磋琢磨していた頃の姿。Lが死ぬ可能性など考えもしなかった頃の姿。
期せずして、2人の思い描く映像が重なる。同じ夢を共有するかのように、互いの姿を幻視する。

互いに想像の中の仮想人格とはいえ、2人居れば議論ができる。異なる視点から考察を深められる。
けれども、仲の悪い2人だけではまとまるものもまとまらない。もう1人、司会役を務める人物が必要になる。
となれば、この場に登場するのは――もちろん、世界最高の探偵にして、彼らの憧れ。彼らの目標。
名探偵『L』、その人である。

        ☆     ☆     ☆

 「では……まずはニア。この時点で、我々はまず何を考えなければならないと思いますか?」

 暖炉の中で、パチパチと火がはぜる。暖かく光に満ちた、幻想のワイミーズハウスの一室。
 椅子の上で膝を抱えたLが、ジグソーパズルをしている幼いニアに問い掛ける。
 ニアは視線を上げることなく、パズルのピースを手にしたまま淡々と答える。

 「……ジェダ=ドーマの人格と性格」
 「そう、その通りです。分からないことは山ほどありますが、まずは彼の『方向性』を見極めねばなりません。
  趣味、嗜好、性格、特徴、目的……これらが分かれば、彼の動きを読むこともできる。裏をかくこともできる」

 Lは落ち着いた様子で言い切る。
 ジェダがいかに強い力を持っていようと、それを動かしているのは人間とそう差のない精神だ。
 それは謎の殺人者『キラ』に対して行ったのと同じアプローチ。Lは続いて視線をもう1人の人物に向ける。

35 :遥かなるワイミーズハウス(前編) ◆sUD0pkyYlo :2007/12/20(木) 18:33:27 ID:dd/DyviW

 「では、メロ。あなたは彼の性格をどう見ますか」
 「一言で言えば『自信家』だな。それも誇大妄想にも近い信念を抱く、革命家タイプの人格だ。
  自己顕示欲も強い。用意周到に準備を進める根気強さもあるが、気分屋のような気紛れな側面もある。
  これらは、最初の広間での様子からも簡単に見て取れる。自分の性向を隠す気もない」

 パキリ。一息ついた幼いメロが、面白くもなさそうな表情で板チョコを噛み割る。
 彼の答えに軽く頷いたLは、膝を抱えたまま、指先で1枚の資料を摘み上げる。
 最初の広間でのやり取りの一部始終が記された資料。ジェダと、その部下と、一部の参加者の会話記録。
 もちろん、そんなものを実際に誰かが書いたわけではない。ここはあくまで2人の想像上の仮想空間。
 ニアとメロの記憶の一部を具現化させたレポート資料を弄びながら、Lは言葉を続ける。

 「そう――ジェダは自信家です。そしてどうやら、その自信に見合うだけの能力も持っているようです。
  ああして参加者の前に姿を現す時点で相当なものでしょう。袋叩きにでもされたらどうする気だったのか。
  あの血で出来た巨大な手の暴力や、首輪の爆破の脅しがあれば大丈夫、と踏んだのかもしれませんが……
  それにしても、参加者のことを舐め過ぎです。
  参加者に黒幕の情報を与えていいことなんて1つもありません。慎重を期すなら姿すら見せない方がいい。
  あの場にジェダが登場したのは計算でも何でもなく、本人の性格上抑えきれず、ということなのでしょうね」

 Lは一旦言葉を切る。
 ここに居るのはニアとメロの想像上のLで、だからニアやメロが見聞きした情報は全て知っている。
 最初の大広間でのジェダの言動、それがまずは推理の第一歩。そこから、考えられるだけ考える。

 「それから、この殺し合いのために用意した、これほどの仕掛け。
  島を丸ごと1つ用意し、様々な建物を配置し、支給品を用意し、参加者を集め……。
  ジェダがいかに絶大でいかに超常的な力を持っていても、これは容易なことではないはずです。
  相当な時間をかけて準備をしてきたはずで――にも関わらず、あの場で『ご褒美』のルールを追加してしまう。
  分裂した、とても読みにくい人格ですね。この先も彼の『気紛れ』には十分に注意した方がいいでしょう。
  ……そうそう、『ご褒美ルールの即決』と言えば、あのシーンで見逃せない重要な要素がもう1つあります。
  いえ、要素というよりも、『あるべきシーンの欠落』ですかね。2人とも、分かりますか?」
 「それを決める時、ジェダが部下に相談もしなかったこと」
 「ロクな部下が居ないんだろうな。リリスもQBも、どっちもバカにしか見えなかったぞ」

 ニアとメロは揃って即答する。出来の良い生徒たちに、Lは小さく微笑む。
 そう、小太りの少年とのやり取りで『ご褒美』のルールを決めたジェダは、その間、他の誰とも会話していない。
 この殺し合いの根幹を揺るがしかねない追加ルールだというのに、あまりに簡単に即決してしまっている。
 これが意味するところは、つまり……

36 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/20(木) 18:33:31 ID:frtx2bvD


37 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/20(木) 18:34:50 ID:1dn2HAIY


38 :遥かなるワイミーズハウス(前編) ◆sUD0pkyYlo :2007/12/20(木) 18:35:16 ID:dd/DyviW

 「その通りです。ジェダには『参謀役』と呼べるほどの部下が1人もいない。
  いくらトップダウン方式の組織を作っていたとしても、普通ああいう時には一言くらい相談するものです。
  実際に殺害数をカウントし、実際に『ご褒美』を届けに行くのは部下なんですからね。
  しかしその一言の相談すら無かったというのは、つまり彼が部下には何も期待していないということ。
  部下の判断や知性には一切何も期待せず、文字通りロボットか機械のように見なしているということ。
  ジェダの最大の弱みは、ズバリ、『組織力』です。
  子供丸出しのリリスと、頭数は多くとも、知性には欠けている様子だったQBたち。
  おそらく、彼の使える部下はこれだけです。より優れた部下がいたなら、あの場で出てこないはずがない。
  ……ま、自信家のジェダは、そのことを弱点だとすら思っていないでしょうけれども」
 「逆に、自覚も無いから対策を取ろうとも思わないんだろうな。
  その気になれば、参加者を集めたのと同じ要領で、既に機能している組織を持ってくることも出来たはずだ。
  そう、俺が力を求めてマフィアに潜りこんだように」
 「私が合衆国を動かし、SPKという捜査組織を手に入れたように。二代目Lが日本警察を牛耳ったように。
  その点、ジェダにはそういう発想すら無い。
  自分自身の絶大な力だけでなんとでもなる、と考えている節がある……」

 デスノートで遠隔殺人を行うキラが厄介だったのは、警察組織の内部情報を得ている様子があったからだ。
 信奉者を増やし、マスコミを動かし、『第二のキラ』や『Xキラ』のような協力者を増やしていったからだ。
 夜神月=2代目Lがキラである、という仮説が厄介だったのも、日本警察が優秀な組織であったから。
 組織を利用する才覚。それが、キラという犯罪者が難敵となった理由の1つであった。
 しかし、今の敵であるジェダの場合、それが無い。
 本人が持つ力はキラよりも強大で、多彩で、圧倒的なものかもしれないが……ジェダ本人しか、いない。

 「組織については、これくらいでいいでしょう。続いては――『ご褒美』についてのリリスの説明。
  これについても無視できないポイントがあります。分かりますか?」
 「……自分の首輪に向かって『ご褒美を頂戴!』と言うとQBが届けにくる、という下り。
  ここで問題になるのは、何故『首輪に向かって言えば』主催者サイドに伝わるのか、ということ」
 「要するに盗聴器が仕込まれてるってわけだな。こうあっさり手の内をバラすあたり、相当自信があるんだろう。
  だが――さっきの考察と合わせて考えれば、あまり怖くはない」

 辿り着いたのは同じ結論。首輪に盗聴器がある、という推測。
 しかし、ここで初めて2人の反応が分かれる。
 ニアが浮かべたのは、憂鬱な表情。メロが浮かべたのは、不敵で攻撃的な笑み。
 メロはパキリ、と板チョコを噛み割りながら立ち上がると、床に蹲るニアを見下ろす。

39 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/20(木) 18:35:25 ID:frtx2bvD


40 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/20(木) 18:35:47 ID:nw0O2sZ0
 

41 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/20(木) 18:36:14 ID:VF19TtEo
 

42 :遥かなるワイミーズハウス(前編) ◆sUD0pkyYlo :2007/12/20(木) 18:36:22 ID:dd/DyviW

 「ニア、お前ならこう言うだろう。『僅かなりとも情報が漏れる危険があるなら、慎重を期すべきだ』と。
  だが違う。さっきの考察を思い出せ。
  『ジェダにはロクな部下がいない。ロクな組織力がない』。
  盗聴って行為は、実は盗聴器を仕掛けただけでは全然足りない。
  盗聴器から得た膨大な生データを分析しなけりゃ使い物にならない、むしろそっちの方が大変な作業だ。
  総参加者数86名。これをリアルタイムで24時間監視するには、交代要員も含めて何人の人間が必要になる?
  いや、人数だけ居たってダメだ。ただ漠然と聞いているだけでは、その深い意味までは理解できない。
  あのQBが100体居たって、ロクな仕事は出来ないだろう。
  警察か何かを徴用して専門家チームを組まない限り、有効な盗聴などできやしない」
 「しかし、それでは『ご褒美を頂戴!』という発言も聞き落としたりするのでは?」
 「現代の諜報組織による盗聴でも、特定の単語をコンピューターで拾い上げるような処置がされている。
  俺はそれに近いシステムが組まれていると見た。
  いくつかの『キーワード』が用意されていて、それを口にしたらジェダに報告が行く、とかいった具合にな。
  1つは確実に『ご褒美を頂戴』。『盗聴』という単語もキーワードになっているかもしれない。
  怪しいところでは、『島から逃げ出す』、『ジェダをぶっ飛ばす』、『首輪を外す』といった、このあたりもか。
  逆に言ってしまえば――それらの『地雷』を踏まない限り、まず安全だと見ていい」
 「しかし、もしも気付かず『地雷』を踏んでしまったらどうするのです? 首輪を爆破されてしまうのでは?」
 「あの広間で示されていた、首輪爆破の条件を思い出せ。
  挙げられた条件は、『外に逃げ出す』『禁止区域に侵入する』『強引に外そうとする』、の3つだ。
  そこに『主催者への反抗』は入ってない。あの大広間での『見せしめ』が例外中の例外なんだ。
  反抗者が出ることは、容易に想定できたはずだ。それをいちいち爆破していたら『ゲーム』は破綻する。
  それに、ジェダ=ドーマは自信家だ。
  余裕たっぷりな態度を見せつけることに喜びを覚えるタイプの人格だ。
  ああいう奴は、安っぽく見られることを何よりも嫌う。臆病な小物と見られることを何よりも嫌う。
  爆破は脅しに留めて、ギリギリまで使用は躊躇うだろう――そこを、突く」

 メロは考える。幻想上のニアに反論しながら、考える。
 盗聴器があったところで、それを拾う側に十分な分析能力が無ければ宝の持ち腐れ。
 86人の動向を同時に追うなど、ジェダの部下の能力を考えれば明らかに処理能力オーバーだ。
 参加者数が減ってくれば危険は増してくるが、まだ今のところは大丈夫のはず。
 それに筆談など試みたところで、『魔法』等を使えば、水晶球などで遠くから覗き見ることも可能なのだ。
 万全の対策が打て無いなら、ジェダに情報を与えないことよりも、早くジェダに迫ることを優先するべきだ。
 仮にヘマしてジェダに警戒されたとしても、爆破は文字通り最後の手段。そう安易には使われまい。
 ジェダが余裕ぶっている間に出し抜ける余地は、十分ある。

43 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/20(木) 18:37:58 ID:VF19TtEo
 

44 :遥かなるワイミーズハウス(前編) ◆sUD0pkyYlo :2007/12/20(木) 18:38:09 ID:dd/DyviW

 以上が、メロの結論。慎重より迅速を優先するメロの思考法。
 対して、ニアは――。
 真っ白なジグソーパズルを床の上で弄りながら、彼はメロの顔を見上げる。

 「なるほど、メロならそう言うでしょうね。『情報が漏れる危険よりも速度を重視すべきだ』と。
  しかしそれは違います。組織力の話よりも前の考察を思い出して下さい。
  『ジェダは自信家で、その自信に見合うだけの能力も持っている』
  今の私たちにとって、ジェダの能力は未知数です。あまりに分からないことが多過ぎる。
  もしかしたら、ジェダには可能なのかもしれない。
  QBたちを使わずとも、全員の盗聴器の音声を同時に聞き分け分析することが可能なのかもしれない。
  私だって、それが録画映像なら、モニタを並べて十数の動画を同時に分析・検討できるわけですし……。
  そんなわけで、重要な情報については、ジェダに一片だってくれてやるわけには行きません。
  必要ならば筆談をし、策を練り、確実に進んでいかねばなりません」
 「しかし、監視の方法が盗聴だけで無かったならどうするんだ?
  少なくとも、主催者側は『誰が誰を殺したのか』は分かるんだ。声だけではその判断は難しい。
  盗聴に加えて、『プラスアルファ』の『何か』があるのは確実だろうに」
 「それはそうですが、しかし現時点で情報の無い監視手段を恐れてもキリがありません。
  ひとまず、盗聴に対しては完璧な対策を期す。
  もしもそれでも防げぬような事態が起きたら、そのことを材料に次の推理が組み立てられます。
  とりあえず、首輪の現物を調べることができれば、もう少し詳しいことも分かるでしょう」
 「遅いな。そのやり方では、あまりに遅い。
  大体、首輪を手に入れたところで、俺たちの手に負えない技術が使われている可能性は高い。
  常識で測れない数々の異能の存在、お前も見ているはずだ」
 「そうですね。調べても無駄かもしれません。でも、調べもせずに諦めるのはそれこそ本末転倒です。
  時間がかかっても、確実に手の届くところから調べを進めるべきです」

 ニアは考える。幻想上のメロに反論しながら考える。
 慌てて走ってコケてしまっては元も子もない。自分たち以外にジェダに対抗できる頭脳はいないのだ。
 盗聴されている、と分かっているのだから、盗聴器からは一切の情報を与えてはならない。全て遮断する。
 その上で、ニアの動きがバレている様子があれば、そこから『他の監視方法』について新たな考察ができる。
 そうして1つ1つ足場を固めていけば、やがて確実にジェダの喉元に食いつくこともできるはず――。
 まずは首輪の確保。首輪の機能と構造の分析。
 勝負を賭けるのは、その後でも遅くない。

 以上が、ニアの結論。拙速より巧遅を良しとするニアの思考法。
 幻想の中のワイミーズハウスの一室の中、立ち上がったニアはメロと向かい合う。
 物理的に距離があっても、互いに相手の思考の大筋は理解できる。取りそうな行動は予測できる。
 だからこそ、言う。自分の方こそがより正しい道を進んでいると信じて、舌鋒鋭く斬りつける。

45 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/20(木) 18:39:15 ID:nw0O2sZ0


46 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/20(木) 18:39:16 ID:VF19TtEo
 

47 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/20(木) 18:39:26 ID:Fsi9L96B
 

48 :遥かなるワイミーズハウス(前編) ◆sUD0pkyYlo :2007/12/20(木) 18:39:33 ID:dd/DyviW

 「ニア、お前はきっと、安全な拠点を探してそこに篭り、じっくりと情報を集めようとするんだろうな。
  首輪を調べ、首輪の分解を図り、確実かつ安全な勝利を目指そうとするんだろうな。
  だが本当にそんな悠長にしている時間はあるのか? それで本当に間に合うのか?
  俺たちに与えられた時間は、無限じゃないんだ」
 「メロ、あなたはきっと、積極的に動き回るのでしょうね。
  自分から策を仕掛け、主催者側を揺さぶり、危険な地雷原を突っ走ろうとするのでしょう。
  けれど、本当にそんなことが可能なのですか? 果たしてそれで、生き残れるのですか?
  私たちが持っている戦闘力は、貧弱極まりないんですから」

 石橋の上を丹念に叩いて渡る性格のニア。壊れたつり橋でも走って渡ろうとするメロ。
 ニアのやり方では、間に合わなくなるかもしれない。
 メロのやり方では、早々に命を落とすかもしれない。
 どちらも一長一短。Lが持っていた絶妙のバランス感覚は、彼らにはない。しかし、だからこそ。
 黙って見守るLの視線に気付いた2人は、僅かに譲歩する。
 Lの存在を思い出したことで、少しだけ冷静になる。

 「……まあ、私も少し軌道修正が必要かもしれません。
  『組織力』に劣るジェダに対抗するには、やはり『組織』で対抗するべきでしょう。
  目先の情報を集めるより、『使える』人間を集めること。使える人数を増やすこと。
  『ジェバンニたち』のような優秀な手駒を手にする必要があります。
  それもできれば複数。その分、こちらも多少の譲歩が必要かもしれません」
 「……確かに、俺も多少の軌道修正が必要なのかもしれない。
  と言っても、今はそう多くの人間は要らない。足を引っ張るヌルい集団なら要らない。
  必要とあれば身軽に別行動が取れる奴。犯罪行為や殺人などといった、俺のやり方にも反発しない奴。
  そういう、いわば『マットのような仲間』が必要だ。
  使える仲間が1人増えるだけで、やれることの幅は大きく広がってくる」
 「……ま、そういうことです。ニアもメロも、自分に足りないものは分かったようですね」

 ひとまずの結論を得た2人に、Lは軽く声をかける。
 そんな彼が指先で摘み上げていたのは……腕時計。その短針は、『6』の数字を指そうとしている。

 「ところで2人とも、妄想はここらで終わりのようですよ。もうすぐ最初の放送の時間です。
  情報と思考の整理には役立ったようですが、いい加減、正気に返った方がいいと思いますけどね。
  今は夢の中でしか会えない身ですけど、これでも2人には期待してるんですから」

 Lの溜息と共に、ワイミーズハウスの幻影が遠ざかる。暖かな暖炉の前の部屋が遠ざかる。
 2人はそして現実に帰る。
 まるで本当に3人で相談しあったかのような充実した時間から、問題山積みの現実へと帰還する。
 ニアはタワーの展望室へ。メロは学校のプールサイドへ。
 あえて別れの言葉は口にせず、2人はそれぞれに、覚醒した。

        ☆     ☆     ☆

49 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/20(木) 18:40:36 ID:Fsi9L96B
 

50 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/20(木) 18:40:37 ID:VF19TtEo
 

51 :遥かなるワイミーズハウス(中編) ◆sUD0pkyYlo :2007/12/20(木) 18:41:03 ID:dd/DyviW

「――おい、メロ! おいメロ、お前も手伝ってくれって!」
「……あ、ああ。すまないな。ちょっとボーッとしてた」
「ダイジョウブカ? 疲レテンノカ? 夢デモ見テタンジャネーカ? ケケケッ!」

沈み行く夕陽に照らされたプールサイドで、強く呼びかけられたメロは軽く頭を振って顔を上げた。
少しの間、空想に耽ってしまっていたようだった。
時計を見れば、ボーッとしていた時間は数分足らず。
しかしその短い間に、この12時間ぼんやりとまとまらなかった思考が一気に集束した、そんな感触がある。
Lの幻に感謝だ。それに、悔しいけれどもニアの幻にも。
そういえば現実のニアは大丈夫だろうか。まあ、そう簡単に死ぬとは思えないのだが。

「ちょっと……聞いてるの? はやく……イヴも、助けてあげて……!
 あの子は、私の、大事な……大事な、仲間なんだから……!」
「分かってる。だがな、俺の身体のことも考えてくれ。
 左腕なんて、怪我のせいでロクに動かないんだ。まともに力仕事のできるコンディションじゃない」

イヴの非難の声に、メロは軽く吐き捨てる。
実のところ、左肩の傷は既に手当てがしてある。無理をすれば多少の力仕事くらいできるだろう。
だがその「無理」をしてやる義理がない。
怪我の具合を少々誇張してみせたメロは、改めて目の前の瓦礫の山に溜息をつく。

助け起こされたブルーが、やや混乱のしながらメロとニケに語った話によると――
恐怖と混乱の中、それでも互いに支えあう仲になったブルーとイヴは、森で高町なのはに遭遇。
その時の『ちょっとした誤解から』激しい戦闘になってしまったという。
そして『なのはを傷つけたくないと思った』ブルーたちは、使い捨ての支給品の力を使ってその場を離脱。
『ランダムに移動した』その先が、このプール傍の更衣室の建物だった。
しかし到着して早々に『危険人物に襲われて』、咄嗟にイヴが応戦。
戦う2人が奥の方に飛び込んで見えなくなった所で、この爆発が起こった、という。

その『危険人物』が何者なのか、イヴは『知らない』という。
どんな人物だったのか尋ねても、『混乱してよく覚えていない』と。
ただブルーによれば、イヴにはこんな爆発を起こす能力はない。
だからこの爆発は、その敵の手によるものと推理するのが自然。
そして自分で起こした爆発なら、更衣室の倒壊に巻き込まれるような愚は犯さないだろう。
きっとその『危険人物』は、イブとブルーを仕留めたと勘違いして、既に遠くに逃げ去っているに違いない。

実のところ、メロは既に諦めている。
こんな瓦礫に押し潰されて、そのイヴという少女が無事なはずがない。
いや、よほどの幸運に恵まれれば、瓦礫と瓦礫の隙間にはまり込んでいるかもしれないが……。
仮にそうだとしても、爆発の中心に近い所にいたのだ。そのダメージだけでも、普通に命に関わる。
これで五体満足の状態で埋まっていたなら、そいつは神だか仏かだかによっぽど愛されているに違いない。

「ま、俺自身もあの爆発から生き延びたわけだから、ありえないことでも無いんだがな……」

絶望的だろう、という見通しは、既にニケにもブルーにも伝えてある。にも拘らず、2人とも諦める様子はない。
ニケは「女の子を見捨てたくないから」。ブルーは「イヴという大事な仲間を見捨てたくないから」。
3人の仲で唯一元気なニケが、片っ端からコンクリートの塊を持ち上げ、撤去していく。
しかし山はなかなか小さくならない。女の子が出てくる気配もない。
これは死体が出てくるまで時間がかかるな、と踏んだメロは、密かに策を検討する。

52 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/20(木) 18:41:12 ID:1dn2HAIY


53 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/20(木) 18:41:43 ID:nw0O2sZ0


54 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/20(木) 18:42:05 ID:Fsi9L96B
 

55 :遥かなるワイミーズハウス(中編) ◆sUD0pkyYlo :2007/12/20(木) 18:42:27 ID:dd/DyviW

「……いつまでもここでこうしていても仕方がない。おい、ブルー。立てるか?」
「え……?」
「もうすぐ日も落ちる。いつ敵に襲われるか分からない暗い屋外に、怪我人を放り出しておくわけにもいくまい。
 ニケ、埋まっているイヴのことは、任せたぞ。俺たちはあっちに見える体育館に、先に行っている。
 あそこなら救急箱くらいあるかもしれない。なにせ運動のための施設だ。もしあれば手当てもできる」
「ケケケッ。ソリャ、『イイ考エ』ダナ! ケケケッ!」

メロの頭上で、彼の提案を『深読み』したらしいチャチャゼロが楽しそうに笑う。メロはそれを黙殺する。
確かにこの場所では落ち着かない。このあたりで屋根があって灯りもつくのは体育館くらいのものだ。
校舎では未だに火が燻りっているが、既に火勢は落ちてきている。体育館の方に延焼することもなさそうである。
片手の利かないメロがここに居ても、瓦礫撤去の役には立たないわけだし……。
もっともな言葉に、ニケは不承不承ながらも頷いた。

「俺だけ肉体労働かよ……ま、じゃあ、ブルーの手当ては頼んでいいのか?」
「ああ。イヴとかいう子が掘り出せたら、連れてきてくれ」
「お願い……イヴを……本当に、お願いよ……!」

メロはブルーに右肩を貸し、半ば無理やりに立ち上がらせる。
怪我の具合はまだ詳しく見ていないが、こうして支えてやれば歩くことはできるようだった。
そのままメロは、半ば強引に歩き出す。
煙を吐く校舎を横目に、後ろ髪引かれるブルーを引き摺るようにして、広い校庭を歩きだした。

        *     *     *

2人の後姿を眺めていたニケは、そして再び瓦礫の撤去作業に戻る。
抱えるほどの大きなコンクリート塊を渾身の力で持ち上げて、横に落とす。
1つどけては、また1つ。地味で疲ればかりが溜まってくる仕事。
それでも全ては女の子のため、と頑張っていたニケは、ふと、あることを思い出す。

「……いけね、イヴって子の特徴、聞いておくの忘れてた。ま、いっか」

どうせこの瓦礫に埋まっているのはイヴという子だけのはず。爆発を起こした敵は既に残っていないはず。
瓦礫をどけて、出てきた女の子がきっとイヴだ。そうに決まってる。
余計なこと考えてるヒマがあったら、さっさと掘り出してやるべきだ。きっとブルーも不安がっている。
誤解からとはいえ、あの高町なのはと戦いになり、『悪魔』と呼んで恐怖に怯えるような目に会ったのだ。
なのはと会えたらニケが誤解を解いてやるのは当然として、まずはイヴを救出して安心させてやらなくては。
ニケはそして、作業の手を早める。一刻も早くイヴを助け出して、一刻も早くブルーの笑顔を見るために。

        *     *     *

ニケは、もちろん知らない。
ブルーの吐いた嘘を知らない。高町なのはと戦闘になった本当の経緯を知らない。
瓦礫の下にはイヴはなく、代わりに一休が埋まっていることを知らない。
一休が女児用の水着を身につけ、そこにいることを知らない。
いかなる御仏の加護なのか、この惨事の中で手足の1本も欠けずにいることを知らない。
労ばかり多い作業の果てに何が待っているのかも知らず、彼は瓦礫をどかし続ける――。

56 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/20(木) 18:42:44 ID:Fsi9L96B
 

57 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/20(木) 18:43:51 ID:Fsi9L96B
 

58 :遥かなるワイミーズハウス(中編) ◆sUD0pkyYlo :2007/12/20(木) 18:44:02 ID:dd/DyviW


【D−4/学校プール傍・更衣室小屋の残骸跡/1日目/夕方(放送直前)】

【ニケ@魔法陣グルグル】
[状態]:すけべ大魔神LV.7、魔力大消費、中程度の疲労、左肩に切り傷あり
[装備]:スペクタルズ×8@テイルズオブシンフォニア
[道具]:基本支給品、クロウカード『光』、 コエカタマリン(残3回分)@ドラえもん、
    メタルイーターMX(弾切れ)@とある魔術の禁書目録
[思考]:待ってろよ、イヴとかいう子!
第一行動方針:瓦礫の山を片付け、中にいると思われるイヴを助ける
第二行動方針:イヴを助けたら体育館でメロと合流し、怪我の手当てをしてあげる
第三行動方針: 神社に戻ってインデックスらと再会し、学校についての情報等を伝える
第四行動方針:自分の仲間となのは&エヴァの友人(八神はやてを優先)を探すため、情報を集める
第五行動方針:もし、なのはに会ったらなのはにちゃんと謝る
基本行動方針:とりあえずラスボスを倒す。その過程で女の子の仲間が増えればいいッスねぐへへ


【一休さん@一休さん】
[状態]:全身に相当数の負傷。(ただし、少なくとも手足の欠損はなし)
    (具体的なダメージの程は後の書き手さんにお任せします)
[装備]:女児用スクール水着、ピンクのバスタオル
[道具]:エルルゥの薬箱の中身(カプマゥの煎薬(残数3)、 ネコンの香煙(残数1)、紅皇バチの蜜蝋(残数2)) @うたわれるもの
   シャインセイバー(サモナイト石・無)@サモンナイト3
   モンスターボール@ポケットモンスターSPECIAL クロウカード「剣」@CCさくら(カード状態)、
   体操着袋、教科書数冊、チョーク数本、100円ライター 、濡れた着物と体操服
[思考]: ………………。
第一行動方針:???(気絶中)。
第二行動方針:ブルー達から逃れる?
第三行動方針:これまでに遭遇した人々の誤解を、どうにかして解きたい。
第四行動方針:どこかで食料を確保したい。
第五行動方針:余裕があれば、森にでも骨格標本を埋葬し供養したい。
基本行動方針:ゲームをうまく脱出する。
[備考]:
体操着袋に細かい荷物を入れています。
ブルーを不思議な力(スタンガン)を持った神仙または学術者の類と思っています。

[備考]:ニケと一休は、まだ放送直前の段階です。



59 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/20(木) 18:44:21 ID:VF19TtEo
 

60 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/20(木) 18:44:31 ID:nw0O2sZ0


61 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/20(木) 18:45:09 ID:Fsi9L96B
 

62 :遥かなるワイミーズハウス(中編) ◆sUD0pkyYlo :2007/12/20(木) 18:45:17 ID:dd/DyviW

        *     *     *

――唐突に放送が始まり、そして終わった。
体育館の冷たい板張りの床の上、不気味な人形を抱えて座り込むブルーは、1人その内容を反芻する。

(レッド……死んじゃったんだ……)

ずいぶんあっけないものだな、と思う。そして、涙も出ない自分の薄情さに半ば呆れる。
ライバルであり、対立したこともあり、そして共にいくつかの修羅場を潜ったこともある仲間。
半ば覚悟していたこととはいえ、もう少し感情も乱れるのではないか、と思っていたのだが。

「ケケケッ。ドウシタ? 知人デモ死ンダカ? ケケケッ!」
「……そういうあんたはどうなのよ」
「1人、居タナ。アノボーヤガ殺サレテ、サテ御主人ハドウ動クカナ。俺ニモ全然読メネェ」

ブルーに抱えられた人形が、それしか感情表現を知らないとでも言うように、小さく笑う。
メロの初期支給品の1つにして、参加者の1人・エヴァンジェリンの従者であるという、生きた人形――。
最初は『あく』ポケモンの一種かとも思ったが、どうやら違うらしい。
不気味な存在だが、しかしこんなものまで「支給品」として配られているとは驚きである。
なら、もしかして、彼女が手塩にかけて育て上げたポケモンたちも誰かに支給されているのかも……?!
カメックスの『カメちゃん』がどこかに居るなら、合流できれば立派な戦力になる。
プリンの『ぷりり』や、メタモンの『メタちゃん』が居るなら、戻ってくれば様々な奇策が可能になる。
いや、自分が育てたポケモンでなくてもいい。何か使えるポケモンがあれば、きっと……

(……って、なに私は「イヴの次」のことなんて考えてるのよ! まだ死んでないっていうのに……!)

ブルーは首を振る。
あの爆発と倒壊に巻き込まれてしまったら、いくらナノマシンを使えるイヴでもタダでは済むまい。
放送で名前が呼ばれなかった以上、まだ生きてはいるのだろうが……今までのような戦力として使えるかどうか。
残念ながら、かなり怪しいと見るしかない。
いずれイヴのことは使い捨てるつもりではあったが、それにしても早すぎる。

「……それにしても、遅いわね」

頭上のバスケットゴールを見上げながら、ブルーはボヤく。
ここまで彼女を連れてきたメロは、チャチャゼロを押し付けると、1人さっさと探し物に出かけてしまった。
体育館の建物の端の方。トイレや倉庫、教官準備室などがある一角。
きっと救急箱でも探しているのだろうが、にしては時間がかかるな、とブルーが思った、その矢先。
ようやく戻ってきた足音に振り返ったブルーは、思わず絶句する。

「な……なによ、それ」
「なんだ、バットも知らないのか? ま、この島には色んな奴がいるようだから、知らなくてもおかしくないか。
 野球という球技で使う道具でな、本来は小さな球を打つための物だが、鈍器として使うこともできる。
 そこの倉庫に転がってたんでな、ちょっと拝借してきた」
「そ、そういう意味じゃないわよ! なんでバットなんて持ってるのよ! 救急箱はどうしたの!?」

面白くもなさそうな表情を浮かべたまま、メロは淡々と答える。1人ではロクに動けないブルーに歩み寄る。
嫌な予感がする。ブルーの額に滲む汗は、骨折の痛みのせいばかりではあるまい。
そんな彼女に、メロはまるでなんでもないことのように言い放つ。

「なに、これはちょっとした用心だ」
「ど、どういうことよ!?」
「どうもこうも、お前、この殺し合いに『乗って』いるんだろう? ならこの程度、当然の用心さ」

        *     *     *

63 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/20(木) 18:46:19 ID:nw0O2sZ0


64 :遥かなるワイミーズハウス(中編) ◆sUD0pkyYlo :2007/12/20(木) 18:47:00 ID:dd/DyviW

そう、メロはブルーの吐いた苦し紛れの嘘など、全て見通してしまっていたのだ。
ニケはすっかり信じてしまったようだが、メロにはそんな陳腐な手は通用しない。

最初の違和感は、高町なのはと「誤解から」戦闘になってしまった、という部分。
この説明からしてまずおかしい。
一番大事な、いったい何がどうなってどういう誤解が生まれたのか、という最重要部分が欠落している。
高町なのははニケの仲良しごっこの一員だった人物だ。基本は「善人」であるはずだ。
そんな彼女に敵だと見なされ襲われたなら、それに見合う「何か」があったはず。
それこそ、そう――他の参加者を殺した決定的な証拠があった、などの理由が。

そして次に、支給品による移動の件。
仮にこれが、転移した後たまたま近くに学校が見えて、近づいてみたら危険人物に襲われた、なら分かる。
炎上する学校は目立つし、それに惹かれて近づく者もいるだろう。
けれどもブルーの説明によれば、「転移した直後に息つく間もなく」誰かに襲われた、というのだ。
普通に考えて、完全にランダムな移動で、ちょうど他の人がいる場所に到着する確率がどれだけあるのか。
支給品の効能の説明に偽りがあった、と考えた方が遥かに自然だ。

またいかに殺人狂であっても、唐突に誰かが飛んでくれば、普通はその経緯に興味を持つ。
問答無用で襲い掛かるような奴はまずいない。
いるとしたら、相手が危険人物であると既に分かっている場合のみだ。
交戦までしておいて、その相手のことを「よく覚えていない」、というのはあまりに不自然だ。
それはつまり、ブルーの側に説明したくない理由があるということ。

つまり、真相は――

「お前たちは、自分の撒いた種のせいで高町なのはに襲われた。
 そして高町なのはを傷つけたくないからではなく、劣勢になって危険を感じたから、逃げ出した。
 支給品の機能は『ランダムに移動』ではなく、『誰か他の参加者の所に移動』。
 もちろん、この学校に飛んできて、襲い掛かったのはお前たちの方だ。
 移動の標的にしたのは既に知っていた相手……それも、一度何かでトラブルを起こした相手。
 最後の、戦闘が始まってから爆発で終わる所だけが本当だろう?」
「な……なんで、そんな……そんなことまで……!」
「図星か。やれやれ、分かりやすい奴だな」

メロは呆れたように溜息をつく。
実のところ、この推理は半分あてずっぽうだ。語りながら相手の反応を見て修正するつもりだった。
けれどもその必要すらなかったわけで。あまりに一方的な結果に終わった知恵比べに、チャチャゼロが笑う。

「ケケケッ。ソレヨリ、メロ。サッサト殺ッチマオウゼ? 最初ッカラ、ソノツモリナンダロ?
 コイツデ2人目ダ。『ご褒美』ハ近イゼ?!」
「殺るって……2人目って、まさかあんた……!」

ブルーは己の迂闊さを呪った。メロと2人きりになってしまった自分を呪った。
ニケとメロが一緒に行動していたから、すっかり油断してしまっていた。けれど、少し考えれば分かること。
自分だって廃病院や工場では集団の中に隠れていたのだ。
徒党を組んでいることは、殺し合いに乗っていないと判断する理由にはならない!

咄嗟に彼女は現状を再確認する。
手元にある武器は、マフラー状態の風の剣のみ。
身体中ボロボロで、手当ても受けていない状態でどうにかなるものだろうか。不意をつけばなんとか……!?
考えを巡らせるブルーの前で、しかしメロは意外なことを言い出した。

「いや、チャチャゼロ、殺すつもりならいつでも出来た。だが、話によっては生かしておいてもいいかと思ってる」
「え……?」
「ブルー、お前は何が出来る? イヴとは別に、お前自身にはいったい何が出来る?」

65 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/20(木) 18:47:01 ID:Fsi9L96B
 

66 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/20(木) 18:47:42 ID:nw0O2sZ0


67 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/20(木) 18:47:53 ID:VF19TtEo
 

68 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/20(木) 18:48:00 ID:YQHvuVjf


69 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/20(木) 18:48:04 ID:Fsi9L96B
 

70 :遥かなるワイミーズハウス(中編) ◆sUD0pkyYlo :2007/12/20(木) 18:48:10 ID:dd/DyviW

        *     *     *

確かにブルーは怪我をしている。見たところ、武器らしい武器も持っていない。
今なら殺すことも容易い……はず。
けれどこれは、メロにとっては同時に好機でもあるのだ。

つまり、夢の中でのLたちと話で思いついた、「マットのような仲間」を獲得する絶好のチャンス。

既に殺し合いに乗っているなら、殺人や悪事に対する反発も少ないのだろう。
神社で会ったニケ一行のような、ヌルい連中とは一味違うということだ。
それでいて、今ならメロに襲い掛かる力も無い。精神的な意味でも、メロに散々に叩きのめされた後である。
こんなチャンス、めったにあるものではない。

先ほどの放送でも、37人もの人間が呼ばれていた。厄介に思っていた江戸川コナンの名も含まれている。
それはいいのだが、それにしても予想以上に進行が早い。
こちらの頭数が減ったことで、ジェダの側の監視も厳しくなる。簡単に殺せるような弱者も、残り少ないことだろう。
ならば多少迂遠になっても、当初の計画を変更する潮時なのかもしれない。

もしもブルーに、何らかの優れた能力があって、本人にもその意志があるなら、メロの片腕にしてやってもいい。
彼女の負った怪我は確かに軽くないが、それを言うならメロだって左手が自由にならないのだ。
しかし、もしもブルーに大した能力が無いのなら。もしもブルーにその気が無いのなら。

どうせここでブルーを殴り殺したところで、ニケやイヴはいくらでも言いくるめられるのだ。
上手くチャチャゼロが口裏を合わせてくれれば、直接その犯行を目撃されない限り、なんとでもなる。
余裕たっぷりなメロに、ブルーが噛み付くように問い掛ける。

「あなたは……何を考えてるの!? いったい何をするつもりなの?」
「メロ、俺モ聞キタイナ。イッタイ、何時ノ間ニ考エヲ変エタンダ?」
「さっきの放送で状況が変わった。ただでさえ部下に乏しいジェダが、リリスという手駒まで放出してしまった。
 となれば……俺たちが『ご褒美』を届けに来たQBをブチ殺してしまえば、ジェダは相当『困る』はずだろう?」

ニヤリ。メロの顔に不敵な笑みが浮かぶ。
ジェダの弱みは『組織力』。貧弱極まりない部下たちの存在。
ならば、『ご褒美』を届けにノコノコと出てきたQBを締め上げ、情報を搾り取った上で殺してしまえばどうなるか。
ただでさえ少ない手下を減らされたジェダは、途端に困るだろう。大いに動揺するだろう。
そうなれば、その動揺につけこんで、さらなる攻勢に出ることが出来るかもしれない。
ジェダへの反抗を大きく進めることが出来るかもしれない……!
例えてみれば、キラを困らせるために、信奉者の高田清美アナを誘拐する計画と同じような発想。
とはいえ残念ながら、今のメロ1人ではQBを倒すことなど到底不可能。
その意味でも、手を血で汚す覚悟を持つ協力者が必要になってくる。

「……さぁ、俺からの説明はここまでだ。
 俺の質問に答えろ。お前の価値を示してみろ。示せるモノが何も無ければ、お前はここで殺すことになる」

(さあブルー、お前はどう答える? この場で何も言えないようなら、どのみち使い物にはならないぞ?)

メロはそして、ブルーの鼻先にバットを突きつけたまま、彼女の回答を待った。


71 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/20(木) 18:49:30 ID:nw0O2sZ0


72 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/20(木) 18:49:36 ID:VF19TtEo
 

73 :遥かなるワイミーズハウス(中編) ◆sUD0pkyYlo :2007/12/20(木) 18:49:43 ID:dd/DyviW


【D−4/学校・体育館/1日目/夜】

【メロ@DEATH NOTE】
[状態]:軽い打ち身と掠り傷。顔に無数の殴打傷。左手の小指と薬指欠損。
    左肩に刺傷(殆ど感覚がないが無茶をすれば何とか動く程度)(以上は全て応急処置済)
[装備]:賢者のローブ@ドラクエX(上半身裸)、バット
[道具]:基本支給品*2(ランドセルは青・食料少し減)、ターボエンジン付きスケボー@名探偵コナン(やや不調)
   バカルディ@ブラックラグーン、銀の銃弾14発、シルフスコープ@ポケットモンスターSPECIAL、
   蝶ネクタイ型変声機@名探偵コナン、リリスの食料と飲み掛けの飲料水
[思考]:さあ、どう答える?
第一行動方針:ブルーが役に立つ仲間になるかどうか見極める。ならないようなら殺害数の1つにしてしまう。
第ニ行動方針:『マットのような仲間』を得る。
第三行動方針:『ご褒美』の権利を獲得し、QBを呼び出し、情報を得た上で殺してジェダを困らせる。
第四行動方針:どうでもいいが板チョコが食べたい。どこかで手に入れたい。
基本行動方針:ニアよりも先にジェダを倒す。あるいはジェダを出し抜く。
[備考]:ターボエンジン付きスケボーは、どこか壊れたのか、たまに調子が悪くなることがあります。
バカルディと飲み掛けの飲料水は、リリスが口をつけたため弱い催淫効果を持っています。

【ブルー@ポケットモンスターSPECIAL】
[状態]:全身に骨折、打撲、擦過傷等多数。ワブアブの効果で筋力低下中
14歳モード、イヴを完全に支配したと思い込み慢心気味
[服装]:フェイトの普段着(微妙にサイズ合ってなくてヘソが見えてる&胸がキツキツ)
[装備]:風の剣(マフラー状態)@魔法陣グルグル、チャチャゼロ@魔法先生ネギま!
[道具]:支給品一式(食料少し減)、支給品一式×2[フェイト][光子郎]、
     チョークぎっしりの薬箱、年齢詐称薬(赤×3、青×3)、G・Iカード(『聖水』)@H×H、
     Lのお面@DEATH NOTE、マジックバタフライ@MOTHER2
[思考]:私の、価値……!?
第一行動方針:メロをなんとかする。自己アピールして取り入る? ニケに助けを求める? 風の剣で戦う?
第二行動方針:とにかく、怪我を手当てしたい
第三行動方針:一休の生死が気になる。生きているなら、出来れば殺しておきたい
第四行動方針:イヴが生きていてまだ利用価値があるようなら、今後も上手く利用
第五行動方針:フェイトの知り合いと遭遇してしまう前に、どこかで適当な服を手に入れておく。
第六行動方針:グリーン、イエローのことが(第四行動方針に矛盾しない程度に)心配
基本行動方針:生き残るためには手段を選ばない。元の世界へ生きて帰還する(手段は問わない)
[備考]:
イヴの心変わりに気付いていません。イヴが学校から離れてしまったことにも気付いていません。
今でもイヴは自分に心酔し、命を投げ出してでも守ってくれるものとばかり思っています。

[備考]:
 現在、チャチャゼロはブルーが抱えています。



74 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/20(木) 18:51:37 ID:Fsi9L96B
 

75 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/20(木) 18:51:49 ID:nw0O2sZ0


76 :遥かなるワイミーズハウス(後編) ◆sUD0pkyYlo :2007/12/20(木) 18:51:54 ID:dd/DyviW

        *     *     *

「……ふぅ」

沈み行く夕陽が横から差し込むタワーの展望室で、ニアは軽く頭を振って顔を上げた。
少しの間、空想に耽ってしまっていたようだった。
時計を見れば、ボーッとしていた時間は数分足らず。
しかしその短い間に、この12時間ぼんやりとまとまらなかった思考が一気に集束した、そんな感触がある。
Lの幻に感謝だ。それに、悔しいけれどもメロの幻にも。
そういえば現実のメロは大丈夫だろうか。まあ、そう簡単に死ぬとは思えないのだが。

「それにしても、弥彦の帰りが遅すぎますね。何かトラブルでも……?」

何か事件にでも巻き込まれたか、首輪や工具が見つからないか、あるいは……眠り火の催眠が解けたか。
何にせよ、状況が芳しくないのは確かだ。ニアは彼らしくもなく反省する。

夢の中でLたちと話し合った今なら分かる。
これは結果論になってしまうかもしれないが……弥彦に対するあの対応は、明らかにミスだった。
弥彦を怒らせるべきでは無かった。
あそこで眠り火を使うべきではなかった。
慌てて首輪確保に向かわせるべきではなかった。
譲歩してでも弥彦をあの場に留め置き、他者との対処を任せるべきだった。
死体からの首輪回収より、仲間を増やすことを優先するべきだった。集団作りを先に考えるべきだった。
きっとLなら、こんなミスは犯さなかったに違いないのだが。

「私もまだまだ、ということですね…………ん? あれは?」

自嘲気味に、何気なく窓の外を眺めたニアは、そして驚きに凍りついた。
西の方から――正確には北西の方から、何かが飛んでくる。
弾丸のように飛んでくるその影は、見る見るうちに大きくなってくる。
それは人影。翼の生えた人影。
翼の生えた人物が、もう1つの人影を抱えるようにして、飛んでくる――真っ直ぐに、タワー展望室に向かって。

「…………!!」

マズい、と思っても逃げ場も無い。エレベーターは動いていない。
空を飛べる相手を前に、非常階段に出るのも良い手とは言えない。
展望室の中には、隠れる場所すらほとんど無い。考える時間すらほとんど無い。

十数秒後、そのまま向かってきた影は、展望室の窓を突き破り、ニアと同じフロアの中で急停止した。

77 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/20(木) 18:51:58 ID:iwZM3zUJ
 

78 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/20(木) 18:52:42 ID:Fsi9L96B
 

79 :遥かなるワイミーズハウス(中編) ◆sUD0pkyYlo :2007/12/20(木) 18:53:01 ID:dd/DyviW

        *     *     *

派手な音と共に巨大なガラスが砕け散る。
ドリルのように変形した翼が2人の身体を包み、ガラスを破ると同時に破片から守る。
翼が開き、転がるように姿を現したのは、1人の少女と1人の青年。

「――とうちゃ〜〜く!」
「油断するな、リリス! 待ち伏せされているかもしれないんだぞ!」

呑気なリリスの声と、鋭いグリーンの声。
豚化も解けたグリーンは、鞭を片手に周囲を警戒する。
……ざっと見た限り、誰もいない。

「……人の気配は無し、か。ネギとかコナンとかいう奴らが待っている様子もない……」
「ねっ、ねっ、これからどうするの? グリーン、次は何するの?」
「上には居ないようだが、下の方も調べておくべきかな……。
 向こうも首輪集め競争に乗るような連中だ、用心はしておいた方がいい」

グリーンは少し考える。
高町なのはとの遭遇からしばらくして、元の姿に戻ったグリーンが提案したのが、タワーへの直行だった。
首輪集めは遅々として進んでいない。未だに1つだって手に入れていない。
このままでは、ネギやコナンに家来にされてしまう恐れがある。向こうが1つでも手に入れていたら終わりだ。
しかし時間は早くも18時に迫っており、今さら誰かを襲っても間に合いそうになかった。

そんな状況下で、グリーンがリリスを守るために考えたのが……
詭弁の利用、だった。
首輪集め競争は、実のところ曖昧な条件で始められている。
待ち合わせの時間も場所も、「夕方6時にタワー」というだけ。
タワーのどこで待ち合わせるのか、とか、約束の時間に遅れたらどうなるか、などの細部はつめていない。
ならば、いくらでも屁理屈を捏ねる余地はある。
例えば、1分でも遅れたら「間に合わなかったんだからそっちの負け」と主張してもいい。
例えば、タワーの入り口で彼らが待ってたら、「待ち合わせはタワーの中ってことだよ」と主張してもいい。
例えば相手が既に着いていて時間に余裕があれば、リリスの暴力で奪ってしまってもいい。
奪っておいて、「約束したのは6時の時点での手持ちの首輪の数だ」と主張してもいい。

もちろんこれらは、グリーン本来の性格からすればあまり望ましいとは言えない方法だ。
だが、他に方法があるかと言われると考え付かない。あまりに時間的余裕がない。
約束を放棄して知らんぷり、という手を取らないことが、せめて最後に残った僅かな良心だ。

と、その時。

『 ――――穢れ無き魂を持つ幼子達よ。久しいな。 』

「あ、ジェダ様!」
「もう始まったか。
 リリス、名簿と地図を……いや、ランドセルごとこっちに貸してくれ。必要なことをメモしておく」

西の水平線に太陽が沈みきると同時に始まった、定期放送。
グリーンはひとまず、その内容に集中することにした。

80 :遥かなるワイミーズハウス(後編) ◆sUD0pkyYlo :2007/12/20(木) 18:54:07 ID:dd/DyviW

        *     *     *

そして、そんな展望室の片隅で。

(これは……厄介なことになりましたね)

壁に貼りつくようにして、息を潜める人物が1人。ニアだった。
リリスたちが突っ込んできたあの時、逃げ場は無いと悟った彼は、咄嗟にメタちゃんを使って隠れたのだ。
キルア・太一組に使ったのと同じ、壁への『へんしん』。これが有効な手であることは既に分かっている。
そうして壁の陰に隠れて、ここまでの一部始終を聞いていたのだ。
幸い、グリーンもリリスもまだ気付いた様子はない。

(それにしても、何故リリスがここに……? それに、グリーン、ネギ、コナンという人名。首輪集め競争……。
 やれやれ、待ち合わせならよそでやって欲しいものです)

心の中で愚痴っている最中にも、放送は進んでいく。
なんでも1時間後にはこのエリアも禁止区域になるという。そして、37名もの死者。
タワーのエレベーターが止まった状態でのこの仕打ちは、まさに命に関わる。殺し合いの進行スピードも早い。
最後になって遅ればせながらも伝えられたのは、リリスの参戦とその経緯。

(どうやらジェダは、気紛れなリリスをコントロールすることも出来ないようですね。
 やはり、ジェダの一番の弱みは『組織力』。そして……!)

降りられないタワーは禁止区域に指定され、偽りの壁1枚挟んだ向こうには好戦的な参加者。
絶体絶命の窮地にあってなお、ニアの思考は止まらない。
この程度のピンチ、大したことはない。キラの信奉者にアジトを囲まれた時より、ほんのちょっと悪い程度だ。
それよりも。

(そして、もしこのリリスを私の陣営に引き込めたら、かなりのアドバンテージを得ることができる……!)

もしもそれが出来たなら、情報・戦力の双方の面で大きな利益を手にすることになる。
タワー展望室からの脱出だって、さっきの飛行能力があれば簡単だ。
Lキラとの戦いの中で日本警察の内通者を得た時と同じ、あるいはそれ以上の利益が待っている。

ニアはメタちゃんが変身した壁越しに、2人の様子に耳をそばだてる。
リリスは相変わらず子供っぽい発言に終始しているが、一緒にいるグリーンという青年はけっこう理性的な様子。
理屈詰めで話を進めれば、攻略できない相手ではないと見た。

手の中にあるのは、眠り火と館内放送用のマイク。使えるものはメタちゃんと自分の知恵。
唯一のアドバンテージは、相手がまだニアの存在に気付いていないこと。ニアの側から仕掛けられること。
さて、この材料でどう『戦う』べきか。ニアは作戦を考え始めた。


81 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/20(木) 18:54:07 ID:VF19TtEo
 

82 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/20(木) 18:54:20 ID:nw0O2sZ0


83 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/20(木) 18:54:37 ID:Fsi9L96B
 

84 :遥かなるワイミーズハウス(後編) ◆sUD0pkyYlo :2007/12/20(木) 18:55:10 ID:dd/DyviW


【B-7/タワー内展望室/1日目/夜】

【ニア@DEATH NOTE】
[状態]:健康
[装備]:メタちゃん(メタモン)@ポケットモンスターSPECIAL(壁に「へんしん」中)
[道具]:基本支給品、モンスターボール@ポケットモンスターSPECIAL、
    眠り火×9@落第忍者乱太郎、タワー内放送用マイク
[思考]:さて、どう
第一行動方針:リリス、グリーンを利用してタワーから脱出する。出来ればリリスたちを部下に加える。
第二行動方針:首輪を持っているはずの弥彦と合流し、首輪の解析を試みる
第三行動方針:メロまたは、ジェダの能力を探る上で有用な人物と接触を図る
基本行動方針:他の参加者を上手く利用し、殺人ゲームを阻止する
[備考]:カツオのことを「のび太」という名で誤って認識しています。
[備考]:ニアはメタちゃんで作った壁の陰に隠れています。現時点では、グリーンもリリスも気付いていません。


【グリーン@ポケットモンスターSPECIAL】
[状態]:リリスにメロメロ、中程度の疲労と消耗、体の数箇所に怪我、
    腹部打撲(内臓や骨を損傷しているおそれ有)、高町なのはに対する憎悪
[装備]:ナインテールキャッツ
[道具]:支給品一式(食料は無し・リリスのもの)、魔女の媚薬@H×H、はりぼて首輪
[思考]:レッド、死んだのか……!? それに、ネギやコナンも……。ここも禁止区域になるし、どうするか……。
第一行動方針:放送内容を詳しく検証し、今後の行動方針を再検討する。
第ニ行動方針:早急にリリスと今後の戦闘方法について話し合いたい。
第三行動方針:リリスを首輪の束縛から解放してやるために、首輪解除方法の模索は継続して行う
第四行動方針:ブルー達は……まあ、大丈夫だろう。リリスが許してくれたら探してみようか
基本行動方針:リリスのために何でもする。対主催、首輪解除方法模索のスタンスは継続


【リリス@ヴァンパイアセイヴァー】
[状態]:グリーンにメロメロ。肩口に掠り傷。右足と左腕にレーザー痕。
疲労(中)。精神的疲労(大)。喪失と痛みに対する恐怖(?)
[装備]:なし
[道具]:なし
[思考]:えー? ネギもコナンも死んじゃったのー? せっかく手下が出来ると思ったのに!
第一行動方針:グリーンが何か次の行動を考え付くまで待つ。彼を守る。
第ニ行動方針:グリーンと一緒に獲物を狩り、遊びを楽しむ
第三行動方針:3人抜きしてご褒美でグリーンを治療する。
基本行動方針:優勝してご褒美でグリーンを手に入れる? それとも、グリーンと共にジェダに反抗する?
[備考]:コナン&ネギと殺害数を競う約束をしています。待ち合わせは18時にB-7のタワーです。
   ジェダに反抗してでも想いを通す、という選択肢に思い至りました。
   現在、忠誠心とグリーンへの想いの間で揺れ動いている状態です。

[備考]:グリーンはリリスの体液の催淫効果によって、リリスは魔女の媚薬によって、
   ともに相手にメロメロな状態にあります。
   ちなみに、魔女の媚薬の効果は制限下で6時間程度。そろそろ切れてきてもおかしくない時間帯です。
   どちらの効果が先に切れるかは、後続の書き手のかたにお任せします。

[備考]:リリスとグリーンは、日が落ちる寸前、窓を突き破ってタワーの展望室に突入しました。
     展望室の窓が破れているのが下からも見えるかもしれません。
[備考]:タワーのエレベーターは、2機とも緊急停止状態で動きません。

85 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/20(木) 18:55:41 ID:nw0O2sZ0


86 : ◆sUD0pkyYlo :2007/12/20(木) 18:55:55 ID:dd/DyviW
以上、投下完了。支援感謝です。
途中「後編」を1箇所「中編」にしてしまった……orz

メロはブルーを仲間にするかどうか値踏み中。ニアはリリスたちをどう攻略するか考え中。
メロの方はニケたちがどう動くか、ニアの方は他の参加者がどう動くかでまた変わってくると思います。
なお、学校のプール脇のニケたちは、まだ放送を聞いた描写を入れていないので注意して下さい。
放送に対するグリーン・リリスの反応もボカしてあります。

指摘等ありましたら、よろしくお願いします。

87 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/20(木) 18:56:14 ID:Fsi9L96B
 

88 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/20(木) 18:58:31 ID:iwZM3zUJ
投下乙です
ものすごいヒキですね

ニアとりあえずそいつらは止めとけ

89 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/20(木) 19:04:05 ID:YQHvuVjf
GJ!投下乙です。
二アとメロの思考にしびれました。さすが頭脳派
すごく面白かったです。やっとですの勢の活躍が!

しかし二ケが見つけるのはスク水坊主なんてww

90 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/20(木) 19:07:25 ID:Fsi9L96B
GJ。最初のほうのL、ニア、メロの会話が実にいい。
筋道立てて思考が整理されてたから、最期のニアとメロの行動に至極納得させられました。
うん、こいつらならこうに動くわw ここに来ていろんな要素が絡まり始めたなー、続きが気になる。

91 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/20(木) 19:10:01 ID:QWm/+GdV
ワイミーズハウスの議論は静かに熱かったな。
たまにあるこういう話は実に面白い。かっこいいよメロ&ニア。

が、メロ&ブルーがニケを置いて更衣室から離れた所で噴いた。
離れるな、離れるなそこ! 面白くなっちゃうだろ!?


あと、ちょっとしたミス指摘。

>>51
イヴの非難の声に、メロは軽く吐き捨てる。
実のところ、左肩の傷は既に手当てがしてある。無理をすれば多少の力仕事くらいできるだろう。
だがその「無理」をしてやる義理がない。

※:ブルーの間違いと思われる。

>>84
【ニア@DEATH NOTE】
[状態]:健康
[装備]:メタちゃん(メタモン)@ポケットモンスターSPECIAL(壁に「へんしん」中)
[道具]:基本支給品、モンスターボール@ポケットモンスターSPECIAL、
    眠り火×9@落第忍者乱太郎、タワー内放送用マイク
[思考]:さて、どう
第一行動方針:リリス、グリーンを利用してタワーから脱出する。出来ればリリスたちを部下に加える。

※:『さて、どう』で切れてる。

92 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/20(木) 19:11:10 ID:nw0O2sZ0
GJ。クセ者たちが跳梁跋扈する様は楽しい。
状態票見て思ったんだがグリーンって対主催だったんだな。リリスも今は中立、と……
ぐあー、本当に複雑な人間模様だな。それが素晴らしい。
メロもニアも単純な対主催ではないが、この考察はさすがアルファベットの一員というべきか。

ニケは一休にもセクハラを働いてスケベ大魔王のレベルを上げるのだろうか……いや流石に坊主は……

あと一つ。
>>51で「イヴの非難の声に」となってますが、これはブルーの間違いだと思います。

93 : ◆sUD0pkyYlo :2007/12/20(木) 19:12:06 ID:dd/DyviW
>>91
あうっ。指摘感謝です。
確かにそこはブルーです。ニアの思考欄も尻切れトンボでした。wiki収録時にでも直しておきます。

94 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/20(木) 19:12:50 ID:YQHvuVjf
二アはほんと期待を裏切らないぜ
そいつらもうすぐ薬切れるよー……

95 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/20(木) 19:15:19 ID:iwZM3zUJ
>>94
なんて面白そうなw

96 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/20(木) 19:38:07 ID:EwmThgN5
GJ! 二人の考察が見事。いやもう、ホント凄いなぁ。
なんか応援したくなってきたよ、この二人。
相互洗脳バカップルも乙。このままラブラブでいて欲しいものだが…
シャナもそのまま首輪持って来てたら、二人を手下にできたのにねww

97 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/20(木) 19:40:45 ID:L9Jyaqpl
投下乙です
ニケ逃げてー!w

リリス&グリーンを口説き落として仲間にしようだなんて考えるのニア位だろうな
メロとブルーにもwktk

あと「イヴの非難」云々を読んで咄嗟にブルーが偽名を使ったのかと思っちまったぜ

98 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/20(木) 19:44:13 ID:hXC6LNHz
>>92
昔の坊主はその気の人が多かったらしいから最悪の事態もありうるかもしれんwww

99 : ◆o.lVkW7N.A :2007/12/20(木) 19:59:36 ID:3Xq7UpkL
投下GJ!前半の考察が筋道だっていて、とにかく論理が緻密で凄い……。
ニアとメロの今までの思考・言動がきっちり理由付けられていて、流石だと思いました。
今まで「腹立つわー」と思っていたニアに対しても、ちょっと愛着が沸いたし。

ただ、チャチャゼロが「こいつで二人目だ」と言うのに違和感を感じたんですが、
メロ達はコナンの死が自分以外の手によるものだと想像してるんでしょうか?
まあ、校庭の墓とか見れば予想がつきそうではありますが……。


そして、今更ですが自分の予約を撤回させてください。
一週間もキャラを拘束した上、勝手な都合で破棄してしまって申し訳ないのですが、
どうしても納得いくものが書けそうに無いので…。
本当にすみません。他の書き手さんにも迷惑かけてしまってごめんなさい。

100 : ◆sUD0pkyYlo :2007/12/20(木) 20:02:43 ID:dd/DyviW
>>99
あ……。
すいません、そのあたり後日、修正スレで差し替えたいと思います>2人目発言
確かにボカしておいた方が面白いですし、校庭の墓も確認していませんし。
指摘に感謝です。

そして報告御苦労様です。めげずに次頑張って下さい。

101 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/20(木) 20:15:44 ID:C3Z6+H21
既に絶賛されてるけど、前編のワイミーズハウスの議論シーンが見事だなあ。
対比構造が非常に上手く、引き込まれました。それぞれのパートの引きも気になるなあ、超GJ

ところで>>51で一箇所ブルーがイヴになってると既に指摘されてますが、そのもう少し下
>その『危険人物』が何者なのか、イヴは『知らない』という。
ここも多分、イヴでなくブルーなのではないかと思われます。
あとさらにその下で、イヴが「イブ」になってるところがありましたので、ついでに報告しときます。

>>99
ドンマイです、次の機会に期待します。

102 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/20(木) 20:17:36 ID:C3Z6+H21
あ、すいません。
読み返したら、応戦したイヴが「知らない」と言った流れのようなので、ここはイヴで正しいですね。
失礼しました。

103 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/20(木) 20:19:14 ID:5QB7oZiU
しかしあれだな、ブルーは風の剣持ってんだな。
ニケは惜しいことをした。丸腰で男●で犯しますと遭遇したらやばいぞ。

104 : ◆sUD0pkyYlo :2007/12/20(木) 20:19:54 ID:dd/DyviW
>>101-102
……いえ、やっぱりそこもブルーのようです。というかブルーの方が自然です。
いったい幾つ書き間違えてるやら。指摘感謝です。

……ワイミーズハウスで力尽きてたのかなぁ orz 何度も見直したはずなんだけど orz

105 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/20(木) 20:22:59 ID:+cMAm0sG
投下乙!そしてGJ!
ワイミーズハウスでの3人の議論は非常に面白かった。
ニアとメロがLの後継者だったってことを思い出させてくれましたw

チャチャゼロの「ニ人目」を指摘しようと思ってたら、先にo.氏に言われてたり……

>>o.氏
了解です、また次の機会に頑張ってくださいな。

106 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/20(木) 21:27:45 ID:P8YNYUu8
新作乙!
デスノ勢が輝いてるなー
ニアに関しては最後の輝きにならなければ良いんだがwwww
一休も変態耐性が高いニケとならまともなコミュニケーションがとれるかもな

>>103
隠す気無いだろwwww

107 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/21(金) 07:39:14 ID:Jbdd7NlE
GJ
前半の議論がいいなぁ
考察が一気に進んだ感じだな
対称的な2人が印象的で魅せかたがうまいなー
ヒきが続きが気になる感じで憎い!

でも2人とも仲間の人選が微妙すぎるだろw
メロは寝首をかかれなくて良いかも知れないが、戦力はそれほどでも
ニア…お前の事はわすれないぜ

108 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/21(金) 08:19:13 ID:bdceFpnn
いつの間にかニアの死が前提になってるなぁw
まぁ、メロのほうは贅沢言ってられる状況じゃないしね。

てか2人が欲している仲間は
ニア:優秀で自分の言うとおりに動いてくれる人(マーダーだけどイヴが最も近い)
メロ:殺人を厭わず実力のある人(なのは様が最も近い)
だから、なかなか出会えないって(汗

109 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/21(金) 10:38:21 ID:Jbdd7NlE
メロの仲間で真っ先に思いついたのはキルアだったな
殺人に抵抗はないし、割り切れるし。
…当分会うことはないだろうけど。

逆にニアはまったく思いつかない
みんな命令されるの嫌いな奴らばっかだろw
王が動かないと、駒は動かないってルルーシュが言ってた

110 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/21(金) 13:19:57 ID:oscoqTYb
原作ではニアの回りはプロ意識のある大人ばかりだったからなあ
気の強いお子様ばかりでは…

111 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/21(金) 21:26:52 ID:KkIPHF4e
メロの方は何人か居るけど、ニアの求める人材はなかなか思いつかないなw
イヴは適正高いけど、イヴを平和的に運用しようとしたら即見放される気がするし。
トリエラとか可能性有るかもしれないが……位置が最悪な上に対主催キラーw

……………………一休さんとかどうか。

112 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/21(金) 21:58:25 ID:oscoqTYb
テストスレに投下がありましたよ

113 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/21(金) 22:02:08 ID:Soou504f
テスト投下乙。すまん、パタリロは自分もよく知らない。けど、今までのSSからパタリロならこういうだろうなとは思いました。
ちゃんとした感想は正式投下のときに。

114 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/21(金) 22:03:48 ID:oscoqTYb
むしろキルアのほうが…あの程度で崩れるかな

115 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/21(金) 22:24:29 ID:vrLZFg4k
パタリロは問題ないと思う。文章も読みやすくていいと思います。
でも、キルアが精神崩壊は行き過ぎかな?とは思いました。
前の話で、自分の責任で太一を死なせてしまったことをニアに責められても耐えていたので。
まあゴンと太一じゃ位置が違うのかな?最近のハンター読んでないからわからん

116 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/21(金) 22:33:33 ID:B3bqIuTG
テスト投下乙!
パタリロの台詞回しは彼らしいし文章も読みやすかったです。
ただ、既に言われてますがキルアの精神が崩壊するのは少し唐突すぎかと思いました。
「精神崩壊」ではなく「激怒」「冷静さを失う」「逆ギレ」あたりなら全く問題なくパタと敵対できるかと(パタリロは人を怒らせる天才)。
精神崩壊に説得力を持たせたい場合は「ゴンとの思い出」を強調した後パタリロに理論でコテンパンに捻じ伏せられる、といったような描写の追加が必要かと思います。

117 : ◆sUD0pkyYlo :2007/12/21(金) 22:36:59 ID:vN1bBWJx
とりあえず、昨夜指摘された部分を、簡単にですが修正スレにて修正しておきました。

118 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/21(金) 22:46:42 ID:Jbdd7NlE
テスト投下乙
やっぱり言われてる通りキルアかなぁ
キルア的にマーダー認定してるパタリロに言われても説得力がない感じ
お前が言うか!みたいな

119 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/21(金) 22:57:27 ID:vN1bBWJx
テスト投下乙です。
パタリロは実に「らしい」です。こういう攻め方しそうです。
そしてキルアの途中の反応も混乱も、実に「らしい」んですが……
呟きながら膝を付いた瞬間に「あれ?」と微妙な違和感を感じてしまいました。

……キルアの最終リアクションと状態をボカして貰えれば、
このまま面白い引きになりそうな気がします。
あるいは、「こういう崩れ方」をするなら、「もうちょっと先」まで書くとか。
パタリロ……この状態のキルアに「なんらかの対処」って、何する気なんでしょう。

120 : ◆cwyZig7Yqw :2007/12/22(土) 06:21:40 ID:Te7DHQem
指摘ありがとうございます。

うーん…キルアがおかしかったですか…。
ハンター読み直してキャラ再確認してきますorz
パタリロの方はあれでよかったようなら幸いです。
パタリロの知識は本当にほとんどなかったので……

指摘を元に修正してきます。間に合えば今日17時頃投下、間に合わなかったら予約を延長したいと思います。

121 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/22(土) 07:11:49 ID:HpdcIurw
修正の期限は定められていないので予約延長関係なくゆっくりどうぞ


122 : ◆H6tMn7KYPQ :2007/12/22(土) 14:39:44 ID:8gDFuIdA
すみません、とても今日中には書き終わらないです…
話の流れは決まっているのですが、我ながら文才の無さを思い知りました。
なので予約延長させて下さい。絶対に書き終えてみせますので…
本当にすみません

123 : ◆cwyZig7Yqw :2007/12/22(土) 16:02:00 ID:Te7DHQem
>>121
あ、そうなんですか。教えていただいてありがとうございます。

……どっち道17時までには間に合いそうもないんですが…。

124 : ◆r39666tJr2 :2007/12/22(土) 17:54:11 ID:Fu1DUibm
ベルフラウ、イエロー、金糸雀を7時ぐらいから投下します。
毎度、予約なしで申し訳ない。

125 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/22(土) 19:11:46 ID:Fu1DUibm
投下します。

126 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/22(土) 19:12:11 ID:HpdcIurw
 

127 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/22(土) 19:12:12 ID:lwF5vZ0F
 

128 :それぞれの道、だからこそ… ◆r39666tJr2 :2007/12/22(土) 19:13:24 ID:Fu1DUibm
森の中に響くのは小さな音。言葉になれなかったなり損ない。
意味のないそれが、ぽろぽろと金糸雀の口からこぼれ出す。

「ぁ……ぅ…」

金糸雀は気がつかない。

姉妹たちの名前で、思考を止めてしまった金糸雀は気がつかない。
ネギの名前が呼ばれたことに気がつかない。

「…ぁ……」

酸素を求める魚のように、口が動く。小さく息が吐き出されるだけで、何かを生み出すことはなかった。

『…――これにて放送を終了する』

放送が終わったことにも気がつかない。
ただ、脳を埋め尽くすのは名前を呼ばれた姉妹たちのこと。

「……しん、く?すいせい、せき……?」

呆然と名を呟く。
どうしてあの二人の名前が呼ばれた?
信じられなかった。いつも金糸雀を軽くあしらう真紅が、からかってくる翠星石が、死んだ?
金糸雀より何十倍もすぶとい、あの二人が?

「イ、イエロー……」

……。

「イエ、ロ……」

……。

「しん…、く、がすいせ、い…せきが…、たいへ…」

……!


動かない。目を開けない。反応しない。
何度揺すっても、目を開けない。こっちを向いてくれない。

(し、死んじゃったのかしら……?)

129 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/22(土) 19:13:42 ID:lwF5vZ0F
 

130 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/22(土) 19:14:19 ID:HpdcIurw
 

131 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/22(土) 19:15:04 ID:HpdcIurw
 

132 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/22(土) 19:16:16 ID:HpdcIurw
 

133 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/22(土) 19:16:35 ID:G9cXgFwZ
支援かしら〜

134 :それぞれの道、だからこそ… ◆r39666tJr2 :2007/12/22(土) 19:16:54 ID:Fu1DUibm
これが、死?
真紅も翠星石も、動かない?
話してくれない?一緒にTVも見れない?
遊んでくれない?

もう、会えない?

みんな、死ぬのかしら?真紅も翠星石もイエローも……カナも、雛苺も蒼星石も。


(……イエロー…、)

先ほど、治療をして生を確認したばかりだと言うのに金糸雀は思い出せない。
頭が容量不足で、正常な思考を維持できない。

殺し合いという極限状態。姉妹たちの死。
幼い精神は、それほどまでに疲労していた。

彼女が雛苺のように狂ってしまわないのは、なんの偶然か雛苺の存在だった。
雛苺は生きている。
名前を呼ばれていないし、何より先ほど姿を見た。

イエローが死んだ今、金糸雀の頼れる人は限られている。
同じローゼンメイデンの姉妹たちだけだ。

混乱する頭で、金糸雀は必死に考える。


(まだ、遠くには言ってないかしら?)

雛苺はお子様だ。
自分のように頭を使うことなど出来はしないだろう。今生きているのは、運が良かっただけに違いない。


思考より行動が先の金糸雀である。
ぐちゃぐちゃの頭の中で思うのは、少し前にみた金髪の後ろ姿。ただそれだけ。


ベルフラウが顔を上げた時、そこに金糸雀の姿はなかった。




【Eー4東部/一日目/夜】
【金糸雀@ローゼンメイデン】
[状態]疲労(極大)全身打撲及び擦過傷(行動にやや支障あり)
右腕欠損。精神混乱。
[装備]コチョコチョ手袋(片方)@ドラえもん、スケルトンめがね@HUNTER×HUNTER
[道具]支給品一式。イエローの衣服一式(少し湿っている)素昆布@銀魂
翠星石の如雨露@ローゼンメイデン、旅行用救急セット(消毒薬と針と糸)@デジモンアドベンチャー
[思考]雛苺……!
第一行動方針:雛苺に会いたい。
第二行動方針:今は第一行動方針しか考えられない。
基本行動方針:(基本行動方針は未だに定まっていない)
[備考]イエローが死んだと思っています。
翠星石までしか放送を聞いていません。
(金糸雀がどこに向かったかは次の書き手にお任せします)

135 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/22(土) 19:18:17 ID:G9cXgFwZ



136 :それぞれの道、だからこそ… ◆r39666tJr2 :2007/12/22(土) 19:18:23 ID:Fu1DUibm
「……何があったのかしら」


ベルフラウは金髪の少女の前に立っていた。
少女は深く気を失っているようで、ベルフラウに気がつく様子もない。
本来は二人組だった筈なのだか、その片方が見当たらない。

八神はやて、プレセア、実際に死ぬところを見ている人たちの名が呼ばれたことに、動揺してしまった。
ベルフラウが、放送に気を取られ目を離している間になにかがあったらしい。

罠か、と思ったが人形はいつまで立っても現れなくて、金髪の少女は本当に無防備に気絶している。少女は囮という訳でもなさそうだ。

状況だけ見れば、人形が少女を見捨てたという事になる。
でも、それは怪我をしている少女を運んだ人形の姿とは重ならない。見捨てる気なら、ここまで運んでこないだろう。

薬などを探しに行ったのか?こんな無防備な仲間を置いて?
それほど爆発した場所から、離れていないのに?

この僅かな時間で、動かなければならない事態が生じたのか。
放送で、知り合いが呼ばれた?
……これも推測でしかない。


プレセアは死んだ。あの不気味な人形に殺されたのか、怪我の回復が間に合わなかったのか、彼女らに殺されたのか。

その場にいなかったベルフラウは、分からない。
そして、少女の前に立っているベルフラウはこれからどうするべきか、分からない。


既に全体の三割程度の参加者が、命を落としている。多すぎる。
これは、ゲームに乗っている参加者が少なからず存在するという事だ。

自分の身、仲間の命を守るために危険な人は倒さなければいけない。
だが、ベルフラウに力はない。召喚術がなければ、身体能力はそれほどでもないベルフラウは無力な存在だ。

先ほどの、文字通りの死闘を見てしまってからそれを強く自覚する。
あの場の誰にも、ベルフラウは勝てる気がしなかったのだ。

(先生……、)

もう一度会いたい。もっと話したい。
教えてもらいたいことだって、たくさんある。
伝えたいことだって…!

(どうしたらいいのでしょう、先生)


ベルフラウの記憶に残る先生は、いつも笑っている。
先生なら、最善の答えを導き出せるに違いないのに!
あの島で、ベルフラウを導いてくれたように。

137 :それぞれの道、だからこそ… ◆r39666tJr2 :2007/12/22(土) 19:19:47 ID:Fu1DUibm
この少女が危険な人物だったら、何らかの対処をしなければならない。
―――本当にこの少女は危険?


ベルフラウは、誤解の虚しさを悲しさを知っている。
生み出された悲劇も。

138 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/22(土) 19:20:24 ID:HpdcIurw
 

139 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/22(土) 19:20:58 ID:G9cXgFwZ
支援!

140 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/22(土) 19:21:16 ID:HpdcIurw
 

141 :それぞれの道、だからこそ… ◆r39666tJr2 :2007/12/22(土) 19:22:59 ID:Fu1DUibm
考えて、考えて、
あ、とベルフラウは何かを思いついたように声を上げた。

(ちょうど良いものがありますわ)

その人の生き様を映す鏡。イリアに本来は与えられるべきものだったそれは、ベルフラウの手にあった。

これを使えば、少女がどんな人物か判断できる。
レミリアに持たされた、不思議な鏡。


(ごめんなさい。少しだけ、使わせてもらいますわ)

ここにはいない吸血鬼へ謝罪の言葉を述べる。
少女はいつ目覚めるか分からないのだから、急がなければならない。
後でレミリアに謝ろう、と心の中での謝罪は最低限に、ベルフラウは鏡を取り出して、少女へと向けた。

(鬼が住むか蛇が住むか、ですわね)

鏡は、真実を映し出す―――



+++



「いつまで寝ているつもりですの?」


声が聞こえる。金糸雀の声?いや、違う。金糸雀よりきつめな感じだ。
誰?
その声の主は答えない。

「これ以上は待てませんわ。引きずって行きますわよ」

え?

「……その前にその格好をどうにかすべきですわね」


格好って……えええ!?
突然、ひんやりとした空気が上半身を覆った。シーツを剥がされた、と理解する前にその冷たさで僕は一気に覚醒した。


「う、わ!?い、一体何!」

目を開けると同時に、酷い頭痛が襲う。
だが、構ってはいられなかった。多分、僕はいまなにかしらの危機に直面しているのだから!

目に入ったのは、赤い布を持って僕に襲いかかろうとしている少女だった。

142 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/22(土) 19:24:48 ID:HpdcIurw
 

143 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/22(土) 19:24:54 ID:G9cXgFwZ
  

144 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/22(土) 19:25:02 ID:lwF5vZ0F
 

145 :それぞれの道、だからこそ… ◆r39666tJr2 :2007/12/22(土) 19:25:51 ID:Fu1DUibm
「なかなか似合いますわね」
「あ、ありがとう。ベルフラウさん」
「ベルフラウでいいですわ。イエロー」
「え……あ、うん」


頭をぶつけたせいか、未だに状況を理解できないイエローはベルフラウに流されっぱなしだった。

話は少し前に遡る。

突然目の前に現れた少女に、逃げ場はないと直感したイエローは咄嗟に両手で頭を庇った。
ダイレクは使えない。また、手加減ができないかもしれないからだ。
衝撃を覚悟していたイエローを襲ったのは、怒号だった。

「ちょっと!それじゃあ、服が着られないでしょう!」
「ふ、服……?」

イエローは自分の状況を確認してみる。
寒い。当たり前だ。裸なのだから。
少女を見る。確かに少女は赤い服を持っていた。
(着替えさせようとしてくれてたの、かな?)

イエローの肩の力が一気に抜けた、のも束の間。
突然、イエローの視界が真っ暗になる。
べし、と何かが当たる。
顔を覆ったのは、湿った布。水を含んでいるせいか、少し重い。

「そのままじゃ、風邪をひきますわ。濡れてますけど、何もないよりはマシでしょう」

投げられた服を手に取りながら、イエローは少女を見据えた。少女はイエローが着替えるのを待っている。

(悪い人じゃ、ないよね?)

ベルカナの言葉を思い出すが、服までくれる人なのだ。信用はできる、と思う。

そんな視線を向けていると、イエローの疑問に答えるように、ベルフラウは口を開いた。

「自己紹介がまだでしたわね。私は、ベルフラウ。ゲームには乗っていませんわ」

146 :それぞれの道、だからこそ… ◆r39666tJr2 :2007/12/22(土) 19:27:50 ID:Fu1DUibm
そして、現在に至る。
日は暮れて、互いの表情はよく見えない。そろそろ本格的な夜の時間になるだろう。
だが、イエローにとっては都合が良かった。

ベルフラウの普段着だという、赤いワンピース(?)と帽子。
裸同然の状態で動き回るよりは、格段に良いと思うのだけど、スカートに慣れていないイエローにはこっちの方が気恥ずかしいのだ。
ベルフラウには似合う、と言われたけれど、やはり違和感が拭えない。
スカートなんて、随分はいていない。男だと偽って旅をすることに、慣れてしまっていたから。

帽子は髪が邪魔で被れないと思ったが、上手くポニーテールを収納してくれた。麦わら帽子となんら変わりなく。
結果的に、スカートが履き慣れないだけで、他はなかなかの着心地だった。

「さあ、早くここから移動を―――」
「そ、そうだ!金糸雀はどこ?」

ベルフラウの言葉を、イエローは遮った。むっとして非難するように、ベルフラウはイエローを見据えるがその真剣な表情に圧倒される。

状況に流されて失念していた。
さっきから、金糸雀の姿がどこにも見えない。気絶している間に、何があったのか。

ベルフラウの答えは、イエローを驚愕させるには十分なものだった。

「分かりませんわ。私が来た時には、あなた一人でしたから」

ベルフラウは嘘をついた。

「でも、その金糸雀の友達…雛苺、という名前でしたっけ。そいつに、私たちの仲間は襲われましたわ」
「―――っ!?」

イエローは息を呑む。
見間違いではなかった。

147 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/22(土) 19:28:02 ID:ZlbMp54o
 

148 :それぞれの道、だからこそ… ◆r39666tJr2 :2007/12/22(土) 19:29:34 ID:Fu1DUibm
イエローは、雛苺を見たときに感じた違和感を思い出した。その時感じた恐怖も。
他人の心により敏感なイエローは、雛苺の狂気を他の人間より強く感じていたのだ。

ベルフラウは、雛苺はもちろん金糸雀も危険人物だと思っていた。
イエローの行動を通して見た金糸雀の行動は、怪しすぎる。イエローも、それは分かって行動を共にしているようだった。
だから、イエローの言葉にベルフラウは驚いた。

「金糸雀を探さないと!」
「なにを言っていますの?」
「雛苺は……、分からないけど、少なくとも金糸雀は悪い子じゃないよ。
もし一人でどこかに行ってるなら、危険すぎる。武器だって持っていないのに。早く追いかけないと!」

イエローが立ち上がる。
「待ちなさい!どこに行くつもり?」
「金糸雀の所だ」

質問に答え、動きだそうとするイエローをベルフラウは再び、言葉で止めた。

「どこにいるか分かりますの?」
「それは……でも、金糸雀が!」
「落ち着きなさい!」

ベルフラウは、声を張り上げていた。出来の悪い生徒を叱るように。
イエローが、ベルフラウの迫力に動きを止めた。ベルフラウは、息をつく間もなく言葉を紡ぐ。

「今から追っても無駄ですわ。私があなたを見つけてから、随分と時間が経っていますもの。
それにその怪我で、満足に動けるとでも思いました?それじゃあ、格好の的ですわよ!」
「……っ」

正論を言われて、イエローは黙るしかない。だが、目の光は衰えてなどいない。
もう一押し、とベルフラウは鏡で覗いたイエローの行動を振り返る。

「イエロー、あなたにはしなければならないことがあるのでしょう?ここであなたが無茶をすれば、あなたを命懸けで守ってくれた人たちの気持ちはどうなるんですの?」
「あ……」


丈、ベルカナ、殺してしまった少女、レッド、帽子を被った少年。
イエローが、この島で関わった人たち。……死なせてしまった、殺してしまった人たち。

「……ごめん、ベルフラウ」

149 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/22(土) 19:31:26 ID:HpdcIurw
 

150 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/22(土) 19:31:51 ID:lwF5vZ0F
 

151 :それぞれの道、だからこそ… ◆r39666tJr2 :2007/12/22(土) 19:32:13 ID:Fu1DUibm
思考が急速に冷えていく。イエローの命は、たくさんの命の上になりたっているものなのだ。
自分だけのものでは、ない。

俯いて、落ち着いた様子のイエローに、ベルフラウは気がつかれないようにため息をついた。

説得は成功。
金糸雀を探しに行くなんて、冗談ではない。そう戦力のない自分たちは、イエローにもいった通り格好の的だ。

それに、ベルフラウは鏡を通して見た。金糸雀がレミリアを、桜たちを吹き飛ばすのを。
あんな、死ぬような規模のものをレミリアたちに向けたのだ。信用できる筈がない。


「城に向かいましょう。あそこには、仲間がいるはずですわ。それに傷の手当てもしないと……、城なら薬ぐらいは置いてあると思いますから」

ベルフラウは提案する。イエローに反論する理由などなかった。

「そうだね。そういえば、体のあちこちが痛いかも」
「今更気づきましたの?」

ベルフラウの声に、イエローは苦笑いを浮かべる。いっぱいいっぱいで、自分の体のことなど忘れていた。

『あなたにはしなければならないことがあるのでしょう?ここであなたが無茶をすれば、あなたを命懸けで守ってくれた人たちの気持ちはどうなるんですの?』

ベルフラウの言葉だ。絶対忘れないようにしよう、とイエローは思う。
考え事をしていたせいか、さらに歩く速度が落ちた。

先を進んでいたベルフラウが、見かねてイエローの元に戻ってくる。やはり、歩くスピードに差が出てしまのだ。

「ごめ、」
「掴まりなさい。肩を貸してあげますわ」

すたすたと歩いてきたベルフラウは、イエローの体を支える。
それだけで、イエローはすごく楽になった。

「ありがとう、ベルフラウ」
「べ、別にこれぐらい当然ですわ!喋ってる暇があったら急ぎますわよ!」


少女たちは、夜の闇に溶けていく―――

152 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/22(土) 19:33:42 ID:G9cXgFwZ
支援ッ

153 :それぞれの道、だからこそ… ◆r39666tJr2 :2007/12/22(土) 19:33:43 ID:Fu1DUibm
【Eー4東部/一日目/夜】
【ベルフラウ=マルティーニ@サモンナイト3】
[状態]:疲労(中)魔力消費(中)精神的疲労、墜落による軽い打撲傷。
[服]:『ザ・チルドレン』の制服姿。(野上葵の物)
[装備]:クロウカード『火』『地』
[道具]:支給品二人分(食料−1)浄玻璃の鏡@東方project(残り1回)
思いきりハサミ@ドラえもん、クロウカード1枚(スイート『甘』)カートリッジ×10@魔法少女リリカルなのはA's
[思考]:城で、はやく休みたいですわ。
1、城に向かう。イエローと行動する。
2、召喚術師と交渉し、仲間になってもらいたい。
出来ればメイトルパの少女(アルルゥ)とも交渉したい。アルルゥにはやや同情的。
3、みかの安否が心配。早く戻って合流したいが、危険には巻き込みたくない。
4、殺し合いに乗らず、仲間を探して対主催の策を練る。
基本:先生の元に帰りたい。
[備考]:浄玻璃の鏡でイエローの行動すべてを見ました。イエローをかなり信用しました。
イエローの出会った人々を認識しました(どう思ったかは不明)
ベルフラウは、ロワの舞台がリィンバウムのどこかだと思っています。
ロワの舞台について、「名もなき島」とほぼ同じ仕組みになっていると考えています(実際は違うのですが、まだベルフラウはそのことに気づいていません)
ベルフラウは、レックスが名乗るのを聞いていません(気絶していました)

154 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/22(土) 19:33:54 ID:lwF5vZ0F
 

155 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/22(土) 19:34:21 ID:HpdcIurw
 

156 :それぞれの道、だからこそ… ◆r39666tJr2 :2007/12/22(土) 19:35:16 ID:Fu1DUibm
【イエロー・デ・トキワグローブ@ポケットモンスターSPECIAL】
[状態]:全身に擦り傷と打撲(行動にやや支障)左瞼に大きく切り傷、疲労(中)精神不安定、深い悲しみ、頭部に打撲(生命に危険なし)
[服]:ベルフラウの私服姿。帽子にポニーテールが隠されている。
[装備]:魔剣ダイレク@ヴァンパイヤセイヴァー、レッドのグローブ、おみやげのコイン@mother2
[道具]:基本支給品、スケッチブック、城戸丈の首輪
[思考]:ベルフラウは良い人だなぁ。
1、ベルフラウと行動する。城に向かう。
2、消えたリルル、金糸雀のことが心配。
3、グリーンやブルーと合流し、このゲームを破る方法を考える。
4、丈の友人と合流し伝言を伝え、協力を仰ぐ。
5、丈の首輪を調べる。または調べることの出来る人間を探す。
基本:絶対にゲームに乗らない。生きてマサラに帰る。
[備考]:魔剣ダイレクのソードエレメンタル系は、魔力を必要とするため使用不可。
トリエラのことを「積極的なマーダー」だと認識しました。
ネスからレッドの仇が「白い女の子」だと聞かされました。
レッドの仇に対し、どういう態度を取るべきなのか、まだ考えが定まっていません。
まだ混乱しているので、第一放送を聞き逃したことに気がついていません。混乱(ry)ので、ベルフラウが何故イエローの事情を知っているのか、深く考えてはいません。

157 :それぞれの道、だからこそ… ◆r39666tJr2 :2007/12/22(土) 19:38:39 ID:Fu1DUibm
投下終了です。
支援ありがとうございました。

改行大杉!で何度も拒否くらったので、妙な区切りかどうかですみません。
イエローは長くコンビを結成できないジンクスがある模様です。

指摘等あったらお願いします。

158 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/22(土) 19:41:36 ID:lwF5vZ0F
投下乙です。
これはまた面白いパーティのシャッフル。
イエローが冷静になった時、けっこう色々と動きそうですね。
そして相変わらず自分を見失った様子の金糸雀はどうなるのか。

で、指摘……。
前の話(全世界ナイトメア)の「本文」を読む限り、
既にイエローは金糸雀から自分の服を受け取って着ているようです。
もっとも、よく見ると、前の話の金糸雀の持ち物欄にイエローの服が残ったままですね。
イエロー側の、その前の話まではあった「シーツまいただけの姿」という表記が消えているので、
金糸雀の持ち物欄の方を消し忘れたのではないか、と思いますが。

159 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/22(土) 19:42:02 ID:G9cXgFwZ
投下乙
イエロー、マシな服着られてよかったなw


160 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/22(土) 19:47:15 ID:HpdcIurw
投下乙。ベルフラウ、鏡勝手に使ったられみりゃに殺されるー!
と思ったけど今のレミリアは皆殺しモードだからフランの仇が誰かは関係ないか。
てか鏡預けたことすら忘れてそうだw
おかげで精神的に安定感のある組み合わせがうまれたからいいか。
その分、金糸雀に不幸の皺寄せが行きそうだ…。

161 : ◆r39666tJr2 :2007/12/22(土) 20:13:05 ID:Fu1DUibm
うわああぁぁ。
本当ですね。墓作り終わったときに着てたのか……。先走りすぎた。
すぐに修正します。
レミリアがイエローを攻撃してくれていてよかった。

162 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/22(土) 20:58:42 ID:7wx6kVTs
投下GJ!
カ、カナー! それ危ないから! 雛苺に再会する前に逃げてええ!?

ベルフラウの行動が、らしくて良かった。
サモの主人公側勢は甘ちゃんな面もあるけれど、誤解に流されない心と経験を持つのは対主催に回る上での強みかも。


一つ気になったのは……
ベルフラウ、イエローとベルカナを襲った葵と同じ服(チルドレンの制服)を着てるんだけれど
これにイエローが反応しなかったのは寝起きだったのと、夜の暗がりでかな。

163 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/22(土) 21:05:27 ID:HpdcIurw
あ、自分も一つ気になったところが。

>八神はやて、プレセア、実際に死ぬところを見ている人たちの名が呼ばれたことに、動揺してしまった。

ベルフラウははやてとは面識がないはず。あと細かいですがプレセアが死ぬところも直接は見ていないはず。

164 : ◆r39666tJr2 :2007/12/22(土) 21:39:16 ID:Fu1DUibm
指摘ありがとうございます。

>葵の制服〜
金糸雀の不在になかなか気がつかないぐらい混乱しているので、今は気がついていない、という風に書いています。
もう少し、混乱具合を追加してみます。

>はやて〜
リィン経由の情報で召喚術師として期待してたので、入れてみました。
はやて、プレセア、死んだのを見た人(ジーニアス等)と思って書いたのですが、確かにわかりにくい。
ちょっと修正してみます。

165 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/22(土) 21:48:23 ID:HpdcIurw
ああ、そういう意味でしたか。修正がんばってください。

166 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/22(土) 23:35:39 ID:ghFGikal
投下乙!
放送後はどこもドロドロしているだけに、特に問題なくパーティが出来るとホッとするなぁ……

カナは色々とご愁傷様な事になりそうだけどw

167 : ◆IEYD9V7.46 :2007/12/23(日) 19:11:08 ID:nyrmkleB
弥彦、グレーテル、シャナを予約します。

168 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/23(日) 19:22:29 ID:LXct7dql
現在の予約状況:
12/20予約(延長申請済み:12/27まで)
◆H6tMn7KYPQ 氏:高町なのは、イヴ

12/23予約(12/26まで)
◆IEYD9V7.46 氏:弥彦、グレーテル、シャナ


ついでに、まだ本投下がなされていない所では、
修正中(参考:予約12/20、仮投下12/22)
◆cwyZig7Yqw 氏:キルア、パタリロ

>>167
期待!

169 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/23(日) 19:55:27 ID:nDfvWLhw
“あの”閻魔帳を更新してみる。

1位(6人8回)◆CFbj666Xrw:フランドール、灰原、梨花、レミリア(1〜3度目)、プレセア、イリヤ
2位(5人)◆sUD0pkyYlo:紫穂、灰原(2度目)、一休、タバサ、グレーテル
3位(4人)◆o.lVkW7N.A:藤木、イエロー(2度目)、ククリ、ひまわり
4位(3人)◆aAwQuafMA2:リルル、イエロー、レッド
5位(2人)◆uOOKVmx.oM:ベルカナ、リリス
6位T(1人)◆M42qaoJlNA:イエロー
6位T(1人)◆Nxwpg0XSAk:インデックス
6位T(1人)◆ou3klRWvAg:ブルー
6位T(1人)◆JZARTt62K2:リンク
6位T(1人)◆Gs3iav2u7.:アリサ

うねうね絡まれただけの梨花二度目、明言されていないグリーンは数えず。

170 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/23(日) 21:07:04 ID:LXct7dql
そうそう、>>164の修正、したらばに投下されてましたね。
修正乙。非常に分かりやすくなって、良かったと思います。
……というか、地味にかなりの修正入ってますね、これ。お疲れ様でした。

171 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/23(日) 23:43:38 ID:yhQ0szAh
>>167
期待してます。

そして懺悔。
>>169のまとめを見るまで◆r39666tJr2氏と◆CFbj666Xrw氏を同じトリだと誤認してた……サーセンorz

172 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/24(月) 00:02:33 ID:va5R6I6E
ほんとだ、6が3つ並んでるのかw
>>169
レミリア×3と男勢に吹いたw


173 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/24(月) 00:51:08 ID:bDmikHBZ
http://webupd.sv1.sp-land.net/up/201201.jpg

174 : ◆H6tMn7KYPQ :2007/12/24(月) 03:32:44 ID:EkkaevsR
こんな時間ですがすみません…
一応書き上げたのですが、あまり自信がないのでテスト投下スレに投下しました。
指摘、誤字脱字、批判等あれば遠慮なくしちゃってください。
それでは……

175 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/24(月) 05:37:16 ID:tWeyJgcI
テスト投下乙。
なかなか意外な展開。時系列的にも矛盾はないみたいだし、面白い。
というか、なのはさんますますピンチにw 紫穂とヴィータが来るよー。
気になったのは、地の文の長さかな。
もっとこまめに改行したほうが読みやすいと思う。
ブラウザによっては横スクロールが必要になっちゃうかも。

176 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/24(月) 07:15:22 ID:3KpXWqg2
テスト投下乙
こう来るとは。なのはさんの殺害数がまだまだ増えそうですね。
問題ないと思うし、面白かったです。
感想は本投下の時に。

177 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/24(月) 08:54:53 ID:KsfRFSwV
>>164
指摘し忘れていましたが、イリアではなくイリヤです

178 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/24(月) 10:26:27 ID:iC0I0DrR
テスト投下乙。
なるほど、確かにその姿は作中にありましたからね(最終話で)
矛盾点も特にないと思います。気になったのは既に指摘された1行の長さくらいです。
本投下を楽しみに待ってます。

179 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/24(月) 10:29:35 ID:va5R6I6E
テスト投下乙。指摘は既に言われているので割愛。
本投下楽しみにしています。

180 : ◆H6tMn7KYPQ :2007/12/24(月) 14:34:14 ID:EkkaevsR
やはり地の文が長すぎましたか…
自分も投下したあとに読み直したら確かに読みづらい…と思いました。
今度からは気をつけることにします。
今日の夜10時半頃から本投下したいと思いますが、その際一部改行した方がよろしいでしょうか?

181 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/24(月) 15:51:37 ID:iC0I0DrR
>>180
そうですね。
内容は問題ないので、文章自体を直す必要もなく、適当な所で改行を入れるだけでもいいかと。
1行の長さは各書き手が色々悩んで思考錯誤するところですが、
他の人の投下分を参考にすれば大体の見当はつくと思います。

182 : ◆cwyZig7Yqw :2007/12/24(月) 19:38:52 ID:UNNpHR3v
少し、というよりかなりの修正がようやく終わりました。
見直しをして、20時には投下したいと思います。

183 : ◆cwyZig7Yqw :2007/12/24(月) 20:00:57 ID:UNNpHR3v
投下します…。

184 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/24(月) 20:02:03 ID:va5R6I6E
 

185 :もう光は映せない… ◆cwyZig7Yqw :2007/12/24(月) 20:02:09 ID:UNNpHR3v

“絶”を使い、完全に気配を絶つ。
3つの時から命がけの「尾行ごっこ」をさせられていたキルアにとって、相手に気づかれないよう尾行することなど容易いことだ。
―――例え、太一を背負っていたとしても。
(そういや、ゴンと旅団を尾行したこともあったな)
A級賞金首、「幻影旅団」。キルアはかつて、ゴンと共にその旅団を尾行したことがあった。その時は気づかれ、捕えられてしまったが―――
(今の相手は旅団じゃない。自信過剰のクズだ)
キルアは、再び笑みを浮かべた。


『 ――――穢れ無き魂を持つ幼子達よ。久しいな。 』

どこからか聞こえる男の声。深い藍色へと変わる空を見て、その声が定時放送であることを知る。
キルアは軽く舌打ちをした。―――なんてタイミングだ。こんな時に放送なんて。
しかし、放送をなんらかの形で覚えていないといけないのは相手も同じだ。キルアは太一を一旦降ろすと、ランドセルから地図と名簿を取り出した。
『 まず禁止区域の発表を行う。 』
淡々と告げられる禁止区域を、簡単に素早く、正確に書き込んでいく。
間違えて禁止区域に入って、太一を埋葬する前に、ゴンを探す前に死ぬなんてシャレにならない。
タワー周辺が禁止区域となっていたが、“N”を心配する気なんてこれっぽっちもなかった。


『 ――――次はこの放送までに命を落としてしまった者達の名前を発表する。 』

発表された死亡者に×をつけていく。その表情には、恐怖も同情も浮かばない。
『 06番 泉光子郎 』
太一の言っていた太一の友人が呼ばれる。胸がチクリと痛んだが、それだけだった。
太一のもう1人の友人、城戸丈が呼ばれても同じことだ。
元殺し屋のキルアは、「人の死」に慣れすぎていた。
しかしその精神は、「あるきっかけ」によってあっけなく崩れてしまうほど脆く、危ういものだった。



186 :もう光は映せない… ◆cwyZig7Yqw :2007/12/24(月) 20:02:55 ID:UNNpHR3v


『―――26番 ゴン』
キルアの思考は、フリーズした。頭の中がどんどん真っ白になっていく。
今までの冷たい表情は消え、代わりに焦りが顔に表れ、冷や汗が流れる。
「…ゴ……ン…?」
ゴンが死んだなんて、理解できなかった。否、「理解したくなかった」のだろう。
咄嗟に名簿から同名の参加者がいないか探す。……そんなもの、ある筈がなくて。
「何時、誰が死ぬかなんて分からない」 太一の死で十分に理解できていた筈だった。
けれども、心のどこかで「ゴンなら必ず生きている」と確信していたのだろうか。
「…ッ! ゴンっ…! ゴンっ……!!」
再会を果たせなかった友を、
もう戻ってはくれない友を、
もう返事をしてくれない友を、
必死に呼び続けた。

キルア=ゾルディックにとって、「ゴン=フリークス」という存在はあまりにも大きすぎた。


   *   *   *


…なんでだろうな。
ゴン。お前のことばっかり浮かんでくるよ。走馬灯って奴かな?
ハンター試験の時は本当に変な奴だと思ったよ。馬鹿正直だし、我が侭だしさ。
でも、―――お前と、友達になりたかった。
お前が家まで着てくれた時は、スゲー嬉しかった。オレ、人を殺したっていうのに。
初めてだった、お前みたいな奴。
またくじら島に行きてーな。オレもミトさんみたいな母親ならよかったのに……。
ヨークシンで大喧嘩したこともあったっけなぁ。
そうそう…グリードアイランドのクイズ大会! オレ、何点だったんだろ。

『キルアと会えて、オレ、本当によかったよ!』

逆だよ、ゴン。オレなんだ、ゴン。
オレ、お前に会えて本当によかった。

『キルアじゃなきゃダメなんだ』

逆だよ、ゴン。オレなんだ、ゴン。
オレ、お前じゃなきゃダメなんだ―――


   *   *   *

187 :もう光は映せない… ◆cwyZig7Yqw :2007/12/24(月) 20:03:57 ID:UNNpHR3v


(そうだ……アイツヲ、殺セバイイ)
放送が終わった後、キルアは自分が既に2人殺したことを思い出した。
……本当は、1人だけなのだが。
(あいつを殺して、“ご褒美”を貰う。ゴンを殺した奴の情報を手に入れる。
ゴンを殺した奴を見つけたら―――殺してやる。グチャグチャに切り刻んでやる)
再びキルアは冷たく鋭い笑みを浮かべた。放送を聞いて、相手は立ち止まっている。―――隙だらけだ。
今が絶好のチャンスだった。
「……悪い、太一。もう少し待っててくれよ」
もう動かない太一に小声でそう告げ、キルアは闇に紛れた。


   *   *   *


「弥彦もチアキも無事か……」
死亡者として呼ばれなかった知り合い達。パタリロは少なからず安心した。
「まったく、2人とも何処へ行ったんだ。弥彦に至っては宛てもなく探し回る気か? ふざけるなボケーッ!
こんなだだっ広い島中を宛てもなく探したって時間の無駄だろうが!」
苛立ちを発散させるかのように叫び、喚く。
―――まさか、元殺し屋の少年に命を狙われているとも知らずに……。


一瞬、何が起こったか分からなかった。
音もなく気配もなく、その銀髪の少年は現れた。……何故、目の前に現れるまで気がつかなかったのだろう。
少年の右手はビキビキと不気味な音を立てて変形し、鋭くなる。
そして、鋭くなった右手がパタリロの腹部を貫かんばかりに襲い掛かってきた。
「な……っ!」
パタリロは咄嗟に後方へと飛び、攻撃を回避する。
―――幸い、ペンギンのきぐるみの腹部が破けただけで済んだ。
「な、何をするんだーっ! 闇に紛れて超絶美少年のぼくを―――――!?」
思わず息を呑んだ。
その冷たく虚ろな微笑みは、汚れなき狂気を放っていた。パタリロを一瞬怯ませるには、十分だった。
(冗談じゃない。こんなところで死んでたまるか!)


188 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/24(月) 20:04:13 ID:va5R6I6E
 

189 :もう光は映せない… ◆cwyZig7Yqw :2007/12/24(月) 20:04:46 ID:UNNpHR3v

―――純粋な戦いなら、パタリロに勝ち目はないだろう。そう、「純粋な戦い」なら―――

「お前は、何故ぼくを殺そうとしてるんだ?」
ピタリ。
少年の動きが止まる。
「お前を殺して、ご褒美を貰う」
その声に、感情はなかった。
「お前はゲームに乗ってるんだ。殺されても仕方ないだろ」
テープに予め録音された音声を聞いているような、そんな感覚に襲われる。
「これ以上喋る気も、必要もないね。―――死ね」
「ほーう。じゃあお前は、『殺し合いに乗ってる奴なら殺していい』と言いたいんだな?」
少年の冷たい笑みが消えた。パタリロは、それを見逃さなかった。
「殺し合いに乗ってる奴が何言って……」
「質問の答えになってないぞ? さあ答えろ」


   *   *   *


(『殺し合いに乗ってる奴なら殺していい』―――何言ってんだ、当たり前じゃねーか)
そう言いたい。言ってやりたいのに、声が出ない。
逆に冷や汗がどっと吹き出る。焦りと不安を覚える。心臓に冷たい刃物を押し付けられた気さえするのだ。
「例えば、ぼくが『本当に』殺し合いに乗っていたとしよう。で、ぼくが誰かを殺したとする。
そこでお前が殺し合いに乗ったぼくを殺す。『殺し合いに乗っているから』という理由でな。
―――さあ、どこが違うのか言ってみろ!」
「違う! お前は殺し合いに乗ってるから…」
「殺し合いに乗ってる奴は殺しても罪にならないのか?」
「う…だ、黙れよッ! どっち道お前は殺し合いに乗ってるんだろ!? 殺したいから殺すんだろ!?
助かりたいから、口だけのクズだから言い訳してるだけなんだろ!?
オレは、ゴンの……」

「ゴンの為に」 その言葉を飲み込んだ。
本当にそれでいいのか? ゴンは、本当にそれで喜ぶのか? 疑問が頭の中でループする。
(何考えてんだよ、オレは! 冷静になれ、相手のペースに巻き込まれるな!
どんなに口八丁で煙に巻こうとしたって、実力の差はそう簡単に埋められねーんだ!)
今のキルアには、冷静さを取り戻す余裕なんてなかった。


190 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/24(月) 20:04:46 ID:va5R6I6E
 

191 :もう光は映せない… ◆cwyZig7Yqw :2007/12/24(月) 20:05:24 ID:UNNpHR3v

「その『ゴン』って奴の為にぼくを殺して、ご褒美でそいつを殺した奴を探すつもりか。
差し詰め敵討ちといったところだな」
「だったらなんだっていうんだよ…」
「結局それは、本当に殺し合いに乗ってるのと大差ないんじゃないのか?」
再び、キルアの思考はフリーズする。
それはだんだんと色を取り戻す。―――こいつは今、なんて―――
「ち、…違う! オレは…殺し合いになんか乗らない! 乗ってない!!」
「じゃあ、なんでお前はぼくを殺そうとしたんだ? …まさかまた『殺し合いに乗ってるから』なんて言わないだろうな?」
「だってお前はっ…開始前から堂々と―――」
「『殺し合いに乗ると公言してたから。理由はそれだけで十分だろ』か?」
思わず息を呑んだ。
自分の言葉を引き継いだ、目の前のきぐるみ少年を凝視する。
「なんで……」
「お前は正義の味方のつもりか? 例え殺し合いに乗ってる奴を殺したって、『殺し』には変わりないんだよ」
「―――――――――――――!!」
残酷にも告げられた言葉は、深く深く刺さっていく。
「何か」が崩れ堕ちた、瞬間。

192 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/24(月) 20:06:13 ID:va5R6I6E
 

193 :もう光は映せない… ◆cwyZig7Yqw :2007/12/24(月) 20:06:13 ID:UNNpHR3v


   *   *   *


ガラガラと、何かが音を立てて崩れていくような気がした。
同時に、真っ暗な闇の中に放り込まれた気がした。
なんで、オレは目の前のコイツを殺そうとしてたんだっけ?
ゴンの為? あいつの性格上、敵討ちなんて喜ぶ訳ねーじゃん。
じゃあ、なんで?
オレは人殺しなんてもううんざりだった筈なのに、なんで? どうして?

『お前は熱をもたない闇人形だ』
違う…
『お前は人というものを殺せるか、殺せないかでしか判断できない
そう、教え込まれたからね』
違う…やめろ…
『何故ならお前は根っからの人殺しだから―――』
違う…! 違うちがうちがうチガウ!! オレは、人殺しなんかじゃ―――
ヒトゴロシ、なんかじゃ……


   *   *   *


「…がう……」
渇いた舌が、唇が、僅かに動いた。
「ん?」
「ちが、う…違うッ! オレは、ヒトゴロシ…なんかじゃ……!」
少年は「そこにはいない何か」に向かって、必死に否定し続けている。
パタリロなど、眼中にないかのように。

その瞳に、「光」は映っていなかった。



194 :もう光は映せない… ◆cwyZig7Yqw :2007/12/24(月) 20:06:51 ID:UNNpHR3v

【B-8/オフィス街/1日目/夜】
【キルア@HUNTER×HUNTER】
[状態]:やや疲労。精神的に大きく疲労。混乱。
[装備]:ブーメラン@ゼルダの伝説、純銀製のナイフ(9本)、
[道具]:基本支給品、調理用白衣、テーブルクロス、包丁、食用油、 茶髪のカツラ
    支給品一式(カツオのもの)、天体望遠鏡@ネギま!、首輪(しんのすけ)
    太一の遺品(基本支給品、包丁、殺虫剤スプレー、着火用ライター、調理用白衣、
          水中バギー@ドラえもん、調味料各種(胡椒等)、フライパン、
          コンチュー丹(7粒)@ドラえもん)
[思考]:違う…違うッ……!
第一行動方針:どうすればいいか分からない
第二行動方針:太一を埋葬する
第三行動方針:太一の友人(丈、光四郎、ミミ)を探す
基本行動方針:ゲームには乗らないが、襲ってくる馬鹿は容赦なく殺す?
[備考]:
ニアの本名を把握していません(Nという名しか知りません)。
Nの仮説をおおかた信じていますが、Nの人間性を信じきっていません。
死んだカツオのことを「のび太」という名前で認識しました。
グレーテル(名前は聞いていません)を殺したと思い込んでいます。
太一の空のランドセルはタワー一階に放置されています。
ゴンから後の死亡者をロクに聞いていません。




【B-8/オフィス街/1日目/夜】
【パタリロ=ド=マリネール8世@パタリロ!】
[状態]:健康、ペンギン状態。
[装備]:S&W M29(残弾6/6発)@BLACK LAGOON、ペンギンの着ぐるみ@あずまんが大王(腹部が少し破けている)
[道具]:支給品一式(食料なし)、ロープ(30m)@現実、44マグナム予備弾17発(ローダー付き)
[思考]:さて、どうするか……
第一行動方針:目の前の少年(キルア)に対して、なんらかの対処をする。
       (話が通じそうなら説得、通じないなら応戦もしくは逃走)
第二行動方針:勝手に周囲を調べに行った弥彦を見つけ、追いつく。
第三行動方針:チアキを発見して事情を問い質したい(彼女が藤木殺しの犯人の可能性を疑っている)
第四行動方針:仲間集め。チアキがマトモなら、彼女に弥彦を仲間として紹介したい
第五行動方針:弥彦の持つ首輪を調べたい(道具や設備も確保したい)
第六行動方針:好戦的な相手には応戦する。自分を騙そうとする相手には容赦しない
基本行動方針:ジェダを倒してお宝ガッポリ。その後に時間移動で事件を根本から解決する。
[備考]:自分が受けている能力制限の範囲について大体理解している。
    着ぐるみ着用でも普段と同じ行動が可能(変わり身などがある分むしろ強い?)。
    偉そうな事を言ったが、弥彦を完全には信用していない。弥彦と簡単に情報交換済み。
    よつばと藤木の死の真相について、大雑把にですが勘付いています。



195 :もう光は映せない… ◆cwyZig7Yqw :2007/12/24(月) 20:07:44 ID:UNNpHR3v
投下完了です。指摘を下さった皆様、支援してくださった皆様、ありがとう御座いました。
「やっぱり精神崩壊は行きすぎか?」と思い、精神疲労止まりにしておきました。
それにしてもキャラ掴むのって難しいorz

指摘、ツッコミ、誤字脱字があればお願いします。

196 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/24(月) 20:08:14 ID:iC0I0DrR
 

197 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/24(月) 21:50:25 ID:iC0I0DrR
とりあえず……投下乙です。
で、すいません、やっぱり違和感あります。
キルアが襲う動機の変更とかは上手いな、と思いましたが。

198 : ◆H6tMn7KYPQ :2007/12/24(月) 22:26:17 ID:EkkaevsR
高町なのは、イヴ を投下します。

199 : ◆H6tMn7KYPQ :2007/12/24(月) 22:27:32 ID:EkkaevsR
タイトル「カモフラージュ」


「ここに……私の新しい主人がいる……」

工場の入り口。そこに佇む一つの影があった。
自らに命令を下してくれる「主人」を求めてここまでやってきたナノマシン生体兵器、イヴである。

この工場では実に虚しい惨劇があった。
イヴが機械としてこの殺し合いを終わらせるきっかけとなった惨劇が。
しかし、それも今のイヴにとってはもう過去の事。それも記憶にすら残らないほどの。
『心』を捨て、主人に命令されるがままに殺人を遂行する事だけを目的とする
今の彼女にとってはなんのわだかまりも感じない。

工場の内部に入る。
一度来たことがあるとはいえ、イヴは工場の内部がどういう構造になっているのかは詳しくは知らない。
つまり、目的の人物がどこにいるかは手探りで探すしかない。
昼間にさんさんと照っていた太陽もすっかり沈み、廊下の窓から差し込む月明かりもどことなく頼りない感じがする。
イヴは身の回りに最大限の注意を払いつつ、工場の中を進んでいった。

「……どこにもいない」

二十分ほど経過しただろうか。
しかしイヴはいまだに工場内を彷徨い続けていた。
そもそも探す当てがないわけではない。
あの主人想いの喋る杖曰く、例の人物はこの工場で調べものがあるらしい。
そしてその後はまた別のところに移動するんだとか。


200 : ◆H6tMn7KYPQ :2007/12/24(月) 22:28:40 ID:EkkaevsR

もしこれが本当なら、例の人物は既に別の場所へ行ってしまったのかもしれない。
これだけ探しても見つからないのだから。
あるいはイヴがまだ訪れていないどこかで今なお調べものとやらを続けているのかもしれないが。

「はあ、はあ……疲れた」

思えば今まで災難続きであった。
廃病院でビュティを殺してしまった時点で、イヴは既に精神的に疲労感を覚えていた。
その後、ブルーに言われるがままにこの工場へ赴き、そこで光子郎とフェイトに出会った。
二人とも良い人で、どうにか落ち着けるかと思ったのも束の間。
結局イヴは二人を殺し、心を捨て、ブルーを即席の主人として殺し合いを終わらせることを決心した。

決めたからには休む暇もなかった。
疲れた体に鞭打ちながら高町なのはと戦ったり、
プールでは女子用水着を着込んだ変態坊主に散々な目に遭わされた。
そのせいで、もはや肉体的にもかなり限界が近づいてきつつある。

ここまで飛んで来れたのだって、
新しい主人を見つけることで頭が一杯になっていたから疲れなんぞ感じなかっただけなのだ。
今こうして何処にいるかも分からない主人を探して歩き続ける体力も気力も最早ほとんど無いに等しかった。


201 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/24(月) 22:28:54 ID:iC0I0DrR
 

202 : ◆H6tMn7KYPQ :2007/12/24(月) 22:29:46 ID:EkkaevsR

「少し休もう……探すのは後でいい」

見るからにげっそりとした表情で、イヴは呟く。
一歩足を動かすだけでも多大な力が必要だと感じられるほどにまで、彼女の肉体は疲労困憊していた。
まずはどこか休めるところを……と、廊下の角を曲がって数歩歩いたところで、
イヴはぱっと顔を綻ばせた。

そこには一つの扉があり、その扉に『仮眠室』と書かれたプレートが掛けられていたのだ。

「これで休める……はあ、はあ、もう限界……」

別に休むところなんて結局どこであろうと変わらないのだが、
夜になって空気も冷たくなってきたこの頃に寒い廊下で身を震わせるのは少し酷というもの。
この際贅沢は言えないが、せめて安心して寝られる場所が欲しいと感じるのは無理もないことだ。
そしてようやくそれを見つけたのだ。

早くふかふかのベッドで休みたいという欲望を隠そうともせず、
イヴはドアノブに手を掛けようとして――――――――




「……何しようとしてたの? 白猫さん」




イヴはその手を止めた。


203 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/24(月) 22:29:57 ID:iC0I0DrR
 

204 : ◆H6tMn7KYPQ :2007/12/24(月) 22:31:18 ID:EkkaevsR

(今の声は……高町なのは? じゃあこの中には……)

忘れはしない。先ほどイヴが戦った人物。
イヴが殺したフェイトの友人、高町なのは。

何故こんなところにいるのか、とは思わない。
もともと何が起こるか分からない世界なのだから、高町なのはがこの仮眠室の中に居るという事実自体にさして驚きはしない。
むしろ、せっかく休もうとしたのにとんだ邪魔が入った、と軽い憤りを感じるくらいだ。

「その首輪……貴方もこの殺し合いに参加してるんだ、
ねぇ……寝ている筈の私に何しようとしてたの?」

(なのはの他にも誰か居るの? そういえば今、白猫って……)

「あなたがなにをしようとしたかは分からないけど、
寝ている私に行うことなんてまず良いことじゃないよね」

扉の奥で何かが鳴くような声がした。恐らく白猫のものだろう。
さっきの言葉からすれば、この白猫は参加者の一人であるらしい。
そして経緯はわからないが、なのはと白猫はこの扉の奥で対峙している、といったところか。


205 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/24(月) 22:32:00 ID:iC0I0DrR
 

206 : ◆H6tMn7KYPQ :2007/12/24(月) 22:33:55 ID:EkkaevsR

しかしイヴは一つ気になることがあった。
それは、なのはの声があまりにも人間味を帯びていないこと。
扉越しでもわかる、異様なまでに殺伐としたオーラを感じるのだ。
確かに先ほどイヴと戦ったときは、まるで悪魔のごとき冷酷無慈悲な表情をしていたのをイヴは覚えている。
だが、どうもしっくりこない。
フェイトから聞いた高町なのはの人物像と、あまりにかけ離れているのだ。
なのはは殺し合いに乗るような人間ではないはずだが、ならばこの気味が悪いまでに感じられる「気」は一体何なのだろうか?

だからイヴは行動にでた。
といっても、扉を少し、音も立てずに少しだけ開け、中の様子を垣間見ようとしただけだ。
とにかく、この扉の奥で何が起こっているのか、それを知りたかったから。

暗い部屋の中、いくらかの簡易ベッドが見え、奥の方の一つになのはが座っているのが見えた。
白猫の姿も見えた。
てっきり対峙しているものと考えていたイヴは、白猫の置かれている状況を把握してぎょっとした。

(え……)

白猫はなのはに首を掴まれていた。
特に抵抗することもなく、ただじっと、なのはを見ていた。
白猫の目は恐怖で覆われていて
――――それは目前に迫った死を予感しているかのようだった。


207 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/24(月) 22:34:16 ID:iC0I0DrR
 

208 : ◆H6tMn7KYPQ :2007/12/24(月) 22:35:38 ID:EkkaevsR

なのはが右手を白猫に向ける。
それを見て白猫がびくっと震える。
そしてその右手に徐々に魔力が収束されていき……



「ごめんね」



その声には何の感情も込められていない。
右手から放たれた魔法はもろに白猫に当たり、乾いた音を立ててその首が飛んでいく。
頭部が外れた胴体からは血がどくどくと溢れ、痙攣していた白猫の体はやがて静止した。

(ひっ……!)

イヴはその一部始終を見た。いや、『見てしまった』。
そして恐怖した。相手が猫だとはいえ、参加者の一人を殺したのだ。

それだけではない。
なのははイヴに背を向けて座っていたのだが、その時の表情は仮眠室の窓にしっかりと映っていた。
何も感じられない、まるで機械のそれのようだったなのはの表情に、白猫を殺した瞬間、変化が見られた。

――――唇の端をつり上げて不敵な笑みを浮かべていた。


209 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/24(月) 22:35:46 ID:iC0I0DrR
 

210 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/24(月) 22:36:09 ID:GU2nODKZ


211 : ◆H6tMn7KYPQ :2007/12/24(月) 22:37:07 ID:EkkaevsR

(ひあああ……!?)

声が出るのを必死に堪えつつ、イヴは心内で悲鳴を上げた。
イヴにとって、最早高町なのはという人物が恐怖の対象にしか見えなかった。
なのはの、参加者を躊躇なく殺したという事実と窓に映った悪魔のごとき笑みが頭から離れない。

実際、なのはは唇の端をつり上げて笑いなどはしなかったのだが、疲労も溜まり意識も朦朧としていたイヴの目にはそう映ってしまっていた。
決して殺し合いにのらないような人間が今まさにそれを遂行した、と。
だから余計に怖い。
相手が善人のはずなのに平気で殺人を犯しているのが怖い。
何故彼女はこんなにも変わってしまったのだろうか。

いや、思い当たる節ならある。
イヴはなのはの友人であるフェイトを殺してしまったし、
あの戦いのあとで直接その死を見なかったとしても、なのはは放送でフェイトの死を知ってしまったはずだ。
それでもう絶望してしまい、精神に異常をきたして、その弾みで殺人者になりかけているのかもしれない。
あるいは優勝したときのごほうびで親友を生き返らせるために殺人者となることを決めたのかもしれない。


212 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/24(月) 22:37:42 ID:iC0I0DrR
 

213 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/24(月) 22:37:53 ID:GU2nODKZ


214 : ◆H6tMn7KYPQ :2007/12/24(月) 22:38:59 ID:EkkaevsR

理由は色々あるだろうが、
少なくとも今のなのはは他者の命を絶つことに何の抵抗も感じないまでに打ちのめされているのだろう。
イヴはそう結論付けた。

****

結局、なのははイヴの存在に気付くことなく就寝してしまった。
イヴは音を立てないように扉を開け、ゆっくりとなのはに近寄った。
よっぽど疲弊しているのか、なのはの表情はひどくやつれていた。
その表情には先ほどの悪魔のような雰囲気は出ていなかったが、
それでもイヴはなのはに対して畏怖と呼べるものを感じていた。
そして同時に思う。

(この人なら……私の主人になれる!)

なのはは間違いなく殺し合いにのっている。
それも今の様子からして、他者を殺すのに何の抵抗もないほどに。
それはつまりイヴにとって大いに主人役が務まる人物だということ。
この人ならきっとこの殺し合いを早く終わらせてくれるだろう、とイヴは確信した。
最早さきほどまでの疲労はふっ飛んでしまっている。

だが、そう易々となのはが自分の主人になってくれるとは思えないのも事実だ。
イヴはなのはの親友、フェイトを殺している。
そしてなのはも恐らくそのことに気付いているだろう。


215 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/24(月) 22:40:04 ID:iC0I0DrR
 

216 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/24(月) 22:40:14 ID:GU2nODKZ


217 : ◆H6tMn7KYPQ :2007/12/24(月) 22:40:37 ID:EkkaevsR

もし仮になのはが親友の死が影響して殺し合いに乗っていたとしたらどうか。
親友の仇であるイヴを目の当たりにした瞬間、問答無用でイヴに襲い掛かってくる可能性が高い。
たとえ拘束して身動き出来なくしても、主人としてまともに指示を出してはくれないだろう。

ならば嘘をつくか? 
つまり、フェイトを殺したのは自分ではなくブルーである、と。
自分は止めようとしたけれどもブルーは強大な力を持つ魔法使いであり、結局助けることが出来なかった、と。
実際ブルーは魔法使いであるようだし(本当は違うのだが)、
自分はブルーの手ごまとして無理矢理殺人を余儀なくされていた、
とでも言って言いくるめれば納得してくれるかもしれない。

だが、もし頭から信じてくれなければその場で即殺されてしまうのは明白だ。
だとしたらあまりにもリスクが高すぎる。
それにイヴは元々話し上手ではない。
話し方や挙動から嘘だと見抜かれる可能性も否定できない。
 
では諦めるしかないのか? 
諦めてこの場でなのはを殺し、また別の主人を探しにいくしかないのか? 
それは非常に選びたくない選択肢だ。
イヴは今すぐにでも主人役が欲しいのである。
そしてなのははまさにイヴが追い求めていた人物にぴったりなのだ。
このまま捨ててしまうのは至極勿体ないことこの上ない。

イヴは考えた。
考えて、考えて、考えて……、そしてようやく答えを見つけた。


218 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/24(月) 22:41:28 ID:iC0I0DrR
 

219 : ◆H6tMn7KYPQ :2007/12/24(月) 22:42:20 ID:EkkaevsR

「そっか……私が変わればいいんだ!」

相手が変えられないなら自分が変わればいい、これぞ逆転の発想。
自分が変わる、とはすなわち変装して自らを偽るということ。
要はフェイトを殺した人間だと分からなければ、なのはもはなっからイヴを疑うこともないだろう、ということだ。

 そうと決まれば……と、イヴは自分のランドセルの中身を漁ってみる。
何か変装できるものはないか、役に立つものは無いか、と。
まずは今着ている服、つまりナース服だが、これを変えなければならない。
工場内には作業着の一つも置いてなかったので、完全に支給品頼みである。

そして調べた結果、今ある支給品の中で着ることができそうなのは二つ、
ロボットみたいな着ぐるみと血塗れの自分の服。

前者は却下。着たところで動きづらそうだし、戦闘には向かない。

そして……後者も却下。
別に血塗れであること自体はそんなに気にならない。
そもそも殺し合いを早く終わらせる都合上、血なんていくらでも付くだろうから。
問題なのはこの服がイヴのものであると唯一知っている人物――ブルーの存在である。

もし移動中にブルーと鉢合わせになれば、たとえ身を偽っていても自分がイヴであるとバレる恐れがある。
そうなればなのはもイヴに疑いの目を向けてくるに違いない。


220 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/24(月) 22:43:02 ID:GU2nODKZ


221 : ◆H6tMn7KYPQ :2007/12/24(月) 22:44:17 ID:EkkaevsR

あの爆発で既に死んでいるのかもしれないが、実際にブルーが死ぬところを見ていないイヴは確信できない。
先ほど放送があったが、ろくに放送内容を聞いていなかったイヴは、ブルーが呼ばれたのか否かも分からない。
こんなことならきちんと放送を聞いておくべきだった、とイヴはほぞをかんだが、今更どうしようもない。

「少し危険だけど……なのはさんの支給品も確認してみようかな」

先ほどまで呼び捨てにしていたなのはを、
今では「さん」付けで呼んでいることをイヴは自覚しているのだろうか。
まあそんなことはさておき、……イヴはなのはを起こさないよう慎重な手つきで、
白猫の血がついたベッドの横にある、なのはのものと思われるランドセルを漁り始めた。

ランドセルは二つあったが、一つは白猫のものだろう。
ランドセルの一つには細長い透明な糸とダルマのような人形が入っていた。
両方ともはずれだ。

二つ目のランドセル。
最初に出てきたのは液体の入った小瓶。
なんでも魔力を回復するものらしい。はずれ。

次に出てきたものはまた瓶で、中には赤と黒の丸薬が混ぜられている。
説明書曰く『楽しい夢が見れる薬です』とのこと。
こんな殺戮と惨劇に満ちた殺し合いの中で『楽しい夢』を見せるという
あからさまに現実逃避してくださいといわんばかりの支給品を配布するあたり、
ジェダの意地の悪さがうかがえる。はずれ。


222 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/24(月) 22:44:43 ID:iC0I0DrR
 

223 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/24(月) 22:45:53 ID:GU2nODKZ


224 : ◆H6tMn7KYPQ :2007/12/24(月) 22:46:02 ID:EkkaevsR

「やっぱり、無いかな……」

そう都合よく着るものなんて出て気やしない。
もしこれで無かったら最悪あの着ぐるみを着る羽目になるが、それは是非とも避けたいところ。
どうか着るものがありますように……と神頼みしながら
イヴは三つ目の支給品を取り出し――――――ぱっと顔を輝かせた。

「こ、これは……」

イヴが取り出したもの、それは赤一色で統一された服だった。
ベルトにスカート、さらには三角帽子までついている。
まるで中世ファンタジーを思わせる代物で、変装するにはちょうどいい。
生地は少しごわごわしていて肌触りはあまり良くなかったが、イヴにとってはまさに掘り出し物といわざるをえない。

「なのはさん、これ、借りさせてもらいますね……」

起きたときに自分の支給品を勝手に着ていることで何か言われたら、適当にごまかしておくことにする。
「外で戦闘に巻き込まれてて命からがら逃げてきたんですが、
服がぼろぼろだったので勝手に使わせてもらいました、ごめんなさい」、と。
まあ相手も殺し合いにのっているのだし、
こんなコスプレ紛いの服一つ失ったぐらいで文句は言ってこないだろう、とイヴは考えた。

もっとも、この服に特別な施しがあることにイヴは気付いていなかったのだが――――。



225 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/24(月) 22:46:21 ID:va5R6I6E
 

226 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/24(月) 22:46:24 ID:iC0I0DrR
 

227 : ◆H6tMn7KYPQ :2007/12/24(月) 22:47:22 ID:EkkaevsR

*******


工場の洗面所。
仮眠室から少し離れた場所にあるここで、イヴは洗面台の鏡とにらめっこをしていた。

「こんなもんでいいかな」

鏡の中、そこにはかつてのイヴの姿は無い。
血のように赤い服にスカート、そして三角帽子を身に付け、一見すれば御伽噺の登場人物にも見えなくはない。
以前は腰周りまで伸びていた長い金髪もばっさりと切られ、
ショートになった髪は三角帽子の隙間から少しはみ出るぐらいである。
変装の達人であるリンスには到底及ばないだろうが、今はこれで十分だろう。

ちなみに脱いだナース服と自分の服および切った髪は近くのゴミ箱に捨てておいた。
見つかると厄介なので、工場内に腐るほどあるガラクタも一緒に放り込んでおいた。

「私は『ひめ』。イヴじゃなくて『ひめ』。呼ばれるときは『ひめっち』……よし」

偽名のチェックも忘れない。
『ひめっち』というのはイヴの元の世界で仲間だったトレイン・ハートネットがつけた
イヴのあだ名である。
トルネオの屋敷で監禁されていた頃のイヴを、塔に閉じ込められたお姫さまにたとえてトレインが勝手につけた愛称だ。
イヴにとって、今ではすっかり馴染みのある名前である。
当然『ひめっち』という名は名簿には載っていないが、
こんな状況では偽名なんて誰もが使うことだし、大した障害にはならないだろう。


228 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/24(月) 22:48:24 ID:va5R6I6E
 

229 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/24(月) 22:48:37 ID:GU2nODKZ


230 : ◆H6tMn7KYPQ :2007/12/24(月) 22:49:05 ID:EkkaevsR

「あとはうっかりミスをしなければ大丈夫……。武器の使い方も大体分かったし」

今回の変装によって、イヴは自分の持ち技であるトランスを禁じざるを得なくなっていた。
腕を鋼鉄の刃に変形させたり、ナノスライサーを形成したり、といったイヴの得意技はなのはに知られてしまっているからだ。
そのため支給品の力を借りざるを得なくなったわけだが、それもあらかた克服した。
ドラゴンころしは重すぎて話にならないが、
弾切れの傘なら片手で鈍器として扱えるし、バトルピックも両手持ちならなんとか振り回せる。
それにスタンガンやテーザー銃、スヴェン譲りのウェポンケースも不意打ちするのには十分活躍してくれるだろう。

「本当は私が使うものじゃなかったけど……なのはさんが魔法使いで良かった」

イヴは支給品を片付けると、頭の三角帽子をパタパタいわせながら、
急いでなのはの元へと走っていった――――。




****



再び仮眠室に戻ってきたが、なのははいまだに眠っていた。
それを確認してイヴはほっと一息つき、同時にどっと疲れが押し寄せてくるのを感じた。


231 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/24(月) 22:49:23 ID:iC0I0DrR
 

232 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/24(月) 22:50:01 ID:va5R6I6E
 

233 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/24(月) 22:50:11 ID:iC0I0DrR
 

234 : ◆H6tMn7KYPQ :2007/12/24(月) 22:50:31 ID:EkkaevsR

さすがに我慢できなかったので、イヴはランドセルから紙と鉛筆を出し、
なのはに置手紙を書き、それを寝ているなのはのそばに置いた。
なのはが先に起きてしまうと殺されかねないので、
エーテライトでなのはの両手をベッドのへりに拘束し、両足もまた拘束するのを忘れない。
これならたとえなのはが目を覚ましてもイヴを攻撃することは出来ないし、近くに置いた手紙を読めば落ち着いてくれるだろう。

『私は貴方の味方です。貴方のそばで寝ているのが私です。
もし先に目が覚めてしまいましたら、私を起こしてください。
そしたら手足の拘束を解いてあげます。       ひめ 』


支給品の入ったランドセルは適当な場所に放っておき、イヴは近くのベッドに倒れこんだ。

「私は負けない」

最早完全に疲弊しきったイヴであるが、それでもその目は闘志に溢れていた。

元々彼女はこんな殺し合いなど進んでしたくはないのだ。
ただここにいるのが辛いから……
早く元の世界に帰って仲間達と一緒に再度楽しい生活を送りたいがために、イヴは戦い続けることに決めた。
その決意が揺らぐことはない。


235 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/24(月) 22:50:56 ID:GU2nODKZ


236 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/24(月) 22:51:04 ID:va5R6I6E
 

237 : ◆H6tMn7KYPQ :2007/12/24(月) 22:51:39 ID:EkkaevsR

「待っててね、スヴェン。すぐに戻るから、すぐにこんなゲームを終わらせて……」

イヴの目が次第にまどろんでいく。もう限界なのだ。

「絶対に戻るから……絶対に終わらせて、それで、私、生きて帰るから……」

イヴの瞼が完全に落ちる。そして……

「帰ったら私、スヴェンと一緒にアイスが食べたいな……」

――――――イヴは深い眠りへと誘われていった。


****

工場の仮眠室。そこでは二人の少女が静かな寝息を立てていた。
身も心も疲れきった彼女達二人のうち、先に目覚めるのは一体どちらなのだろうか――



238 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/24(月) 22:51:39 ID:iC0I0DrR
 

239 : ◆H6tMn7KYPQ :2007/12/24(月) 22:52:49 ID:EkkaevsR

【A−3/工場内部(仮眠室)/1日目/夜】

【イヴ@BLACK CAT】
[状態]:左腹部に銃創(処置済み・回復中)、全身に中程度の打撲(回復中)、軽度の火傷、疲労感大、 睡眠中
[服装]:ゴロンの服
[装備]:スタンガン@ひぐらしのなく頃に、バトルピック@テイルズオブシンフォニア
[道具]:支給品一式×7(水と食料少々減)、アタッシュ・ウェポン・ケース@BLACK CAT、
神楽の傘(弾0)@銀魂、 、魔晶石(15点分)、テーザー銃@ひぐらしのなく頃に、
ロボ子の着ぐるみ@ぱにぽに、 林檎10個@DEATH NOTE、勇気ある者の盾@ソードワールド、
ドラゴンころし@ベルセルク 、エーテライト×1@MELTY BLOOD、ころばし屋@ドラえもん、
小銭入れ(10円玉×5、100円玉×3)、胡蝶夢丸セット@東方Project、エルフの飲み薬×1(1/4程消費)@ドラゴンクエストX
[思考]:待っててね、スヴェン……。
第一行動方針:睡眠中
第二行動方針:「主人役」にはできるだけ他参加者の抹殺を進言し、なるべく早く全ての戦いを終わらせる。
第三行動方針:ブルーはもうどうでもいい。見つけたら殺す?
基本行動方針:マーダーチームの戦闘要員として行動し、最後の最後に「主人役」に牙を剥いて優勝する。
         そして全てを忘れて、元の世界に戻る。
[備考]:第一回放送をまともに聞いていません。
    ブルーが「4歳児の姿」になるのは、ブルー本人が持つ特殊能力だと信じています。
    高町なのはを「主人役」として定めました。また、なのはには自分のことは隠し、『ひめっち』と名乗ることにしました。
    髪を切りました。
    ゴロンの服の特性に気付いていません。
※ ナース服、イヴの血濡れの服、イヴの髪(結構長い)が工場の洗面所にあるゴミ箱に捨てられています。
この三つの他に、工場内にあるガラクタが一緒に詰め込まれているので、
ゴミ箱をひっくり返さない限り上の三つは見つからないと思われます。


240 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/24(月) 22:53:01 ID:va5R6I6E
 

241 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/24(月) 22:53:32 ID:GU2nODKZ


242 : ◆H6tMn7KYPQ :2007/12/24(月) 22:54:03 ID:EkkaevsR


【高町なのは@魔法少女リリカルなのは】
[状態]:魔力枯渇寸前、軽度の耳鳴り・聴覚への衝撃による頭痛、
    孤独感、全てに対する絶望、理性と狂気? 睡眠中
[装備]:ミニ八卦炉@東方Project、クロウカード×1(翔)@カードキャプターさくら
[道具]: なし
[思考]:――――
第一行動方針:睡眠と休息を取る
基本行動方針:ジェダを倒して生き残りで脱出?

備考:胡蝶夢丸を服用しました。
  夢の内容は次以降の書き手さんにお任せします
  エーテライトで両手両足を拘束されています。
※なのはのベッドにはイヴの書いた置手紙が置いてあります。
今の状態で起きても、手紙の内容は把握できる位置にあります。


【ゴロンの服@ゼルダの伝説 時のオカリナ】
見た目は大人リンクの普段着の赤色版。
耐熱効果があり、着ている間はどんな熱気にも耐えられる。
元来大人用だが、このロワでは参加者の都合もあり子供サイズになっている。
原作では溶岩の上を小ダメージで歩けるほどの効果をもつが、ロワ内では幾分制限されている可能性もある。


243 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/24(月) 22:54:20 ID:iC0I0DrR
 

244 : ◆H6tMn7KYPQ :2007/12/24(月) 22:57:18 ID:EkkaevsR
投下終了です。支援してくださった方々、どうもありがとうございました。
地の文ばかりで読みづらかったのは申し訳ない……
今回初めてSSを書いて、書き手さんの苦労がひしひしと伝わってきました。

指摘等ありましたら、どうぞ宜しくお願いします。

245 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/24(月) 23:02:48 ID:iC0I0DrR
投下乙です。
イヴの心情の経緯が分かりやすく、取った行動も納得です。
ばっさり髪を切るとは、思い切ったもんだ……。
2人が目覚めた時にどうなるのかも興味深いところ。
指摘されていた改行もいい感じになって、GJです。

……って、えぇ? これで初SS?! 凄い……!

246 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/24(月) 23:12:30 ID:va5R6I6E
>>195
投下乙。キルアがゴンとの思い出を回想するシーンが良かった。
けど、ごめん。俺の力不足のせいで突っ込んだ指摘ができない。

>>244
GJ。格段に読みやすくなっています。
内容のほうは、いたって真面目に、必死で地雷原に突入していくイヴが可笑しかった。
平気で年下のなのはに「さん」という敬称をつけているのが甲斐甲斐しいというか何と言うか……w
なのはの行動はいつも自分が意図しないところに結果を残すなー。
何気にイヴのコスプレも面白い。前途多難なイヴの明日はどっちだ?w

247 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/24(月) 23:14:16 ID:8q/Y2Y0h
初SSでこれとは上手い。GJ!
そういえばなのはは一言もイヴの声を聞いた事が無いんだな、面白いことに。
これは一体どう転ぶ事やら。

248 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/24(月) 23:15:22 ID:GU2nODKZ
>>195
投下乙!
展開としては問題ないかと。ゴンと一緒の時の事を思い返すキルアの描写は良いと思います。
が、やはりパタリロの言葉に対してキルアの精神が向かった方向に違和感が……

>>244
こちらも投下乙!
安易なやり取りにはならないと思ってたけど、そう来たか……
そういえば、前に戦った時にイヴは声を発してないんだよなぁ。これならバレないかも。
でもイヴさーん! その人ミニ八卦炉持たなくてもシューター打てますからー!!

249 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/24(月) 23:15:45 ID:NEw6R6Qf
>地の文ばかりで読みづらかった
とんでもない、とても読みやすかったですよ。

GJです。
イヴのイメチェン、長い髪を切るだけでも印象って変わりますからねー、さてどうなるやら。
しかしあれだな、敵じゃないと書き置きを残そうが、手足を拘束してたら思いっきり警戒されるよな…w
今後の二人の関係がどうなるか期待です。

250 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/24(月) 23:23:47 ID:3KpXWqg2
投下GJ!

放送後は面白い組み合わせが生まれるなぁ
兄妹やらステルスずやら金髪ずやら
声出してないのか、イヴ
参加者は金髪ばっかだし、なのはと出会ったとき暗かったしばれないか?
注目度の高いパートを、初でここまで書けるとは凄いな

251 : ◆H6tMn7KYPQ :2007/12/24(月) 23:40:08 ID:EkkaevsR
読みやすくなってますか、よかった…
今回は「試しに書いてみたい」という些細な理由で挑戦したので、
ここまで賞賛されるとは思っていませんでした。誠に嬉しい限りです。
また機会があれば書いてみたいな、と思ってます。
今日はどうもありがとうございました!

252 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/25(火) 00:03:18 ID:muq9jBOc
>>195
修正投下乙です。
パタリロの方は良いんですが、やっぱりキルアの方に相変わらずの違和感が有るんですよね。
しばらく考えて気付いたんですけど、これまでの経緯とズレがある感じです。

・キルアは原作において、人殺しである事についてそれほど気にしていない。
 敵を殺すのにも躊躇は無く、人殺しと言われてここまで傷付く姿が想像できない。
 殺し屋では無くハンターだとは考えているし、無駄に殺す気も毛頭無いだろうが、この点は変わった様子が無い。
・そもそも既にこの島で(キルア視点では)二人殺しているが、
 カツオとグレーテルを殺した時の心理描写と色々食い違う

恐らくパタリロの指摘で『人殺しである事=ゴンを殺した奴と同じである事』と思考を誘導し、
更にその事に忌避感を感じさせようという趣旨でしょうし、書き方によってはそうできるでしょうが、
その途中経緯が抜けている感じです。

253 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/25(火) 00:47:33 ID:UA+Q+UcT
>>195
投下乙です。
ゴンとの思い出や、描写に深みが増して良くなったと思います。
だけど、もう一声欲しいかな?という感じです。

すでに言われていますが、「殺すために殺すこと=ゲームに乗ってゴンを殺した奴」と同じでキルアがショックを受けたのが、伝わるんですが分かりにくいと思いました。
キルアは殺人自体にはそれほど嫌悪感は持っていないようなので、パタリロに
「ゴンを殺した奴と同じだ」
という指摘を強調して言わせれば、良いんじゃないかな?と思います。

それか、パタリロの言葉で話を終わらせるとか。
キルアがパタリロに指摘を受けた後の心理描写をなくし、次にまかせるのもなかなか面白いヒキになると思います。

キルアだけで、あとは文章も良くて問題ないので次に生かして欲しいと思います。
殺人に戸惑いなしという難しいキャラですよね…

254 : ◆cwyZig7Yqw :2007/12/25(火) 16:44:39 ID:dubj/EhF
指摘ありがとうございます。

そこだったのか…微妙な違和感はそこだったのか……。
再度修正してきます。何度もすみません。

255 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/25(火) 16:52:52 ID:vDdLU7P4
>>254
乙。本当にすみません。ちゃんとした指摘するのは読み手の責任だよなorz

256 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/25(火) 18:37:20 ID:UA+Q+UcT
>>254
修正頑張ってください。
こっちも最初の時にきちんと指摘できなくて申し訳ない…
でも、きっと良い作品になると思うので応援しています。

257 : ◆xncBWD4TMo :2007/12/25(火) 23:59:33 ID:Bh3nMQ0l
元H6tMn7KYPQです。
絵版でちょっとしたドジやらかしたのでトリ変更します。
なんでパス設定しなかったんだ自分orz

258 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/26(水) 16:32:26 ID:VEVZpwxm
今思ったんだが、神楽の酢昆布、メロの板チョコ、雛苺の苺大福
参加者以外ではドラえもんのドラ焼き、リュークのリンゴと特定の人物の好物は支給品としてあるのに一人だけメロンパンをスルーされたシャナカワイソスw

259 : ◆sUD0pkyYlo :2007/12/26(水) 17:04:42 ID:nhoZfnqc
レベッカ宮本  以上1名予約します。

260 : ◆IEYD9V7.46 :2007/12/26(水) 18:19:03 ID:wWnUH+5l
>>259
期待してます。

すみません。予約延長お願いします。投下は明日できると思います。
年末進行予想外過ぎた……。

261 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/26(水) 19:41:29 ID:p5QeiJXP
>>258
キムチとかチョコビとかハンバーガーとか

262 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/26(水) 20:44:08 ID:RIB6z+XC
蜂蜜とかもな

263 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/26(水) 20:49:55 ID:wWnUH+5l
したらば予約スレより。

7 名前: ◆Gs3iav2u7.[sage] 投稿日:2007/12/26(水) 20:38:03 ID:Lva/mVxI0
規制で本スレ書き込めないのでこちらに。
ベルカナ、葵、トマ予約します。

264 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/26(水) 22:44:16 ID:VEVZpwxm
すまん、見落としてた。
蜂蜜=アルルゥ
チョコビ=しんのすけ
は解るんだけど、キムチとハンバーガーだれだっけ?
キムチですぐ浮かんだのはミミ(目玉焼きのエピソードから)なんだが、違ったかな?
ハンバーガーって誰だっけ?


265 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/26(水) 22:56:47 ID:S7USvm7Z
アルルゥが好きなのは、蜂の巣まるかじりだったような

266 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/26(水) 22:58:57 ID:yIkJWN6Y
ハンバーガーは太一じゃなかったっけ
タクシー代までハンバーガーにつぎこんでるし

267 : ◆sUD0pkyYlo :2007/12/26(水) 23:01:47 ID:nhoZfnqc
予約したばかりですが、投下開始します。
……予約前にほとんど書き上げてたもんで。

268 :少女Q ◆sUD0pkyYlo :2007/12/26(水) 23:02:52 ID:nhoZfnqc




  「もっとも萌え〜な人外とは何か わかるかねベッキー?!」
  「……何のつもりだ姫子。そもそもお前、ここには呼ばれてないだろ。なんで出てくんだよ」
  「そうだ〜、その通りだよ〜♪ 我らが愛する吸血鬼だよベッキー♪」
  「……最初っからヒトの話聞く気ないな、コイツ」
  「ではなぜ吸血鬼はそれほどまでに愛らしい?
   吸血鬼は欠点だらけだ〜 にんにくを嫌い〜 十字架を嫌い〜 聖餅や聖水は身を焼く〜
   川・海・湖畔・流れる堀を渡れず〜 太陽に目をそむけ〜 聖書に耳をそむけ〜
   ほとんどの吸血鬼は夜しか動けず〜 安息のねぐらは唯一ツ暗く小さな棺だけ〜
   それでも吸血鬼は無敵の属性(キャラ付け)と呼ばれる ベッキー 何故だかわかるかな〜?」
  「……放っておいても喋り続けそうだし、少しくらいなら付き合ってやるか。
   えっと……牙が生えてること?」
  「それは決定的ではな〜い☆」
  「じゃあ……魔法使ったり空飛んだりすること?」
  「少々役不足だねー それが出来るのは吸血鬼に限らないよ〜♪」
  「他人の血を吸い いくらでも仲間と下僕を増やす?」
  「それは確かにスゴイことだ だが最萌えか とは少ぉ〜し 違ぁ〜う
   もっともっともっともっと単純なことだよ☆」
  「…………年を取らない?」
  「そうだ〜 吸血鬼はとっても長生きなのだよ〜 ベッキー☆
   反射神経 集中力 第六感 身体能力 特殊能力
   耐久力 吸血能力 変身能力 怪力 etc(エトセトラ) etc(エトセトラ)
   しかぁ〜し、最も萌えるべきはその純粋な不死性………『年を取らないこと』さ!
   大人達を軽々と子供の様に見下してしまう
   そしてたちの悪いことに吸血鬼達はその愛らしさを自覚している
   単一属性としてでなく 彼女の体型(つるぺったん)を持って年輪を重ねる『ロリババア』だ!
   ロリ吸血鬼との会話は萌死を意味する
   いいかねベッキー 吸血鬼とは知性ある
   血を吸う『永遠の少女』なのだ これを萌え〜☆ といわず何をいうのかー!」
  「…………もうおまえ、いい加減帰れ。元の世界に帰って今すぐ病院行ってこい。いやマジで」

        *     *     *

269 :少女Q ◆sUD0pkyYlo :2007/12/26(水) 23:04:11 ID:nhoZfnqc
――全てを嘲笑うかのように、夜空にぽっかりと満月が浮かんでいた。

「…………はッ!?
 いかんいかん。喉渇きすぎて、幻聴まで聞こえてきた。さっさとどーにかしなきゃマズいなこれ〜。
 というか、なんかやたらリアルな幻聴だったぞ、オイ……」

少女は川辺で1人、頭を振る。
いつまでも泣いてはいられない。そう思って立ち上がったまでは良かったが、その拍子に貧血を起こしたらしい。
レベッカ宮本、11歳。
職業:高校教師。属性:天才少女。ついでに成り立てホヤホヤの新米吸血鬼。
今の彼女には、血が足りてない。レミリアに吸われ身体はボロボロ。傷からの出血も多いし吸われた量も多い。
吸血鬼として蘇りはしても、いや吸血鬼になってしまったからこそ、今のレベッカには血が不足している。
彼女は嘆く。天を仰ぎ、己の境遇を嘆く。

「うーっ、いっそのことここで死んだ方が楽なのかな……。
 こんな身体じゃ、先生も続けられないだろうし……!」

このまま水に身を投げれば、きっちり死ぬことも出来るのだろうか。
この先永遠に味わうことになるであろう苦しみを考えたら、いっそのこと……!
将来を悲観した天才少女は、色々と想像してみる。

まず、日の光を直接浴びれないのなら、普通の生活さえも困難になる。
言うまでも無く、高校の授業があるのは昼間。昼夜逆転の屋内引き篭もりに教師は務まらない。

(……って、紫外線か何かがマズいのかな? なら私は天才だし、その辺は適当な技術で何とでもなるぞ?)

それに、飛び級の上に子供が教職についていることには、ただでさえ反対も多いのだ。
この上吸血鬼にまでなってしまったら、周囲が黙ってはいまい。きっと文科省とかどっか上の方から圧力が来る。

(……って、こないだの事件で私の敵はほぼ排除できたよな。なら、今さら吸血鬼くらい、どーってことねーだろ)

同僚の教師たちも、きっと動揺するだろう。
血を吸う怪物相手に、今まで通りに接するのは彼らにも難いはずだ。職場で孤立しかねない。

(……いや動揺しねーって。早乙女やジジイがそんなタマか? 五十嵐先生だってきっと笑って受け入れるぞ?)

何より、吸血鬼の先生なんて生徒たちがどう思うか。
怖がって授業にならないのではないか? みんな逃げてしまうのではないか? それで教職が務まるのか?

(……姫子は逆に喜ぶな。もう間違いない。
 玲は、やっぱ嬉々として十字架やニンニク持ってくるんだろーなー、あのイジメッ子め……。今から憂鬱だ……。
 くるみに都に6号は、まあ、驚くのも最初だけだろ。あいつらもなんだかんだで順応性高いし。
 で、学級委員の一条は……あいつが一番読めないか。アレが何か反応するとしたら、
 『化け物(ふりーくす)ですか?』 ……え?
 『暴力を振るっていいのは異教徒と化け物だけですか?』 ……な?! ちょ、ちょっと待て!?
 『死人が唯一の法理を破って私の前を歩くことが許せますか? 許せませんね?』 ぼ、暴力反対! やめ!
 『――AMEN(C.V.若本)、ですか?』 おい待て一条その銃剣を降ろせ話せば分かる話せばギャーッ!?)

270 :少女Q ◆sUD0pkyYlo :2007/12/26(水) 23:06:18 ID:nhoZfnqc

……結論。

「……なんだ、別に吸血鬼になっても大したことないじゃん。普通に先生続けられるだろ。
 もうなっちまったモンは仕方ねーし。いつもみたいになんとかなるさ。
 何してくるか分からん一条には注意が必要だけど、それ以外はまあ、どうにでもなるっつーか……。
 にしても、嫌な妄想だった……ああいう展開だけは勘弁してくれ、頼むから……」

不条理な事件なら今までいくらでも経験してきたし、その度に適度に脱力しつつも乗り越えてきたのだ。
短時間とはいえ、深刻に落ち込んでいた自分がバカらしくなってきた。
こんなもの、どうってことない。新たな設定が1つ増えた程度のこと。
そう思ったら、なんだか一気に楽になった気がする。

「さてそれで、これからどうするか、だよな……。うーん……。
 やっぱり、レミリアの馬鹿を止めなきゃならねーんだろーけど……うーん……」

自分の身に降りかかった境遇をあっさり受け入れてしまったレベッカは、次に「その元凶」のことを思う。
つまり、自分を襲い、血を吸い尽くし、望みもしなかったのに永遠の命を押し付けてくれた、レミリアのこと。
きっとレミリアは他の参加者に戦いを挑む。レックスやアルルゥを襲ったのと同じように、戦いを仕掛けて回る。
そして、多くの悲劇を引き起こす。
誰かが止めなければならない。彼女の暴走を知る誰かが止めなければならない。
しかし……。

「だけどな〜、ど〜考えても今の私が勝てるわけないんだよな〜」

レベッカは、今やただの人間ではない。完全に無力な存在だったさっきまでとは、一味も二味も違う。
喧嘩の心得も何もないが、相手が一般人クラスなら身体能力だけで圧倒できるだろう。
けれど彼女にとって、レミリアは吸血鬼としての「親」である。明らかに格上の存在である。
こういう身体になってみれば分かるが、親であることを抜きにしても、同族の中でも頭抜けた実力の持ち主だ。
夜を歩く者たちの中でも規格外の実力者、レミリア・スカーレット――レベッカにとって、荷が重すぎる。
あのレックスさえも圧倒した戦闘力、ちょっとやそっとのことでは崩せそうにない。

「やっぱ仲間集めて、数で対抗するしかねーか。
 そうすると、まずはバラバラになったみんなと合流して、新しい仲間も探して……」

ジーニアスやしんべヱなど、かなりの仲間が死んでしまった。先の放送で名前を呼ばれてしまった。
それでも、まだ仲間が居ないわけではない。
剣技に優れたレックスに、召喚術を扱うアルルゥ。この2人は今や信用できるし、信頼もできる。
探せば新たな仲間を見つけることもできるだろう。あのアルルゥがちゃんと懐くかどうか、ちょっと心配だが。
と、アルルゥの姿を思い浮かべたレベッカは、ふと自分の口元から零れる涎に気がつき、ブンブンと頭を振った。

271 :少女Q ◆sUD0pkyYlo :2007/12/26(水) 23:08:59 ID:nhoZfnqc

「……っておいおい待て待て、『美味しそう』とか思ってる場合じゃねーだろ私ッ!
 まじやべーよ。アルルゥを『餌』にしか思えない今の私、かなりやばいって! 完全に血が足りてないぞ!」

吸血鬼は処女の血を好む。伝承に言われる通りだ。
あの幼く穢れなき身体に流れる血が、とてつもなく美味な甘露のように思えてくる。想像するだけで涎が出る。
あの細い首にかぶりつき、思う存分その血を啜ってみたい……そんな衝動が湧き上がってきてしまう。
そして同時に、そんな衝動に焦りを感じるくらいの理性はまだ残っているわけで。
このままでは、ミイラ取りがミイラになってしまう。
レミリアの暴走を止めたいレベッカなのに、このままでは逆に暴走して誰かに襲いかかってしまう。
これでは新たな仲間を集めるどころか、既にいる仲間との合流さえできない。

「こりゃ、どっかで血を調達することを優先させた方がいいな。早く何とかしないと、弾みで誰か襲っちまうぞ。
 かといって、喜んで生き血を分けてくれる奴もいねーだろうし、死体から腐りかけた血ィ啜るのもヤだし……」

生きている参加者もダメ、死んだ参加者の死体もダメとなれば、血液のアテなど限られてくる。
レベッカ宮本は、すぐに結論に辿り着く。

「……とりあえず、病院行くか。あそこなら輸血用血液のパックくらい置いてあるだろ」

レミリアや仲間のことは気になるが、今は後回し。
吸血欲求を抑えられる程度にまで渇きを癒すことが、最優先だ。
レベッカは地図を広げる。現在地はE−4北東部。目的の病院はG−7中央。
大雑把に見て、4km余りの道のり。その程度なら、今のレベッカでも――。

        *     *     *

  「しょくん! 私は吸血鬼が好きだ!
   しょくん! 私は吸血鬼が好きだ!
   しょくん! 私は吸血鬼なベッキーが大好きd (ズガン!)」

  「もう分かったから帰れ姫子。人の脳内で勝手に演説始めるな。アホ毛からゆんゆん電波飛ばすな。
   次やったらそのアホ毛を引っこ抜いてメソウサの餌にするぞ。いいな?!」
  「マ……マホ……! (ガクッ)」

        *     *     *

272 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/26(水) 23:09:07 ID:8r1++8YW


273 :少女Q ◆sUD0pkyYlo :2007/12/26(水) 23:11:00 ID:nhoZfnqc

「…………疲れた。また幻聴が聞こえてくるくらい、疲れた」

レベッカが勢いよく歩き出して、まだ数分も経っていない。なのにもう力なく道端に座り込んでいた。
まあ……そりゃ、疲れてはいるはずだ。
元々体力もないのに全力疾走の追いかけっこの連続。そして慣れない戦闘。挑発しての逃走。
そして、血を吸い尽くされてのひとたびの死。人ならざるものとなってのこの世への帰還。
薄味の単行本なら1冊分くらいには匹敵する大イベントの連発だ。疲れていないわけがない。
それこそ、少し歩いただけでバテてしまうくらいに。これでは、病院まで到底もちそうにない。

「あー、吸血鬼って言っても、やっぱ歩けば疲れるんだなー。
 こーゆー時はやっぱこう、首筋にガブッといってチューッと新鮮な血を……って何考えてんだ私。
 そうしないために歩いてたんじゃねーか! しっかりしろ、私!」

まるで仕事後にビールをあおるサラリーマンのように、嬉々として血を味わう自分の姿がリアルに思い浮かぶ。
これは結構ヤバい状況なのかもしれない。このままでは病院に着くまで持たないかもしれない。
血を吸ったこともないのに美味いと分かる吸血鬼の本能スゲー、とか笑ってみても何にもならない。

「だいたい、吸血鬼なら空くらい飛べるのがお約束だろ。なんで地べたを歩かなきゃならないんだ。
 ほら、レミリアは軽々と飛んでたわけだし……ん!?」

座り込んだまま、グチグチと愚痴っていたレベッカは、そしてふと何かに気づく。
それは自分の身の内に宿る、ある種の「力」の流れ、とでも言うべきか。
憔悴しきっていたことも忘れて、立ち上がる。耳を澄ませるかのような仕草で、身体の中の力の流れを確かめる。

「ひょっとして……これを……こんな感じ、か?」

その「力の流れ」を制御する感覚は、上手く言語化できない。人間の言語体系にそれを表現する言葉はない。
けれども、直観的に分かった。それが可能なことだと理解できてしまった。
しばらくああでもない、こうでもないと頑張っていたレベッカの身体が、やがてふわり、と宙に浮く。

「……おおっ! 飛べた! 飛べたぞホントに!! アイキャンフラーイ!! あはははははっ!」

何の支えもなしに、身体が宙に浮かぶ。
見る見るうちに地面が遠ざかる。少し念じただけで、森の木々を飛び越え身体が動き出す。
間違いなく、レベッカ宮本は今、その身1つで空を飛んでいた。

        *     *     *

   「ベッキーはなんで飛ぶのかな〜?」
   「11歳ですけどー?」
   「 ノシ 」

        *     *     *

274 :少女Q ◆sUD0pkyYlo :2007/12/26(水) 23:12:59 ID:nhoZfnqc

なんだかまた一瞬クラスの問題児の声が聞こえた気がしたが、適当にあしらっておく。
アホ毛切断の約束も当面保留。気分は一気にハイテンションだ。
これならすぐにでも病院に辿り着ける! 一気に飛んでいける! 吸血鬼万歳!

「あはははは! それ、いっけーっ!!」

レベッカ宮本の小さな身体は、暗い森の上を飛んでいく。
このまま一気に病院まで飛んでって、輸血用パックをイッキ飲みして、すぐに引き返してレミリア捕まえて……!
夢が広がる。自信が溢れる。吸血鬼に成ったばかりだというのに、さすが天才!
この調子なら、この勢いでレミリアもコテンパンにやっつけられるかも……?!

        *     *     *

――数分後。
調子に乗りすぎたレベッカは、すぐに力尽きて森の中に墜落した。まっ逆さまに、墜落した。
当然の結果である。空飛ぶのだってタダじゃない。
そりゃ、足の筋肉は疲れないかもしれないが、別の部分で消耗する。
天才少女なら墜落する前に気付いても良かったはずだが……ま、ベッキーだしな。無理だろ。うん。

        *     *     *

  「優麻と」
  「優奈の」
  「「人情劇場〜〜!!」」
  「…………おい、A組の双子。姫子が出てこないと思ったら、今度はお前らかよ」

  「優奈〜 おねえちゃんだよー おまえのおねーちゃんだよー 今帰ったよー 開けておくれー」
  「本当かー 本当に本当の優麻ちゃんですかー 本当の優麻ちゃんならこれができるハズです」

  「ベッキーのものまねー」

  「授業する気がないのなら自習にすればいいじゃない」

  「うわー超ゴーマーン やっぱり優麻ちゃんだーッ」
  「はっはっはっはー」
  「……柏木姉妹、お前ら帰ったらちょっと説教な。てか、とうとうネタに『吸血鬼』の一言も入らなくなったか」

        *     *     *

275 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/26(水) 23:14:09 ID:8r1++8YW



276 :少女Q ◆sUD0pkyYlo :2007/12/26(水) 23:15:09 ID:nhoZfnqc

「……痛てて。今一瞬意識飛びかけたぞ……。なんかまた『出た』し。
 あーしかし吸血鬼で良かった。人間だったらきっと大怪我してたな、今の高さ」

湖畔近くの森の中。折れた木の枝の上から起き上がりながら、レベッカは頭を掻く。
飛び方のコツは、案外早く掴めた。すぐに飛びたい方に向かって飛べるようにもなった。
けれど足りなかったのは、持久力。
重力に逆らって飛ぶ以上、ただ浮かんでいるだけでもエネルギーを消耗する。
一言で分かりやすく言えば、疲れる。

「うう、疲れた……。ただでさえバテてたのに、空なんて飛ぶモンじゃないな……。
 全力で走るのと同じくらい疲れるじゃないか。よくあんな調子で飛びまわってたな、レミリアの奴」

あるいはそれは、まだレベッカが慣れていないからかもしれない。吸血鬼として未熟だからかもしれない。
もう少し経験を積んでいけば、同じ「飛ぶ」にしても効率よく消耗を抑えることも出来るのだろう。
しかし、それは今のベッキーには叶わぬ願い。
例えてみれば、ちょうど泳ぎを覚え始めた子供のようなもの。
なんとか溺れずに25m泳げるようになったところで、すぐに遠泳に挑めるはずもない。
その差を埋めるには相当の努力と時間が必要となる。一朝一夕でどうにかなる問題ではない。

「ちくしょー、これで楽できると思ったのになー。
 ここは……エリアで言えば、E−5くらいか。まだ3km近くもあるのかよー。もう歩けねーし飛べねーよ……」

レベッカは湖面を見つめる。
ここから病院までは、直線距離なら2kmほどか。陸地を道なりに行っても3kmもない。
真っ直ぐ行けたら楽なのになー、と呟いたレベッカは、そしてふと「あるもの」の存在を思い出す。

「そうだ……アレ、使えないか?!」

        *     *     *

  「どうも、メソウサです……。
   吸血鬼に関係あるネタをやってこいと言われましたが、何も思いつきません……。
   タネ本として渡された某吸血鬼漫画も、指がないので開けません……読めません……。
   ああ、僕はなんて不幸なんだろう……。姫子さんのアホ毛も無理やり喰わされるそうですし……。
   あのぉ〜、僕は……僕はどんなボケをすればいいと思いますか?」

  「幻聴幻覚の分際で私に相談すんな。さっさと出てけ。
   ……そうだな、帰ったら私が直々に噛みついてやるよ。一緒に吸血鬼の世界に道連れだ。
   私1人だけ苦労するなんて許せん。おまえも吸血鬼になれば、もうネタ不足に困ることもねーだろ」

  「な〜〜ぜ〜〜!? (ガガーン!)」

        *     *     *

277 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/26(水) 23:15:23 ID:wWnUH+5l
 

278 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/26(水) 23:16:13 ID:wWnUH+5l
 

279 :少女Q ◆sUD0pkyYlo :2007/12/26(水) 23:16:40 ID:nhoZfnqc

魔導ボードに乗ったレベッカは、病院へと急ぐ。
湖畔の獣道を疾走し、大きな橋に向かって滑るように進む。
不調続きだった魔導ボードだが、今はもうすっかり最初の頃のスピードを取り戻している。
それと言うのも……。

「……魔力切れとは、盲点だったな。でもま、これでいつでも自分で充電できるわけだ。
 吸血鬼も、案外悪くないじゃないか」

転んだ拍子に調子が悪くなったと思い込んでいた魔導ボードだが、なんのことはない。
単なる魔力切れ――最初の時点で充電されていたエネルギーが、ボードの酷使によって尽きかけていたのだ。
そして今現在のレベッカは吸血鬼。
魔法自体は知識と経験が要る高等技術だが、「魔力の存在そのもの」は種族的特性だ。
この単純な構造のマジックアイテムに再充電するくらいなら、今の彼女にも可能なことであった。

「それにしても……『流れる水』があんなに怖いとはなぁ。
 まあレミリアも渡れないくらいだし、『成り立て』の私には到底無理ってことか。
 大人しくあの大きな橋を渡るしかないみたいだなー」

最初は、斜めに湖面と川を横切ってショートカットしようと思っていた。
魔導ボードの機能を考えれば、湖面も地面も大差ない。直線距離を進むことで1/3ほど道程を短縮できる。
が……湖面に「水の流れ」を認めた途端、渡ろうとしていたレベッカに凄まじい恐怖が襲い掛かったのだ。
自分でも理由の分からない、本能的な恐怖。
無理をすれば自分の存在自体が滅びてしまうかもしれない、という根拠なき確信。

「やっぱ吸血鬼って不便の方が多いな〜。太陽もダメ、にんにくもダメ、流れる水もダメってどんな虚弱体質だよ。
 ……決めた。帰ったら八つ当たりだけどメソウサの血も吸ってやる。奴も同じ境遇に引きずり込んでやる。
 私1人が苦労するなんて、許されないからな。あいつなら今さら不幸が1つ2つ増えたところで平気だろうし」

レベッカはニヤリ、と底意地の悪い笑みを浮かべて深く心に誓う。
なんだか遠くから「それさっきも言われましたけど〜〜!?」とか悲鳴のような声が聞こえてきた気もするが無視。
今はただひたすらに、吸血衝動を抑えつつ、病院への道を急ぐ。

        *     *     *

……哀しみを忘れたわけではない。
ジーニアスとしんべヱの死は、思い返せば今でもレベッカの心に重くのしかかる。
……怒りを忘れたわけでもない。
レミリアの暴走は、今でもレベッカには許せない。あのどうしようもない意地っ張りをなんとか張り倒してやりたい。
どちらの感情も、簡単に忘れられるようなものではない。本来なら、笑っているような場合ではない。

280 :少女Q ◆sUD0pkyYlo :2007/12/26(水) 23:18:22 ID:nhoZfnqc

それでも、レベッカは笑う。頑張って笑う。
桃月学園の生徒たちを思い出し、彼女たちなら言いそうなことを想像して、一生懸命に笑う。
きっと今のレベッカにとって一番の「武器」は、その強靭で真っ直ぐな精神だから。
いつもの調子を保ち続ける平常心こそが、あのレミリアをも圧倒しうる最大の「武器」だから。
だからレベッカは笑いを絶やさない。笑うための余裕を決して忘れない。
いつも通り、適当に肩の力を抜いて、ちょっとグダグダになりながらも、彼女は自分の軸を決して揺るがさない。

(本当は……私も、泣きたいんだけどな。
 「誰か私を泣かせてよ」、と言いたい所だけどな。そっと静かに泣かせて欲しいんだけどな。
 でも……今は、それじゃダメなんだ……!)

言ってみれば、これも彼女なりの戦いかた。
絶対に負けない。絶対にみんなの所に帰る。どんなに厳しい戦いになっても、決して諦めない。
翠星石の犠牲を、ジーニアスの決意を、絶対に無駄にしない。絶対に忘れない。
帰った後にどんな大変な問題が待っていたとしても、どんな身体に成り果てたとしても、必ず帰る。
そのためにも。

        *     *     *

  「体温ですにゃ」
  「…………」
  「輸血用パック、温めておきましたですにゃ」
  「…………」
  「人肌ですにゃ」
  「…………」
  「………………かみさまですにゃ」

  「……だぁーーーーッ!! おまえら出てけーーーーーッ!! 私の頭の中から出てけーーーっ!!
   心配しなくても、私は絶対戻るからッ!! 絶対だぞっ!?
   だから、わざわざみんなで出てくるな、このバカどもーーッ!!」

        *     *     *

そのためにも、レベッカ宮本はこんなところで立ち止まってはいられないのだ。


281 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/26(水) 23:19:28 ID:90HnihTV
 

282 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/26(水) 23:19:32 ID:wWnUH+5l
 

283 :少女Q ◆sUD0pkyYlo :2007/12/26(水) 23:19:49 ID:nhoZfnqc


【F−5/橋のすぐ傍/1日目/夜】
【レベッカ宮本@ぱにぽに】
[状態]:吸血鬼化(肉体強化、弱点他)、疲労(大)、魔力消費(小)、傷だらけ(再生中)、血が不足、吸血衝動あり
[服装]:普段通りの服と白衣姿(ただしボロボロ)
[装備]:木刀@銀魂、魔導ボード@魔法陣グルグル! ヒラリマント@ドラえもん(ボロボロだが一応使える)
[道具]:支給品一式×2、15歳のシャツ@よつばと!を裂いた布、宇宙服(最小サイズ)@からくりサーカス
[思考]:う〜、喉渇いた……。早く血を飲まないと……。
第一行動方針:誰かを襲ってしまう前に、G−7の病院に行って輸血用血液を確保し、喉を潤す
第二行動方針:何とかレミリアを止めたい。そのために仲間と力を求める
基本行動方針:主催者を打倒して元の世界に帰る。
参加時期:小学校事件が終わった後

[備考]:吸血鬼化したレベッカの特殊能力として、魔力の存在と飛行能力を確認しました。
   ただし魔法の技術や知識は一切持っていないため、現時点で魔法を使うことはできません。
   また慣れていないため、飛行すると非常に疲れます。
   流水を渡れないという弱点を確認、当人も理解しました。

[備考]:魔導ボードの不調は故障ではなく、単に魔力切れを起こしかけていただけでした。
    吸血鬼化したレベッカが自分で充電して、今は満タンに近い状態に戻っています。


284 :少女Q ◆sUD0pkyYlo :2007/12/26(水) 23:20:25 ID:nhoZfnqc
ここらででギャグ分補充。
以上、投下完了。支援感謝です。

ベッキーの移動ルートは、
E−4の東北端 → 空を飛んで E−5の湖岸 → 魔導ボードでF−5の南側の縁近く、です。
森の空を飛んで移動してるんで、他の中央森のキャラの移動ルートとはぶつかりにくいと思います。
ベッキーの側には余裕が無かったので他の誰のことも気づきませんでしたが、
空を飛ぶ彼女を目撃している者もいるかもしれません。森の木々に隠れてやっぱり気付かないかもしれません。

基本的にベッキーの吸血鬼としての能力は、レミリアの大幅劣化バージョンということで考えています。
ベッキーの能力など、異論、指摘等ありましたらよろしくお願いします。

285 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/26(水) 23:23:47 ID:8r1++8YW
投下乙
ヘルシングネタとあずまんがネタワロタw
飛行は魔法能力で宙に浮遊している感じなのかね?

286 : ◆sUD0pkyYlo :2007/12/26(水) 23:25:34 ID:nhoZfnqc
>>285
その辺は意識してぼかしました。東方の設定も曖昧な所だと思うので。
ただ、慣れてもいないので長距離飛行は困難だ、ということにしておきました。

287 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/26(水) 23:29:29 ID:wWnUH+5l
投下GJ。何と言うぱにぽにオールスター、メソウサがいろいろとかわいそうだw
ギャグによって決意を固めていくのは面白い。同じように日常に手を伸ばしているはずの千秋とは印象が全然違うな。
まぁぱにぽに世界は色々理不尽だから仕方ないかw その分、吸血鬼くらい簡単に受け入れる懐の深い世界でもあるしw

288 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/26(水) 23:31:07 ID:90HnihTV
ぱにぽによく知らないけどワロタよ

289 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/26(水) 23:57:27 ID:qAhiDVtZ
投下乙!
アイキャンフラーイなベッキーがいい感じ!
しかし恐るべしぱにぽにの世界の住人……
確かに奴らなら、今更ベッキーが吸血鬼化したところで大騒ぎするほどのことでも無いなw

290 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/27(木) 01:16:43 ID:DkH2a04L
GJ!普通に噴いたw

291 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/27(木) 01:27:35 ID:gLRt5Gy1
>いいかねベッキー 吸血鬼とは知性ある
>血を吸う『永遠の少女』なのだ これを萌え〜☆ といわず何をいうのかー!」
俺のハートを掴んで離さぬ核心をー!?

いやはや……ほんとベッキーらしいというかなんというか。
でも最後の所でちょっとほろりと来た。がんばれベッキー。負けるなベッキー。
キャラと吸血鬼化の温度差で続き書きにくくなるんじゃないか心配だったけど、
実に上手い方向へ収めたもんだと思う。GJ。

292 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/27(木) 02:44:05 ID:DMfvPAlH
投下GJ!
間に挟まるアホ供がイカスw なんて和むSSだ。
途中から吸血鬼関係なくなってきたとこがいいな。

293 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/27(木) 02:54:10 ID:RfACJs2j
 GJ!
 原作使いかたうまいな〜。不条理ギャグをこうからめるかー。
決意のベッキーと、ギャグにおしみなく、GJ!!


294 : ◆IEYD9V7.46 :2007/12/27(木) 16:07:41 ID:pokSd6ow
遅くなりましたが、今夜22時に投下します。
お時間のある方支援をお願いします。

295 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/27(木) 19:57:25 ID:YprijHfh
http://www.girlscity.jp/home/lkyy/upload/0673.jpg

296 : ◆IEYD9V7.46 :2007/12/27(木) 21:57:19 ID:pokSd6ow
お待たせしました。投下します。

297 :刀銀十字路 ◆IEYD9V7.46 :2007/12/27(木) 21:58:58 ID:pokSd6ow
正直に心を打ち明ければ、“感嘆”という言葉が転がり出てくる。
言葉の出所は一人の少年。明治時代の士族、明神弥彦の胸中からだ。
彼は得体の知れない力でこの島に連れてこられたとき、
そのことに憤りを覚える一方で、眼前に広がる未知の世界に対して少なからず胸を躍らせていた。
彼の時代では、人々が過去の遺物であると受け入れ始めていた、全国各地に点在する城。
その城に易々と匹敵する高さ、大きさ、威容さを誇る高層ビルが、
八百屋に野菜でも並んでるように無数に、そして無造作に生えている。
弥彦は目を丸くしながらそれらを眺め、深い息を漏らした。
堅牢さを窺わせる外観。陽光を反射し、時間が経つにつれて違う色を返してくる透明なガラス窓。
そんな石塊の摩天楼の足元にあるのは、幅が広く、
馬車が数台並走するくらいでは何の問題もない、平らで頑強な道路。
――異国ってのは、こういうところなのかもな。
その光景を通して、弥彦は海の向こうに広がっているはずの世界に想いを馳せ、
一時のあいだ、心地良い感動の波に身を揺らしていた。
しかし、穏やかな時間は転瞬の間に終わる。
非現実的なこの島で、非現実的な豚の少年を誤殺したことに端を発して。
その後は何をやっても、ゆっくりと真綿で首を絞められていくばかりだった。
仕方がないこととはいえ、結果的に何人も見殺しにし、誰も救えなかった。
その上、先の放送が最初の仲間である磯野カツオと、
数時間前に言葉を交わした八神太一の死までも告げていった。
掲げたいと願っていた“不殺”の信念は冗談みたいに呆気なく崩れ去り。
助けたい人間は助けられず、確固たるものは何も得られていない。
泥の中でもがくようなものだ、失うものはあれど手に入るものは何もなかった。
分かりきっている。泥土の海に光り輝く宝は埋まっていない。
それでも。

「はあ、はあ、はあ……、くっ……」

それでも弥彦は足掻いている。今もまだ、足掻き続けている。
速い息を断続的に吐き、額には大量の、冷熱の判別がつかない汗の玉が浮く。
道着が重い。発汗による水分を衣服が余すことなく吸収し、鈍い枷となっている。
べたつきによる不快感は、ひとたび冷涼な夕風が吹けば一転する……、はずだが、それは望めそうにない。
弥彦が今いるのは、閉塞感を容赦なく突きつける裏路地、その袋小路のすぐ近く。
澱んだ空気はドブ川以上に腐った臭いで占められ、一向に風の吹く気配を見せてくれない。
弥彦の背後、数メートル先には石の壁がある。
対する正面側には、狭いながらも道があるはずだが……ビルの作る陰影、それらが重なり合った闇のせいで輪郭がつかめない。
弥彦は闇を睨みつける。そして、果てのない黒に対して、右手に持ったあるものを向ける。
小刻みに震える手で差し出したものは鞘だ。本来は一点の曇りもない漆黒のはずの鞘には、無数の傷が刻まれている。
それは傷だらけの持ち主の状態を反映したかのように、ボロボロだった。
まるで激しい戦いをこなした後のような、――違う。まだ戦闘は終わってなどいない。
弥彦が未だに警戒を解けないのが何よりの証拠だ。
油断なく、そして忙しく。両目で上下左右、灰と黒の世界を撫で回る。

胸中にあった異国への好奇心は、既に木っ端微塵に吹き飛んでいる。
それどころか、この街にあるもの全てが恨めしいとさえ思えてきた。
理由は二つ。
土地勘がないせいで、散々迷ってしまったからということが一つ。
綺麗だと思えたのは上辺だけで、一度路地裏に入れば、
このような醜悪な空間が広がり、幻滅したということが一つ。
弥彦にとっては理解の埒外だが、二つの理由、特に後者は致し方ない部分でもある。
人々の貧富の差が決して埋まることがないように、街全体が同じように発展を遂げられるわけではない。
光の差すところに闇はある。ビルや繁華街は光、ならばその裏に位置する吹き溜まりは当然闇である。
常人は光を求めるがゆえに、こんな陰鬱な場所を彷徨うことはない。が、それで人影がゼロになるわけでもない。
闇の中を、自分の庭のように駆け回る人間は、確かにいる。
ドス黒く濁った水の中に、頭からつま先まで躊躇なく浸かれるようになってしまった人間が、厳然として存在しているのだ。
ある社会に属するものたちは、そんな彼らを畏怖の念を以ってこう呼んだ。

――――『厄種』と。


298 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/27(木) 21:59:23 ID:cSbeKV4h
 

299 :刀銀十字路 ◆IEYD9V7.46 :2007/12/27(木) 21:59:52 ID:pokSd6ow
(来た!)
堆積し続けていた空気が細波のように揺れ始めた。何かが大気を掻き分けて接近してきている。
それを敏感に感じ取った弥彦は身構えて……すぐに違和感がこみ上げる。
おかしい。そろそろ姿を現してもいいはずなのに何も見えない。
剣心たちのような達人には遠く及ばないとはいえ、半ば閉鎖された空間であるここなら……。
少なくとも気配を読める程度の修練は積んできたつもりだ。
勘を信じろ、真正面でないなら恐らく――

(上か!?)

顔だけを別の生き物のように上げて攻撃を確認。
見えた。斜め上方に宵の明星の如き光。
尾をひく黄色光を横目にしながら、全身を使って撥ねられたように側転。
一瞬の後、弥彦がいた場所に輝く隕石が落下し、派手な音を立てて地面に衝突した。
コンクリートが周囲に砕け飛び、それに巻き込まれるように弥彦はゴロゴロと路地を転がる。
(さっきからなんなんだよあれは!? 槍に火薬でも仕込んでるのか!?)
心中の早鐘を押し止め、追撃に備えるべくすぐさま起き上がって鞘を構える。
黒い鞘の先端、その向こうに粉塵が立ち込め、中から呟きが聞こえてきた。

「武装、解除」

性別が分からない、ただ美しいとしか表現できない声が悠然と響く。
塵埃が消え去り、現れたのは突撃槍を持った少年……ではない。
趣味の悪い手品のように、少年が少女と入れ替わっている。
長い銀髪をたくわえた丸腰の少女――グレーテルだ。

「兄様、お疲れ様。少し休みましょうか」

あの人に興味も湧いたし……。
グレーテルはそう呟き、満面の笑顔を弥彦に向けて朗らかに問う。

「ねえ、お兄さん」
「……何だよ」
「いつになったら私を貫いてくれるの?」
「は?」

思わず呆けた声が口をついて出た。弥彦は目を白黒させながら、少女の言葉に耳を傾ける。

「だって、あなたも人殺しでしょ?」
「!? 違うっ、俺は――!」
「あら、違うの? おかしいわ。そんなにも、惚れ惚れするほど衣を赤黒く染めているのに?
 胸が高鳴るほどに、芳醇な塩と鉄の香りを身に纏っているのに? ウソなんて言ってもダメよ。
 ……ああ、なんて素敵なの。最高級の染料と香水による、上質な正装……」

会話の途中から、グレーテルが違う世界に甘い目を向け始める。
隙なのか、罠なのか。考えあぐねた弥彦は結局その場を動けない。
やがて、グレーテルの瞳の焦点が再び現実に結ばれ、彼女は矢継ぎ早に言葉を発する。

「信じられない、こんなに勿体無いものなんてあるのかしら?
 外装は最上級なのに、中身がどうしようもない不能だなんて……。
 あなたは立派なものを持っているでしょ? 私知っているわ、それは剣を納める鞘よね?
 僅かに反った形だから……日本刀というものだったかしら?
 早く使わないとあなた死んじゃうわ。それとも、……もう、終わらせてしまってもいいの?」


300 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/27(木) 22:01:26 ID:cSbeKV4h
  

301 :刀銀十字路 ◆IEYD9V7.46 :2007/12/27(木) 22:01:39 ID:pokSd6ow
両手を背中側にまわして、小首を傾げながらグレーテルがニコッと微笑む。
問いかけを聞いた弥彦は、背中のランドセルに意識を向けた。
その中には妖刀、桜観剣が抜き身で仕舞ってある。
確かに、相手はこんな鞘一本でどうにかできる敵じゃない。
意図は分からないが、眼前の少女、或いは少年は全く本気を出していない。
放送後に接触してからずっと、何かを試しているかのように、弥彦をなぶり続けてきたのだ。
勝つためには、生き残るためには刀を使うしかない。
だが、

「刀は、使わない……」

グレーテルが微かに眉を顰める。

「俺はもうこれ以上、誰も殺すわけにはいかないんだ! だから!」

弥彦の脳裏を、一人の少年の姿が掠める。
桜観剣は使えない。自分の手で殺めてしまった、名も知らぬ幼い少年のためにも。
あんなことは、間違っても二度と繰り返すわけにはいかない。
例え相手が、救いようのない殺人鬼だったとしても、だ。
弥彦にはそうするに足る理由と信念がある。
なぜなら彼は剣心の『不殺』だけでなく、神谷活心流の『不殺』も同時に背負っているのだから。
殺さずに相手を制することこそが、神谷活心流の極意であり、骨子となる理念だ。
それを自ら進んで破ってしまえば、今までの自分は全て否定されてしまう。
ばかりか、剣心と仲間たち、道場の看板にまで泥を塗ることになる。
そんなものは士族として、そして何より弥彦個人としての矜持が断じて許さない。
だから弥彦は、罅だらけでありながらも強い意志を載せて、グレーテルを視線で射抜く。

「……ふ、あははははははははははははははははははははは……」

腹のあたりを抱えて、しかし軽やかにグレーテルが笑う。

「おかしいかよ」
「ええおかしいわ、とっても。……けど、それ以上につまらない」

グレーテルはビルに切り取られた遠い空を眺める。

「朝はとっても楽しかった。素晴らしいボルシチを堪能できたし。
 それに、順番を間違えてしまったけど、
 食後のボイルド・マカロニも思いの外味わい深いものがあったわ。
 その後もメインディッシュの連続ですごく満足していたのに……。本当にがっかりだわ。
 もうディナーの時間なのに、怖くて人を刺すこともできないゴミが出てくるなんて。
 今日の中で一番ひどい食事よ」


302 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/27(木) 22:02:25 ID:cSbeKV4h
   

303 :刀銀十字路 ◆IEYD9V7.46 :2007/12/27(木) 22:02:33 ID:pokSd6ow
グレーテルは軽く目を瞑り、両手で頭を抱えた。

「でも、良く分かったわ。お兄さんは貫くより――」

声色が微かに変化する。少女が少年――ヘンゼルに変わり、

「――貫かれるほうが好きなんだね!!」

地を蹴った。いつの間にか、その両手には出所の分からない大槍が握られ、見る見るうちに弥彦に迫っていく。
槍自体の大きさと質量、ヘンゼルの膂力を考慮すれば、まともに受けるのは下策だ。
だから弥彦は、右手に持った鞘と、槍の穂先のみに集中して、

「だあああっ!!」

巨大な槍の側面を鞘で打ち、攻撃ベクトルを僅かに逸らす。
同時に身をかわして、ヘンゼルの突撃を背後にやり過ごし、距離をとったところで互いに振り返り、視線を交錯させた。
弥彦は肺の空気をゆっくりと入れ替えながら先を見据える。
(大丈夫だ、まだやれる。攻撃自体は大振りなだけで充分見切れる!)
初めて接敵したときから、このやり取りは幾度か繰り返され、弥彦はそれを掻い潜ってきた。
そして、あの大槍との戦い方もようやく掴めて来たところだ。
傷だらけの鞘が砕ける前に勝敗を決するためにも、今が好機だと捉える。
ゆえに弥彦は両手で鞘を強く握り締め、

「ああああああああああああ!!」

気合を糧に、ヘンゼルに切り込む。
今まで受けが主体だった弥彦の明確な攻勢を目の当たりにし、ヘンゼルは微かに目を見開いた。
が、すぐに気を取り直し、迫り来る弥彦に対して槍による刺突を繰り出して迎撃、否、反撃をする。
弥彦に恐怖はない。充分な助走のない槍の一撃を、やはり鞘でいなす。
これまではそれで終わりだった。だが、今度は違う。

「はあっ!!」

止まらない。鞘をすぐに振りかぶりなおし、ヘンゼルに追撃の一打を叩きこもうとする。
対するヘンゼルも、体格に見合わぬ異常な腕力を以って槍を引き戻し、弥彦の打撃を迎え撃つ。
槍と鞘がぶつかり、弾きあい、またぶつかり、また弾きあう。
そんな衝突の嵐の中でも、弥彦は巧みに、重い斬撃だけは逆らわずに、確実に鞘で受け流す。
互いに一歩も引かない、防御を兼ねた攻撃の応酬。
硬質の木と金属が玲々とした音を響かせ続ける。まるで、鉄琴が延々と打ち鳴らされているかのように。
だが、いつまでも続くわけではない。一定だったリズムに微かな雑音が乗り始める。
弥彦の踏み込む距離が大きく、そしてヘンゼルの踏み込みが小さくなっていく。
二人の中央で発生していたはずの金属音が、段々ヘンゼルのほうに押し流されていく。

「ああああああああ!!」
「こ、のぉっ!」

ヘンゼルは焦った様子で、必死に槍を突き出し、形だけの攻撃を繰り返す。
が、突き出す距離は回数を重ねるたびに目に見えて減っていく。
当然だ。いかに常人離れした力を持っていようとも、
サンライトハートはヘンゼルの小柄な体格には、どうしようもなく不釣合いな代物。
重量の問題はクリアできても、槍の重心を活かし、自在に操るには問題がまだ山積みだ。
だからこそ、今までは主に不意打ちという形でこの槍を使ってきたのである。
そしてそれを解消するべく、たった今、弥彦を殺さずに敢えて甚振り続けることで、
新しい心臓を得た自分の身体と突撃槍の調子を測っていた次第だった。
それは一定の効果をあげたが、まだ不十分であることは今の劣勢からして明白。
押されながらも辛うじて迎撃していたが、ついに――

「くっ……!?」


304 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/27(木) 22:03:28 ID:cSbeKV4h
     

305 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/27(木) 22:03:31 ID:2jZ/oj9P



306 :刀銀十字路 ◆IEYD9V7.46 :2007/12/27(木) 22:03:42 ID:pokSd6ow
ヘンゼルの口から苛立ちの吐息が零れる。同時にギィン! という甲高い音が響き渡った。
これまでの激突音の調子とは、明らかに異なる音。
弥彦はそれを聞いた、そして見た。続いてほんの少しだけ口元を吊り上げた。
それまでは、仮にも攻撃を以って応戦していたヘンゼルの大槍の先端が、明後日の方を向いている。
互いの視線の先、喜悦と焦燥、対照的な表情が写りあう。
そして、ぶつかり合う視線の中央では。
槍の刃の腹と、弥彦の振るった鞘が、ほぼ垂直にぶつかり合って拮抗していた。
大槍を横に倒した、完全な防御の態勢。
ヘンゼルの持っていた攻撃への余裕が、ここで0になる。
そこから後は、

「もらったあ!! ――はあああああああああああっ!!」

防戦一方。
弥彦の咆哮を伴った打撃の雨を、ヘンゼルは横倒しにした槍全体、刃から柄までも使って懸命に防ぐ。
相対距離が近すぎて、槍を加速させるための、振るうための距離を稼げない。
槍というものは剣の間合いを踏み越えるために生まれたものだ。
剣の間合いの一歩先を容易に制することができる一方で、
ひとたび懐に飛び込まれれば、重量と長すぎる柄が一気に仇となる。
まさに弥彦の狙い通りの展開だった。
ヘンゼルがぎこちない手つきで大槍を防御に回しているのに対し、
弥彦は今持っている鞘を、いつもの自分の得物、竹刀と同じような感覚で扱えている。
そのため、攻撃の内容は上中下段、斬る、刺す等といったように、実に多彩なものが揃っているのだ。
曲りなりにも道場剣術を修めた弥彦だ。力で敵わなくとも、ヘンゼル以上の技がある。
度胸でも決して引けを取っているわけでもない。
勇気と信念を以って狂気に立ち向かい――その行動は実を結ぶ。

「ッ!?」

手元が狂ったのだろうか。ヘンゼルの槍の穂先が、地面に擦れてガッと跳ねた。
無論、反対側にある長柄の動きも一瞬止まり、腹部に空白が生まれる。
弥彦は見逃さない。現れた勝機に手を伸ばす。

「――取ったあッ!!」

全身のバネを活かしきった必倒の刺突が、ヘンゼルの腹に吸い込まれていく。
流れる景色の中。熱い鼓動を刻みながらも、弥彦は冷静に敵の動きを目で追って、それを見た。
ヘンゼルが動かない長柄から、躊躇なく右手を離したのを。
(右腕を盾にする気か? だったら、遠慮なくその腕を貰う――ッ!)
決意し直し、微塵も進撃を緩めない。
相手が肉を切らせて骨を断ってくるつもりであっても、そのことを念頭に動けばいいだけ。
肉を断ったところで油断せずに、更に動き続ければいいだけだ。
ゆえに弥彦は迷うことなく突き進んで、……気付いた。
防御に回すかと思われたヘンゼルの右手が、槍に付属していた何かを掴んでいる。
手にしたのは、微かに揺らめく――
(……飾り布?)
弥彦がその正体を見極めた瞬間。飾り布に鞘が接触し――――爆発的な光が生まれた。
(な!?)
驚愕したときには視界が白に染まっている。
弥彦の身体はとっくに宙を舞い、数メートルもの距離を一瞬で、強制的に吹き飛ばされていた。
冷たい地面に全身を打ちつけ、不完全な受身を取りながら数回転して、漸く勢いを殺しきる。

「あはははは、お兄さんありがとう。思ったよりもずっといい運動になったよ。
 姉様がゴミって言ったこと謝るね。ゴミにはゴミなりの楽しみ方があるって分かったよ」


307 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/27(木) 22:04:37 ID:cSbeKV4h
 

308 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/27(木) 22:04:40 ID:XTOuaSeh
 

309 :刀銀十字路 ◆IEYD9V7.46 :2007/12/27(木) 22:04:51 ID:pokSd6ow
嘲りを背に受けながら、よろよろと弥彦が立ち上がる。
苦悶の息を吐き出しつつ、弥彦は突撃槍につけられた長い布を苦々しく凝視した。

(槍に仕込んだ火薬の正体は、あの飾り布か……。
 ちくしょう……迂闊だった。あいつは、さっきもまだ本気じゃなかったのかよ……?)

思い返せば、ヘンゼルは先ほどの乱撃の応酬においては、最後以外、あの飾り布を全く使っていなかった。
使えば今のように簡単に形成を逆転できたというのに、手加減をして遊んでいたのである。
大槍の弱点をフォローし、長所を伸ばす飾り布の存在は大きい。
むしろ、あの布のほうこそが大槍の本質であり、真に警戒すべきものだったのだろう。
埋まると思った実力差が、更に広がるのを感じる。

(だからって、曲げられるわけがないだろ……!)

弥彦は鞘を両手で、正眼に構える。
左腕はさきほどの光に軽く焼かれ、その後地面に卸されて打撲と擦り傷は大きく増えた。
だが、致命的な支障はない。四肢はしっかりと動く。
それにこの程度の痛みなど、戦いの緊張感が全て吹き飛ばしてくれる。
強がりだったとしても、構わない。現実に刻みつけるように、弥彦は言葉を放つ。

「……勝ったつもりでいるのか? 俺はまだピンピンしてるぞ」
「はは、お兄さん誘ってるの? 慌てなくても良いよ」

ヘンゼルは笑いながら、立てていた槍を傾け始める。
そのまま腰を深く落とし、両手で槍をしっかりと構え、
歩幅20歩程度の場所に立つ弥彦に、鋭利な穂先と濁った眼光を向けた。

「次で、本当に逝かせてあげるからさ」

空気が一段と重みを増し、息苦しさを覚える中。
ヘンゼルの構えを見た弥彦は、ある男とその得意技を想起した。
(斉藤一の、牙突……!)
それは偶然の一致、いや当然の帰結か。
突撃槍がその真価を発揮するのは勿論、速度、質量、射程を活かした単純な刺突だ。
得物は違えど剣による刺突、その最高峰たる牙突を連想するのも無理もない。
それだけの威圧感を大槍とその担い手が放っているのだから尚更だ。
間違いない。誇張なしの、本気の一撃がやってくる。
冷たい汗が頬を伝うのを感じながら、弥彦は精神を集中させた。

「じゃあ、――――行くよッ!!」


310 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/27(木) 22:04:55 ID:Qy3hOXVm
 

311 :刀銀十字路 ◆IEYD9V7.46 :2007/12/27(木) 22:06:14 ID:pokSd6ow
爆発。飾り布が山吹色の光に転じ、ヘンゼルが砲弾のように飛び出した。
今までの戦闘は本当にお遊びだった、そう認めざるを得ない、神速の突撃が弥彦に迫る。
(速――!?)
辛うじて視認できた弥彦は、全身が見えない力で軋むのを感じる。
胃がキリキリと搾られ、迫り来る死の暴風に一瞬呑まれそうになる。
(落ち着け明神弥彦! 男だろ!? 士族だろ!? こんなもんにビビるなよ!
 目を開け、耳も使え、手足はいつでも動かせるようにしておけ!
 あの勢いなら、すれ違いざまに一撃入れればそれで仕留められるはずだ!
 だから臆するんじゃねえよっ!)
改めて、弥彦は前方を見据える。
心中の叱咤が功を奏し、ヘンゼルの突撃を曇りなく捉えることには成功した。
が、そこに予想外の光景が広がっている。
突撃に全神経を注ぎ込んだと思われたヘンゼルが、突撃槍を正面ではなく上段に大きく振りかぶっている。
弥彦にはその意図が読めない。
飾り布の爆発によって得た速度を活かすなら、槍を真っ直ぐに構えた突進が一番適しているはずだ。
なのに、ヘンゼルはその速度を殺そうとしているかのように、攻撃の軌道を無理矢理上段に変更している。
更に弥彦は怪訝なものを見た。
まだ大槍の間合いの外にいるというのに。
ヘンゼルが、振りかぶった槍を既に打ち下ろそうとしている。
(何だ? そんなとこには何も――)
決して気を緩めてなどいなかった。
けれど弥彦は、ヘンゼルの戦法を最後まで読み取ることはできなかった。
ヘンゼルは、充分な加速を得た大質量の槍を思い切り――地面に叩き付けた。

「!?」

膨大な光がアスファルトを大小雑多に砕き、無数の破片が弥彦に襲い掛かる。
咄嗟に弥彦は両腕を交差させて顔面を守り、次の瞬間全身に痛みが走った。
(くそ! これが狙いか――!)
光と散弾の雨が消え、弥彦は改めて鞘を構える。
しかし、そこにヘンゼルの姿はない。
(どこだ、どこに行った!?)
脳が一気に冷え込むのを感じる。
悪寒。弥彦は本能的に背後を振り返り――

「――じゃあね」
「ッッ!!??」

我武者羅に鞘を縦に構えるのと同時。鞘に、圧倒的な力が激突した。
馬車にでも撥ねられたような強烈な衝撃に弥彦は弾き飛ばされ、
後方にあった壁に無様に背中を打ちつけ、へたり込む。
受身などとれるはずもない。一瞬、脳天から腰の辺りまでの感覚が完全に失せた。
壁に背を預け、地面に座ったまま、朦朧とした意識の中で弥彦は右手を見る。
不殺の信念を全うするために、自分と共に戦ってくれた鞘。
それはたった今の攻撃により、握っている部分を除いて無残に破砕されていた。
弥彦はそこでやっと、ヘンゼルのとった戦法に気付く。
ヘンゼルは光と石の散弾で弥彦の視界を奪いつつ、突撃槍を地面に叩きつけ、
その反動で棒高跳びのように飛び上がることで、弥彦の背後をとっていたのだ。
牽制と目くらましと陽動を兼ねた、必殺の一撃。
鞘を犠牲にしたとはいえ、弥彦が防げたのは奇跡と言ってもいい。

「あれ、おかしいな? さっきのでオシマイのつもりだったんだけど……お兄さん本当にスゴイね」

弥彦は顔を上げる。鈍く光る銀色の大槍。
それを携えた銀髪の少年、ヘンゼルがすぐ近くに立っている。
弥彦は夢でも見ているような瞳で、処刑人を見つめた。
その表情を確認し、ヘンゼルは柔和に微笑む。


312 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/27(木) 22:06:32 ID:cSbeKV4h
  

313 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/27(木) 22:06:58 ID:DkH2a04L


314 :刀銀十字路 ◆IEYD9V7.46 :2007/12/27(木) 22:07:15 ID:pokSd6ow
「ふふ、眠いんだね。いいよ、僕が寝かせてあげるからさ――」

そのまま槍を片手で持ち、頭上近くに掲げて、

「おやすみ」

無慈悲に、振り下ろす。
閃く銀弧を、弥彦は他人事のように眺めていた。

――はずがない。

(ここだっ!!)

瞳に強い光が灯る。弥彦はまだ諦めてなどいない。
手には柄の代わりに鞘の残骸。
そして、ヘンゼルが繰り出したのは上段からの振り下ろし。
ならば、弥彦にはまだ抗う手段が残されている。
それは即ち。
こぶしを頭上で交差させ、手の甲で白刃取りする、神谷活心流――

――奥義の防り・刃止め。

時間の進行が遅くなる。
勝利を確信したヘンゼルが、悠揚と槍を振り下ろし。
最後まで屈しようとしない弥彦が、両手を頭上に掲げようとして。
しかし。――――動けなかった。
弥彦の顔が、今度こそ死人のように青ざめる。
(!? やばい、さっきの衝撃で身体が――っ!?)
反応してくれない。
ヘンゼルの不意を突く為に、ギリギリまでタイミングを遅らせていたのが命取りとなった。
弥彦が予想していたよりも、腕が上がるのが遅い。
自分の腕が、自分のものではなくなったように動いてくれない。
そんな弥彦の状態が考慮されるはずもなく、槍の刃先はただ無感情に、風を裂いて迫る。

(俺はこんなところで終わるのかよ!?
 誰も助けられないまま、何も出来ないままで――!?)

信念はとっくに砕けていた。砕けた破片を集めて、惨めであろうと形に戻そうと思った。
分かっている、覆水は盆に返らない。それでも、たとえ身勝手であったとしても。
自分が殺めてしまった少年のために、そして、何より自分のためにも。
不殺を組みなおし、一人でも多くの人を助けたいと願った。
そうして、いつの日か。
追いつき、追い越したいと熱望していた、大きな背中があった。

(剣心、俺は――)

間違っていたのだろうか。自分が背負うには、大きすぎるものだったのだろうか。
自分が未熟なことくらい、分かっている。弱いということくらい、分かっている。
それでも、無謀な信念を通したいと願うなら。
命を代価とするのも、止む無しなのだろうか。
弥彦にその答えは見つからない。
見つける時間は、もう残されていない。
刃先が来た。風切り音が大きくなる。
直後。
ついに刃が到達し、音が響いた。


315 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/27(木) 22:08:09 ID:cSbeKV4h
 

316 :刀銀十字路 ◆IEYD9V7.46 :2007/12/27(木) 22:08:16 ID:pokSd6ow
キィン! という――――金属音が。

肉の裂ける音も、血の噴き出す音も一向に聞こえない。
死を覚悟していた弥彦は、思わず目を見張った。
(……ウソだろ?)
今まで、こんなにも自分の視覚を疑わしいと思ったことはない。
視界の中に、ヘンゼル以外の誰かの背中がある。
その背中越しに、弥彦と同じように目を見開いている、ヘンゼルの顔が見えた。
闖入者は思い切り身を屈めて、弥彦に迫っていた大槍を、手に持った刀で受け止めている。
緋色の長髪。そして両手で掲げた刀はあろうことか――逆刃刀だった。
その姿はまさしく、

(剣、心……?)

一瞬浮かんだ考えを、すぐに否定する。
そんなはずはない、ここに剣心はいない。体格も全然違う。
だが、弥彦には不思議と……、その背中が大きく見えた。

「……また、会ったわね」

凛とした少女の声が、ヘンゼルに向けられる。
返事はない。そうする時間が与えられない。
刀と槍がかち合っていたのは、物の数瞬――!

「――もう、会うことはないけどッ!」

凄絶な音が炸裂した。裂帛の気合と共に、少女は強引に刀を振りぬく。
碌な助走もないはずなのに、少女は腕の力だけで巨大な槍諸共ヘンゼルを吹き飛ばした。
放物線を描きながら、ヘンゼルが向かいのビルにある事務所の窓に突っ込んで行く。
ガラスが砕け散り、中にあった机や椅子が崩れていくけたたましい音が鳴り響き、濃密な埃が舞った。

「な……」

弥彦は突然の終幕に呆然としながら、少女の姿を観察する。
緋色かと思われた長髪は、よくよく見れば不可思議な色をしている。
銀色に、透明な赤を乗せたような……形容し難い輝きを放っていた。
と思った次のときには、幻であったかのようにその髪から赤が消え、完全な銀髪が現れた。
どこからか、重厚な男の声が響く。

『シャナ、良いのか? タワーに立ち入れるのは、19時までのはずであろう。
 我らには一刻の猶予も残されていないはずだが?』
「分かってる。でも、見つけたからにはアイツを放っておくわけにはいかなかった。
 アイツには、大きすぎる借りがあったから。それに、もう用は済んだから大したロスじゃないわ」

泰然と立つ少女はシャナというらしい。確か名簿にもそんな名前はあった。
弥彦はゆっくりと立ち上がりながら自分の状態を確かめ、シャナに話しかける。

「……シャナっていったか? 俺の名前は明神弥彦だ。助けてくれたことには感謝している」
「別におまえを助けたかったわけじゃないから気にしなくていい。
 私は、私の敵を倒しに来ただけ。アイツが他の参加者を殺して、
 装備やご褒美を得るのを防ぎたかっただけだから」

ぶっきら棒な返事が来たが、弥彦はさほど気にしない。
今はそれ以上に気になることがある。


317 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/27(木) 22:09:10 ID:Qy3hOXVm
 

318 :刀銀十字路 ◆IEYD9V7.46 :2007/12/27(木) 22:09:12 ID:pokSd6ow
「タワーってあの赤い鉄塔だよな? そこに何かあるのか?」
「ジェダの手下、リリスが今あそこにいるはずなのよ」
「な……本当かよ!?」
「恐らくね。ここに立ち寄ったのもそのついでだった。
 『しろがね』の力を試せて、リリスを倒すための踏み台にもなったから丁度良かったけど」

「あら、人のことを踏みつけて悦ぶなんて、随分いい趣味を持っていたのね」
「「!?」」

高く、透き通るような声が響く。
シャナと弥彦は声の出所に振り向き、警戒を一気に臨界まで引き上げた。
先ほど割れた事務所の窓。そこから、銀色のカツラの位置を手で調節しつつ、這い出てくる影がある。
無論、グレーテルだ。
ガラスによってできた切り傷がいくつか見えるが、グレーテルは確かな足取りで路地に降り立っていく。

『莫迦な、人間が先の攻撃を受けて健在であるなど……』
「……いいえ、不可能ではないわアラストール。
 衝突の際、持っている武器を盾にすれば可能性は0じゃない。
 あのランスが宝具の類のものなら尚更ね」

アラストールに説明してから、けれど、とシャナは思う。
本当にそれだけなのだろうか?
実のところシャナは、ヘンゼルと弥彦の間に割って入ったとき、
弥彦の安全を確認した上で、槍が来るよりも前にヘンゼルに一撃を叩き込もうとしていた。
だが、偶然なのかそれとも否か。
咄嗟にヘンゼルが槍を引いたことでその目論見は失敗に終わり、
大槍と逆刃刀がぶつかり合うという結果となっていたのである。
つまり、シャナが弥彦に迫っていた大槍を意図して防いだわけではない。
ヘンゼルが、シャナの斬撃を大槍で防いでいたのである。 
廃病院で戦ったときに、ヘンゼルの実力は測ったつもりだ。
それを鑑みて、シャナは改めて思う。
果たして、ヘンゼルに先のような芸当が可能だったのだろうか。
本当に、フレイムヘイズとしろがねの攻撃に反応できたのだろうか。
しかも、取り回しの悪い大槍を使って、だ。
現実味は限りなく薄い。だが、考えて答えが出るものでもない。
シャナと弥彦が用心を重ねる中。暗色の地面に立ったグレーテルは、
二対一という状況に物怖じすることなく、シャナに向かって言葉を紡ぐ。

「少し見ない間に素敵な姿になったのね。髪の色私とお揃いじゃない」
「おまえなんかと一緒にされたくない」
「あら残念だわ。みんな壊して滅ぼす終焉の色、とっても綺麗な銀色なのに」

グレーテルが柔らかな笑みを見せる。

「さすがに今のあなたを相手にするのは分が悪いみたいね。
 そっちのお兄さんもなかなか強かったし……。
 だから次の機会に楽しみはとって置こうと思うの。
 きっと、今度はもっと楽しく遊べるわ」
「何を勘違いしているの? おまえに次なんて来ない。
 ここで私に討滅されて、おまえの生は終わるんだから」
「そう? 仕方ないわね。…………武装、錬金」


319 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/27(木) 22:09:41 ID:ICCOokIN
支援するよー

320 :刀銀十字路 ◆IEYD9V7.46 :2007/12/27(木) 22:10:18 ID:pokSd6ow
再び空中に出現した槍を、グレーテルは手で掴み取る。
シャナは油断なく、逆刃刀をきつく握り締めた。
ダメージの残る弥彦は事態を静観し、両者を交互に見回していたが――。
その視線が、ピタリとグレーテルのほうで止まった。
グレーテルが突撃槍の刃に、飾り布を巻きつけ始めている。

「シャナ、気をつけろ! あの飾り布は爆発するぞ!」

弥彦は大槍の能力、その応用性の高さに改めて舌を巻いた。
グレーテルは、今まで推進力に使っていた飾り布を刃先に巻きつけている。
つまり、推進力を破壊力に転化させようとしているのだ。
察するに、厄介な敵であるシャナを一撃で粉砕する腹積もりなのだろう。
弥彦とシャナが睨みつける最中で、大槍に巻かれた布から電気のような光が迸り始める。
充分なエネルギーが蓄えられた槍をグレーテルは逆手に持ち。
次の瞬間。
ザン! と深々と突き刺した。――自分の真下、灰色の地面に。
その意図を計りかねたシャナは、グレーテルの斜め後方の、“あるもの”を見てはっとする。
(――マンホール!?)
地中から光が破裂し、間を空けずビシビシと。
グレーテルを中心に、地面に半径2メートルほどの亀裂が広がっていく。

「ッ!?」
「しま――!?」
『いかん!』

全員がグレーテルの思惑を悟った。が、既に遅い。
グレーテルは槍を持ったまま恭しくスカートの裾を摘み上げ、

「ごきげんよう」

別れの挨拶を告げると同時。耐え切れなくなった亀裂が陥没し、
崩落音とともにグレーテルが真っ暗な下水道へと落下していった。

「この、逃がすかよ!」
「止まりなさい弥彦!」

駆け出そうとした弥彦を、シャナが制する。

「止めるなよ! 今から追えばまだ!」
「馬鹿なこと言わないで。アイツは銃を持っているのよ?
 狭い下水道で待ち伏せされたら手を出すのが難しくなる。
 それに、いざとなったらアイツは槍を使って躊躇なく下水道を崩壊させるわ。
 自分の身も省みずにね。忌々しいけど、策がないなら追うことはできない。
 ……それに、私はこれ以上時間を割くわけにはいかないの。
 アイツよりも先に追わないといけないヤツがいるから」

告げ終え、シャナは弥彦に背を向け飛び立とうとする。
その後姿を見て、何かを思い出した弥彦は慌てて口を開いた。


321 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/27(木) 22:10:45 ID:2jZ/oj9P



322 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/27(木) 22:10:48 ID:cSbeKV4h
   

323 :刀銀十字路 ◆IEYD9V7.46 :2007/12/27(木) 22:11:24 ID:pokSd6ow
「待ってくれ!」
「何?」

弥彦はシャナの持つ刀を指で差して続ける。

「その刀、逆刃刀は……誰も死なせずに、敵も含めて多くを救うっていう、
 “殺さず”の信念を掲げた、俺の仲間の刀なんだ」
「殺さず? ……成程ね。掛け値なしの名刀が、
 どうしてこんな妙な造りになっているのかと思ったら……。それで?」
「単刀直入に言う。その刀を譲ってほしい。
 勿論、ただじゃない。こいつと交換するのはどうだ?」

弥彦はランドセルから桜観剣を取り出し、シャナに手渡す。
刀を見たシャナが、ほんの少し目を丸くしたのを弥彦は見逃さない。
シャナは重心を確かめるように数回素振りをして、その後じっくりと刀全体を観察し始めた。

「この刀……感じは少し違うけど宝具? 多分、“吸血鬼”と似たタイプの……」
「鞘はさっき壊れちまったから抜き身で扱い難いだろうけど……どうだ?」
「それは構わない。私がいつも使ってる刀も抜き身のものだった。……けど、」

シャナは胸に生まれた新たな疑問を吐き出す。

「おまえ、こんなものを持っているなら何でさっきは使わなかったの?」

弥彦は言葉を詰まらせる。
が、すぐに自分の意志をしっかりと口にした。

「……俺も、不殺の信念を貫きたいと思っているからだ」
「だから、刀を使わなかったってこと? 自分が殺されそうだったのに?」
「ああ、そうだ」


324 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/27(木) 22:11:43 ID:cSbeKV4h
 

325 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/27(木) 22:12:44 ID:Qy3hOXVm
 

326 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/27(木) 22:12:53 ID:DkH2a04L
 

327 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/27(木) 22:12:54 ID:i8EGOPTZ



328 :刀銀十字路 ◆IEYD9V7.46 :2007/12/27(木) 22:13:00 ID:pokSd6ow
答えを聞いたシャナは逡巡し……やがて、ゆっくりと逆刃刀を弥彦に差し出す。

「ありがてえ、助かるぜ」
「……一つ忠告しておく」
「何だ?」
「この交換は私にもメリットがあるから応じるし、逆刃刀っていうその刀もおまえに渡すわ。
 けど、もしおまえがこの島で“不殺”を通しながら戦いたいのなら……。
 悪いことは言わない。どこかにじっと隠れて、最後までやり過ごしていたほうがいい」 

弥彦は愕然として、反論する。

「な……! 確かに俺の力なんてちっぽけなもんだよ!
 この逆刃刀が不釣合いだってことも分かってる! だけど!」
「私だって人の信念を否定する気なんてない。その大きさは当人にしか量れないものだし。
 だから、ただ忠告しておくだけ」

シャナは毅然とした口調で告げる。

「おまえが今のまま進むのなら、おまえはいつか誰かを殺すわ。
 それが敵なのか味方なのか、或いは自分なのかは分からない。
 けど間違いなく、おまえはいずれ後悔する。理想と現実の乖離に耐え切れなくなって、
 身も心も磨り潰されるときが必ずやって来る」

な、と弥彦は絶句し、瞳を震わせた。
シャナは語調を変えずに続ける。

「考えてみればいい。おまえが殺さなかった敵はその後どうするの?
 ここには犯罪者を捕まえる警察も、拘置しておく刑務所も、裁いてくれる裁判所もないのに。
 おまえの言う“不殺”はこれらなしでも成り立つものなの?」
「それ、は……」
「おこがましかろうと何だろうと、誰かを守りたいなら倒すべき敵を倒して、
 私たち自身の手で裁かなければ誰も守れない。
 ……ありえないとは思うけど、まさかジェダもリリスも殺さずに、
 ここから脱出できるなんて思ってないでしょうね?
 ジェダに対峙したとき、もしおまえが『殺すな』なんて喚くようなら――」

弥彦の鼻先に、桜観剣が突きつけられる。
冷たい刀がその身を揺らし、鋭い音を立てた。

「私は、おまえを斬り捨てる。
 おまえだけじゃない、ジェダの討滅を妨げるやつは全て消す。
 そして、最後に一人残ったジェダの存在を、トーチ一つにも満たないほどに細断して、
 存在の欠片一つ残さずにこの手で焼き尽くす。誰にも、邪魔なんかさせない……!」

微かに現れていた憤怒の形相を打ち消し、シャナは弥彦に向けていた刀を下げる。

「……一応、忠告はしておいた。分かったなら、この辺りの建物の隅にでも隠れていることね。
 さっきも言ったけど、おまえが私の障害になるならそのときは覚悟しなさい」

銀髪に赤い炎の揺らめきが乗る。
身を翻したシャナは、今度こそ赤い翼をはためかせて、振り返ることなくタワーへと飛び去った。




329 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/27(木) 22:13:03 ID:ICCOokIN
支援

330 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/27(木) 22:13:11 ID:2jZ/oj9P



331 :刀銀十字路 ◆IEYD9V7.46 :2007/12/27(木) 22:13:37 ID:pokSd6ow
暗い路地裏に取り残された弥彦は、逆刃刀を手に沈思黙考する。
襲ってきたやつにも、助けてもらったやつにも同じことを言われた。
殺さないのか、と。
意味合いは大きく違うが、それは心の持ち方の問題だろう。
殺し合いに乗るのか、乗らずに人を守るのか、という心の持ち方の違い。 
共通しているのは、人を殺す覚悟がなければ戦いの場には立てないということ。
ならば、不殺の信念を持ち続ける限り、自分は戦場に立つことは出来ないのだろうか?
あらゆる経験が不足している弥彦には、その判断を下すことはできない。

(……だとしても、立ち止まれるかよ)

弥彦は顔を上げ、駆け出した。行き先はシャナの飛び立った方向、タワーだ。
保護しようとしていた少女、南千秋の足取りは杳として掴めない。
見捨てるつもりなど毛頭ないが、闇雲に捜しても時間の無駄だろう。
少し前までは他に指針がなかったから、それでも良かった。
だが、今は違う。シャナのもたらした情報により、
命の危機に瀕しているはずの人間の所在を知りえたのだから。

(リリスがタワーに居るならニアのやつが危ねえ!)

ニアは確かに気に入らない。かといって見捨てていいはずがない。
やり方が相容れないだけで、ニアもまたジェダに抗しようとしているのだから。
それに、危険が迫っていると分かっている人間を見放したりなどしたら、
結局は自分の信念を否定し、ニアのやり方を肯定することになってしまう。
(それに、タワーにいたはずの太一が死んだってことは、リリスにやられたのかもしれねえ)
ならば、ニアもいつまで生きていられるのか知れたものではない。
自分に何ができるのか、リリスに会った時どうするのか、生かすのか、殺すのか……。
分からないことが多すぎる。簡単に答えが出せるものでもないだろう。
それでも、たった一つだけ、心に決めた信念がある。
罅だらけで、不確かで、風化したようにボロボロでも、まだ傷がついていない芯がある。

「一人でも多くを助けるんだ……! 
 剣心みてえにはいかねえだろうけど、俺は、今の俺にできるやり方でッ!」

きつく握り締めた逆刃刀から、小さな音が返ってきた。


   *   *   *


刻限は夜。仄暗い路地を弥彦はひた走る。
ビルの隙間から、夜闇を吸った猩紅の鉄塔が顔を覗かせる。
不気味な目的地を視界に収め、弥彦は踏み出す脚に更なる力を込めた。

332 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/27(木) 22:14:10 ID:2jZ/oj9P



333 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/27(木) 22:14:29 ID:cSbeKV4h
 

334 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/27(木) 22:14:52 ID:i8EGOPTZ
支援の極み

335 :刀銀十字路 ◆IEYD9V7.46 :2007/12/27(木) 22:15:11 ID:pokSd6ow



【B−7/路地裏/1日目/夜】
【明神弥彦@るろうに剣心】
[状態]:両腕に軽い火傷、疲労(中)、四肢に打撲と擦り傷、背中に打ち身
[装備]:逆刃刀・真打@るろうに剣心、サラマンデルの短剣@ベルセルク
[道具]:基本支給品一式、首輪(美浜ちよ)
[服装]:道着(ドロ塗れで血が結構隠れた。右腕部分が半焼け、左側袖も少し焼けてる)
[思考]:今度は間に合わせてみせる!
第一行動方針:気に入らないが、ニアを助けに行く。
第二行動方針:チアキを探し出して保護する。「犯人『バンコラン』」らしき人物と先に遭遇したら取り押さえる。
第三行動方針:パタリロを完全には信用できないが、信用したいとは思っている。
第四行動方針:ニアの力量は認めるが考え方には反対(強い不信感)。
第五行動方針:のび太がどうなったか不安。
第六行動方針:出来ればあの子たち(しんのすけ・ちよ・よつば・藤木)を埋めてやりたい。
基本行動方針:ジェダ達を倒す。一人でも多くの人を助ける。
[備考]:パタリロと簡単に情報交換済み。
  よつばと藤木の死について、パタリロが語った最初の仮説をほぼ信じきっています。


【B-7/空中/1日目/夜】
【シャナ@灼眼のシャナ】
[状態]:しろがね化。炎の翼で飛行中
[装備]:楼観剣(鞘なし)@東方Project、コキュートス@灼眼のシャナ
[道具]:支給品一式(水少量、パン一個消費)、包帯
[思考]:リリス……絶対に逃がしたりしない!
第一行動方針:19時になる前にB-7のタワーに到達してリリスと接触し、情報を引き出す。
第二行動方針:夜が明ける前に北東の市街地に向かい、いるはずの自動人形(トリエラ・リルル)を破壊する。
第三行動方針:要件が済んだら、インデックスや双葉たちと合流。
基本行動方針:ジェダを討滅する。自動人形(と認識した相手)は、全て破壊する。
[備考]:義体のトリエラ、及びロボットのリルルを自動人形の一種だと認識しました。
[備考]:これまでのインデックスの行動の全てを知っています。
    神社を拠点にする計画も知っています。


【B-7/地下下水道/1日目/夜】
【グレーテル@BLACK LAGOON】
[状態]:疲労(中)、全身に中度のダメージ及び軽い切り傷。右腕にダメージ。
    喪われた心臓の代わりに核鉄(サンライトハート)が埋め込まれている
[装備]:ウィンチェスターM1897(1/5)@Gunslinger Girl)、サンライトハート(核鉄状態・胸の中)@武装錬金
[道具]:支給品一式、塩酸の瓶×1本、神楽とミミの眼球 、毒ガスボトル×2個
[服装]:いつも通りの喪服のような黒い服。胸の中央に大きな穴が空いている。
[思考]:楽しかったわね、兄様。
第一行動方針:一先ずこの場を離れ、適当なところで地上に戻る。
第二行動方針:誰か新しい相手を見つけて遊ぶ。
基本行動方針:効率よく「遊ぶ」 (兄様はもう探さない)
[備考]:キルアの名前は聞いていません。

336 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/27(木) 22:15:30 ID:ICCOokIN
支援

337 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/27(木) 22:15:40 ID:2jZ/oj9P



338 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/27(木) 22:15:45 ID:i8EGOPTZ
 

339 : ◆IEYD9V7.46 :2007/12/27(木) 22:16:53 ID:pokSd6ow
投下終了です。予約延長すみません&支援ありがとうございました。
相変わらずどこで切ればいいのか分からない……。
疑問点、指摘などありましたらお願いします。タワー周辺は時間関係が複雑なので少々不安だ……。

340 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/27(木) 22:19:37 ID:cSbeKV4h
投下乙っ。弥彦とグレーテルの激突が実に上手い。
空気気味だった弥彦も一気に面目躍如してきた感じだ。
あとシャナ格好いいよ。GJ。

341 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/27(木) 22:22:18 ID:i8EGOPTZ
投下乙
弥彦があぶねぇと思いきや銀髪シャナ登場か
ちょいツンデレなのがわろた

このまま弥彦がニアの助太刀にいってもらいたいが
難しいな


342 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/27(木) 22:24:43 ID:Qy3hOXVm
投下乙です。
グレーテルもシャナも強い! 弥彦もこれは分が悪いわ。
勝てないと見て逃げたはずなのに、グレーテルのこの余裕は何なんだろう。次どこに出没するのやら。
シャナも……やっぱ刀持つと違うのか。銀髪に赤の乗る戦闘モードがマジかっこいい!
そして弥彦はこの先その信念を貫けるのか。GJです。

……たぶんシャナが先に到着するんだろうけどなぁ。弥彦が追いついた時にはどうなってることやら。
そもそも、シャナが出発して街に来るまでの間に結構時間喰ってるはずだから……。

343 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/27(木) 22:28:16 ID:RRV+soru
投下GJ!
弥彦を久しぶりに見た感じがするw
シャナかっこいいぜ!
グレーテルは引き際良すぎて厄介だな。
心配のニアはリリス達を仲間にしようとしてるのに…しかもタワーはエレベーター停止中。
弥彦頑張れ弥彦!

344 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/27(木) 22:38:46 ID:cSbeKV4h
ヘンゼルとグレーテルって立ち回りが案外賢いんだよな。
原作でもバラライカ以外のロアナブラ住人はしっかり出し抜いたわけだし。
バラライカには逆に完敗してたけど、逃げるの割と上手いやこいつら。

345 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/27(木) 22:41:29 ID:9m91eVwm
乙です。
サンライトハートを使いこなすグレーテルが恐ろしい。
何気にこれ、ある意味和月作品対決なんだよな。
そしてよかったなニア。心配してくれる人がいて。

346 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/27(木) 22:45:08 ID:RRV+soru
リリス達を仲間にしてもシャナにやられ、隠れてても爆死。
メタちゃん逃げてー!
ニアの近くにいると危ないプラグが立つよ!

347 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/27(木) 22:47:55 ID:ICCOokIN
投下乙&GJ!
確かに分が悪かったがサンライトハート装備のヘンゼル相手によく頑張ったよ
タワーに着く頃には…状況が想像できんw
リリスとグリーンは媚薬切れそうだしニアはそんな奴らを仲間にしようとしてるし
間に合うかどうか分からんがエヴァ様もタワー向かってるし

「楽しく遊ぶ」が行動方針なグレーテルは不利になったらさっさと逃げられる分身軽だよな
原作の最期はバラライカが一枚上手だっただけでほぼ逃げ切りかけてたし

348 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/27(木) 22:49:53 ID:XTOuaSeh
乙です
ニアと弥彦はまた喧嘩になるな
時間ないし、弥彦が(物理的に)引っぱって行きそうな気もするけど

349 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/27(木) 23:58:34 ID:DkH2a04L
GJ!面白かったw

350 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/28(金) 00:05:20 ID:CfGd6fla
GJ!
凄く読みやすかった、弥彦もシャナもかっけぇぇな。
刃止めのシーンでおおっと震えた、結果は少し残念だったが、いつか決めて欲しいところだ。

弥彦はシャナの忠告をどう活かして行くかだな〜、言われたことはこの地においてはド正論だしな。
とはいえ鬱展の伏線になりそうで今からwktkですよ

351 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/28(金) 07:11:25 ID:CXHyaPuR
タワーが複雑になってきたな。

352 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/28(金) 10:53:31 ID:5vj1Vr1s
不殺の信念が自分を殺す、てところがなんか良かった
GJ

353 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/28(金) 12:00:55 ID:CXHyaPuR
ヘンゼル、グレーテルがカオスすぐるww
名乗ってないし、そっくりだから混乱するだろうな

354 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/28(金) 18:52:04 ID:2493THFs
そういや原作でも双子は名乗っていないんだっけ?

355 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/28(金) 18:56:08 ID:O4ElxtRO
>>354
作中ではね。スナッフビデオ上での芸名だって言うから、
当人たちも名簿見れば「ああ、この名前で自分たちは登録されてるのか」と分かると思うけど。

356 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/28(金) 19:03:55 ID:W3x/vVeZ
ヘンゼルグレーテルの混乱は面白そう

357 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/28(金) 20:02:34 ID:1FNNU42p
小太郎はグレーテルと廃病院で、ヘンゼルと学校で戦ってるよな?
ヘンゼルが学校で死んだのも見てる。
シャナは、廃病院でグレーテルがかつらで変装(?)するのを見てるから、
小太郎はソレも知ってる。

同じ相手と2回戦ったと思ってるんだろうか?

358 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/29(土) 02:37:17 ID:U9qXSUVy
小太郎とヘンゼルの戦いって、ヘンゼルが投げた閃光手りゅう弾を手裏剣で打ち落としただけ。
その音で小太郎がふらふらになってる間に、なのはがヘンゼルの上半身消し飛ばしたわけで、
ヘンゼルの顔を観測する暇はなかった。
同じ相手かと問われても断言できない程度にしか、見てないんじゃないか。

359 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/29(土) 03:41:09 ID:BebWaqXi
状態表で書かれただけだけど、運命のルーレット(後編)で……

第三行動方針:グレーテルの存在が気になる。そういえばなのはが仕留めたガキがよく似ていた?

という具合になっていたな。
状態表だけだからそこまで気にしなくて良いし、気にするにしてもどっちとも取れる程度だろう。

360 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/29(土) 13:03:39 ID:lChlDeMA
学校組(特になのは)は驚くかもな。
小太郎とシャナは微妙。
キルアは心臓とったはずなのに…で動揺だな。

361 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/29(土) 20:35:18 ID:U9qXSUVy
つまり、キルアとメロ以外の学校組かなのはが合流したあと、グレーテルを目撃すると、
「アイツは心臓えぐりとっても、上半身丸々吹き飛ばしても死なない」
ってコトになるのか。
学校組なら、「なのはが、コナン・ベンゼル・灰原の3人でご褒美貰った」
ってコトで別人だと気づくかもしれないけど、
なのは自身は、何時殺したか分からない2人を殺したことを知ってるわけで、
アレより先に殺してたとすると、ベンゼルが生きてたとしてもご褒美を貰えたコトに
矛盾は感じないだろうな。
名前知らないから、放送で呼ばれてることにも気づけないし。

メロはジャイアンを殺してるシーンからベンゼルをずっと見てたから、
廃病院でシャナたちを襲ったのとは別人だと気づくだろうけど、
混乱させたければその情報を伏せるだろうな。

したらばでシャナが驚いていないから云々言ってるのがいるが、
学校組から話を聞いたアストラールから話を聞いただけで「同じ顔立ち」なんて分かる訳ない。
つまり、シャナにしてもアストラールにしても「同じ背格好のヤツ」くらいの認識がせいぜいだろう。
しかも、学校組も既に死んだヤツについて細々と説明はしないだろうし。

362 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/29(土) 20:38:09 ID:U9qXSUVy
>>361 自己レス
アストラールじゃなく、アラストールだった。アストラールって誰だよ

363 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/29(土) 20:52:16 ID:lChlDeMA
>心臓取っても、上半身吹き飛ばしても死なない
グレーテル強すぎw
これはグレーテルのグロ死フラグですね。
もし、心臓取っても、上半身吹き飛ばしても死なない相手はどうやって殺すんだろうな

364 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/29(土) 20:52:18 ID:r8VdALbx
ついでに言うとベンゼル→ヘンゼルね

365 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/29(土) 21:11:54 ID:JA5HVSDZ
まあ槍を折ってやれば死ぬんだけどね。
……死なずにそこで進化するかもしれないけど。

366 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/29(土) 21:12:17 ID:771isEpI
>>363
確かにグレーテルやばいなw
上半身吹き飛ばして死なないやつがいたら首輪の意味がなくなるw

367 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/29(土) 21:29:42 ID:Lk+6lCwl
まあ単なる勘違いなんだけどねえ・・・グレーテル殺そうとする奴の行動に影響するだけでw
全身擦り潰すとか酸で溶かすとか焼き尽くすとか凄惨なことになると予想。

368 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/29(土) 21:42:19 ID:lChlDeMA
なのはさんとキルアに期待。
一番混乱するならこの二人だよな。死んだのを確認してるし。

369 : ◆Gs3iav2u7. :2007/12/29(土) 22:11:52 ID:ON6z8KNa
申し訳ありませんが、予約の延長申請をします。
さすがに年末年始は一筋縄じゃいかない……

370 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/29(土) 22:13:09 ID:771isEpI
wktkして待ってます

371 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/29(土) 23:01:10 ID:GAFAUYAO
味方ごと上半身吹っ飛ばしたり、心臓をぶち抜いたりしてる二人を
味方と思ってくれる奴らはいるのだろうか・・・・・・。

372 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/29(土) 23:06:07 ID:r8VdALbx
相手はマーダーだし

373 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/30(日) 00:02:56 ID:Yo5L48Qo
まあ背中は預けたくないな

374 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/30(日) 00:13:32 ID:OYEhl6pV
バインドされて無限ご褒美作成機にされたりして

375 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/30(日) 00:41:09 ID:VA9MM+si
グレーテルに核鉄が心臓の代わりに入ってるってコトは、ヴィクター化してるんだよね。
ということは再生能力がある?

首だけ切る→首輪はずす→首を元に戻す
ってやったら、首は再生できるんだろうか?

376 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/30(日) 00:43:41 ID:6pBx1TME
ヴィクター化はしていない。少なくとも今はまだ原作初期のカズキと同じ状態。

377 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/30(日) 02:18:03 ID:L2kWLX5I
ヴィクター化したら面白そうではあるんだけどな
一日二日でなるもんじゃないし
このロワでやるのは無理かな

378 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/30(日) 02:42:05 ID:7XxlUhJk
あれは時間が経つと定着すると外せなくなるってだけじゃなかったっけ?
外殻を壊したら普通にヴィクター化すると思う。
つまりサンライトハートを破壊される必要がある。

379 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/30(日) 03:32:02 ID:d1nXwcFm
あれはしろい核金を生成する途中経過作品で、黒い核鉄の機能を完全停止させた(つもりだった)物なはず
カズキがヴィクター化したのは黒い核鉄どうしの共振で、機能を抑えきれなくなったから……だったと思う

380 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/30(日) 03:39:35 ID:6pBx1TME
>>379
そのへんのこと覚えてないけど、その理屈が正しいなら今のグレーテルもいつヴィクター化しても
おかしくはないってことか?まあ細かく考えることでもないような気はするけど。

381 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/30(日) 05:22:19 ID:L2kWLX5I
ヴィクター化してキルアと再戦ってのも美味しいよな
そういや、某所でもキルアVSヴィクター化カズキってやってたな

382 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/30(日) 09:15:46 ID:X7kDAWZk
原作通りに解釈するなら、今グレーテルが持っている偽70番の核鉄を黒3に戻すには、共振させるためにもう一つ黒い核鉄が必要になる。
でもロワ的に面白くなるなら、ジェダが制限かける際に封印が弛んだことにでもしておけばいいんじゃない?

383 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/30(日) 14:35:19 ID:EloHEBjC
正確には充分な強度を持つ特殊な外殻を被せて無効化していたのが、
黒い核鉄同士の共振によって破壊され、本来の黒い核鉄の機能が解放されてしまった、のはず。
つまりその共振無しでも外殻を破壊できればヴィクター化は起きると思うんだ。
無茶苦茶硬いけど。

384 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/30(日) 19:02:47 ID:FMX9bGQI
逆にいや白レンみたいに首吹き飛ばされたりしたら、ビクター化せずに死んでもおかしくないってことか。
どうとにでも調理できる、いまのグレーテルはおいしいな。

385 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/30(日) 19:56:57 ID:Yo5L48Qo
マーダー不足とか言われてたくせに、強力な奴多すぎだろw
接近戦遠距離なんでもOKな疲れ知らずのラスボスな雛苺
ラグナロク持ったレミリア
上半身吹っ飛んでも死なないと噂のグレーテル
あと、リリス

あ、意外にマーダーいないな。
対主催同士がバラバラ疑心暗鬼L5だから丁度良いぐらいなんだろうか

386 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/30(日) 22:35:52 ID:/xkMzdLY
本当にL5になりそうな吸血鬼もいるしな。

387 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/30(日) 23:51:48 ID:OYEhl6pV
それでも悪魔&鬼のコンビが本当に結成されればどうにかなりそうな気がするな

388 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/31(月) 00:28:36 ID:HxqcC3wf
今年最後の投下は誰かな

389 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/12/31(月) 13:56:15 ID:OUEQX+Vv
>>387
悪魔&鬼のコンビで思い出したけど、イヴは白レンのエーテライトを
ランドセルごと手に入れてるんだよね。
ということは、エーテライトの使用方法を書いた紙も持ってるはずだけど、
「相手の脳に接続し、その中の情報を閲覧・改竄・支配できる」っていうのに
気づかなかったのかな。
「なのはさんが自分の顔を知ってるからマズイ」って思ってて、
その手を試さなかったってコトは、気づかなかったってコトは確定?

使用説明にそれほど詳しく書いてなかったんだ、
と考えれば矛盾はないけど

390 : ◆xncBWD4TMo :2007/12/31(月) 17:50:24 ID:jAd48ixZ
>>389
えーっと、その件についてですが、
『最初にイヴがランドセルを漁ったのは、あくまでも「変装できるもの」を探していたからなので、
見た目明らかに「変装できるもの」ではないエーテライトは無視していた。
小瓶二つについては、飲めば体に何か変化が起こる(年齢詐称薬みたいに)ものなのかも
しれないと思い、一応確かめたが、期待はずれだった。
変装後も武器のチェックをしていたが、このときもせいぜい鞭に使ったり何かを拘束するための
ものなのだろうと勝手に思い込んでいて見向きもしなかった。』
という感じで書いたつもりです。

フェイトもさとうきびセイバーをただのさとうきびだと思っていたし、
イヴもエーテライトをただの鞭程度にしか見ていなかった。
というのは無理があるでしょうか……

ダメなら一応修正することも検討します。

391 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/01(火) 00:00:19 ID:Kqk1C+Ww
皆さんあけおめ。
今年も頑張っていこう。

392 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/01(火) 00:28:09 ID:O18sfBs1
あけましておめでとさん!
約一年で作品200個か!
今年もよろしくな

393 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/01(火) 01:11:37 ID:PXs9RcuQ
あけましておめでとう。今年もよろしく。
除夜の鐘を撞いて108の煩悩も払ってきたぜ。
558ほど残ってるけど。

394 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/01(火) 03:18:45 ID:SqiA7POy
あけおめ。
>>390
鞭だと思ってたとしたら違和感が。

イヴは、どう見てもサトウキビのさとうきびセイバーが武器だったことも知ってるわけで、
逆に、このゲームで外見だけで判断する危険は分かっているはず。
鞭だと思っていたら、それを試しもしないで、なのはさんを拘束するのに使わないような。
で、試すとしたら、
アタッシュケースのボタンを押し間違えてビュティを殺しちゃったことがあるイヴは、
説明書はちゃんと読むでしょう。

ただ、単なる糸だと思いこんでいたのなら、それで問題ないと思います。
例えば、「エーテライトで」拘束するところを
「最初に調べたランドセルに糸が入っていたことを思い出し、その糸で」拘束する
という風なら違和感ないと思います。

395 : ◆xncBWD4TMo :2008/01/01(火) 12:11:46 ID:jXDYGGES
>>394
言われてみれば確かにそうですね…すみません。
では、
『イヴはエーテライトを単なる糸だと思い込んでいたので(少なくとも武器には見えなかった)、
エーテライトの説明書を読まなかった』
ということでよろしいでしょうか?

もしよろしければエーテライトで拘束する場面に幾分描写を加えようかと思います。

396 :394:2008/01/01(火) 14:37:20 ID:SqiA7POy
>>395
ご親切な対応、ありがとうございます。
その方向でしたら私の違和感もなくなると思います。

397 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/01(火) 20:33:48 ID:2E4Gynt3
精神系の能力を持ってないから、
エーテルライトの真価をはっきするのは無理だろうなぁ。

398 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/01(火) 23:33:31 ID:/e6daJEo
生き残ってる中でエーテライト使いこなせそうなキャラって、どれくらいいるんだろうか?

399 : ◆IEYD9V7.46 :2008/01/02(水) 00:37:53 ID:oUH/eFSX
こっそりゲリラ投下します。

400 :夢であるよう、あらぬよう ◆IEYD9V7.46 :2008/01/02(水) 00:39:25 ID:oUH/eFSX

         〜これまでのあらすじ〜

ニケ「やった……ついに四天王を倒したぞ……これでジェダのいる玉座の間の扉が開かれる!!」
ジェダ「よく来たな、すけべ大魔神ニケ、そしてその仲間たち……待っていたぞ……」
(ギイイイイイイ)
ニケ「こ……ここが玉座の間だったのか……! 感じる……ジェダの魔力を……」
ジェダ「ニケよ……戦う前に一つ言っておくことがある。
    お前は私を倒すのに『ミニ八卦炉』が必要だと思っているようだが……、
    そのとおりだ、実はマスタースパーク一発で死ぬ」
ニケ「な 何だって!?」
ジェダ「そしてこの魔次元の外にタイムパトロールを始めとする救援組織を呼んでおいた。
    あとは私を倒すだけだなクックック……」
(ゴゴゴゴ)
ニケ「フ……上等だ……オレも一つ言っておくことがある。
   ここにトマっていう俺の知り合いがいたと思ったが、別にそんなことはなかったぜ!」
ジェダ「そうか」

(ガバッ)
トマ(墓下)「そうか、じゃなああああいっ! ヒドイ! ヒドイですよ勇者さあああん!!
       何で僕を無視してなかったことにしているんですか!?
       って何ですかこの横にある(墓下)っていうどっかで見たものは――っ!?」
ニケ「ダメだろ、トマ。おまえ死んだんだからさー。死んだやつは出てきちゃダメだ、死んでなきゃー」
トマ(故)「ぐぬぬぬ勝手に死んだことにされるなんて……! ……そうだ、いいんですか勇者さん? 
      僕をぞんざいに扱ったりしたら、僕が掴んだ取って置きの情報が手に入りませんよ?」
ニケ「取って置きー?」
トマ(死)「そうです、実はジェダを倒すには『ミニ八卦炉』っていうアイテムを」
ニケ「それさっき聞いたわ、ジェダ本人からベラベラと。
   おまえって本当に間が悪いよなー、盛り下がるから帰っていいよ」
トマ(出番終了)「ちょ、本人からってそんなバカなうわ離せ何を、出番終わりですか――――!?」
(バタン)

ニケ「じゃ、気を取り直して……行くぞジェダ! ウオオオオオオ!」
ジェダ「さあ来いニケ!」



――――ニケたちの勇気が世界を救うと信じて……



……と、いうことがありました。あらすじ終わり。




401 :夢であるよう、あらぬよう ◆IEYD9V7.46 :2008/01/02(水) 00:40:02 ID:oUH/eFSX
不思議です。
長かったはずなのに、色んなことがあったはずなのに、
それ以外が頭から抜け落ちてしまったみたいに、思い出せません。
この世界での私の歩みは、こんなに薄いものだったのかな?
ノート1ページに簡単に収まってしまうほどに、平坦なものだったのかな?
答えは出ません。何かが私の頭に硬い硬い蓋をして、大切なものを見せてくれません。
あるいは、柔らかすぎる掴みどころのない靄が、ほんとうのことを覆い隠しているのかもしれません。
とにかく、答えは出ません。
答えの出ないまま、曖昧な気持ちをずるずると引きずりながら、私は前を見ます。
たった今、私の視界の中で、あらすじの続きが展開され始めました。
ニケ君がいつもと変わらない軽快な足取りで、黒い外套を纏った蝙蝠みたいな男の人、
全ての元凶であるジェダに向かって行きます。
周りにあるのは、何百年もの時間の経過を感じさせる荒々しい石作りの壁、
そしてそれらをぼんやりと照らす、静かに揺らめくたくさんの蝋燭。
どこまでも無機的な空気の中、、私以外の2つの人影、エヴァちゃんとインデックスちゃんが、
ニケ君とジェダの様子を厳しい目つきで見守っています。
と、

「なのはあっ!」

石畳を蹴り進みながら、ニケ君が首だけで振り向いて私の名前を呼びました。

「俺が隙を作るから、トドメはおまえがさすんだぞ!」

他人事のように呆然と眺めていた私は、その言葉で現実に戻ってきました。
そうだった。私が……、正確には私が持っているミニ八卦炉が、
ジェダの弱点だって唐突に、しかもジェダ自身から告げられたばかりだったんだ。
途端に、不安になってきました。理由は分かりません。
自分にその役目をこなせるのか、失敗せずにできるのか……という不安とは、
また違うもののような気がしてなりません。
やっぱり違和感を解く鍵がぽっかりと抜け落ちている気がします。
空いた隙間と湧き出た不安を埋めるように、私は浅く肩を抱きました。
ニケ君はもう私のほうを向いていません、正面にジェダが近づいています。

「ふん、いかなマスタースパークと言えど、当たらなければな!
 おまえたちごときが私の動きを捉えることなど、永劫叶うまい!」
「はっ、それはどうかな?」

ニケ君の声には、ジェダを前にしても絶対に崩されない余裕の色が乗っています。
勝算がないと動かないのがニケ君です、当然のように秘策を用意していました。
自信満々にニケ君は跳び上がり、そして叫びます。

「『光魔法、カッコいいポーズ!』」

空中でポーズをとったニケ君に後光が差し……、いえ、違います、
ニケ君自体から広間の燭光を呆気なく呑み込み、塗りつぶすほどの眩い光が放たれました。

「む!? か、身体が動かんだと!?」

直後、ただでさえ悪い顔色を、更に悪化させたジェダの声が響きました。
光によって標本の虫みたいに射抜かれたジェダは、それまでの威厳が嘘みたいに声を震わせて狼狽しています。


402 :夢であるよう、あらぬよう ◆IEYD9V7.46 :2008/01/02(水) 00:41:22 ID:oUH/eFSX
「バカな、神体にまで影響を!? えぇい、動け、なぜ動かん!?」

と、そこへ高らかな笑い声が刺さります。

「ふはははー! どうだジェダ!
 この私が本気になれば、貴様ごときイチコロだ!」
「……エヴァ、自分も動けないのにカッコつけてもしょうがないかも……。
 ていうかエヴァは何もしていないよね?」
「ふん、私がニケに授けた策が功を奏しているのだ、つまりこれは私の力で何の問題もあるまい。
 だいたい、ニケに手柄を渡すのは癪に障るだろうが」

インデックスちゃんの指摘にエヴァちゃんが子供じみた屁理屈を返しています。
私もその光景を見てほんのちょっぴり和んでいましたが……。
次第に不安がぶり返し、ついにはこう思うようになりました。
おかしいな、って。
これが最後の戦いのはずなのに、みんなは暖かい部屋で団欒でもしているみたいにいつもどおりです。
緊張に縛られたり、恐怖に竦んでしまうよりはずっといいことだと思います。
けれど、どこか疎外感を感じてしまう自分がいるのも確かです。
身体の中から這い出てくる悪寒と戦い、堪えきれずに身を抱いているのは私だけ。
身が裂けそうな寒気にさらされているのは、私だけなんです。
どうしてこんなに温度差を感じるのだろう? 
何で、私はここにいるのに、いない気がするんだろう?

「……っく、待て、ここは一旦話し合おうではないか。
 貴族らしく! 文化人らしく! 優雅に茶でも啜りながら!!」
「ふん、この期におよんで命乞いか。無様なものだな。
 自ら冥王を名乗っておいてその体たらく、もはや情けをかける余地もない!
 ――――やれ、なのは! 奴を跡形もなく消し飛ばせ!」

鋭い声を受けて、私は追い立てられるようにミニ八卦炉を前に突き出しました。
これで、全てが終わるんだ。こんな島を抜け出して、みんな元の世界、元の日常に――

ドクン。

突然、口から飛び出すくらい、痛いほどに心臓が脈打ちました。
狭い肉体の殻を、中から壊して外に逃げ出したい、心臓がそう訴えてきたんです。
いつもの倍くらいの速さで脈が刻まれて、その更に倍以上の速さで、ミニ八卦炉を持った手がガタガタと震えています。
上下左右に細かく振動しているというのに、関節に鉄の棒でも通されたみたいに、
私の腕は動いてくれません。腕だけじゃありません、身体全体が動くことを拒否して、
ただただ心臓と血管だけが暴れるようにのた打ち回っていました。
身体が動かない理由は簡単です、理性が感情に負けたから。
そして、その感情の名前を私は知っています。多分……恐怖、だと思います。
誰に対して? 冥王ジェダ? 
……違う、と私はすぐに自問自答しました。
私が怖がっているのはきっと自分自身。そして何より、手に持ったミニ八卦炉、だったんだと思います。
理由は分かりません。考えれば、最初の違和感に立ち戻ります。
そこの鍵を開け、中に立ち入らない限り、全ての答えは見えないんです。
鍵はいつまで経っても見つかりません。
私は身を震わす以外、何もできませんでした。
みんなが「なのは」と心配そうに私の名前を叫んでも、どこから聞こえてくるのか、
それが自分に向けられたものなのか、どっちが前でどっちがが上で私はどこにいて何を――

「――行け、QB!」


403 :夢であるよう、あらぬよう ◆IEYD9V7.46 :2008/01/02(水) 00:41:59 ID:oUH/eFSX
金縛りの呪縛を緩和したのは、安らぎをくれる仲間の声ではありません。
命の危機を突きつけてくる、冥王の威令です。
反射的に天井を見上げると、数人くらい簡単に突き刺せるほどに大きく、鋭い針が降って来るのが見えました。
巨大な針に、おまけのように羽、胴体、手足、女の子の顔がついています。
見上げたまま、足が竦んだ私は瞳を揺らす以外に何もできません。

「高町なのはを殺し、ミニ八卦炉を奪うのだ!」
「なのはっ!?」

ブブブ、という五月蝿い羽音にみんなの声は掻き消されました。
ニケ君とエヴァちゃんは動けません。インデックスちゃんは足に力を入れ始めましたが間に合いません。
そしてやっぱり私の足は動きません。動くはずなのに、動きません。
恐怖が脚の自由を奪い、同時に恐怖から逃避するために、
私は堅く目を閉じ、耳を塞ごうとして――

「――テートリヒ・シュラアアアアアアクッ!!」

風に逆巻く大剣が、唸りを上げて弧を描き、私に迫っていた蜂を胴体から両断しました。
泣き別れになった上半身と下半身は地面に落ちて、両者は互いを求め合うようにビクンと数回跳ねたのを最後に、
二度と動くことはありませんでした。
助けてくれたのは誰? と、忽然の事態に私は置いていかれていました。
恐る恐る目を開けると、重そうな剣を携えた女の子がすぐそこに立っています。
私は知っています、大剣を振るったその女の子を。
私は知っています、可愛らしくも力強い、その声を。
私は知っています、赤い髪をお下げにしている、その後姿を。
私は知っています、小さくも立派な騎士、その子が誇りにしているその名前を。
だから、口にして、声に出して、確かめるように名前を呼びました。

「……ヴィータ、ちゃん……?」
「ボサッとしてんじゃねえ! 何考えてんだよなのは!?」

すぐに怒り顔を覗かせて、ヴィータちゃんの懐かしい叱声が飛んできました。
……懐かしい? 
変なの。そんなに長いあいだヴィータちゃんと会わなかったんだっけ?
まあ、いいよね。今、こうして目の前にいるんだから……。

「……なにジロジロ見てんだよ? おまえ何か変だぞ?」

気付かないうちに、ヴィータちゃんの顔をジッと見詰めてしまっていたみたいです。
私はハッとして謝ろうと思って……、結局、申し訳なさよりも嬉しさのほうが勝ってしまいました。
ついつい抑えようのない笑みが零れてしまいます。


404 :夢であるよう、あらぬよう ◆IEYD9V7.46 :2008/01/02(水) 00:42:57 ID:oUH/eFSX
「おい、なのはしっかりしろ! 頭でも打ったのか!?」

私の様子を本格的に不審に思ったのか、ヴィータちゃんの声色が深刻なものに変わりました。
ああ、本当に申し訳ないな……と思いつつも、私は素直な感情を打ち明けます。

「にゃはは、ごめんね。何だかヴィータちゃんに助けてもらったのが……とっても、嬉しくて……」
「……おまえ、何言ってんだ?」

ヴィータちゃんは大剣を地面に突き刺しました。
そのまま頬を指で撫でるように掻きつつ、気恥ずかしさに時折目を逸らしながらも、はっきりと言ってくれます。

「おまえの背中を守るのは、あたしの役目だろ?
 今までも、これからも。そして……」

揺らいでいた視線が結ばれて、真っ直ぐな声が心に届きます。

「遠い未来でも、な」

一瞬呆気にとられた私は、胸から湧き起こる感情に流されるように返事をしました。

「! ……うん、うんっ!」

私は首が折れるかというくらいに力強く、満面の笑みで頷きました。
そうしないと我慢できないくらい、溢れ出すほどの歓喜を、ヴィータちゃんの言葉から受け取ったからです。
わがままな私には、欲しいものがたくさんありました。
けれど、忘れっぽい私は実際に手に入れるまで、何が欲しいのかを思い出すことができません。
手に入れて、胸一杯に噛み締めるように行き渡らせてから、初めて私は気がつくんです。
ヴィータちゃんの言葉は私が欲しかったもの、間違いなくその中の一つだったんだなって。
欲しかったものは、まだまだたくさんあったんだと思います。
けれど、今はその言葉だけで充分です。もう、迷いはありません。
私を縛っていた見えない恐怖を吹き飛ばす、暖かくて力強い、勇気をくれる言葉をもらったから。
今なら、しっかりとミニ八卦炉を構えられます。
まずは目で標的を捉えて。
それから、揺ぎ無い砲口の先に、身じろぎ一つできないジェダの姿を据えて、宣言します。

「にっくきターゲットを狙い、放つは恋の魔砲!」

視線が、声が、砲口が。
全てが完璧な直線となってジェダを射抜き、焦点を合わせます。

「なのは、早く撃ってくれ! このポーズ疲れるんだよ!
「できるよ、なのは!」
「とっととあの胸糞悪い男を消せ!」
「……行けよ、なのは!」

周りからの声援が、包み込むように後押ししてくれます。
私の決意が伝わったのか、身の危険を感じたジェダが慌てて、

「待て、やめろ! 撃つな、撃ってはならん!」

汗をダラダラ流しながら、必死に懇願してきます。
惨めです。こんな人に私たちは弄ばれていたのかと思うと、もうこれっぽっちも容赦する気にはなれません。
自然と口から出たのは、抜けるように誇らしい、スペル宣言。
終わりを告げる、最後の魔法。

「恋符――――『マスタースパアアアアアアクッ!!』」


405 :夢であるよう、あらぬよう ◆IEYD9V7.46 :2008/01/02(水) 00:43:35 ID:oUH/eFSX
堤防が決壊したような光の奔流が放たれ、一直線にジェダに向かって押し寄せます。

「おおおおおおおおおおおおおおおおおおお!? 来るな、来るんではない!!
 いいのか、本当に私を撃ってもいいのか――――!?」

今さら遅いよ。四半秒もしないうちにあなたは



「――――――後悔するぞ」



え?


私は顔を上げてジェダのいた場所、今は白い光が我が物顔で蹂躙している場所を見やりました。
間もなくして光が消えて、同じようにジェダの姿も欠片も残らずに消滅していました。
私たちは勝った……んだと思います。けれど、どこか釈然としません。
ジェダの最期の言葉が鼓膜に張り付いて拭えないんです。
おかしいな。
後悔なんてするわけないのに。
私もみんなも、ジェダを倒してこの世界から抜け出すことを切望していたはずなのに。
何でジェダの最後の悪あがき、他愛のない戯言を、こんなにも気にしてしまうんだろう?

「やったな、なのは!」
「ふ、私の見込みどおりだったよ」
「これで全部終わったんだね!」

呆けた私に対して、みんなが笑顔で称賛の言葉をかけてくれます。
ほら、みんな喜んでいるよ。この笑顔に囲まれて、何で後悔する必要があるの?
私に燻っていた心懸かりは、そこであっさりと溶けていきました。
少しのあいだ談笑しあっていた私たちに、突然、地響きが襲い掛かります。
みんな一斉に振り返ると、ジェダの消滅した空間から、渦を巻いたオーロラのような穴が浮かび上がるのが見えたんです。
初めて見る異様な現象を前に、しかし私たちはそれが帰り道、ここを脱出する出口なのだと直感しました。

「俺は勇者だ、つまりナンバーワン!
 ゆえに帰るのも一番速ければならないのだあ〜っ!」
「あ、待ってよニケ! 一人で先に行くなんてズルイかもっ!」


406 :夢であるよう、あらぬよう ◆IEYD9V7.46 :2008/01/02(水) 00:44:17 ID:oUH/eFSX
ニケ君が極光の靄に包まれていき、その後をインデックスちゃんとエヴァちゃんが追っていきます。
それだけで人足が途絶えることはありません。
どこかに隠れていたのか、生き残った数十人の子供たちが皆、我先にとばかりに早足で靄に向かって行きます。
寂然とした空間が一転、希望に満ち溢れた明るい喧騒に包まれました。
その光景を五感で感じながら、私は思い返します。
嫌なことは多かった。悲しいことも多かった……はずです。
どうやらここに来ても、私はまだ全てを思い出せていないみたいです。
けど、生き残った子たちの背中を見ていると、どこか感慨深いものがこみ上げてきて、
今だけは何も考えずに、素直に身を任せてしまうのもいいのかな、と思えました。
とは言え、いつまでも浸っているわけにはいきません。私もみんなに続こうと脚に力を入れました。
だけど、動きません。
変だな、と思いながら動かない脚に軽い気持ちで目を向けてみると、
白い三角形が脚から生えていました。
地面に縫い付けられているみたい。
そう思った直後、石床を割りながら無数の光が私の四肢胴体を貫き、
胸からは水袋を割るような音と一緒に人の手が生えてきました。
驚いた私は、何でもいいから言葉を口にしようとして、
だけど、声が出せません。
食道に何かが詰められたような圧迫感があり、吐き出すことのできない嘔吐感が駆け巡ります。
無理に言葉を押し出そうとしたら、代わりにゴボッという濁った音と一緒に血の塊が転がり出てきました。
手足が動きません。
粗末な操り人形みたいに、私は何本もの光に刺し貫かれています。
多分、光が消えても私は動けません。骨も神経も筋肉も腱も滅茶苦茶に断ち切られてしまったから。
今も身体の中でブチブチという音が鳴らされて、穴の空いたホースみたいにピューっと血が吹き出ています。
魔法が使えません。
私の胸から生えた手が、小さく光るビー玉みたいなリンカーコアを掴んでいます。
一瞬で赤黒くなった自分の惨状が見るに耐えなくなった私は、堪らず視線を外し前を見ました。
するとそこには二つの人影、温度の感じられない幽鬼のような影があったんです。
一つは明るい浅緑色のドレスを着た、片腕が途中で途切れた女の人。
もう一つは、濃紺の上着をラフに着込んだ、浅黒い肌の屈強な男の人。
二人とも顔だけが影に覆われていて、表情を窺うことはできません。
ふと、その二人の間に割って入るように、三つ目の人影が靴をこつこつと鳴らしながら密やかに現れました。
桃色の艶やかな長髪をポニーテイルにした、凛然とした立ち振る舞いの女の人です。
手に提げた片刃の長剣、豊かな胸部を冷たく覆い隠す銀色の胸当て。
動きやすさと防護のしやすさを兼ね備えたその格好は、
前に友達の家で一緒にやったゲーム、それに登場した西洋の女騎士の姿と重なります。

――あなたたちは誰?


407 :夢であるよう、あらぬよう ◆IEYD9V7.46 :2008/01/02(水) 00:44:58 ID:oUH/eFSX
私は喋れない口の代わりに、ありったけの疑問を乗せた瞳を彼女たちに向けます。
相変わらずその表情は見えません。でも、マネキンみたいに全く感情がないわけでもないみたいです。
私の瞳を暗闇から覗き込んだ彼女たちに、揺らぎのようなものを感じ、私は安堵のようなものを得ました。
揺らぐものがあるなら、それは心があるということです。
これならきっと、私の拘束を解いてくれて、お話をすることもできると思います。
大丈夫です、心があるならきっと想いは通じるはずだから。
だから私は目一杯の力を振り絞って、一片の不安も与えないように、
そして、穏やかにお話を始めるために、ニコッと微笑みました。
私は頑張れました。身体のどこが切れて、どこが繋がっているのか全然分からないくらい、
痛みの激流が体内で暴れまわっています。それでも、いつもどおりにちゃんと笑うことができたんです。満点です。
すると、眼前に立っていた女騎士さんの腕が見えなくなって――
赤い飛沫が、飛び散りました。
同時に私の身体に浮遊感が湧き起こり、私はそのままべちゃっ、と地面にうつ伏せに倒れこみます。
痛いです。肋骨が数本、ゴトッという音を立てて身体の中でずれた気がします。
うつ伏せに倒れて良かった。仰向けに倒れていたら、引きずり出されて潰れかけた臓腑や、
はみ出した肉や脂肪が目に留まって、恐怖で失神してしまっていたかもしれません。
痛覚の性質が違うせいか、今回は見えなくても自分の身体がどうなっているのかの見当がつきました。
お腹のあたりが焼けるように熱いのに、外気にさらされたり石床と接触している部分を伝わったりして、
身体の中から冷たくなっていくのを感じるんです。
多分、私はさっきの女騎士さんに袈裟斬りにされたんだと思います。
それと同時に、私を刺し縛っていた光、操り人形の糸も切り裂かれていました。
糸の切れた人形の末路は決まっています。
支えを失い、自力で立つこともできなかった私は、為すすべなく地面に叩きつけられたんです。

「何を笑っている……っ、高町、なのはあッ!」

声が聴こえます。私はこの声を聴いたことがあります。何だか不思議です。

「貴様が、貴様のせいで、貴様さえいなければ――ッ!!」

何で怒っているの? ごめんなさい、わからないよ。

「主はやてがッ! 死ぬことはなかったのだッ!!」

……はや、て? 誰?

早手? 颯? 疾風? ハヤテ? はやて? ――八神、はやて?


ドクン。
抉れた身体の隙間から、零れ落ちそうなほど強く、心臓が跳ねました。
私は必死になり、伏せていた顔を弾かれたように上げてみましたが、そこにはもう誰もいません。
蜃気楼みたいに消えて……、いえ、違います。本当に消えちゃったんです。
さっきまで近くにいたはずの、ヴィータちゃんもいなくなっていました。
……やっと私は全部思い出せました。
フェイトちゃんが死んじゃったことも。
アリサちゃんの心に深い傷をつけてしまったことも。
はやてちゃんを……私自身の手で殺してしまったことも。
ヴィータちゃんもきっと、はやてちゃんと一緒に消えてしまったということも。
全部、思い出せました。
思い出したら最後、地に倒れた私はもう決して動こうとはしませんでした。
今なら、なぜ記憶が閉ざされていたのかがよく分かります――


   *   *   *



408 :夢であるよう、あらぬよう ◆IEYD9V7.46 :2008/01/02(水) 00:45:31 ID:oUH/eFSX
「ねえ、これがいい夢なの?」
  
(あなたは、どっちだと思う?)

「質問を質問で返すのはずるいよ」

(そう? あなたが悪い夢だと思っているなら、はっきりとそう言えばいいだけだよ)

「それは…………………………」

(答えられない? なら、本当の答えは解かっているんじゃないかな?)

「…………うん」

(言ってみて。答え合わせはしてあげるから)

「分かったよ。…………これは多分……いい夢、なんだよね……」

(どうして?)

「ジェダを倒して、生き残った子が元の世界に帰れたから。
 最初の放送のあと、一人の犠牲も出さないで」

(正解。そして、この夢はあなたが望んだものだっていうことも――)

「分かってるよ……」
  
(さすがに物分りがいいね。そうだよ、あなたは夢の世界にいても、
 現実の世界、現状の中で最もいい結果を無意識のうちに求めていたの。
 ありもしない幻想にも、掴みとれない願いにも決して縋ろうとはしなかった。
 夢の中でなら、みんなが生きている世界、海鳴市で見てきた日常と同じものを見ることだってできたのに、
 あなたはそうしなかった。
 ただひたすら、今この島にいる自分が掴める、現実的な未来の中で、
 最もいいものを選んでシミュレートしていたんだよ。
 友達が死んだという現状を覆すことなく、そこから更に突き進んで、
 努力に努力を重ねて、全てがうまくいった結果が今の夢なの)

「全部うまくいったとしても、私は最後にこうなるの?」

(答えが欲しい?)

「…………いいよ。試しに訊いてみただけだから」

(そう。……ねえ、もういい? 早くこの夢の幕引きに戻ろうよ)

「うん……そう、だね……」


   *   *   *



409 :夢であるよう、あらぬよう ◆IEYD9V7.46 :2008/01/02(水) 00:46:30 ID:oUH/eFSX
最後の一人が、靄を潜ったみたいです。
今ごろ生き残った人たちは、家族や友達、
大切な人たちとの再会に涙を流しながら喜んでいるんだと思います。
失った命の重さに気付いていながらも、きっと今だけは笑っているでしょう。
そうであって欲しいと、私は願います。

静かです。
さっきまで広間を満たしていた騒がしい歓喜は、嘘みたいに消えました。
まるでお祭りの後みたいな寂寞感がゆっくりと湧き出てきます。
提灯みたいに揺らめくたくさんの蝋燭。
それに囲まれた、広間の中央に居座るオーロラみたいな靄は、
役目を終えたお神輿みたいに静粛に佇んでいます。
ぼんやりと眺めていると、やがて靄が小さく、薄くなり始めました。
あれが消えたら、私はもう元の世界には帰れません。
家族にも友達にも会えません。翠家に帰ることもできません。
それでも私はピクリとも動きませんでした。
全身がぐちゃぐちゃになっているから、ではありません。
頑張れば身体のどこかが動ける、まだ動かせる部分が残っているはずなのに、
私は最初から、出口へと手足を伸ばすという選択肢を捨てていたんです。
生きている神経にも死んでいる神経にも、「動け」という命令が伝わることは、微塵もありませんでした。
これでいいんです。
私は元の世界に帰れないから、帰っちゃいけないから。
ただ、みんなの笑顔、一人でも多くの笑顔が守れれば、それで充分なんです。
それさえあれば、私は前を向いて歩いていけます。
帰る場所がなくても、前だけを見続けて笑うことができるんです。

綿菓子みたいに小さな靄が、ついに空気に溶けて消えました。
同時に、広間にあった蝋燭の火も全て消えて、何も見えなくなりました。
冷たかったはずの石畳の温度は、いつの間にか血まみれの私の体温と同じ温度になっていました。
祭りが終わります。夢も終わります。


   *   *   *


夢を見ていました。
夢の中の私は、その役目を終えて静かな眠りにつこうとしています。
暖かなベッドはそこにはありません。見守ってくれる人は誰もいません。
たった一人で、ひっそりと。
身も凍るような酷薄な世界に、その命を埋めようとしています。
胸に抱くのは、もう帰れない日常への憧憬。
そして、他の人を救うことができたという、僅かばかりの達成感。
それ以外には本当に何も残っていない、抜け殻みたいな様相でした。
そのボロボロになった心と身体の中で、不思議なことに唯一、顔だけはたった一つの傷も付いていません。
ばかりか、その顔には見るものに安らぎを与える、朗らかな笑みが浮かべられていたんです。
とても幸せそうな微笑です。夢の中の私も夢を見ているのかもしれません。
目覚めることがあったらどんな夢だったのか尋ねてみたいです。
……けど、訊かなくても結果は分かりますね。きっと私はこう言うに違いありません。


――――とっても、いい夢でした。



410 :夢であるよう、あらぬよう ◆IEYD9V7.46 :2008/01/02(水) 00:47:03 ID:oUH/eFSX

【A−3/工場内部(仮眠室)/1日目/夜】
【高町なのは@魔法少女リリカルなのは】
[状態]:魔力枯渇寸前、軽度の耳鳴り・聴覚への衝撃による頭痛、
    孤独感、全てに対する絶望、理性と狂気? 睡眠中
[装備]:ミニ八卦炉@東方Project、クロウカード×1(翔)@カードキャプターさくら
[道具]: なし
[思考]:――――
第一行動方針:睡眠と休息を取る
基本行動方針:ジェダを倒して生き残りで脱出?

備考:胡蝶夢丸を服用しました。効果は持続していると思われます。
  次の夢の内容は次以降の書き手さんにお任せします
  エーテライトで両手両足を拘束されています。
※なのはのベッドにはイヴの書いた置手紙が置いてあります。
今の状態で起きても、手紙の内容は把握できる位置にあります。

411 : ◆IEYD9V7.46 :2008/01/02(水) 00:47:37 ID:oUH/eFSX
投下終了です。言えない……年越し投下もしくは初夢投下を狙っていたのに、
元旦を過ぎてしまったなんて言えない……。
しかも投下したのが繋ぎにもなってない変な内容とか。
色んな人からネタを拝借したりネタが被ったりしてるし……

ともあれ、遅くなったけど今年もよろしくお願いします。
打倒ジェダ様を目指して出来る限り邁進する所存です(棒読み)

412 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/02(水) 01:43:52 ID:9vioW9b2
投下GJ
これは哀しい夢だ……というかニケ、お前は夢の中でもマイペースなんだな……
最初のソードマスターとかで笑った分だけシリアスパートが痛い……

413 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/02(水) 01:55:21 ID:drMZNVju
投下乙
自分が死ぬ結末になっても
ジェダを倒して生き残り全員が帰る事ができるならいい夢、か
なんて強くて哀しいんだなのはさん…

414 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/02(水) 04:03:47 ID:6RAyDue3
これは…………切ねえ。
これで良い夢というのが泣ける。
GJだ。

415 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/02(水) 13:48:36 ID:Htj2elzy
夢を見ていました。
夢の中のあの人は哀しい夢を見ていたのにそれはいい夢なんだと言いきりました。
その心の痛みはとても強いのに、泣きながら言いきりました。
私は叫びました。がんばれ、がんばれ、がんばれ!
私はそう強く願い続けていたのですGJ!!

416 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/02(水) 16:36:41 ID:T+MLndN9
>>411
これはまた鬱な・・・ともかくGJです。こういう夢になるとは予想外だったぜ・・・。

初夢は、元日の夜に見る夢のことでも正しいので、かろうじて間に合ってますよー。


417 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/02(水) 18:47:40 ID:NcF6qQjj
なのはさん……泣いた

418 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/02(水) 21:43:57 ID:Vgxj1C6R
乙!!
ここまで意志が強固だとマーダーの皆さんがかわいそうになってくるな

419 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/02(水) 23:23:33 ID:a+Ji+5lq
今更だが、なのはが悲惨すぎる……
この中では少数派かもしれないが、なのはが夢よりも幸せな結末を迎えられることを祈ってるぜ

420 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/02(水) 23:56:59 ID:NH+16sQa
乙。
なのは……それをもって「いい夢」と呼ぶか。泣ける……。
その姿を今のアリサに見せてやりたい。アリサなら、アリサならきっと……! GJ。

421 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/03(木) 01:51:49 ID:JoOdD+sA
なのは「いい夢を……見させて貰ったよ……」
アリサ「これが……いい夢でたまるかってのよ!」

422 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/03(木) 04:02:41 ID:tCaYFPEy
投下乙。
いきなりソードマスターw と思って油断してたら……切ない。
もう今のなのはは、自分は生還しちゃいけないと思うところまで来てるんだな。
なんかもう、見てられない……
アリサでもニケでもレイハでも、誰でもいいから早く助けてやれよ……

しかしなのはといいエヴァといい、ニケと一緒に漫才やってた頃の面影は欠片もナッシング。

423 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/03(木) 11:16:49 ID:nP+ffLhR
「……昨夜、私は夢をみました」
「みんなと共にジェダを倒し、みんなが元の世界に帰る夢です」
「……しょせん夢です。だけど……いい夢でした」

424 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/03(木) 11:38:02 ID:OWOXN2Yu
>>422
ニケは、この清涼剤として、もっと活躍してほしい。

425 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/03(木) 13:25:59 ID:jgBqigCz
なのはさん死んでも生き残ってもおいしい存在になったな。

この極上の素材がどう料理されるのか楽しみで仕方がない。



426 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/03(木) 15:53:34 ID:BbI/LJjU
>>421
誰かがダンバインのやつ書くと思ってたww
あれは名セリフだ

427 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/04(金) 17:09:46 ID:VQyJyTcs
キルアパタリロの人はどうしたのかな
時間かかるようなら連絡して欲しいんだけど

428 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/04(金) 19:52:32 ID:0ujKoVpx
あの作品は何とか生かして欲しい。

429 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/04(金) 21:05:19 ID:VhE7dNyg
通しになってるぶんのSSをwikiに載せてもいいかな。
さすがに結構溜まってきたから……

430 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/04(金) 22:15:23 ID:Ap6DXPsE
今までの通例とは違うけど、キルアパタリロを収録順を後回しにしてwiki編集しておく?
追跡表とかの都合で、収録順に空きを作って待つのはちと不都合多いからさ

431 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/04(金) 22:54:15 ID:VhE7dNyg
>>430
うん、そんな感じのを考えてた。反対ないようなら風呂入ったあとにでもwikiの更新しとく。
去年から更新なしにしとくのも寂しいからなぁ。

432 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/05(土) 21:38:15 ID:LRkEsPFY
とりあえず、明日中くらいに連絡がなければ破棄ってことでいいかな
しばらく予約入りそうにないし、もっと先でもいいか?

433 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/05(土) 21:43:46 ID:K/e2VQJf
せめて生存報告くらいは欲しいかな。報告は明日中でいいんじゃないか。

434 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/05(土) 22:07:51 ID:X1/VCcxb
>>432-433
えっと、キルアパタリロの人の修正の件のこと?
それとも◆Gs3iav2u7.氏の話かな?
どっちも気になってるんだけど…

435 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/05(土) 22:41:15 ID:3NmTL1e3
◆Gs3iav2u7.氏の予約(ベルカナ葵トマ)は……既に切れてるのか。予約のルール上。
もしまだ書いてるなら、無予約投下って扱いになるのかな。他の人が予約を望んだら無条件に譲ってもらう形で。

◆cwyZig7Yqw 氏(キルアパタリロ)の修正は……修正についてはルールが明記されてない。
とはいえ、流石に音沙汰ない時間が長すぎるだろうとは思う。
修正すると宣言したのが12/25、それっきり。普通に予約取って書くのだって一週間が限度なんだから……。

436 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/05(土) 22:43:45 ID:C0Albd5m
トマ達は予約延長だったよな?

あとwiki編集乙

437 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/05(土) 22:50:58 ID:X1/VCcxb
>>436
うん、だけど2日で切れてる。
…あれ、もしかして延長申請した日から一週間?

438 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/05(土) 22:53:18 ID:k4gZm4vj
三が日を加味してもそろそろ…だね>予約のほう

修正のほうもどうしたんだろうねぇ、このままだと破棄になるしかないんでないか?

439 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/05(土) 22:53:44 ID:3NmTL1e3
◆Gs3iav2u7.氏が最初に予約したのが12/26(水)、
12/29(土)に延長申請があったけどそれでも1/2(水)まで

……そういやテンプレの文面、あの書き方だと延長申請日から1週間、にも読めるな
まあ、だとしても今日までなわけだが

440 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/06(日) 00:01:15 ID:x140Mu9B
テンプレの文面、直すか? こんな感じで。

・やむにやまれぬ事情で完成が遅れる場合、最初の予約日から最大で一週間まで期限を延長することができます。
 ただし、3日の期限の間に、進行状況の報告も合わせて延長申請を行う必要があります。

441 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/06(日) 02:31:21 ID:D6jXo4/Z
昨日wiki編集したんだけど、◆H6tMn7KYPQ氏のトリが変わってたの忘れてページ作ってたorz
余計なページ増やしてしまってスマン。

442 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/06(日) 22:07:29 ID:RjjWioJZ
両氏とも、もし見てたら一言欲しいな……。
長くなりそうなら見通しとか、ダメならダメでも一言欲しい。
ロワ進行の問題だけじゃなく、本気で事故か何かあったんじゃないかって心配だ。

正月休みにしたって、もう終わりだろう……別の意味で忙しい年度末の開始だけどさ……。

443 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/06(日) 22:23:29 ID:ClVzqqPy
まあ、こういう場合、顔出しづらい気持ちもわかるけどね……。
別の板でオレも経験あるよ。気まずいんだ、なんか。

444 : ◆Gs3iav2u7. :2008/01/06(日) 23:12:06 ID:vRYNGcOG
2時か、おそくとも3時には投下することを目指しています。

445 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/06(日) 23:17:36 ID:RjjWioJZ
>>444
……! 期待!
急かしてしまったようならすいません。無理はしなくていいですよ。いやホント

446 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/06(日) 23:22:02 ID:a988ZIEU
おお、期待!
同時に、お仕事大丈夫か心配。
連絡さえもらえれば、一晩寝てからでもいいですよ?

447 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/06(日) 23:26:03 ID:jyCs5Uo2
なんか急かしてしまって申しわけない
無理だけはしないでください

448 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/06(日) 23:37:57 ID:D6jXo4/Z
連絡がないのが心配だっただけなので、あと一日二日くらい待てますよ
本当、無理だと思ったら休んでください

449 : ◆Gs3iav2u7. :2008/01/07(月) 02:53:16 ID:lQ1mQ8Qj
……書き終わりそうにないので、投下はまた改めて行います。
もし起きて待ってくれていた方がいらっしゃったら、本当に申し訳ありません。

450 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/07(月) 02:56:03 ID:pqX2Qw6V
>>449
何時くらいになりそうかとか、今どのくらい出来てるとか、教えてほしい。

451 : ◆CFbj666Xrw :2008/01/07(月) 04:47:50 ID:Bxh2G/19
アリサ・バニングスとイヴと高町なのはと三宮紫穂とヴィータを予約。

452 : ◆cwyZig7Yqw :2008/01/07(月) 16:06:42 ID:GxP0tC+i
都合により、連絡が遅れて本当に申し訳ないです。

そして修正のことですが、作品を破棄したいと思います。
自分の力では皆さんが納得できるような修正は不可能だと判断したからです。
自分勝手なのは分かっています。
連絡もせず、何日もキャラを拘束した結果こうなってしまったのは非常に情けないと思っています。

自分の所為で皆さんに迷惑を掛けてしまい、本当にすみませんでした。

453 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/07(月) 16:14:04 ID:tgxTi4WL
そうですか、残念です。
できればこれで諦めずに、書き手として頑張ってくださいね。

454 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/07(月) 16:47:11 ID:ozv1REZq
うーん、駄目ですか
お疲れ様でした。次があるなら期待します

455 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/07(月) 18:02:50 ID:pVu/71y3
>>451
期待
>>452
乙でした。めげずに新しい作品に挑戦してください。

456 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/07(月) 18:09:22 ID:3EOvy9iV
>>452
報告乙です。
今回は残念ですが、是非これにめげず次頑張ってみて下さい。

457 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/07(月) 21:59:19 ID:Xlh3FX60
>>451
この面子……ゾワゾワしたものが止まりませんな。
期待!

>>452
報告乙。
次の機会があれば、またチャレンジして下さいね。

458 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/07(月) 23:47:19 ID:pTSXhRwM
>>451
どう見ても修羅場です、本当に(ry
とりあえずアリサ逃げてー!

459 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 00:20:24 ID:3Ge60dx4
なんというメンツ…
同作品キャラが集うと血の雨が降るんだぜ!
とりあえずアリサ逃げてー!

460 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 05:05:55 ID:OTe8Ial8
ヴィータ逃げて〜っ!
って感じのほうが、何故か強いw

461 : ◆Z80Hd6AR2s :2008/01/08(火) 19:47:25 ID:6YEWttJz
初めてですが、自分も参加したいです。
太刀川ミミ、蒼星石、野比のび太で予約します。
自分なりにがんばってみようと思います。

462 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 19:51:30 ID:PrUTOk0o
楽しみにしてます

463 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 20:13:39 ID:3Ge60dx4
なんて平和的なメンツだ
期待してます。

464 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 22:39:29 ID:rJvNZepM
タバサ教の入信者が増えないことを祈る

465 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/08(火) 23:21:45 ID:qVHU8soz
のび太はすでに22世紀教に入ってるから大丈夫

466 : ◆xncBWD4TMo :2008/01/09(水) 01:24:03 ID:6UVS7E8W
一休さん、木之本桜、ニケ、雛苺 で予約します。

467 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 01:29:25 ID:vGM9dz9B
ktkr、歩く災害学校に行くのかー

468 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 01:40:24 ID:LpwNToTK
一休とニケがご愁傷様という気になるなw
いや、それでも勇者様ならなんとかしてくれる!

469 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 02:39:14 ID:TZNKfM3x
これは……
雛苺がラスボスになるかどうか…
一休さんが只の変態か素晴らしき知恵者かが解りそうだな…


そんなことよりニケのセクハラが炸裂するのかどうかの方が気になるけど。


470 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/09(水) 17:03:38 ID:jhys70qj
雛苺さえ居なければ平和な面子なんだけどなぁ……
さくらカワイソス

471 : ◆xncBWD4TMo :2008/01/09(水) 22:48:36 ID:6UVS7E8W
すみません、予約入れたばかりなんですが
急遽予定が入ってしまい、これからしばらく書けそうにないので
予約を破棄します。
お騒がせして申し訳ありません…

472 : ◆Z80Hd6AR2s :2008/01/10(木) 16:56:38 ID:VhHbxnHf
完成したんですが、初で色々不安があるので仮投下のほうに投下しました。
指摘など遠慮なくお願いします。
大きく問題なければ、明日夕方から夜ごろ本投下させてもらいたいと思います…

473 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 18:15:12 ID:8Nd4aK+M
仮投下乙

蒼星石とのび太の会話や今後の展開等はいいとは思いますが、
それ以前に大きな問題がひとつ。

蒼の前SS 190「リスキーダイス」は放送前の話です。
2人の時系列に矛盾があるため少なくとも
蒼の放送後の話を追加するなりの修正が必要と思います。


474 : ◆Z80Hd6AR2s :2008/01/10(木) 18:30:34 ID:VhHbxnHf
>>473
あ、基本的なところを見落としてしまっていました。
初歩的すぎて申し訳ないです。
指摘ありがとうございました。
加筆修正したいと思います。

475 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 18:52:03 ID:ZNyB4MV1
仮投下乙です。大きな問題はそうないと思います。

細かいところですが……
向こうの>356でのび太が「リリスたちのところにいかなきゃならない」と発言してますが、
これは「リルル」の間違いだと思われます。似た名前に注意w
あとは、既に指摘されていた蒼い子の放送聞いてのリアクションですね。
描写はかなり省略してもいいとは思いますが。

476 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 19:01:00 ID:c4bfjZCn
投下乙です。
タバサ教が広がっていく……
ちゃんとした感想は本投下の時に。
文章も読みやすくて良かったと思います。
最近は実力のある新人さんが多くて嬉しいなー

477 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 20:33:04 ID:y6GJ/JPD
>>471
それは災難でしたね。次の機会を期待してます。
>>474
仮投下乙です。私もちゃんとした感想は本投下にさせていただきます。
実は、ジェダが死者蘇生を出来るのは確かなんですよね。このロワではどうなのかは不明ですが。
レックスでは駄目なことだけは、確かですが。

478 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 20:42:14 ID:c4bfjZCn
能力制限をしてる装置やジェダを倒せばザオリクは使用可能になるのかな?
どっちにしろこのロワは死体の損傷激しすぎて使えない死体多すぎw
ザオリクおkでも蘇生可能なのはイシドロぐらいしかいないような…

479 : ◆Gs3iav2u7. :2008/01/10(木) 21:12:49 ID:+UZTAp4m
お待たせして申し訳ありませんでした。
30分から投下を開始します。

480 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 21:16:28 ID:Ac3Dx5T4
完成して良かった
支援待機

481 : ◆Gs3iav2u7. :2008/01/10(木) 21:30:38 ID:+UZTAp4m
投下を始めます。

長すぎて名前蘭に入りきらなかったタイトル↓
夜の帳と跳ぶ為の言葉ならびにキャーッ!名無しさんのエッチ!

482 : ◆Gs3iav2u7. :2008/01/10(木) 21:31:28 ID:+UZTAp4m
窓枠に足をかけ、身を乗り出す。

「お、思ったより高いですわね……」

眼下には規則正しく直列に並んだ窓枠が五つ。つまり、現在位置は六階。
地面までの距離は目算で十四、五メートル。生身の人間が落ちたらまず死ねる。
(なんだってわざわざこんな高い部屋を選んだのですか、あのテレポート女は)
そんな口中での問い掛けとは裏腹に、ベルカナはその答えを正確に察していた。
通常、建物の高層階は戦闘時に身を安める場所としては推奨されない。
少し考えれば分かることだ。確かに、高層階に居れば敵との偶発的な遭遇確率は下がるだろう。
だが敵が『ロケーション』等の探知魔法などでこちらの居場所を知り、下層階を占拠した場合、
その瞬間からそこは逃げ場の無い牢獄と化す。
準備を整えた敵に攻め込まれるか、焦って階段を降りたところを待ち伏せされるか、
兵糧攻めにあうか建物ごと焼き討ちにされるか、いずれにしてもそこにあるのは徹底的な敗北だ。
このように建物の高層階とはメリットよりもデメリットの方が遥かに大きい、
羽休めの場として星一つもあげられない悪所なのである。
だけど、とベルカナは考察を続ける。これがテレポートや飛行の能力を持つ者となると話は全く変わってくる。
彼らなら高層階のメリットを維持したまま、『逃げ場が無い』という最大の問題が解消できるのだ。
敵はわざわざ壁や階段を登ってこなければならず、なおかつ自分はいつでも脱出できる。
馬小屋にも劣っていた戦闘オンチ専用部屋は、これだけで『攻められにくく逃げやすい』絶好の仮宿に生まれ変わるのである。
……もちろん敵方も同じ能力を持っていたらそのメリットは無くなるが、それはもう場所がどこだろうと同じことだ。

と、ここまで考えてようやくベルカナは現実逃避から帰ってきた。
下を向けば、それだけで腹がひくつきそうな光景。
くらりときたのは決して血が足りていないせいだけではあるまい。
「ふう……」
溜め息を一つ。それくらいしても臆病者と笑われはしないだろう。
なにせ自分は、この窓から身を投げるのだから。

古代語魔法の一つ、『フォーリング・コントロール』。
落下速度を調整するこの魔法を使えば、六階からの飛び降りでも危なげなく着地することが出来る。
訂正。
普通なら、危なげなく着地することが出来る。
「普通なら」というこの一語が、今のベルカナには致命的になりかねない。
魔法を使うには魔力だけでなく相応の集中力が要求される。
例えば『フォーリング・コントロール』を使用中には「落下速度を調整すること」に意識を集中する必要があり、
別のことを考えたら途端にその効力は切れてしまう。
魔法発動体の無い、しかも貧血気味で意識の不安定な現状で果たして通常通りの効果が出せるのか?
もし魔法をうまく行使できなかったら……墜死。よくて半身は砕かれるだろう。
さらに、運よく着地できたところで、テレポート女にその場面を目撃されてしまったら逃げ切ることはまず不可能だ。
溜め息をまた一つ。
なんとも分の悪い賭けだと思う。いつもの自分ならこんな苦況には陥るまい。
そう、いつもなら準備を万端に整え、二重三重に安全策をめぐらし、もし自分が失敗しても、そばには――

(って、また現実逃避している場合ではありません!)

頭を振って邪念を追い払う。ベルカナの今は短い髪がさらさらと揺れる。
さて、いい加減腹をくくるべきだろう。
今度こそ決意を込めて、奈落の底を睨みつける。
余計なことは考えない。
考える暇など与えない。
頭の中で一度だけ呪文を予習し、意識を集中する。
身をかがめて、体のバネに力を溜めて。
ふんぎりをつけるように勢いよく窓枠を蹴って、ベルカナはその身を宙に投げ出した。


483 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 21:32:41 ID:Ac3Dx5T4
 

484 : ◆Gs3iav2u7. :2008/01/10(木) 21:32:57 ID:+UZTAp4m
仕方が無いこと、なのだろう。
彼女にはコンクリート建築の知識などもちろん無く、窓から漏れる明るい光は助けにはなったが代わりに遠近感を奪った。
何よりそれはあまりにも真っ直ぐに空を向いていたため、影と合わせて上からは『線』としか認識できなかった。
彼女が身を投じたまさに直下、瓦礫から一本の鉄筋が鋭利な槍のごとく伸びていたことに、ベルカナは最後まで気づかなかった。





「薫! 薫、どこや! どこ行ったんや!」

跳べ、と念じる。視界が一瞬で調理場に移る。
そこには誰もいない。
分厚い銀色の扉を開けずにくぐる。全身に鳥肌が立つ。冷凍庫。
そこには誰もいない。
0.1秒後に食堂に着く。整然と並ぶ机と椅子。ガラスケースの中の食品サンプル。
そこには誰もいない。
売店。空の陳列棚が葵を出迎える。
そこには誰もいない。
いくつもの壁を、床を、天井を、投げた石が水面を跳ねるように飛び越える。
そこには誰もいない。
誰も、誰もいない。

「薫っ! おるんやったら返事せいや、薫っ!!」

跳ぶ。
必要も無いのに走りながら、テレポートを繰り返す。
新しい場所に出るたびに、葵は親友の名を叫ぶ。
親友の名を叫ぶたびに、返事が無いことに絶望する。

「薫っ……! 薫っ……!」

跳ぶ。
なぜ?
なぜ誰もいない?
なぜ人の気配がまるでしない?
おかしいではないか。ここは、殺し合いや拷問を笑いながら行う狂った連中が闊歩する狂った島だったはずだ。
なのにどうだ。この足跡一つ無い床。耳鳴りがする程の静寂。
まるで、自分一人だけ取り残されてしまったようで……
「……っ!」
にわかに恐怖を感じた。
自分以外の全員が既に死に絶えており、この島に残っているのはもはや自分だけという無茶な想像が頭をよぎる。
「は、はは……。アホらし。そんなことあるわけないやん」
強がりで言った言葉にも、返ってくる言葉は無い。完全に逆効果だった。

跳ぶ。
気がつけば受付のある玄関ロビーまで戻ってきていた。
そこには、誰もいない。

485 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 21:34:10 ID:Ac3Dx5T4
 

486 : ◆Gs3iav2u7. :2008/01/10(木) 21:34:26 ID:+UZTAp4m
……怖い。
薫がいないのが怖い。
紫穂がいないのが怖い。皆本がいないのが怖い。
家族やバベルや学校のみんながいないのが怖い。
誰かいないのか。
誰か話をしてくれる人。
話を聞いてくれる人。

電話。

「トマはんっ!!!」
『ぅわっ!? あ、“青”さん!?』
突然葵が叫んできたのに驚いたのだろう、受話器の向こうから悲鳴じみた声が返ってきた。
「トマはんっ! そこにいるんやな!?」
『は、はい。あの、一体、』
「薫が、薫が呼ばれてっ! そしたら急にいなくなってもうて、さっきまで眠っとったんに!」
『え、あの』
「なんか誰もおらんで静かやし、あちこち探したんやけどやっぱり誰もおらんわでもう、どうすればいいか!」
『と、とにかく落ち着いてください! 落ち着いて、あったことを順番に話してください、“青”さん』
トマの言葉に暴走していた心が少しだけ落ち着きを取り戻す。
そうだ、自分が今すべきは現状を正しく伝えること。
深呼吸をして新鮮な空気で頭を冷やし、あったことを順番に、順番に……
「なんか……なんか気づいたら暗いところにおって、リリスっちゅうたかあのコスプレした女が
 『はーい、みんな元気ぃ?』……ってちゃう。戻りすぎや。そうやなくて、薫がいなくなってもうて、
 あ、薫って言われてもわからんか。ええと、ええと、」
……ダメだ。
何が起こったか。 その時自分は何をしていたか。
それはもちろん覚えている。覚えているが、言葉にならない。
物事を順序だてることができなくて、何を言おうとしてもしっちゃかめっちゃかになる気がする。
気ばかり急いで頭も口も回らない。

『……“青”さん。“青”さんは今病院にいるんですよね?』
「へ? うん、そうやけど」
『えと、では、“青”さんは病院に着いてからまず、何をしましたか?』
「ついてから――」
迷宮化した思考を巡る。『着いてからまず〜』に続く言葉を必死に探す。
「病院に着いてからはまず……せや、薫をベッドに寝かせて、傷の治療をしたんや」
『薫さん、ですか。』
「うん、薫っちゅうのは」
『それについては後にしましょう。傷の治療をした後は何をしましたか?』
意図が読めてきた。
トマは葵が混乱していることを察して、説明の為のテンプレートを提示しているのだ。
次の言葉を探す。引かれた線を頼りに、千々に乱れた思考を整列させる。
「治療の後は〜……少しだけ眠ったんよ。
 うちも色々あって疲れとったし、一息ついたら急に眠なってしもてな。
 それで、目を覚ました後は……」
少しだけ調子が戻ってきた。トマの誘導が無くとも次に語るべき言葉が浮かんでくる。
「病院の中の探索やな。服とか欲しいもんもあったし、
 薫はまだ眠っとったけど、うちの力なら置いていってもすぐに戻ってこられると思ったから」
寒気が葵の背筋を襲った。
テレポートさえあればいつでも戻ってこられる。そう思っていたからこそ葵はなんの不安も無く薫を一人病室に残してきたのだ。
それなのになんでこんな、
「、そ、それでな、病院をうろついとったら、遠くから電話の音が聞こえてくるやんか」
『デンワ?』
「うん、それで何やろなー思てとってみたら、それがトマはんからの電話だったんよ」
『……ああ、なるほど。これはデンワというものなんですね……』
妙な呟きに葵は首を傾げる。
まさかこうして通話している相手が生まれて初めての電話体験中だとは夢にも思わない。

487 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 21:36:39 ID:Ac3Dx5T4
 

488 : ◆Gs3iav2u7. :2008/01/10(木) 21:36:51 ID:+UZTAp4m
『あ、すいません。続けてください』
「うん、それからはトマはんも分かっとるように情報交換をしてな。
 脱出のこととか、ECMのこととか話したやん。
 そうしとるうちにジェダの放送が始まって……」
またしても背筋を嫌な感触が駆け登る。
暴走しそうになる心をすんでのところで押しとどめる。
まだいけない、せめてトマに全てを伝えてからでないと。
「最初に、禁止区域の発表があったやん。
 これは、ウチらとはあんま関係の無いことやったな。
 そんで次に、死んでしもた人たちの発表があって、そしたら、」

そうしたら、呼ばれるはずの無い人間の名前が、

「……明石、薫、って、薫の名前が呼ばれたんよ。」
『っ!』
受話器の向こうで息を飲んだ気配が伝わってきた。

「ありえへん、て思たわ。だって、ほんのちょっと前までうちと一緒におったんやで?
 なんや悪い奴らにひどいことされたみたいで傷だらけやったけど、
 死ぬほどの傷やなかったし、寝顔だっていつもより大人しいぐらいやったわ。
 ウチはすぐに薫のとこまで跳んだ。跳んだんやけど、正直言うとな、戻るのが怖かったんよ。
 ひょっとしたらウチがいない間に誰かが来て、薫を殺していったんやないかって。
 ベッドの上で、薫が血まみれになって死んでいるんやないかって。」
しかし、そこにあったのはその最悪な想像からすら離れた光景だ。
「でも、ウチが薫んとこ戻ったらそこには、誰もおらんかったんよ。
 薫も、他の人間もおらん。血まみれとかもなんもなくて、
 まるでどっかにテレポートしたみたいに薫がいなくなってしもた。」
周囲の空間がぐにゃりと歪んだ。ESP念波が制御しきれずに漏れ出している。
「きっと目ぇ覚ました薫がどっかほっつき歩いとるんやて思うてな。
 病院の中薫を探して、あちこち跳んで、何度も名前を呼んで。
 でも、どこにも薫は見つからんかった。」
今も薫は見つかっていない。手がかりすら掴めない。
葵はまだ、降ってわいた混乱の最中にいる。
「……こんなんおかしいやろ。薫の名前が放送で呼ばれたんもおかしいし、
 ベッドで寝とったはずの薫がいなくなったんもおかしい。なんもかんもみんなおかしいわ。」
『……“青”さん、』
トマが何かを言おうとしたが、葵は喋り続けた。走り出した言葉が今度は止めどころを見失う。
「だって、薫やで? 日本に三人しかいない超度7のエスパーで、
 攻撃にも防御にも空飛ぶのんにも便利なサイキッカーなんやで?
 ここが薫が死んでまうほど危険な場所なら、ウチなんかとっくの昔に殺されとるわ。
 そらうちかて足一本のうなってしもたけど、こうして今生きとるんや。
 ちゅうことはつまり、薫も生きてるってことや。そうやろ、なあ!」
『……』
「薫と紫穂とウチが揃えば、世界征服だって出来るんやで。冗談やない、ホンマのホンマや。
 ジェダぐらいリリスとハチみたいな女とまとめて指一本で退治したるわ。
 今よりもっとちっこい頃からウチら、バベルで大人でも出来んような任務をやってきて、
 いつだって三人一緒で、それがこんなわけのわからん殺し合いなんかでバラバラになるなんて、
 そんなことあるわけないやろ!」
『……』
「こんな島、二人と合流してさっさと脱出するんや。
 あ、もちろんウチはさっきの放送なんか信じてへんで。トマはんだってそやろ?
 あんな顔色悪い上に服のダッッサいオッサンの言うことなんてデタラメに決まってるやんなっ」
『……』

489 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 21:37:10 ID:Ac3Dx5T4
 

490 : ◆Gs3iav2u7. :2008/01/10(木) 21:37:36 ID:+UZTAp4m
さすがに息が続かなくなって言葉を止めた、その一瞬の沈黙がいけなかった。
喋り続けることで保っていた緊張の糸が切れてしまい、葵の心がわずかに綻ぶ。
「……でも、でもな、」
声が震えた。
心の綻びは錠前の綻びとなって、厳重に閉ざしたはずの記憶の引き出しがするすると開いてゆく。
引き出しから出てくるのは、薫をこの病院に連れてきて一段落ついた後の記憶。
まどろみに見た夢のさなか、見たこともない顔で聞いたこともない声で別れを告げる薫の姿。
綻びが連鎖的に広がる。
強がりで覆っていた心に穴が開き、最悪の予感がまろび出す。
葵は思う。仮に、あの時点で既に薫が自分の死を確信していたとしたら。
「もし、もしもやで? 放送が本当で、もし、」
決して有り得ない話ではないのだ。
思考を読み取る者がいる。
直接心に語りかけてくる者がいる。
夢の牢獄を作り閉じ込める者がいる。
死してなお思念のみでこの世に留まり続ける者がいる。
向き不向きこそあれど、エスパーにとって人の精神は不可侵の領域ではない。
ならば、適正がまるでなくとも、薫ほどの能力者が最期の力を振り絞って思念を飛ばせばあるいは、

他人の夢に入りこみ、想いを遺すことだって出来るのではないか?

あの夢に出てきたのは自分の脳みそが作り出した幻などではなく……

(『――――さよなら、葵』)

「っ、もし、薫、が、死ん、でたり、してもうたら、ウチ、ウチはぁ……」
もう、耐え切れなかった。
堪えてきた涙が両の目から溢れ出し、呼吸がしゃっくりじみた嗚咽に変わる。カラン、と乾いた音を響かせて松葉杖が転がった。
気力が折れてしまった今の葵では石降り現象すら起こらない。ただ小さな空間の歪みが渦を巻く。

いきなりこんな所に連れてこられて、殺し合いなんてさせられて。足まで失くして。
とっくに限界なんて超えていたのだ。
守るべき親友が見つけられたから、それを支えとして立っていられたのだ。
涙でぼやけた視界が、暗くなってゆく。
何故なのだろう、目は開いているのに。ただの比喩表現だと思っていたのに。
世界が狭窄する。
このまま真っ暗になったら、自分は二度と立ち上がれないのかもしれない。
自分の泣き声すら遠くなり、あの絶望的な静寂がやってくる。

その刹那、声が聞こえてきた。

『“青”さん』


『大丈夫ですよ。薫さんはきっと生きています』

そのなんの根拠も無い一言で、葵はどんなに救われたことか。

491 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 21:37:44 ID:ahM8rC6I
 

492 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 21:38:22 ID:ahM8rC6I


493 : ◆Gs3iav2u7. :2008/01/10(木) 21:38:27 ID:+UZTAp4m
『“青”さんの言うとおりですよ。放送なんか真に受けては駄目です!
 そんなんじゃジェダの思うツボですよ』
「……ふぇ」
さっきまでの沈黙が嘘のような、断固とした口調。
電気信号に変換されてもなお消えない熱を持った言葉が葵に響く。
『事情はよく分かりませんが、薫さんと一緒にいたのでしょう?
 だったら、今もすぐ近くにいるに違いありませんよ』
「……トマ、はん」
『はい?』
「ホンマに、ホンマにそう思ってるん?」
『もちろんですよ!」
だって、ジェダと“青”さん、どっちを信じるかなんて比べるまでもありません!』
「あ……」
光が戻ってくる。
自分を信じてくれる人がいる。
自分の信じたいことを信じてくれる人がいる。
『ただ、お一人で探すのは少し骨が折れるかもしれませんね。地図を見る限り、結構広い病院のようですし……
 そうだ、今から僕もそちらへ向かいましょう!』
「え、」
トマの急な提案に頭がついていけない。
死にかけていた脳を叩き起こすと、的外れな言葉を吐いた。
「せ、せやかて、会うんやったらウチが行ったほうがずっと早いし、」
『いえ、僕が行きますよ。だって、“青”さんは薫さんを探さないと。そうでしょう?』
「……うん」
そう。そうだ。
脳が起きて、回り始める。気力が、意志の力が湧き出す。
自分は薫を探すのだ。探す場所は、まだまだいっぱい残っているのだ。
こんなところで泣いているわけにはいかないのだ。
『僕は何も出来ないかもしれませんけど、人手が増えるだけでもずっと捜しやすくなるはずです。
 だから、二人で薫さんを探しましょう!』
「……うん、そう、そうやんな!」
紫穂でなくても、受話器越しでも分かる。
トマの声はいかにも無理して元気をよそおっている風で、隠しきれない不安が揺らぎとなって表れている。
それでも、いやそれだからこそ葵にはトマの言葉が嬉しい。
相手も、自分と同じ不安を抱えているのだと分かるから。
それでも彼は自分を励ましてくれるのだから。
震えたままのみっともない声で、暗がりを吹き飛ばすべく葵も声を上げる。

「決めたで! ウチらでジェダのやつをいてこましたる!
 言ったやろ? 薫と紫穂とウチが揃えば、ジェダなんかあっという間やて。
 トマはんには、特別にタダで一番いい席から見したるわ!」
『ええ、楽しみにしてます!』
葵は笑う。引きつってはいるが、獰猛な笑みを形作る。
『それでは、僕は今からそちらへ行く準備をします。
 少し時間がかかるかもしれませんけど、待っていてくださいね、“青”さん!』

その言葉を区切りに、通話は終わった。

494 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 21:39:13 ID:ahM8rC6I


495 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 21:39:15 ID:Ac3Dx5T4
 

496 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 21:41:03 ID:Ac3Dx5T4
 

497 : ◆Gs3iav2u7. :2008/01/10(木) 21:41:26 ID:+UZTAp4m
ぐしゅ、と鼻をすする。
「名前、教えとけばよかったなぁ……」
沈黙した受話器を見て、ぽつりと呟く。
最後に呼びかけられてやっと気づいたが、そういえば自分はまだトマに自己紹介をしていなかった。
まあ、いいだろう。トマはこっちに来ると言うのだ。
「そうと決まれば、薫をちゃっちゃと探さんとな」
松葉杖を持って、立ち上がる。
まずは病院の中を虱潰しに。それでも見つからなかったら、周囲の建物も探す。
大変な作業のようだが、テレポートを使える葵にとっては大したことではない。
ふと、この島に来てから久しく無かったいたずら心が芽生える。
トマが来る前に薫を見つけ出し、それから病院に来る途中の彼に自分たち二人の力を見せてやるのだ。
きっと驚くことだろう。状況が状況なのであまり派手なことは控えるべきだろうけど。
その時に、改めて自分の名前を言えばいい。
そして……名前と一緒に、立ち直らせてくれたお礼も言おう。


受話器が静かにフックに置かれる。
次の瞬間にはもう、病院の受付カウンターに誰もいなかった。





『アリサさんとルビーさんへ
 
 “青”さんの手助けをするため
 南の病院へ向かいます
 用がすんだらここに戻るつもりです
 約束を破ってしまってごめんなさい

              トマ

 追伸 このメモは最初の放送のすぐ後に書かれました』

(これで本当に良かったのでしょうか?)
メモを適当な場所に置いて、トマは地上への階段を昇る。
放送で名前が呼ばれた者が生きている可能性は非常に低い。それがトマの出した結論だ。
午前中だけで二度も命を奪われかけたトマから見れば、殺し合いはこの島で頻繁に行われている。
また、先の放送でジェダは「ご褒美」のことを、彼にとっては予定外のことだっただろうにむしろ積極的に取り上げた。
そこから考える限り、今のところこの殺し合いはジェダの望み通りに進行していると思っていいだろう。
そんな状況でわざわざ、しかも仲間がすぐそばにいる状態の人間を「死んだ」などと嘘をつく必要があるだろうか?
ひょっとしたらあるのかもしれない。しかしトマには思いつかない。
だから、メモの宛て名にはやてを書き加えるべきか悩みに悩み、結局トマは書かなかった。
それが『自分が放送をどう受け取ったか』をアリサ達に伝える最良の手段だと思ったから。
はやては死んだ。トマはそう考えているのだと、メモを見たあの二人が分かるように。

だが……先程まで病院にいる“青”と交わした会話の中で、トマは全く逆のことを言った。
薫は生きている、と。
嘘だ。
放送後に薫が居なくなったことなど、不審な点はある。
しかしそれを差し引いても、明石薫は放送の通りなんらかの理由で命を落としたのだろうと、そう考えている。

赤く光る四角いボタンを押した。
機械の唸る重低音が室内に響き、扉がひとりでに開いてゆく。
太陽の光が差し込んでくるとトマは思っていたが、そこにあったのは蛍光灯よりも弱々しい月の光だ。
ずっとシェルターの中にいて時間間隔がおかしくなっていたらしい。

498 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 21:42:41 ID:ahM8rC6I


499 : ◆Gs3iav2u7. :2008/01/10(木) 21:43:35 ID:+UZTAp4m
“青”を元気づけるため仕方が無かった。自分の中にも放送を認めたくない気持ちがあった。
言い訳ならいくらでも出来るだろう。
だが、このお人よしの少年はそれをよしとしなかった。
自分は嘘をついた。経過はどうあれ、心にも無いことを言って人を騙した。
ならば、この始末は自分でつけなければいけない。
“青”に真実を、自分の考えを伝えなければならない。
そう思ったからこそトマは、強引にでも葵の元へ向かうことにしたのだ。

扉が開ききり、音が止んだ。
歩き出そうとしてようやくトマは脚が震えていることに気がついた。

これで本当に良かったのだろうか?
その場の勢いだけで口から出まかせを言って、取り返しのつかないことをしてしまったのではないか?
はやてやジュジュの死を聞いて、冷静な判断が出来なくなっているだけではないのか?
そうかもしれない。
病院で“青”と合流して真実を伝えられたとして、その後自分はどうするべきなのだ?
分からない。どうするべき、どころか何も出来ない可能性の方が高い。
彼は所詮、道具いじりが大好きなだけの男の子にすぎないのだから。
それでもトマは、震える脚を無理矢理にでも前に出す。
安息の地を離れ、死地へうって出る。
勢いをつけるために、小さく呟いた。

(困ってる人を見捨てて自分は安全な場所に閉じこもっているなんて、勇者のパーティの一員がすることじゃない!
 ……そうですよね、勇者さん!)

麻睡銃を構え、彼なりの最大限の注意を払いながら歩き出す。





『フォーリング・コントロール』を使って窓から脱出。
後は見つからないようにひたすら身を隠しつつ病院から離脱。
危険を大いに孕んだそれが、ベルカナの結論づけた現状打破の方策である。

飛行魔法『フライト』は窓から直接脱出でき、最も速く移動できるが、その分非常に人目を引く。
特に今着ているような明るい色の服だと夜闇では隠しきれないどころか、むしろより目立ってしまう。
また、『フライト』がいくら速いとはいえ、テレポートを楽々使うあの女には到底敵わないだろう。
つまり一度見つかったが最後、と考えるべき。
そして広い窓が多くあるこの建物からでは、見つけられる可能性は無視出来ないほどに高い。
『コンシール・セルフ』は姿だけでなく音や匂いまで隠蔽し、なおかつ効果中も移動可能という優れた魔法だ。
しかしこの魔法は、使っている間集中し続けなくてはならないという制約がある。
魔法に長けた者にとって本来それは大した欠点ではないが、今のベルカナは食料も血も足りていない不安定な状態だ。
意識が散漫になりやすい現状で、未知の文明で作られた建物を脱出出来るだろうか?
それに出来るならテレポート女が冷静さを取り戻すうちに逃げ出したい、という思惑もあった。
あの女がまだ何かの能力や道具を持っていないとも限らないのだ。

どれを選んでも危険からは免れえない。
ならば最も魔力消費の少ない手段がいい、とベルカナは考えた。
もしかしたらまだ昼間の魔力切れが尾を引いているのかもしれない。

500 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 21:44:23 ID:ahM8rC6I


501 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 21:44:24 ID:Ac3Dx5T4
 

502 : ◆Gs3iav2u7. :2008/01/10(木) 21:44:34 ID:+UZTAp4m
真ん中に白線の引かれた継ぎ目の無い石の道路を横断し、向かいの建物の陰に身を隠す。
「はっ……はっ……」
息が荒い。心臓の鼓動が鬱陶しい。
煌々と輝く灯から逃れるように、ベルカナは歩を進める。
歯の根が合わない。鏡が無いが、たぶん顔面は蒼白になっているだろう。

あの時。呪文を唱え、体が浮力を得たその直後。
予期せぬ冷たい感触が、ベルカナの脚にひたりと触れた。
悲鳴を上げずにすんだのは僥倖だ。だが、集中力を乱された魔法は効果を失い、浮力は霧散した。
既に大分地面に近かったために怪我こそ無かったが、体を打ちつけて意識が一瞬飛んだ。

幸運だった、と思う。
感触の正体は、瓦礫から伸びた細長い鉄の棒。
わずかでも詠唱が遅れていれば、そのまま串刺しになっていただろう。
一センチずれていれば、自身の落下に沿って脚の肉が削り取られていったかもしれない。

「そう、幸運でした」
歩みを止めず、言い聞かせるように呟いた。
そもそも鉄の棒なんて物が無ければなんの問題も無く着地できた、とは思わない。『そもそも』なんて言い出したらキリが無い。
結果として、脱出計画の第一段階は怪我も無く見つかることも無くクリアした。あとは速やかに離れるだけ。十分ではないか。

「ええ、だから……ズボンが使い物にならなくなってしまっても、これは幸運なんです」
言い聞かせるように呟いた。言い聞かせる相手はもちろん自分自身である。
鉄の棒は、ベルカナの脚とズボンの隙間からまるで狙い済ましたかのように侵入してきた。
その直後に魔法の効果が失われ、落下速度を取り戻したベルカナの体はしかし、
鉄の棒に引っかかったズボンによって一瞬だけ静止した。
一瞬だけだった。
穿いていたズボンはゴムまで真っ二つに裂け、びりびりに破けた。

「ふ、服がちょっと無くなったくらいなんですかっ。戦場で命より優先すべきことなどありません!」
蒼白だったはずの顔が、やけに熱い。気のせいに決まっている。
ところで彼女のパジャマは、葵のテレポートによって着せられたものである。
この早着替え技、薫のワガママによって普段着からBABELの制服に着替えるべく開発されたもので、
葵ですら練習を必要とするなかなかに高度な技といえる。
しかし、空間に余裕のある服とは違って肌にぴったり密着する下着を着せるのは葵にとっても至難の技である上、
本来の用途上下着まで替える必要は無いために、技の仕様外だ。

何が言いたいのかというと要するにベルカナは今ぱんつはいてない。

「ぎゃ、逆に考えるのです。
 『他人の体だから見られちゃってもいいさ』
 そう考えるのです」
どこをどう逆に考えたのかはさておき、下半身マッパである自分の現状に折り合いをつける。つけたことにする。

これで一段落、というわけにはいかないのだ。
自分の姿が建物の中で見つからなかったら、あの女は外にも捜索の足を伸ばすだろう。
まだ『コンシール・セルフ』と『明石薫の姿』というカードは価値を失ったわけではないが、使わないにこしたことはない。

ランドセルからパンを取り出し、口にくわえる。
歩きながらものを食べるのは行儀が悪いが、空腹を満たし足りない血を補うために食事は必要だ。
あまり美味しくないそれを水で流し込んで瓦礫の小山を乗り越える。

さあ、早くこんな所とはおさらばといこう。
片方の手でシャツの裾を掴み、あらわになってはいけない部分を隠しながらベルカナは前を目指す。

503 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 21:45:04 ID:ahM8rC6I
 

504 : ◆Gs3iav2u7. :2008/01/10(木) 21:45:15 ID:+UZTAp4m
【G-7/病院内/1日目/夜】
【野上葵@絶対可憐チルドレン】
[状態]:左足損失、超能力の連続使用による微疲労
[装備]:松葉杖×2
[道具]:なし
[思考]:何が何でも薫を見つけたる!
第一行動方針:薫を探しだす。
第ニ行動方針:紫穂を探す。
第三行動方針:トマと直接会って協力する。
第四行動方針:レミリアかフランドールに出くわしたら逃げる。
第五行動方針:逃げた変質者(ベルカナとイエロー)は必ずぎったんぎったんにしたる。
基本行動方針:三人でジェダをぶちのめし、皆本のところに帰る。
[備考]:イエローをサイコキノ、ベルカナも何らかのエスパーと認識しました。
   なお二人が城戸丈を猟奇的に殺害し、薫に暴行をしたと思っています。
   テレポートに掛かっている制限は長距離転移不可(連続転移は可)、
   「意識のある参加者(&身に着けている所持品)は当事者の同意無しでは転移不可」です
   他者転移禁止の制限には気づいていません。
   第一回放送の、「明石薫」の名前が呼ばれた以降の内容を完全に聞き落としました。

【H-5/シェルター出口/1日目/夜】
【トマ@魔法陣グルグル】
[状態]:健康
[装備]:麻酔銃(残弾6)@サモンナイト3、アズュール@灼眼のシャナ
[道具]:基本支給品、ハズレセット(アビシオン人形、割り箸鉄砲、便座カバーなど)、
    参號夷腕坊@るろうに剣心(口のあたりが少し焼けている・修理未完) はやて特製チキンカレー入りタッパー
[思考]:“青”さん、今行きます!
第一行動方針:「病院」にいる“青”に会いに行く。
第二行動方針:他の参加者と情報と物の交換を進める。必要ならその場で道具の作成も行う。
第三行動方針:『首輪の解除』『島からの脱出』『能力制限の解除』を考える。そのための情報と物を集める。
第四行動方針:できればトリエラと再び会いたい。それまでは死ぬわけには行かない。
基本行動方針:アリサとニケたちとの合流。及び、全員が脱出できる方法を探す。
※ハズレセットのうち、豆腐セット、もずくセット、トイレの消臭剤、根性はちまきを使用しました。
 割り箸鉄砲の輪ゴムは、まだ残りがあります。
※「工場」にいる自称“白”の正体は「白レン」、「病院」にいる自称“青”は「ブルー」、と誤った推測をしています。

【G-7/病院北の廃墟/1日目/夜】
【ベルカナ=ライザナーザ@新ソードワールドリプレイ集NEXT】
[状態]:明石薫に変身中。左腕に深い切り傷、全身に打撲と裂傷(手当済み)、
    あばら骨数本骨折(他も骨折している可能性あり)、精神力消耗少
[装備]:なし
[道具]:支給品一式×2、懐中時計型航時機『カシオペア』@魔法先生ネギま!、飛翔の蝙也の翼@るろうに剣心
    黙陣の戦弓@サモンナイト3、返響器@ヴァンパイアセイヴァー、消毒薬や包帯等
[服装]:入院患者用のパジャマ(上だけ)
[思考]:……冷えますわね……
第一行動方針:早急にこの場から離れる。
第二行動方針:現在地の把握、および放送内容の確認をしたい。
第三行動方針:イエローと合流し、丈からの依頼を果たせるよう努力はする(無理はしない)
第四行動方針:魔法発動体と服が欲しい。
第五行動方針:仲間集め(イエローと丈の友人の捜索。ただし簡単には信用はしない)
基本行動方針:ジェダを倒してミッションクリア
[備考]:制限に加え魔法発動体が無い為、攻撃魔法の威力は激減しています。
変身魔法を解除した場合、本来の状態(骨折数箇所、裂傷多数、他)に戻ります。

505 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 21:46:33 ID:ahM8rC6I
  

506 : ◆Gs3iav2u7. :2008/01/10(木) 21:47:09 ID:+UZTAp4m
以上です。支援の人たちに感謝。
二週間以上も投下を引き伸ばした上に、連絡もしないで本当に御免なさい。
今後は計画的な投下が出来るよう、最大限努力します。

507 : ◆rn.m2JdYx. :2008/01/10(木) 21:51:10 ID:ahM8rC6I
投下乙!
ちくしょう、冒頭でベルカナあぶねえ――! と思ったら予想外の良オチw
葵が行動に出、トマがシェルターから動き、この先の展開にwktkできる話でした。
GJ!

そしてベルフラウ、イエロー、みか先生予約します。

508 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 21:52:25 ID:2S5pHr+P
ベルカナ死んだオモタよ、GJ

509 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 22:10:00 ID:Ac3Dx5T4
 ∧_∧                            
 ( ・∀・)  投下GJ。その場しのぎとはいえトマの優しい嘘がいいなー。
 (     )  トマのくせにと思いつつもこの鮮やかなフラグ立ては認めざるを得ない。
 | | |  二人の決意が胸に来るぜ……。
__(__)_)______________
 ( _)_)
 | | | それよりマッパだマッパ。この意味もなく脱がすノリはなんか久しぶりだw
 (    ) 俺はこの展開を待ち望んでいたのだよ!
 ( 。A。)  素直に感動で終わらせてもいいのに最後にエロを持ってくる姿に漢を見たぜ。
  ∨ ̄∨  


>>507
また新しい人が、wktk 

510 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 22:14:50 ID:c4bfjZCn
投下GJ
ぱんつはいてないww

GJGJ
トマと葵の会話がいいなぁ。葵暴走を止めた功績はデカいぞトマ!
何事もなければいいんだけど、吸血鬼が向かってる罠。

511 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 22:20:51 ID:ZNyB4MV1
投下乙!
トマの方から出て行ったか。これは面白い展開。築き上げた関係性が生きてるなぁ。

そしてどうみても怪しい格好のベルカナw
他人の裸だからって、下手すりゃ全裸より恥ずかしい格好を晒してもいいやというのは……w
しかし、ここにベッキー来るんだよなぁ。この先の展開がまるで読めない

512 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 23:07:45 ID:Zx4wV9LQ
タイトルしたらばの名無しwwwww

513 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/11(金) 01:02:10 ID:dPZeLiBY
投下GJ!!
トマのフラグ立ての上手さは尊敬せざるおえない。でも同時に不幸フラグでもある。
トマは地味キャラのくせにー!
三者三様に動き出して、次が気になる良展開ですな。

514 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/11(金) 02:42:22 ID:LLPKPO6E
>>354
仮投下乙です。
細かいことですが、したらばの353の「蒼星石の体の大きさ関しては」
→「蒼星石の体の大きさに関しては」
352の 「下手に施設へと向かうのは、待ちぶせの恐れもあるため避け」
→「待ちぶせの恐れもあるため、下手に施設へと向かうのは避け」
「仲間になってくれそうな参加者を探す。
蒼星石はひとまず」
→「仲間になってくれそうな参加者を探す蒼星石はひとまず」
の方がいいと思います。
また、どうでもいいことかもしれませんが、のび太は懐中電灯を使ってるんでしょうか?
日が沈んでも「破れた誓い、そして…」によると満月が昇っているはずですから、
月明かりの中を歩いていても可笑しくはないのですが。
(見つからないようにしてる蒼星石が使ってないのは確実だと思う)

あと、グリーンや白レンがこぶた化してることや、
蒼星石が今持っているこぶたの竹刀に関して情報交換はしてないのでしょうか?
しんのすけ子豚がジャイアンだったかという不安を持ってるのび太の方から、
「人を子豚にするアイテムや能力」に関しての情報を求めても可笑しくないと思うのですが。

>>506
投下乙です。
ぱんつはいてない!!
しかも、「全身に打撲と裂傷(手当済み)」ってコトは体のあちこちに包帯やら湿布やらが!!
なんてマニアックな姿にwww

515 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/11(金) 07:56:59 ID:UDiNhAYO
転載。

340 名前: ◆CFbj666Xrw 投稿日: 2008/01/10(木) 23:49:37 ID:X2XKKbAI0
予約を延長します。毎回ですみません……。
更にまたも規制に巻き込まれてたりします。
丸ごと代理投下してもらうのも悪いし、できるだけ早く解けて欲しい所。

516 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/11(金) 08:05:19 ID:UDiNhAYO
現在の予約状況

01/07予約(延長申請済み・01/14まで)
◆CFbj666Xrw 氏:アリサ、イヴ、なのは、紫穂、ヴィータ

01/10予約(01/13まで)
◆rn.m2JdYx. 氏:ベルフラウ、イエロー、みか先生

で、仮投下済み・本投下待ちの作品が1本、と。
なんだかんだで動きが止まらない。いい感じ

517 : ◆Z80Hd6AR2s :2008/01/11(金) 19:34:05 ID:elOuVNMw
仮投下で指摘してくださった方々ありがとうございました。
修正していて少し遅くなってすみません。
8時から投下したいと思います。

518 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/11(金) 19:35:32 ID:8MHM9cyg
wktk

519 : ◆Z80Hd6AR2s :2008/01/11(金) 19:59:37 ID:elOuVNMw
それでは投下はじめます

520 :プロパガンダも楽じゃない ◆Z80Hd6AR2s :2008/01/11(金) 20:00:08 ID:elOuVNMw
今から数十分前、静寂を守っていた森に、ジェダの声が鳴り響いた。

(…真紅……翠星石………!)

日が暮れてきたC-2の森の中、蒼星石は一人放送を聞くことになった。

34番 真紅
35番 翠星石

放送で二人の名前が続けて呼ばれたときには、
頭をハンマーかなにかで殴られたかのような衝撃をうけた。
呆然とし、しばらく思考が停止した。

同じ薔薇乙女、最愛の姉である翠星石、交友のあった真紅の死。
自失するには充分な知らせだった。
ショックで自分を見失ってもおかしくない。

ただ、彼女には縋ることができるものがあった。

そう、レックスは放送で呼ばれていない。
レックスが生きていれば、真紅に翠星石、今呼ばれた人たちにだって希望はある。

死亡者37人。
とんでもない数である、しかもまだたった12時間しか経っていない。

(でも…まだ救えるんだ!)

自分にはやるべきことがある。
最愛の姉たちを救うためにも、まずはレックスを見つけること、仲間を集めることが重要だ。

蒼星石は自分自身を叱咤し、なんとか前に進むことができていた。



521 :プロパガンダも楽じゃない ◆Z80Hd6AR2s :2008/01/11(金) 20:00:47 ID:elOuVNMw
仲間になってくれそうな参加者を探す蒼星石は、
ひとまず北に通っている舗装路に出てみることにしたのだった。

待ちぶせの恐れもあるため、下手に施設へと向かうのは避け、
安全性を重視し、森の境目から開けた道を通る人を探すことにしたのである。
森の中ならば小柄な自分は有利だと考えた結果だった。

森に潜んでいるかもしれない人影を見逃さないよう、
周囲に細心の注意を払った上で、慎重に森を進むこと数十分。
もうすぐ森を抜けようかというところで、木の陰に倒れている少女を発見した。

(気を失ってる…かな、どうしよう)

今のところ目を覚ましそうな気配はない。
仲間に出来るかを調べるために、夢に入ってみるというのもと思案していた。

しかし、思考はすぐに中断される。
西のほうから東へ向かって歩く、メガネをかけた少年を視界に捉えた。
月明かりの下、灯りもつけずに歩いている。
木の陰に、さっと身を隠し様子を伺う。
幸い倒れている少女は向こうからは見えないようになっていた。

(少し足取りが覚束ないかな、というかちょっとふらふらしてる?)

東へ向かって歩いている少年、放送から立ち直り、生きて帰ることを決意したのび太だが、
心身ともに疲労の蓄積は大きく、足取りは軽やかとは言えなかった。

(この殺し合いに乗っているかははっきり判断をつけかねるけど、たぶん…
 それにあの様子なら遅れはとらないはず)

相手が丸腰であることもあり、蒼星石は接触することを決めた。


 ◇ ◇ ◇ ◇


「じゃあ、まずレックスっていう人と会わなかった?」

蒼星石は、のび太と森の中に移動し、まず一番にレックスの行方について聞いた。



522 :プロパガンダも楽じゃない ◆Z80Hd6AR2s :2008/01/11(金) 20:02:07 ID:elOuVNMw
蒼星石は気づかれないよう、のび太の背後に迫り、
念のためバイオリンの弓を突きつけ、ゲームに乗っていない意思確認を行なった。
道では目立つため、森へと場所を移し、ひとまず情報交換することにして今に至る。

場所は、倒れていた少女からは離れたところにしておいた。

のび太は最初恐怖に震えていたが、武器をすぐにおさめたことや、
相手の体の小ささも相まって次第に落ち着きを取り戻していた。

蒼星石の体の大きさに関しては驚いたのび太だったが、ドラえもんたちとの冒険での経験から、
おそらく小人なのだろうと思っていた。

「いやごめん、会ってないよ」
「そっか…」
「その人って、君の知り合いなの?」
「知り合いというか仲間のお兄さんなんだ、それで彼のことなんだけど」
「あ、待って、実は僕さっきの放送半分くらい聞き逃しちゃって放送の内容教えてほしいんだ。
 リルルって友達がいるんだけど無事かなのか心配で」

レックスの手がかりは掴めず、やや肩を落とした蒼星石だったが、ひとまず放送内容を伝えた。
放送でリルルや弥彦が呼ばれてなかったことを確認し、のび太は胸を撫で下ろした。


放送の話が終わるとすぐに、蒼星石はレックスの話に戻し、蘇生の可能性に関して説明した。
タバサとの会話で、自分が蘇生したかもしれないと思い当たり、気持ちがはやったのかもしれない。
死んだ人も生き返るかもしれないと伝えたいと。

レックスが死者蘇生できるかもしれないという話は、のび太にとって大きな衝撃を与えるものだった。

「まさか!ドラえもんの道具だってそんなこと!」

いかに普通でないことを日常的に体感してきたのび太でも簡単に信じることはできなかった。
(いや、でも出来るけど、決まりがあったりして出来ないだけ…?でも本当ならジャイアンも…)

「信じられないかもしれない。でももしかしたら僕も…」

一瞬ためらった後、耳にした言葉はのび太にとってさらに驚くべきことだった。

「…僕も生き返った存在かもしれないんだ、蘇生の魔法を誰かが使ったんじゃないかって」


523 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/11(金) 20:02:33 ID:8MHM9cyg
 

524 :プロパガンダも楽じゃない ◆Z80Hd6AR2s :2008/01/11(金) 20:02:58 ID:elOuVNMw
告げられた一連の事実に、のび太は少し混乱していた。
もしこれが本当なら…ジャイアンもいる、みんなが揃った21世紀の未来にいけるのかもしれない。

ドラえもんが見せてくれた平和な未来へ。
一瞬以前見た未来の光景が頭に浮かぶ。

しかし、生き返らせるには優勝しなければならないということを考え、ついさっき、それを否定した。
たしかにどこかにジャイアンを助けてくれる要素があるのではないかと考えはしたが、
こうも都合よくこんな話を聞けるとは眉唾にもほどがあるともいえた。

(でも、これまでこの島でも不思議な力は見てきたわけで、
 ジェダでなくても人を生き返らせることができるのかもしれない…)

「今は完全には信じられないかもしれないけど、とりあえず一緒にレックスを探してくれないかな?
 僕たちまだ人数が少なくて仲間がほしいんだ」

蒼星石の言葉にのび太は意識を目の前の相手に戻した。

(とりあえずは可能性があるに越したことはないよね)

のび太は、頭から否定も、現実から逃げもしなかった。

放送に絶望して、地べたにへたり込みさんざん泣いた。
その中で、他人を信頼し、自分の足で一歩一歩前に進むと決めたのだから。

「う、うん、わかった、協力するよ!確かにまだ完全には信じられないけど」
「よかった、あ、それじゃ簡単に今までの話でもしたほうがいいと思うんだけど」

蒼星石は、レックスと蘇生についてばかり気をやって、つい基本的な情報交換を忘れていた。

「うん、そうだね。…ところで君はやっぱり小人なの?」

のび太は気分を落ち着けるためにも気になっていたことを聞いてみた。

「小人?いや僕はローゼンメイデンの第4ドール。一応人形ということになるね」
「に、人形なんだ、どうりで…って人形?……人形なの!?」

一瞬納得した様子だったのび太だが、突然、大声をだした。


525 :プロパガンダも楽じゃない ◆Z80Hd6AR2s :2008/01/11(金) 20:03:20 ID:elOuVNMw
「い、いきなり、どうしたの?」
「僕さっきシャナって人と会ったんだけど、人形を壊すって言ってたんだ!
 それで友達のリルルとトリエラさんを人形だって言って人形は全部壊すんだって。
 僕そのこと二人に伝えに行かないといけないんだ」

蒼星石は驚き、まずシャナと人形に関して詳しく聞くことにした。

しかし、話を聞いても人形を狙って壊そうとする理由も明らかでなく、
また、シャナが今は後回しだと言っていたこともよくわからずじまいだった。
まさか、同じローゼンメイデンがアリスゲームでとも考えたが、
ローゼンメイデンは7体しかいないはずで、シャナは球体関節でもなく人間の大きさであるという。
どういう意図であっても、人形を壊そうとする以上、自分にとって危険な存在には違いない。

(人形を狙って壊す、か。なんにしてもシャナって人には注意しないと)

このことに関しては一旦置いておき、二人は一通りの情報交換をすることにした。


 ◇ ◇ ◇ ◇


「そんな!グリーンさんがあのリリスって子の仲間だなんて!きっと何かの間違いだよ!」
「いや間違いないんだ、リリスは一緒にいた少年のことをしきりにグリーンと呼びかけてた」

二人の認識はグリーンという少年に関しては決定的に食い違っていた。

片やリリスから自分と赤ん坊を逃がそうとした正義感のある少年。
片やリリスと組み、巧みなコンビネーションで仲間の一人を殺した少年。

互いの主張は完全に平行線だった。
しかし、しばらくしてのび太が何かに気づいたように言った。

「そうだ、きっとグリーンさんはリリスに操られてたんだよ!
 僕らを逃がしたときに何かされたんだ!」
「…操られている?」

のび太は一人納得がいったような顔をしていた。

しかし、蒼星石はどうにも操られていたという考えを受け入れられない。
あの戦いにおいてグリーンは操られているというより、むしろリリスを完全に"操って"いた。
あれはとても操られて行動していたようには見えなかった。


526 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/11(金) 20:04:01 ID:8MHM9cyg
 

527 :プロパガンダも楽じゃない ◆Z80Hd6AR2s :2008/01/11(金) 20:04:28 ID:elOuVNMw
ではのび太が嘘をついているのかとも考えたが、

(まさかリリスとグリーンの仲間?!いやそれは考えすぎだよね…
 でもあの様子で操られていたっていうのは…)

主催者に近しいリリスと一緒にいたグリーンについての認識の違いであることが、
たったひとつの食い違いにもかかわらず、蒼星石を迷いを抱かせていた。
自分が失敗してタバサたちを危険な目にあわす訳にはいかない。

(…何にしてももっと慎重に行動したほうがいいかもしれない)

タバサと会った後、自分一人で見知らぬ相手と接触するのは初めてだった。
彼女に知らず依存していたのか、一人では考えるほど思考はまとまらなくなっていった。

そもそも蘇生に関して安易に人に話してしまってよかったのかとまで思い始めたころ、

「蒼星石」

声をかけられ、顔をのび太に向ける。

「僕はリルルたちのところにいかなきゃならないから、
 君の仲間のところに一緒にいけないけど、僕の仲間にもレックスのことは聞いてみるよ。
 レックスに伝えられたら、夜のうちは森の塔に妹さんがいるって言えばいいんだよね?」
「え、あ、うん、そうだね…」
「それじゃ時間もたつし、もう行くよ。蒼星石も気をつけて」

のび太が駆け足で森から出て東へと去っていく。
しかし、蒼星石は遠ざかる背中に、うまく声をかけられず、ただ見送るだけだった。


 ◇ ◇ ◇ ◇


(ジャイアンが生き返る可能性が優勝なんかしなくてもあるかもしれないんだ!
 もしその魔法がだめだったとしても、生きて帰ればきっと何かの他の方法もあるはずだし)

のび太は前よりもしっかりした足取りで東へと舗装路を進んでいた。

その手にはのび太にとって因縁深い一振りの竹刀。
身を守る術のなかったのび太に渡されていたこぶたのしないだった。

あのとき弥彦たちと起こしてしまった死はこの竹刀が原因なのではないか。
グリーンは自分と会ったとき、なぜこれに関して何も言わなかったのか。


528 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/11(金) 20:04:36 ID:8MHM9cyg
 

529 :プロパガンダも楽じゃない ◆Z80Hd6AR2s :2008/01/11(金) 20:05:19 ID:elOuVNMw
気がかりとなることは多い。
手に持つ竹刀に目をやると、自分たちのせいで死んだ子の光景がフラッシュバックされる。
あれがジャイアンだったのかもまだはっきりしていない。

こんな恐ろしいものを実際に振るうことができるのか、
のび太は今はまだ踏ん切りがついてはいなかった。

(それでも、とにかく今僕にできることをしないと!)

まずはリルルたちに危険を知らせる必要がある。
レックスのことも知っているかもしれない。

放送から立ち直った意思は、希望を得てさらに強まっていた。
いつか見た未来へ、足取りには力強さが感じられた。


【E-1/道路/1日目/夜】
【野比のび太@ドラえもん】
[状態]:心身ともに疲労、鼻骨骨折、額に小さな切り傷
[装備]:こぶたのしない@FF4
[道具]:グリーンのランドセル(金属探知チョーク@ドラえもん、基本支給品(水とパンを一つずつ消費)、
   アーティファクト『落書帝国』@ネギま!(残ページ無し))、ひまわりのランドセル(基本支給品×1)
[服装]:いつもの黄色いシャツと半ズボン(乾いた失禁の染み付き)
[思考]:リルルたちに危険を知らせにいかないと!
第一行動方針:リルルたちを追って、北東の街へ向かってみる。
第二行動方針:最初の子豚≠ジャイアンだと確信するために、ジャイアンを探す。出来るなら、埋めてあげたい。
第三行動方針:レックスと接触する。
基本行動方針:今自分に出来ることをやる。もう、他の人を殺そうとしたり嘘をついたりは絶対にしない
[備考]:「子豚=ジャイアン?」の思い込みは、今のところ半信半疑の状態。
蒼星石と情報交換しました。それに伴い第一回放送の内容は確認。
蘇生については完全にできると信じたわけではありません。
こぶたのしないに対してはやや抵抗を感じています。


 ◇ ◇ ◇ ◇


(これで良かったのかな…)

安易に話をしたことについても、
迷いの中で、有耶無耶に別れてしまったことについても、蒼星石は悩んでいた。


530 :プロパガンダも楽じゃない ◆Z80Hd6AR2s :2008/01/11(金) 20:06:07 ID:elOuVNMw
(のび太くんが思い違いしてた可能性もあるのに、一人でうろたえて)

自分はこんなに心が揺れやすかったのかと自嘲する。

こんなことで本当に仲間を集めることができるのか。
こんなことでタバサを守ることはできるのか。

倒れていた少女のところへ戻り、なお蒼星石は自問していた。

「ん…」

眠っていた少女が顔をわずかに動かした。
目覚めてはいないが、だいぶ覚醒が近くなってきているようである。

(どうすればいいんだろう、夢の中に入ってみるべきなんだろうか、
 …とにかくタバサたちのためになるようにしないと)


 ◇ ◇ ◇ ◇


タバサが作り出した希望は、ついに外へと飛び出した。

その希望が掴んでも消える虚像に過ぎないと知ったとき、子供たちは何を思うだろうか。





【D-2/森(C-2との境目辺り)/一日目・夜】

【蒼星石@ローゼンメイデン】
[状態]全身打撲(行動には余り支障なし)疲労(中)
[装備]バイオリンの弓@ローゼンメイデン、戦輪×9@忍たま乱太郎
[道具]支給品一式、ジッポ、板チョコ@DEATHNOTE、金糸雀のバイオリン@ローゼンメイデン
[思考]タバサの役に立ちたいけど、どうするべきなんだろう…まずこの子をどうしよう?
基本行動方針:タバサとレックスをどんなことをしてでも守る
第一行動方針:C-3を中心にC-2、C-4、B-3、D-3辺りに仲間になってくれそうな参加者がいないか探す。危険そうな人を見つけたら逃げる。放送前には戻りたいけど……?
第二行動方針:レックスを最優先で探す。姉妹たちは後回し。
第三行動方針:タバサの『夢』に入ってレックスと接触する?
[備考]タバサに強い感情(忠誠心?)を寄せています。また軽度の依存も自身で感じています。
のび太と情報交換しました。
シャナを危険視しています。

【太刀川ミミ@デジモンアドベンチャー】
[状態]気絶中(覚醒は近い)頭に大きなタンコブ。左目損失(神楽の左目が入っています。長時間治療していません)
    頬に軽度の弾痕。精神回復?
[装備]塩酸の瓶
[道具]支給品一式、ポケモン図鑑@ポケットモンスター、ペンシルロケット×5@mother2
[参戦時期]無印終了後
[思考]太一さん、光子郎君、丈先輩、待っててね!私頑張る!
基本行動方針:みんなでおうちにかえる。
第一行動方針:目と頬の治療の為に街に向かいたい。もし駄目なら次は病院に向かう。
第二行動方針:協力してくれそうな仲間を探して、太一、光子郎、丈と合流。
第三行動方針:仲間(太一達優先)を殺してしまいそうな人は自分が倒す。
第四行動方針:銀髪の少女(グレーテル)にはもう会いたくない。
[備考]頭を強く打ったのと、精神的&肉体的疲労も重なって昼間から気絶中です。
距離感や遠近感に多少のズレが生じています。また、視力が微妙に低下しています。
ずっと気絶していたので、感覚にはまだ慣れていません。
第一次放送を聞き逃しました。

531 : ◆Z80Hd6AR2s :2008/01/11(金) 20:06:55 ID:elOuVNMw
以上で投下終了です。
支援ありがとうございました。
本当書くことの難しさを実感しました…

指摘などありましたらよろしくお願いします。

532 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/11(金) 20:37:26 ID:8MHM9cyg
投下GJ。タバサ教、勢力拡大の第一歩が来たかw
ミミは拾ってもらえて良かったな。起きたら辛い現実が待っているけど、
多分この島で一番良い夢を見させてくれる宗教に拾ってもらえて幸せだろう、うん。
問題の子豚の竹刀はのび太に渡ったか、グリーンへの疑心とあわせて色々面白そう。
疑心といったら蒼い子のほうも結構やばいかも。

あ、状態票の蒼星石の第一行動方針に放送のことが残っているので指摘しておきます。

533 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/11(金) 20:50:45 ID:LLPKPO6E
投下乙です。

冒頭で「今から数十分前」と言われても、「今」が何時なのか、よく分からないのですが。
本編内で時間が過ぎていなければそれでもいいんですが、
本編中で結構時間が経っています。
(「慎重に森を進むこと数十分。」・のび太を森の中に連れ込む時間・会話の時間など)
今回の投下分では素直に時系列に沿って書かれていますから、
「今」などの基準時間を作らずに、素直に「それから」「その後」などで繋いでおくだけでも
いいと思います。

ステータス表に「リスキーダイス」の「放送前には戻りたいけど……?」が残ってますが、
放送終わってますので訂正お願いします。
あと、放送前に戻らなかったように読めますが、戻らないコトを決めた理由なり戻れなかった後悔なりを
書いてもらえると分かりやすいのですが。(ちょっと違和感があります。)

534 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/11(金) 21:26:27 ID:IsqgJprL
投下乙です
ついに他人へと漏れ始めたタバサの教え、どうフラグが伸び変遷していくか楽しみですね。
そしてミミがひっっさびっさに他キャラと接触…よかったのう

535 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/11(金) 21:29:19 ID:dPZeLiBY
投下GJ!
状況表が気になったぐらいで、後は面白かったです。
のび太逃げてー!
リルル達を追うなんてなんて死亡フラグ。街は危険だよ…。
蒼星石は忠臣だなぁ。
ミミはタバサ教に拾われてある意味幸せだなw

536 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/11(金) 21:47:45 ID:Lamg0Pbq
投下乙
なんかこの状態の蒼星石に萌えてきたww
依存イイヨー!
タバサ教からこぶたのしないが離れたのは残念だが、のび太が持ってる方がやばいかもしれない。
ミミも数時間ぶりの人に会えて良かったなw人じゃないけど

537 : ◆Z80Hd6AR2s :2008/01/11(金) 21:59:11 ID:elOuVNMw
指摘、感想ありがとうございます。
指摘された部分について修正して近日中に修正投下スレのほうに投下しておきたいと思います。


538 : ◆Z80Hd6AR2s :2008/01/11(金) 22:00:10 ID:elOuVNMw
あ、不備を残してしまっててすみませんでした

539 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/12(土) 01:12:19 ID:lly1zcpP
投下GJです。のび太の決意と蒼星石のためらいがお互いを引き立てあって良い感じです。

あと、
>>527の 主催者に近しいリリスと一緒にいたグリーンについての認識の違い『で』あることが
の『で』は『が』の誤字ですよね? 誤字はいくら見直しても完全に無くすのは難しいものなので、
あまり気にしないでください。

540 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/12(土) 01:16:17 ID:nlZOJ/DE
投下GJです。
キャラの思考や行動が整然としていて良かったです。
ミミから離れたところで交渉したことや蒼い子がまず最初に脅し→確認の順序でのび太に接したこと、それに対するのび太の反応はとても自然でした。
疑念や見解の相違を持ったことなど、後続のことも考えた配慮も素敵。
改行がちょっと多いなと感じたこと以外はとても始めてとは思えません。
他には、「三点リーダは「……」」「?や!の後にはスペースを入れる」などの決まりごと?も気に留めておいて損はないかと。

541 : ◆r39666tJr2 :2008/01/12(土) 02:07:08 ID:COoY2GmK
仮投下にキルアとパタリロを投下しました。
軽めですが、戦闘描写が特に不安です。
指摘、アドバイスお願いします。

542 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/12(土) 09:09:02 ID:ekkC+YHK
テスト投下乙。救世主現る!
いやもう、一番の難所を書いてくださって、ホントに助かりましたw その心意気に感動。
文中で気になった点は一つ。キルアは円を使えなかったはず。
原作のキメラアント編でダーツ使いと戦ったときに、そんな説明があったと思います。
あと、氏はもう早くもこのロワの常連さんですし、腕に不安もありませんし、
予約をしてから書かれてもいいと思いますよ。
キャラを拘束するプレッシャーはありますが、それもまた快感w
本投下も楽しみにしてます。GJ!

543 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/12(土) 10:00:44 ID:2yC6YJpK
>>531
投下乙です。
のび太にとっては、逆にタイミング良過ぎて信じられない感じですよねぇw
あと、なんだか蒼星石が自信失ってますますタバサ教に傾倒してる気が……。
この状況でミミの夢に潜ったら何が起こるんだろう。色々と気になるところ。
GJです。

>>541
テスト投下乙です。
いい感じだと思います。既に言われた「円」の話以外に、問題はないと思います。
(円って相当な高等技術なんですよね……
 キメラアントの護衛軍と、キルアの父・祖父が異常なだけで、
 幻影旅団のノブナガだって狭い範囲でしか展開できないんですから)
正式な感想は本投下の後に。
それにしても、いつも予約なしの不意打ちで楽しませてくれますw いいぞもっとやれw

544 : ◆r39666tJr2 :2008/01/12(土) 12:19:56 ID:COoY2GmK
指摘有難うございます。
1時頃から投下したいと思います。
じいちゃんのイメージが強すぎて失念していました。
予約はチキン野郎なので無理ですw
お言葉は嬉しかったです。感謝!

545 : ◆r39666tJr2 :2008/01/12(土) 13:00:09 ID:COoY2GmK
投下します。

546 :友情×絆=復讐?:2008/01/12(土) 13:01:04 ID:COoY2GmK
「太一、すぐ戻るからな」
キルアは激情を体の内に秘めながらも、どこまでも冷静だった。
太一をビルの隙間に隠して、準備万端。
体も良い具合に暖まっている。
怒りが、憤りが、悲しみが、キルアを包む感情がすべて破壊の力へ注がれる。
獲物はゲームに乗った糞野郎だ。手加減の必要はない。
キルアの右手が小さな音を立て変化していく。
より切り刻みやすいように鋭利なものへと、距離を詰めながら変化させる。

銀髪の暗殺者はそこから跳躍し――

* * *
「まったく、これだからゆとり世代は困る。躊躇もなにもなかったぞ。」
パタリロは、物陰に隠れながら様子を伺っていた。
パタリロの視線の先には、穴が空き、切り裂かれたペンギンの着ぐるみを見下ろす少年がひとり。判断は一瞬だった。
とっさに変わり身を使って、その場から離脱。
襲撃者と距離を取った。
パタリロがキルアのことを気がつけたのは、奇跡だった。チアキと出会う前のパタリロだったら、きっと気がつかなかっただろう。
自分が、参加者全員から狙われてると仮定した周囲への警戒。
それと、パタリロが知ることはないがキルアの精神的疲労にも助けられた。
本来、プロの暗殺者であるキルアが、殺気を勘づかれるはずがないのだ。
銀髪の少年は、まだパタリロの居場所を捉えてはいないようだった。

どうする?
チアキの時のように説得するか?

見つかるのも時間の問題。それまでに対策を練らなければならない。
思いついた考えを、パタリロは即座に否定した。

あの少年は、チアキとは決定的に違う。襲撃に躊躇が無かったことといい、既に隠しもしていない殺気の感じといい普通の子供ではない。
ゲームに乗っている可能性もある。
その場合、説得は無意味だ。
『バンコラン』だと言う可能性もある。
着ぐるみの恨みを晴らしたい所だが、能力が封じられている今『喧嘩に強いだけの美少年』が戦って勝てる相手とも思えなかった。

(ジェダめ……!僕にだけ能力制限がキツすぎるんじゃないか?いくら僕が天才だとしても、これじゃあ不利すぎるだろうが!)

パタリロが今までに出会ったのは、一般人の枠に収まる子供ばかりだった。だから、パタリロも自分の能力制限に納得していたのだが……。
銀髪の少年は、そういう不利が感じられないのだ。

547 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/12(土) 13:01:28 ID:YAShozyZ
 

548 :友情×絆=復讐?:2008/01/12(土) 13:02:06 ID:COoY2GmK
実際、キルアは念は制限されているが、肉体能力は訓練の賜物である。
とんでも能力以外は、制限は緩めだったりするのだ。……パタリロには残念な事に。

そうしているうちにも時間は過ぎていく。
パタリロも、気配を絶つことにはなかなかの自信がある。キルアは、未だにパタリロを見つけられないようだ。

(どうする?)
キルアは徐々に近づいてくる。猶予はない。

549 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/12(土) 13:02:45 ID:YAShozyZ
 

550 :友情×絆=復讐?:2008/01/12(土) 13:03:24 ID:COoY2GmK
* * *
「こそこそ隠れやがって……」
キルアは消えた獲物を探していた。
辺りを探るが、なかなか反応が掴めない。
相手も絶が使えるのだろうか。気配を完璧に消していて、見つけられない。
だが、キルアは慌てない。それほど遠くには行っていないだろうと思ったのだ。培ってきた経験が導いた結果である。
キルアもパタリロと同じように、遭遇した参加者はすべて一般人(グレーテルは多少できるが素人だと判断している)に過ぎなかった。
無意識の油断があったのかもしれない。

(くそっ……)
この島に来てから、プライドを傷つけられてばかりだ。
辺りは物陰が多いオフィス街。少しばかり骨が折れるか、と思った矢先こちらを窺っていた獲物と――目が、合った。

少年の――キルアの表情が劇的に変化するのをパタリロは見た。
苛立ち、憎悪に染まった表情が――歓喜に染まった。
パタリロは決断を迫られる。
ランドセルから取り出していた44マグナムが、急にその存在を主張しだした。
(やるしかないか!)
パタリロは引き金に手をかけて――


キルアは、敵が何かを仕掛けてくるのは分かっていた。それが、銃だと知ったときキルアはがっかりした。
当たればダメージは大きいが、攻撃範囲が直線的すぎる。来る方向が分かってれば、目を閉じていたって避けられる。
難なく第一撃を回避し、敵へと視線を向ける。反動が強いらしく、連射はできないタイプのようだ。
悪あがきだ、とキルアがパタリロに近付こうとした絶体絶命のピンチの時、パタリロは笑顔を浮かべていた。


「ちっ……そういう事か!」
轟音がして、キルアの背後から何かが崩れ落ちる音。何の音か考える必要などない。
ここはオフィス街、崩れたのはビルだ。
キルアがそれに気を取られているうちに、もう一撃が飛んでくる。
今度はキルアなど掠りもしないで、別のビルへと命中する。
老朽化していたのか、ビルは呆気なく崩壊する。飛んでくる瓦礫や砂埃が、キルアの道を阻んだ。
銃弾は止まらない。
三発目は、キルアとパタリロの間にあったビルへと当たった。
キルアの視界からパタリロが消える。
この隙に逃げるつもりなのだろう。だけど、そう簡単に逃がすとでも――

『キルア』

(……!)

その思考の変化は一瞬だった。

551 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/12(土) 13:03:58 ID:YAShozyZ
 

552 :友情×絆=復讐?:2008/01/12(土) 13:04:45 ID:COoY2GmK
「ん?」
パタリロは、突然踵を返したキルアに首を傾げた。
パタリロの作戦は、ビル崩壊のどさくさに紛れて逃げることだった。
だが、向こうが逃げるとは想定外。
この程度の事で退くような相手には見えなかったのだが、結果オーライということにする。
44マグナムの反動で体が痛い。連続で使うのはキツいようだった。
しかし、そんな事も言っていられない。変装道具もなくなってしまったし、早くここから離れなければ。
勝ち目がない訳ではなかった。だが、ああいう輩は正面からやり合うのは分が悪いのだ。
武器も無いのに、着ぐるみを切り裂いていたし。
一対一は相手の土俵。わざわざ相手に有利な勝負をすることはない。
次は、こっちの土俵に引きずり込んでやる。

殺気が消えるのに安堵すると、パタリロはその場から動き出した。
* * *
「太一……!」
キルアはすぐに太一の元へと舞い戻った。
戦闘した場所とは、それほど離れていないので、一分も経たずに辿りつく。
ビル崩壊の余波で砂埃を被ってはいたが、太一に外傷はなかった。
キルアが前の反省を踏まえて、近くに隠していたのが裏目に出た。
敵が居た方向を見たが、舌打ちひとつで諦める。
余程の馬鹿じゃない限り、とっくに遠くに逃げているだろう。
太一の砂埃にまみれた体を見ていると、怒りは込み上げたがそれだけだった。
それ以上に、自分への怒りが大きかったのだ。

(また、太一を危険な目にあわせた)
死んでも、なおだ。
パタリロにぶつける筈だった感情は、行き場を無くしてキルアの体を駆け巡る。そうして行き着いたのは、自分を責める事だ。
「ほんと、駄目だな俺って……ごめんな、太一」
返事はない。ある筈がない。Nの言うとおり、キルアの不注意で太一は死んだのだから。

「そうだ、墓だ。あんな奴よりこっちを優先するべきだったんだよな……ははは…、すっげえの作ってやるから待ってろよ」

キルアは歪な笑みを浮かべながら、行動を開始した。動いていないと、頭がどうにかなりそうだった。

553 :友情×絆=復讐?:2008/01/12(土) 13:06:04 ID:COoY2GmK
* * *
夕陽が地平線へと吸い込まれていく。夜が近い。
キルアは無心で穴を掘り続けていた。既に二人以上のスペースはある。

「これぐらいでいいか」
キルアが顔を上げると、空には星が見えた。一番星という奴だろうか。
天体に興味のないキルアには分からない。
時間の経過を意識した途端、全身を疲労が襲う。だが、キルアは止まらなかった。
太一を運んで、最後の別れを告げる。
「仇は絶対取ってやるからな」
やはり頭にゴーグルがないのが不自然だった。
「ゴーグルもすぐに持ってきてやるから、待ってろよ」
土をかけていく。
段々太一は見えなくなっていく。
土をかけていく。
ついに太一は見えなくなった。

周りから土を集めて、山のように固めていく。
最後に墓標を作ろうとしたその時、悪魔の放送がどこからともなく流れ始めた。
* * *
放送は未だに続いている。しかし、少年が動くことはなかった。
聞いている様子もない。
少年の前に広げられた名簿は、剛田武の後から変化をみせない。
少年は、事態を理解することが出来なかった。

(嘘、だろ)
キルアは当初、次々と読み上げられる名前に、なんの感慨も湧かなかった。
太一の友達が呼ばれても、眉ひとつ動かすことなく名簿に記した。なんとなく予想していた。
お人好しは、ここでは生き残れないのだ。
キルアは再び作業を開始し、聞こえてきた言葉に凍りついた。

『――26番 ゴン』

「え……?」

耳を疑った。
(嘘だ。ゴンが死ぬわけないじゃん。あいつすげータフだし。全治3ヶ月の怪我だって1ヶ月で治すのに……そんなわ、け……!)

地面が湿っていた。顔から汗が止まらない。

(なんだよ、これ……)

いくら体に命じても止まらない。汗ではない。
涙だった。

(なんで泣いてんだ俺……これじゃマジでゴンが死んだみたいだろ。止まれよ、そんなこと、あるわけ……)
『お人好しはここでは生き残れない』
(……!)

浮かんできた言葉をかき消そうと首を振る。
しかし、キルアは純粋な子供ではなかった。
ゴンが、生きているなんて夢は信じられない。
ジェダが嘘をつく理由も、思い浮かばない。

キルアにはなんとなく想像できてしまう。この島でゴンがどのように生き、死んだのか。

554 :友情×絆=復讐?:2008/01/12(土) 13:07:40 ID:COoY2GmK
おそらく、ゲームに乗った参加者を止めようとしてやられたか、誰かを助けて、守って死んだか、どちらかだろう。

(ゴンらしいよな……あの馬鹿)

キルアはもう、涙をとめようとはしなかった。
* * *
(ゴン……)
キルアにとってゴンは特別だったのだ。
初めての友達。キルアを外に連れ出してくれた仲間。
ライバル、パートナー。
言葉などでは言い表せないぐらいの絆があった。
何度も共に死地をくぐり抜けてきたのだ。だから、今度だってきっと――なのに……。

(ゴン……太一、俺はどうすればいい?)
ゴンを探す。太一の友達を探す。
目的を失ったキルアに、立ち上がる気力は残っていなかった。
優勝を目指して二人を生き返らせる?
ジェダにそんなことが出来るのか?信じられない。
人の死が常に側にあったキルアは、生が実に呆気ないものだと知っている。暗殺者としての知識が、甘美な夢に陥る事を許さない。

しばらくして、微かに落ち着きを取り戻したキルアを襲ったのは、怒りだった。憎しみ、憎悪といってもいい。

(お人好しは生き残れない?ふざけんな)
ゴンと太一は良い奴だった。こんな所で死んでいい奴ではない。
二人を殺した人間は、キルアにしてみれば死んで当然の屑だ。
絶対に許さない。

(……そうだ。まず太一の仇を取って、そのご褒美でゴンを殺した奴を聞けばいい)

疲れた思考が導いたのは復讐。キルアの真っ暗だった心に、光が射した。思考が知らず知らず、言葉となる。
「太一の仇は、首輪探知機とゴーグルを持ってる。すぐ見つかる」
確認するように呟き、一息つく。
決意を込めて、キルアは力強く虚空に向けて宣言した。
「生まれてきたことを後悔させてやる」

その光景を想像したかのように、キルアは笑みを浮かべていた。

自分ではもう受け止めきれない程膨らんだそれは、笑顔の仮面に隠される。
激情は新たな標的を待ちながら、キルアの内で解放を待っている。

555 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/12(土) 13:08:59 ID:YAShozyZ
 

556 :友情×絆=復讐?:2008/01/12(土) 13:09:00 ID:COoY2GmK
【B-8/オフィス街/一日目/夕方】
【パタリロ=ド=マリネール8世@パタリロ!】
[状態]健康。全身に僅かな痛み(行動に支障なし)ゴキブリ走行中
[思考]なんなんだ、アイツは……!
1、この場から離れる。
2、勝手に周囲を調べに行った弥彦を見つけ、追い付く。
3、チアキを発見して事情を問い質したい(彼女が藤木殺しの犯人の可能性を疑っている)
4、仲間集め。チアキがマトモなら、彼女に弥彦を仲間として紹介したい。
5、弥彦の持つ首輪を調べたい(道具や設備を確保したい)
6、好戦的な相手には応戦する。自分を騙そうとする相手には容赦しない。
[備考]キルアを危険人物と認識(名前は知らない)

【B-8/オフィス街付近/一日目/夜】
【キルア=ゾルティック@HUNTER×HUNTER】
[状態]疲労&精神的疲労(大)やり場のない感情
[思考]……疲れたな。
1、とりあえず休む。
2、太一の墓標を作りたい。
3、太一とゴンの仇をとる。ゴーグルも取り返す。
基本行動方針、ゲームには乗らないが、襲ってくる奴は容赦なく殺す。
[備考]第一放送をゴンまでしか聞いていない。
パタリロを敵と認識。
太一の友達は全員死んだと思っています(あとで間違いに気がつく可能性もある)

*B-8のオフィス街の一部は崩壊しています。
それほど離れていない所に巨大な太一の墓があります。

557 : ◆r39666tJr2 :2008/01/12(土) 13:12:36 ID:COoY2GmK
またトリップ忘れたorz
投下終了です。支援ありがとうございました。
状況表は変更点と追加点のみ書きました。
見にくくてすみません。

失礼しました。

558 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/12(土) 14:16:48 ID:aEHWTUIG
投下乙です。

ペンギンの着ぐるみを着たのは、チアキのロングフックショットで一瞬だったから、
変わり身の術で脱いでも裸にならんですね。ちっ
別にパタリロの裸が見たいわけではナイデスヨ。
一瞬期待とか、しませんデシタヨ。

[状況表]はパタリロが弾を3発使ったので、その分減らしてこうですね。
[装備]:S&W M29(残弾3/6発)@BLACK LAGOON
[道具]:支給品一式(食料なし)、ロープ(30m)@現実、44マグナム予備弾17発(ローダー付き)

予備弾詰めるくらいは、すぐ出来るでしょうけど。

あと、コレも追記。
[備考]:穴が開いて切り裂かれたペンギンの着ぐるみ@あずまんが大王が、
ビルの崩壊跡のそばに放置されてます。

ビル崩壊の音は弥彦やグレーテルは気付かなかったと見なさないとオカシイので
それなりに距離があったと言うことにしましょう。
話を逸らそうとなんかシテマセンヨ。本当デスヨ。

559 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/12(土) 19:05:13 ID:YAShozyZ
投下GJ。パタリロ運にも助けられたけど、うまく逃げられたなー。
キルアが太一のこと気にして退いたのがなんか良かった。
のび太(カツオ)の名前が呼ばれなかったことに気付いてないのも
あとで面白くなるかも。

560 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/12(土) 19:24:51 ID:2yC6YJpK
投下乙です。というか予想以上に素早い本投下w
キルアが……なんかヤバい方向にブレちゃってるなぁ。
パタリロもペンギンの着ぐるみ喪っちゃったし、
この先どちらもトラブルの種になりそうで楽しみです。
GJ。

561 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/12(土) 19:30:59 ID:M6dT1CsZ
投下乙!
パタリロ負け惜しみ言ってないかwww
パタリロとキルアの目標が同じだからまた会いそうだな。
チアキ逃げてー!
着ぐるみカワイソス

562 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/12(土) 19:35:12 ID:M6dT1CsZ
書き忘れた。
ちょww状況表www
ミミは此処でも空気なのか(´・ω・`)

563 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/13(日) 00:10:42 ID:GFDs9UPy
投下GJです。
しかし、老朽化しているとはいえ、さすがに拳銃でビルが崩壊するのはどうかと思うのですが・・・。
ガレキが落ちるぐらいでも良いんじゃないでしょうか?
変わり身や拳銃の使い方、キルアの心情描写はすごく良かったです。



564 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/13(日) 00:25:03 ID:2y0UXthm
同意です
音で弥彦やグレーテルが気付かなかったことにするにもそのほうがいいかと
あとはGJです

565 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/13(日) 01:21:59 ID:EA4gMfCu
それだと、パタリロの作戦が甘すぎる。
「ガレキが2,3個落ちてくれば、アイツ(=キルア)から逃げられるだろう」
と思えるほどキルアは弱く無いだろ。
とはいえ、拳銃でビルが壊れるのが不自然なのも確か。

例えば、こんな感じに変更すれば、大きく変更しなくてすむんじゃないかな。
・キルアがパタリロを見つけたそばにスラムっぽい路地があり、
 いまにも崩れそうな小屋もいくつかあったことにする。
・キルアが太一を置いたのも、そういう路地ってコトにする
・パタリロは、キルアを路地に誘い込んで、ボロボロの小屋を2,3壊して
 その崩壊のドサクサにまぎれて逃げようという計画を立てた。
・パタリロが、拳銃やロープを駆使して小屋を崩壊させていくうちに、
 キルアは、崩壊が連鎖して太一の死体が傷つくのを恐れ、追跡をあきらめた。

566 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/13(日) 01:31:50 ID:2y0UXthm
工事中のまま放ってあるビルは?

567 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/13(日) 01:33:52 ID:IGFa7PTP
ベタだけど近くにガス管かガスボンベがあったからそれ撃ち抜いて爆発させたとかは?
音が鳴ったとしても、弥彦とかグレーテルとかが必ずしも気付く必要はないと思うんだが。

568 : ◆r39666tJr2 :2008/01/13(日) 02:05:19 ID:LX0ed4V9
指摘感謝します。
急ぎすぎました。反省。
アイテム説明で大型動物を仕留めるのに使う、と書いてあったので勝手にバズーカみたいなのを想像してました。
先走りすぎたorz
話の中心なのになんてことだ。
修正案を探して、駄目なようなら2、3日中に破棄します。
お手数おかけして申し訳ないです。

569 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/13(日) 02:11:36 ID:IGFa7PTP
ゆっくりどうぞ。時間掛かるようでも報告さえあれば大丈夫です。

570 : ◆Z80Hd6AR2s :2008/01/13(日) 02:50:14 ID:flc2mXBz
修正分を修正スレのほうに投下しました。
文章の書き方もこれから気をつけたいと思います。三点リーダは二つつなげるものだったんですね。

571 : ◆rn.m2JdYx. :2008/01/13(日) 03:02:23 ID:6p1tQAwi
すみません、延長を申請します…。
火曜までには投下できればと思っています。

572 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/13(日) 03:33:03 ID:S2Wsyijk
お二方とも乙です。

573 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/13(日) 11:07:43 ID:GFDs9UPy
>>568
思いこみや確認ミスは誰にでもありますし、あまり落ち込まないでください。


574 : ◆r39666tJr2 :2008/01/13(日) 13:19:43 ID:LX0ed4V9
有難う御座います。
修正スレに代案候補を投下しました。
かなり迷走しているので、みなさまの意見をお聞きしたいです。
宜しくお願いします。

575 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/13(日) 23:26:12 ID:IGFa7PTP
>>570
乙。三点リーダやダッシュ(こういうの――)は偶数個並べるのが決まりだそうです。
ネットで小説の書き方やライトノベルの書き方あたりで軽く調べるのもいいかもしれません。

>>574
こちらも乙。俺はポケスペまだそこまで読んでないのでちょっと指摘はできません。
判断は他の方に任せます。

576 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/14(月) 03:04:52 ID:bb15NjuZ











577 : ◆r39666tJr2 :2008/01/14(月) 08:13:51 ID:9VJu3Kh1
修正に時間がかかりそう…早くても2月ぐらいになってしまいそうなのですが、大丈夫でしょうか?
修正に詰まってるのと、用事が重なってるのが思ったより時間がかかりそうで……。
その間にこのパートの予約が入ったら、そちらを優先して頂いて構いません。
重ね重ねお手数おかけします。

578 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/14(月) 21:21:36 ID:DNBGBAx1
01/07予約(延長申請済み・01/14まで)
◆CFbj666Xrw 氏:アリサ、イヴ、なのは、紫穂、ヴィータ

01/10予約(延長申請済み・01/17まで)
◆rn.m2JdYx. 氏:ベルフラウ、イエロー、みか先生

666氏、まだ規制なのかな。避難所にも音沙汰ないけど

579 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/14(月) 21:27:39 ID:JF5M4DUX
規制だからと言ってそれは避難所にさえ書き込まない理由にはならない、はず

580 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/14(月) 22:04:46 ID:DNBGBAx1
と言ってたらコメントが来たので転載。

343 名前: ◆CFbj666Xrw 投稿日: 2008/01/14(月) 21:45:53 ID:KWWdHsbg0
規制は……一度解けました。また規制喰らってますがそれはさておき。
作品仕上がりませんでしたorz

一度予約破棄扱いで執筆続行しようと思います。一応現在進行形。
一週間拘束した挙げ句に未完成で申し訳有りません。
最近こんな調子が続いたので、次はもう少し書き溜めてから予約しようと思います。
ごめんなさい。


581 :名無しさん@お腹いっぱい:2008/01/14(月) 23:32:14 ID:lrxMddIq
じゃあ、予約はないけど出来る限り避けるってことでいいのかな?

582 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/15(火) 13:29:48 ID:JZM9CCxI
このロワは、他所では鬱ロワ認識なのを初めて知った。
確かになのはさんとかなのはさんだけど、寧ろ修羅ロワ

583 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/15(火) 15:09:00 ID:XUurJ0tf
ロワなんぞ原作からして基本的に欝だ
気にすることは無い

584 :名無しさん@お腹いっぱい:2008/01/15(火) 20:48:07 ID:VGAYJXxn
>581
何言ってんだ俺、よける必要ないじゃん、ごめん忘れて

585 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/15(火) 21:00:23 ID:Bw3SeT03
どうでもいいけどsageような

586 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/15(火) 21:26:01 ID:P5Xee/O9
家の近所の社会保険事務所の寮(宿舎?)に
BMの1シリーズと320i、X3が3台もある事が
ムカツク。しかも、建物も普通よりも金掛けてる

そんな俺だけど
世の役に立ちたいから、ポルシェ買うの止めて
これに乗ろうと思うんだけど尊敬されるかな
http://sturly.com/redirect.php?short_url=asa&fws=&fwos=

587 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/16(水) 07:20:03 ID:6fg1SPt4
ここのリレー小説を読んで、自分も参加してみたいと思っています。
そこで参加する方法や注意点なんかを簡単に教えてもらえませんか。
よろしくお願いします。

588 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/16(水) 12:37:00 ID:sIGg7dtp
とりあえず、基本はsageること。無駄にageるとトラブルの元になるのでいい顔はされない。

そして、>>1-6のテンプレを読むこと。ここまでの流れを読むこと。
その上で分からないことについて個別の質問があれば、答えられる。

589 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/16(水) 17:32:55 ID:UdPeiUbi
初めて書き手やる際のアドバイスを少々。これらは必ずしも行なう必要はないが不安解消には役立つかもしれない。

・いわゆる「繋ぎ」と呼ばれる展開から始める(人死にや超展開より受け入れられやすい)
・したらばの仮投下スレに落とす(アドバイスや自分でも気付けなかった矛盾情報を事前に得られる)
・小説の技法についてググっておく(視点関係は特に大事)

590 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/16(水) 23:24:41 ID:RG2kJw33
まずは簡単なパートから書いていくのがいいよ。
今ならタバサとかミミ組とかレックス組が書きやすいと思う。
休んでるだけだから

591 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/16(水) 23:38:25 ID:Cz+3h1kL
今さ、ふと思ったんだがさ
勇者の拳でさ首輪解除できそうじゃね?
ニケが「世界観にあってねーんだよ」的なことをいえばさ

592 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/16(水) 23:39:29 ID:Cz+3h1kL
すまんいってるそばからageてしまったorz


593 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/17(木) 00:27:59 ID:NaRQHjvY
>「世界観にあってねーんだよ」
ロワの会場に首輪はつき物だと思うが。

594 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/17(木) 01:41:24 ID:/TsimMk+
自分が「おかしい」とさえ思ってれば良いんだから、使用者が「世界感に合ってない」と感じてるなら発動はする…と思う。
けど仮に発動したとしても、首輪に勇者の拳で攻撃なんかしたら、首輪が爆発するか、その首輪をつけてる相手が痛い目にあうだけなんじゃないか?

595 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/17(木) 01:54:38 ID:unXmECFO
攻撃しても外れないだろ

596 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/17(木) 12:44:50 ID:ggpJhiJ2
禁書のお土産魔術で首輪解除案:デメリット多数

『とある魔術の禁書目録4巻』でとうま父が行った入れ替わり現象をインデックスが編み出して実行(普通に厳しい)
ジェダと中身が入れ替わった対主催が首輪の無力化を実行(リリスがジェダ化したら目も当てられない)
もし中身がなのは外見がジェダ、とかなったら地獄が待っている。

自分の話に興味を持った人が『禁書4巻を見て、水着のインデックスの服装を水の羽衣と入れ替えた姿』
を想像したら塵になる人が続出する。

これらの欠点を乗り越えなければ『禁書のお土産魔術で首輪解除案』は実行できやしない。

597 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/17(木) 17:35:28 ID:HaRoT+Ug
世界観がおかしい、という感想は、多数の世界を知っていないと出てこないと思う。
ニケにとっては首輪だろうが鉄筋コンクリートだろうがパソコンだろうが、
等しく見慣れないものに過ぎないと思うよ。

598 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/17(木) 22:21:25 ID:Y4ubtNbh
ニケはたしか原作では
自分がギャグマンガのキャラであることを自覚してたな
だから世界観とかは分かるんじゃないかな??

しかし参加者がどうやって連れてこられたのか分からないけど
キタキタオヤジなら空気読まずに一緒についてくるなw

599 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/18(金) 00:38:03 ID:ljeyXcPs
はいはい分かった分かった

600 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/18(金) 19:44:10 ID:isjF+NDU
今は予約入ってない?

601 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/18(金) 20:05:26 ID:NncOidnK
入ってないね……。
◆rn.m2JdYx. 氏、今からでも投下するなら投下、ダメならダメで一言欲しい。
2chに書き込めないなら避難所の方にでも

602 : ◆2G4PiPq.z. :2008/01/18(金) 23:22:38 ID:83BcDI96
高町なのは、イヴ、アリサ・バニングス、ヴィータ、三宮紫穂で予約。

603 : ◆CFbj666Xrw :2008/01/19(土) 00:42:20 ID:5EKzlxfp
予約入ったか……がんばってorz

orz

604 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/19(土) 01:01:15 ID:LplnnZ2N
orzとかどんだけ幼いんだよ
自重しろ

605 : ◆CFbj666Xrw :2008/01/19(土) 01:25:31 ID:5EKzlxfp
ほんとごめん。
予約は前の話も好きな書き手だったし期待してる。
orzはただ俺の馬鹿ーっていう意味のうなだれと、ごめんって意味です。
変な場所で自己嫌悪して悪かった。しばらく離れて冷静になりますよ。

606 : ◆rn.m2JdYx. :2008/01/19(土) 02:59:17 ID:s5TdxhoW
連絡もできず、済みませんでした…土日で無理だったら予約破棄します。
起承転結の承だけまだ見直し中orz

>>605
なんというか乙です。
つ且
   ,.-、    
  (,,■)

607 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/19(土) 07:55:34 ID:9EuZi1Fp
ここは基本的にいい人が多いけど、時に厳しい人もいるなあ。

608 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/19(土) 08:18:05 ID:IJ7j7X+y
ここのところ、延長期限越えてまだ書けないとか、予約破棄とか重なったから……。
忙しい時期なのは分かるけど、そこはきちんとしましょうってことじゃないかな。
てか、自分も満足に書くだけの時間が取れない

609 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/19(土) 13:02:38 ID:ZGPl0idY
その分作品で応えてくれればいいさ!
お二方、楽しみにしてます。

610 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/19(土) 14:43:04 ID:v1piS5Ai
 7月5日(金)

・・・いやはや、様々なノイズに辟易している間に日記も休みがち。

HPしこみボチボチ.
爆撃・改。

アフリカ史の本、借りたが暑さで読めず…。

…ふと思い立ち、昔に録画しておいたヴィデオ再見。
「DQ6・FF6」「クロノ」のラスBOSS戦〜EDの映像を
続けて鑑賞。どれも美味。今なお良し。
厚味豊かな構成・演出がスバラシイ!
まさに黄金期の遺産!
(EPUの終盤イメージが脳裏に湧く・・・なぜ?)

今朝から、サンテレビであずまん作者キャラデのアニメ開始。
NET配信されたものをまとめて放映か…テイネイだが、
ソレナリ止まり。ま、ソコがニーズなのだろう(w

付記.
昨夜から、NHKの『Mカクテル』で桑田大導師の特集開始。
4週続くはず。クフフ・・・♪

あと、『HEY×3』のED曲に《空想X》が!!!
・・・わしのおかげか、そうか。ヨシヨシ♪

611 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/19(土) 18:27:30 ID:qBFnhmvr
>>608 確かに最近続いてたしねぇ……そこらへんきっちりしないと後々にも響くし。今しっかりしないと。
 自分も最近書けてない……今の時期就活やってるからか書く時間無いよorz

612 : ◆r39666tJr2 :2008/01/20(日) 16:19:01 ID:QnZu2PFL
修正案投下しました。
指摘、意見お願いします。

613 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/20(日) 19:54:57 ID:HwtxYeOT
修正乙です。これで問題ないと思います。


614 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/20(日) 20:01:12 ID:NJt4mfZu
同じく問題ないと思います。乙。

615 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/20(日) 21:58:39 ID:z3erW8Lg
右に同じ。

616 : ◆IEYD9V7.46 :2008/01/20(日) 22:59:57 ID:NJt4mfZu
忙しい時期になる前にゲリラ投下……。

617 :僕はあなたを殺します ◆IEYD9V7.46 :2008/01/20(日) 23:01:29 ID:NJt4mfZu
歪な月が暗碧の波間を漂っている。
水上に時折生まれては消える波は、夜闇の中でも不思議と白く見えていて、
海面に映りこんだ月と共に暗い世界に彩りを添えていた。
その光景を、茫洋とした目つきで無気力に眺めている人影がある。魔技師の少年、トマだ。

人気のない路上に立ち尽くしていたトマは、舞うように揺れる虚像の月から目を離し、空を見上げた。
そこには、冷たく、青白い光を放つ本物の月がある。だが、

――あれもこれも、偽物だ。

トマは二つの月を見比べて、両者ともバサリと斬り捨てた。
夜になって、一人になって、ようやく気付いたのだ、この世界の冷たさに。
ここで殺し合いが行われているから、というだけではない。
根本的に自分のいた世界とは質が違うと感じてしまうのである。
月も海も、草も木も、大地も大気も、何もかもが冷たい。
離れてみて初めて思い知った。自分のいた世界は、とても賑やかな場所だったのだと。
どんなところにも妖精がいたし、月も太陽も生きているかのように気さくな存在だった。
賑やかすぎることのほうが多く、やかましいと思ったことも一度や二度ではなかったが、今はそれさえひどく恋しい。
無味乾燥とした、ただ無感情に光っているだけの月は、トマの知っているそれから遠くかけ離れている。

空に浮かんだ月から目を離し、傍らの地面を見やる。
そこには、血まみれの縫いぐるみと一緒に血まみれの女の子が倒れていた。
トマは顔を見ただけで、その女の子の名前が分かった。分かってしまうのが、どうしようもなく悲しかった。
倒れている少女の名前はジュジュ・クー・シュナムル。
もう言葉を交わすことのできない、トマの仲間だった。
記憶にない蒼白の顔が、記憶にある名前と一致した瞬間、
トマの脳髄に重たいものが容赦なく抉りこんできた。


618 :僕はあなたを殺します ◆IEYD9V7.46 :2008/01/20(日) 23:02:22 ID:NJt4mfZu
これはきっと罰に違いない。
あの放送は出鱈目なのだと、中身の伴わない慰めの言葉を“青”に贈った、自分に対しての。
跳ね返ってきた罰は、放送内容の確固たる裏づけとして、痛いほど鮮烈に目の前に現れた。
もう、どこにも否定する材料はない。
ジュジュは死んだ。はやても死んだ。“青”の親友も死んだ。
そんなこと、とっくに分かりきっていた。
論理的に思考を重ねて、ありえないと断じたはずの、か細い希望が完全に潰えただけのことだ。
覚悟なら、それこそ放送を聴いた直後には済ませていた。
それなのに。
ないと分かっていたものを改めて確認しただけだというのに、トマの狭窄した視界は、夜の闇より更に暗い。
削り取られた視野でありながら、トマはその中に二つのものを収め続け、行き場のない視線を交互に彷徨わせていた。
視線を縛っているものの一つは、血の気の抜けた物言わぬジュジュの死に顔。
もう一つは、その首で月光を白く反射させている……忌まわしい、首輪だった。
トマはファクトリアルタウンの“白”と情報交換したときのことを回想する。

『せめて現物が手に入れば良いんですが、手に入れる方法が……』

あのとき、自分は最後の言葉を濁した。
その先にあるものの意味を、理解していたから。
首輪を手に入れるには、誰かを殺すか、死体から剥ぐしかないのだと、理解していたから。
選択肢は二つあったが、片方は最初からあってないようなものだ。トマにとって、前者の選択は論外なのだから。
ならば、残された後者を選ぶほかない。
何れどこかで遭遇するだろう、見知らぬ誰かの死体から剥ぎ取るしかなかったのだ。
トマはこれまでに漫然とそう考え、来るべき時を予期さえしていた。
『ごめんなさい、あなたの死は無駄にはしません、きっとみんなを助けますから』
などという上辺だけの美しい言葉を、名前も知らない誰かに掛けながら、
哀悼の意を示しつつ泣きながら首を切り落とす。
そうして全て終わったあと、首輪を外しジェダを倒して元の世界に帰るときにこう追想するのだ、
『ありがとう、あなたのおかげでみんな助かりました』と。
そんな卑しい未来を、心の片隅に浮かべていたのだ。“みんなを助ける”という名目の下に。
果たして、少年の望みどおり、首輪をつけた死体がたった今ここに現れた。
ならば、やることは一つしかない。だというのに、トマは熱に浮かされた表情のまま、動こうとはしない。

――まさか、この期に及んで、知り合いの首を落とすことができないなどとは言い出さないだろうな?
知らない人間の首は切るつもりだったのに、顔見知りの人間にはできないとでも?

「……そんなことは、ない、です」

心中の“合理的な正義”が突きつけてくる自問を、声に出して否定する。
同時に、視界を狭めていた黒いものがさあっと晴れた。
ぶれていた視線は、蒼白のジュジュの顔に固定される。

619 :僕はあなたを殺します ◆IEYD9V7.46 :2008/01/20(日) 23:03:54 ID:NJt4mfZu
                                              
「……悪く思わないで下さいね、ジュジュさん」

重いものを押し出すように、許しを請う。
返事はない。

「この世界から脱出するためには、首輪を調べなければいけないんです」

届かない言い訳に意味があるものか。

「だから、あなたの首輪、僕にください」

もし意味があるとすれば、それはジュジュに作用するものではない。

「脱出の鍵を得るためなら、僕はあなたを殺します」

崩れそうな自分を支えるもの、それ以上の意味はない。

「死んでしまって、もう動くこともできないあなたの首を刎ねて、もう一度殺すことができるんです」

膝がネジでも外れたようにガクガクと笑う。

「ジュジュさんもそのほうがいいでしょう? 死んでしまったあなたが犠牲になってくれれば、
 まだ生きている人たちを助けられるかもしれません」

言葉が何かに急きたてられる。

「勇者さんやククリさんの手伝いができるんです。いいですよね?」

卑怯だ。ここであの二人の名前を出すなんて。

「みんなのために」

こう言えば、赦してもらえると思っているのか。


「僕と一緒に、頑張りましょう」



620 :僕はあなたを殺します ◆IEYD9V7.46 :2008/01/20(日) 23:05:12 ID:NJt4mfZu
不自然なほどの満面の笑みを浮かべ、握手を求めるようにすっと手を差し出す。
答えは返ってこない。返って、こない。
死者には肯定も否定も、慰労も糾弾もできないのだから。
そのことを理解していながら、トマはその手を引こうとしない。
風が吹いた。
どこか遠くから草の擦れる音が聴こえてきて、すぐに夜気に紛れて消え去った。
いつしか、ジュジュに向かって差し出していた手は堅い握り拳を作り。
わなわなと震えるその拳を、耐え切れなくなったように振り上げて、トマは叫んだ。

「怖いんですっ!!!」

声と一緒に、握った拳を地面に思い切り叩きつける。
コンクリートの地面は、トマを拒絶しているかのようにひたすら冷たく、堅い。

「僕は……怖いんですよ、ジュジュさん……。
 みんなのためだなんて嘘です、……僕はそんなに強くありません……。
 僕は、自分が死ぬのが、怖くて仕方がないんです……」

きつく目を閉じて、一心不乱に懺悔を続ける。

「僕はここで何度も死に掛けました……。でも、そのたびに何とかできてきたんです。
 この島に来る前と同じように、他の人の力を借りて、どんな困難でも乗り越えてこれたんです。
 だから、……だから、これからもずっと大丈夫だって!
 勇者さんもククリさんもジュジュさんも負けるはずない、死ぬはずないって思っていたんです!」

地面に突き立てた拳に、あらんばかりの力が加わり、小刻みに震える。

「本当は分かっていました……。あの人形の女の子が、ジュジュさんの名前を告げていったときから。
 きっと、もうジュジュさんはいないんだって……それでも、信じたく……なかった……」

いつからなのか。熱い涙が溢れ出し、頬を伝っていた。

「結局、僕は事態を深刻に捉えていなかったんです!
 ここは危険だって口で言っているだけで、誰かが死ぬことを真剣に考えていなかった……っ!
 だから、はやてさんとアリサさんを平気な顔で見送ってしまったんですよ!
 これが幸せへの近道だと思ったから! みんなにとって、一番いい道だと思ったから! でも、間違いだった!!」

ぽたぽたと。暗い路上に、更に暗い斑点が生まれていく。

「僕は死にたくありません! 誰かを殺すのも嫌です! これ以上間違えたくもない! だから!」

貪るように肺に空気を送り、語りかけるように告げる。

「……だから、僕はあなたの首だって切り落とせるんです。ジュジュさんはもう助からないから、
 あなたの首輪を取っても、状況が今より悪くなることなんて、ないから……」

トマは涙も拭わずに立ち上がり、ジュジュを見下ろし、首輪を見つめる。
本当なら、今すぐにでも首輪を剥ぎ取りたい。
だが、あいにく刃物を何も持っていない。
シェルターに包丁を取りに戻ろうか? とも考えたが、

「……青さんを待たせるわけにもいかない……ですよね」


621 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/20(日) 23:06:14 ID:yd3kK6eb
 

622 :僕はあなたを殺します ◆IEYD9V7.46 :2008/01/20(日) 23:06:15 ID:NJt4mfZu
電話越しに聴いた“青”の声からは、今の自分なんかとは比べ物にならないほどの焦りと混乱がありありと読み取れた。
彼女の中で、いつ、何が爆発するのか分かったものではない。
先に病院に言って青を落ち着かせたのち、そこで刃物を手に入れてからここに戻ったほうがいいだろう。
決して。
結論を出すことを、躊躇しているわけではない。先延ばしにしたいわけでもない。
だから、決意はここに置いていく。

「……ジュジュさん、僕は行きます。弱くて嘘しかつけない僕でも……、
 いた方がいいと思ってくれる人がいるみたいですから」

言葉を一度切って、更に続ける。

「けど、必ず戻ってきます……あなたの首を落とすために。
 そのときが、本当のお別れです。……だから、どうか」

喉にこみ上げてきた熱いものを飲み下して。
最後に告げるのは、どうしようもなく卑俗で、最低の願い。

「どうか……逃げていてください。
 次に僕がここに来るときまでに、どこかに去っていてください。
 でないと僕は、死んでしまったジュジュさんをまだ苦しめてしまいますから……」

勝手な想いを吐き捨て、来るはずのない返事を待つことなく、トマは道路沿いに真南に向かって歩き出した。

歩き始めて数分。
既にジュジュの姿は夜に呑まれて、ここから振り返ったとしても見えないという位置まで来た。
歩いている最中に、一際大きな波音に誘われ、トマは東の海と空を見る。
何を見るでもなく視線を遊ばせたあと、海上の夜空に張り付いた月を改めて一瞥して。
諦めるように、息を吐いた。
歩き出す前と同じ、ジュジュの前で途方に暮れていたときと何もかも同じだった。
やっぱり、冷たい月の印象はずっと変わらない。
気味が悪いほどに丸くて鮮明な、絵皿みたいな満月。
トマはそんな感想を抱き、しかしそれが綺麗だとは少しも思わない。
殴れば粉微塵に割れそうな、贋物の月だった。
少なくとも、涙で滲んだトマの瞳には、そうとしか映っていなかった。



【H-6/路上/1日目/夜】
【トマ@魔法陣グルグル】
[状態]:健康
[装備]:麻酔銃(残弾6)@サモンナイト3、アズュール@灼眼のシャナ
[道具]:基本支給品、ハズレセット(アビシオン人形、割り箸鉄砲、便座カバーなど)、
    参號夷腕坊@るろうに剣心(口のあたりが少し焼けている・修理未完) はやて特製チキンカレー入りタッパー
[思考]:行かないと……。
第一行動方針:「病院」にいる“青”に会いに行く。
第二行動方針:機を見計らって病院で刃物を手に入れ、ジュジュの死体から首輪を回収する。
第二行動方針:他の参加者と情報と物の交換を進める。必要ならその場で道具の作成も行う。
第三行動方針:『首輪の解除』『島からの脱出』『能力制限の解除』を考える。そのための情報と物を集める。
第四行動方針:できればトリエラと再び会いたい。それまでは死ぬわけには行かない。
基本行動方針:アリサとニケたちとの合流。及び、全員が脱出できる方法を探す。
※ハズレセットのうち、豆腐セット、もずくセット、トイレの消臭剤、根性はちまきを使用しました。
 割り箸鉄砲の輪ゴムは、まだ残りがあります。
※「工場」にいる自称“白”の正体は「白レン」、「病院」にいる自称“青”は「ブルー」、と誤った推測をしています。

623 : ◆IEYD9V7.46 :2008/01/20(日) 23:06:53 ID:NJt4mfZu
投下終了です。最近どうでもいい方向に力を入れてるような……。

624 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/20(日) 23:18:21 ID:VaVOI4BG
投下乙。
そうだよ、ジュジュってはシェルターのすぐ傍で死んでたんじゃん……。
念願の首輪の発見。真に問い直される覚悟。
実に深みのある、切ないお話でした。GJ。

625 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/21(月) 00:48:05 ID:25/J0Rc8
投下GJ
放送だけでは実感できない身近な人物の死体。
実際に目の当たりにしたときの不合理な感情。上手い、そして面白かったです。

626 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/21(月) 02:22:39 ID:BzwHuPLe
投下乙!
最後の願いは確かにどうしようもない願いだけれど、グッと来た。
トマはここいらが正念場かな……頑張れ対主催技術班。

627 : ◆r39666tJr2 :2008/01/21(月) 09:54:35 ID:4gIR0EHD
問題ないようでよかったです。
修正に時間がかかってしまって、申し訳ないです。
ありがとうございました。

628 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/21(月) 14:04:02 ID:orpKUKqg
初期についでで死んでた人物と同一とは思えないな…w

629 : ◆2G4PiPq.z. :2008/01/21(月) 19:57:53 ID:2OmJuwH3
完成したので投下行きます。

630 : ◆2G4PiPq.z. :2008/01/21(月) 20:02:28 ID:2OmJuwH3
あれ、投下できない……テスト

631 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/21(月) 20:03:11 ID:ELu8NK9s
最初に空白行が入ってませんか?

632 :星は届かぬ空から堕ちる -Artificial magician-:2008/01/21(月) 20:03:12 ID:2OmJuwH3
 
――たくさんの星が、空で輝いている。

「こっちで間違いないのよね……うわ、ボロっ」
『これはこれは、肝試しができそうな病院ですねぇ』

アリサがその建築物を見つけるまでには、大した時間は掛からなかった。
白というよりグレーが近い棟の色、そこかしこに巻きついた植物の蔦。とても清潔感は感じない。
それでも最低限の電源は残っているらしく、自動ドアはアリサの来訪を感知してしっかりと開いていく。
……とはいえ、あくまで残っている電源は最低限。
それを示すかのように、中に入ったアリサを出迎えたのは薄暗く光る蛍光灯の光。
眉を顰めつつ、ともかくアリサは声を上げた。

「もしもーし! 誰かいませんかー!」

返事は無い。ただ、薄暗い病棟の中に彼女の声が響いただけ。

『誰も……いないみたいですね。
 おかしな生体実験の被害者にでもなったりしてるんでしょうか』
「いや、それはないから。とりあえず中を探しましょ」

ルビーのボケをあっさりと流して、アリサは中へ歩き出した。
アリサ自身にもルビーが場を明るくしようとしているのは分かっているのだが、一々反応する余裕はない。
……自分がピリピリしていることを自覚できているだけ、アリサはまだマシなのだろう。
そのままどちらも無言で中を探索すること二十分ほど。だが、収穫は全く無い。
気配もなく、階段を上る音以外には何の音もしない。まるで誰もいないかのように。
――正確には、さっきまではの話だが。

『――何か、足音がしませんか? アリサさん以外の』
「え?」

そう言われて、やっとアリサは足を止めた。
確かに僅かではあるが、無機質な音が廊下の中に響いている。
月光も蛍光灯の光もまだその姿を映してはいないが、何者かがいるのは間違いない。

『ゾンビでもでましたかね〜、あとは宇宙人とか。警戒した方がいいですよ〜』
「いや、それはないから」

ルビーの言葉に溜め息を吐きながら、アリサは曲がり角の影に身を隠した。
……それでも、感謝すべきなのだろう。
ルビーはルビーなりに、アリサを元気付けようとしているのは分かる。
慣れ親しんだ贄殿遮那の感触を手に感じながら待つこと一分半。
そこで、アリサはようやく相手の姿を確認した。

「……あ」
『どうしました、アリサさん?』
「あれ、あたしの知り合い」


633 :星は届かぬ空から堕ちる -Artificial magician-:2008/01/21(月) 20:03:56 ID:2OmJuwH3
『え、そうなんですか?』
「うん。そう……なんだけど……」

そこで、アリサの言葉は途切れた。
会った事もある。話したこともある。詳しい事情もはやてから聞いている。
信頼できる相手のはず。友人のはず。それなのに――

「誰か隠れてるみたいね?」
「らしいな」
「…………!」

ヴィータとその連れの声が耳に届く。……勘付かれた。
一瞬迷ったものの、アリサは二人の前に姿を見せることに決めた。贄殿遮那を握り締めたままで。

「なんだ、お前か」
「お知り合いみたいね?」
「……あいつは魔法も使えねーただの人間だ。大したことはできねえよ」
「あらそう、残念」

くすくすと笑うヴィータの連れ――紫穂の様子は、ある意味この場に馴染んでいた。
それこそルビーが言ったように肝試しができそうなこの場では……恐怖心を煽るというホラー染みた点において。
異常な場において異常な行動は自然である。だがあいにく、アリサは真っ当な常識の持ち主だ。
疑心を無理やり抑え付けて、アリサは友人へ向けて口を開いた。

「無事、だったみたいね。その……左腕、大丈夫? 痛そうなんだけど……」
「これくらい大したことねーよ。……よく生きてたな、お前」

多少目を背けながらではあるが、それでもヴィータはしっかりと言葉を返した。
少なくとも、彼女にとっては本心からの発言だ。
……はやてやフェイトが死んでいるというのに一般人であるアリサが生き残っているということは、本当に意外だった。
そうして、再び沈黙が始まる。どちらも分かっていた。下手に口を開けば、多分……一瞬にして亀裂が走ると分かっていたから。
ルビーと紫穂も喋り出す様子は無い。もっとも、この二人は違う理由で黙っているのだが……。
だから……それでも、アリサは口を開いた。開かずにはいられなかった。

「ヴィータ、聞きたいことがあるんだけど」
「……なんだよ」
「――そいつのその返り血は、何よ」

そう呟くアリサの目線は、紫穂へと向けられたものだ。
恐らくここで着替えたのだろう、紫穂は病院患者が来ているような白い上着を羽織っている。それはいい。
だが……手や顔に赤黒い染みがついているのは、見逃しようがなく。
それでも、紫穂はくすりと笑った。



634 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/21(月) 20:04:53 ID:ELu8NK9s
 

635 :星は届かぬ空から堕ちる -Artificial magician-:2008/01/21(月) 20:05:31 ID:2OmJuwH3
「あら、貴女が思っている通りの内容でいいんじゃない?」
「……お前!?」
「着替えるついでにこれも洗い流そうと思ったんだけど、中々落ちなくて。
 しかも途中で水が止まっちゃったから諦めてそのままにしていたの。駄目ね、こんな古い建物は。
 早くアルコールでも探したほうがいいのかしら」
「な……」
『アリサさん!』

呆気に取られていたアリサだったが、それでもルビーの呼びかけでとっさに贄殿遮那を振った。
会話をしながら、まるで挨拶をするかのように振られた右腕。
その手にある物から吐き出された刃は、アリサに届くことなく消滅した。

「へえ、ただの人間じゃないんだ。
 ヴィータはさっき、大したことは出来ないと言っていたのにね?」
「……そんなことはどうでもいい。何、勝手に手を出してるんだよ」
「だってこの子、復讐とかそういったことをする気が無さそうだもの。つまらないわ。
 大した戦力にもならないなら、さっさと捨てた方がいい。だから殺し合いを仕掛けるの。
 貴女は私の護衛なんだから当然手伝ってくれるわよね?
 『ご褒美』にあと一歩まで近づけるかもしれないから、
 弱い相手は私に任せず自分で殺したいでしょうし」

空気が凍り付く。
この言葉の意味を知らずに済ませるには、アリサは聡明すぎた。
ヴィータは否定も肯定もしない。ただ苛立った様な表情を見せただけ。
だから、紫穂がそれを勘付かされせるために言ったのだとしても……聞き返さずにはいらなかった。

「ヴィータ、あんた……まさか」
「……はやてを殺した奴を見つけるためには、手段を選ぶつもりはねえ」

それが、答え。
今のアリサとヴィータの間にある、深い断絶。
ぎり、と歯を噛み締めて……それでも、アリサは諦めるつもりはなかった。
ヴィータがなのはのことを知らないはずはない。けれど、彼女はなんと言った?
なら……

(きっと、はやてを殺したのがなのはだとはまだ知らないんだ。だったら……)
「……そんなことして、はやてが喜ぶと思う?」

なら、まだきっと――望みはある。
だから、友人として。知っている仲として、それに賭ける。
そんなアリサの言葉を、紫穂はくすりと嘲笑い。

「陳腐な台詞ね。そんな台詞で人を説得できるなら、世の中に争いなんてないわ」
「…………! あんたに話してなんか!」
『陳腐ってことはそれだけ色んな人に使用されているってことですよ。
 つまりそれだけ信頼性・汎用性の高い言葉だという事です。
 あなたのような捻くれたお子様には分からないかもしれませんけどねぇ?』


636 :星は届かぬ空から堕ちる -Artificial magician-:2008/01/21(月) 20:06:13 ID:2OmJuwH3
その言葉に、紫穂のくすくす笑いはあっさりと消えた。
紫穂の皮肉に更に痛烈な皮肉を色をつけて返却したのはルビー。
これには流石の紫穂も大層気分を害したのか、

「……あら、そう。でも、貴女は説得されないでしょ?」
「……ああ」

今までよりトーンを下げた紫穂の声に、ヴィータはゆっくりと……だが確実にフランヴェルジュを構える。
言葉を言おうとしても、アリサの口からは何も出てこない。
それこそさっきのような言葉しか思いつかない自分に、アリサは唇を噛むしかなく。

『アリサさん!』
「言われなくても分かってるわよ……!」

すぐに刀を構えられる今の自分の体が、妬ましかった。

「日本の言葉だと付け焼刃、だっけか。
 どうやらデバイスみてーな何かを持ってるみたいだけど……
 素人がそんなもの使ったって、怪我するだけだ」
「今のあんたはなのは達が使ってたみたいなのを持ってないでしょ。
 ……なら、勝敗なんて戦ってみないと分かんない」
「――分かるさ」

言葉と共に、ヴィータが走り出す。紫穂が動く様子は無い。後方支援に徹するつもりなのだろう。
確かに間違いではない。彼女は飛び道具が使えるのだから、前衛と後衛に分かれるのは当然のことだ。

(1対2じゃ絶対に勝てない。なんとかしなきゃ……)

もし望みがあるとすれば、ヴィータの最初の一撃。
アリサの力量を把握しておらず、迷いもある甘い太刀筋……きっとそれしかない。
流石にヴィータを巻き込んでしまうような状況で、最初のような衝撃波は撃ってこないだろう。
ヴィータを捌いて反撃でけりを付け、相手の飛び道具を切り払って紫穂に接近する。各個撃破の見本。
もしヴィータが何の迷いも躊躇いも無く、冷徹に友人を殺せるような性格だったらそれで終わりだ。

――それでも、アリサはそれに賭けた。

風が鳴る。
果たして、踏み込んできたヴィータの速さは今のアリサならなんとか目で追えるもの。
右腕で振り上げた剣も、簡単に筋が予測できる。
本当の理由は負傷のためかもしれないし油断のためかもしれないが……そんなことはどうだっていい。
アリサは勝手に理由を決め付けさせてもらうことに決めている。



637 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/21(月) 20:06:29 ID:ELu8NK9s
 

638 :星は届かぬ空から堕ちる -Artificial magician-:2008/01/21(月) 20:06:55 ID:2OmJuwH3
(剣を弾き飛ばして峰打ちして、こんな嫌なこと一瞬で終わらせる――!)

そのままフランヴェルジュに合わせ、一気にアリサは自分の剣を下段から斬り上げた。
今のアリサにはそれだけの技量と身体能力がある。意志さえ伴えば遂行に支障はない。

――そう。後ろに、いつの間にか剣ではなく銃を構えた紫穂がいなければ。

「――ッ!!!」

咄嗟の反射行動。
剣を弾き飛ばす余裕はない。最小限の動きで受け流すだけに留め、射線をヴィータで遮りつつそのまま階段へ跳ぶ。
そのまま恥も外聞も無く、一気に階段を駆け上って逃げ出した。いや、逃げ出そうとした。
とっさに手すりを掴んで体を持ち上げると、さっきまで足があった部分を剣が薙ぐ。
更におまけと言わんばかりに、踊り場にあったパネルを銃弾が粉々にする。
それでも恐怖で萎びそうになる足を奮い立たせ、一瞬の隙をついて階段を上りきった。

「少し考えて動いてよ。あなたが近くにいるせいでちゃんと狙えないわ」
「うっせえ!」

下から聞こえてくる声なんて深く吟味している余裕もまた、無い。
足音と共に、殺意が追って来る。


            ※      ※      ※             


639 :星は届かぬ空から堕ちる -Artificial magician-:2008/01/21(月) 20:07:44 ID:2OmJuwH3
「ん……」

ふと感じた違和感に、イヴはゆっくりと目を開けた。
見る限りでは異常は無い。違和感を原因を探ろうとする……必要も無かった。
耳をそばだてるまでもなく、なのはが寝ているはずの方向から音が聞こえる。先に目覚めて拘束を解こうとしているんだろう。
……もっとも、考えてみれば当然か。
手足を縛られている以上、ちょっとした寝返りで痛みを感じて目が覚めることは有り得る。
拘束を解いて動き出すことはまずないだろうけれど。

先に身を起こしたのはイヴだった。なのはは身を起こせないのだから当然だ。
時計を見る。どうやら、寝始めてから三時間ほどが経過したらしい。
睡眠時間としては足りないが、仮眠としては十分な量と言える。

「あなたが……『ひめ』ちゃん?」

声が響く。やはり先に目が覚めていたらしい。なのはの方を向いて、肯定の意を伝える。
多少睨まれたような気がするものの、イヴは気にせずにベッドから降りる。
とりあえず何か差し当たりのないことから話してみようと思い……
ふとなのはの腕を見て、絶句した。拘束を解こうとした、その跡を。
無論……別に拘束を解こうと暴れるのは普通のことだ。
賢明な人間なら、敢えて殺さずにいたという事実と書置きからイヴの目覚めを待つ。
愚昧な人間であるならば、ひたすら暴れ続けて疲れた所で諦めるだろう。

――では。血が滲むほどに暴れてからやっと諦めたなのははなんだ。

そうして言葉を詰まらせている間に、なのはが先に口を開いていた。

「とりあえず、これを解いてくれないかな?」
「え……あ……一応、武器を持っていいですか?」
「……いいよ」

その言葉にひとまず息を吐きつつ、イヴは屈みこんで巻きつけておいたエーテライトを解き始めた。
一応イヴは相手の挙動に警戒していたが、何事も無く終わり……
手足をさすりながらなのはは立ち上がる。ひとまずイヴは当たり障りのないことから聞くことにした。

「まず、名前を聞いてもいいですか?」

言うまでも無く、イヴは既になのはの名前を知っている。
だがこれを聞いておかないと不自然に思われる可能性が高い。それに、間違えて名前を呼んでしまった時に目も当てられない。
なのはは少し迷っていたようだが、しばらくして言ったのは本名だった。

「……なのはだよ、高町なのは」
「なのはさんですね」



640 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/21(月) 20:08:33 ID:ELu8NK9s
 

641 :星は届かぬ空から堕ちる -Artificial magician-:2008/01/21(月) 20:09:34 ID:2OmJuwH3
偽名を使うことも当然有り得たが、なのははそれをしなかった。
信用されているということだろうか……イヴがそう思った矢先。

「ねえ、なんでそんなに怖がってるの?
 私をわざわざ縛った理由、聞かせて欲しいな……」

首を軽く傾げながらなのはが口にしたのは、そんな言葉。
笑っている。笑っているが……作り笑いであるくらい簡単に分かる。
それほど窓が無く、光が差し込みにくいこの部屋でのこの表情。
もしなのはが安心させるためにこの表情を取り繕ったなら、完全に逆効果だと断言できる。

「あの猫を殺すところを見ました」

それでもひとまず冷静に、要点だけをイヴは伝えた。
動物の参加者という事実は別段驚く点でもない。ここに来る前から喋る猿なんてものに会っている以上、
人間並みの知能を持った猫が参加者として存在するということはあっさり事実として認識できる。
もっとも、あれがその辺の野良猫だったとしてもなのはが危険人物であることに変わりはないし……
イヴがなのはを警戒する理由はもっと本能的な部分からなのだが。

「あれは一応、あっちから仕掛けて来たんだけど……」
「普通、動きを止めて何も出来ない相手を躊躇いも無く殺すなんて出来ない。
 違いますか? あなたは殺しに抵抗はないはずです」
「…………。
 なら、そんな私になんで味方するの?」

なのはの声は冷たい。笑顔を取り繕うのもあっさりやめている。
ここから重要だ、とイヴは息を吐いて口を開いて。

「あなたはこの殺し合いに乗って……」
「乗ってないよ」
「え?」

すぐに会話を強制停止する羽目になった。
まさか、とイヴは思う。あんなことをして殺し合いに乗っていない?悪い冗談にしか思えない。
もしあるとすれば。

(まだ認めたくない……のかな?)

精神的にかなり追い詰められて殺害を平気でしてしまうようにはなったが、まだ理性がそれを否定している……
イヴがまず思いついたのがそんな考えだった。だが、なのはの次の言葉がそれを否定する。

「私は人を殺せる。でも殺し合いには乗ってない」
「…………?」
「私が殺すのは、人を殺そうとする人だけだから」
「……動けない相手でも?」
「確実に皆を守るには、殺すのが最善だよ」

思わず、イヴはぞっとしていた。敵は全て完全に殺す……まるで以前会ったナンバーズだ。
しかも秘密結社のエージェントのような台詞をイヴよりも小さな女の子が平気で言っているという、事実。
掃除屋として暮らしてきた思い出からか。思わず、イヴは言い返していた。


642 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/21(月) 20:10:04 ID:ELu8NK9s
 

643 :星は届かぬ空から堕ちる -Artificial magician-:2008/01/21(月) 20:10:23 ID:2OmJuwH3
「……自分から殺しに行くのには変わらない。あなたは殺すことを望んでる。
 それは殺し合いに乗ってるって言うよ」
「言わないよ。
 だって、殺し合いに乗った人を殺せればそれだけ殺し合いが終わるのも早くなって、
 殺し合いに乗らなかった皆で話し合いができるから。私の願いは、それだから」
「…………」

イヴは反論しない。淡々と言うなのはを見て、無駄だと悟った。
確かに、世の中でそういった考えがあるのは彼女にも分かる。
だがはっきり言って……トレインやスヴェンと共に暮らしてきたイヴには絶対に理解したくない考えだ。
……しかし、なのはが相当の危険人物だと言う事は分かった。限定的とは言え殺しを躊躇わないということも。
なら、上手く情報操作して普通の人間を殺すように仕向ければいいだけ。

「それなら……それでいいです。一緒に行動しませんか、なのはさん。
 なのはさんは……その……何かよく分からない力が使えるみたいですけど、限界はあるでしょうし……
 私も大したことは出来ないけど、二人で行動した方が出会った人について考えやすいと思います。
 頑張って一緒に殺し合いに乗ってる人を……」
「いらないよ。一人でいい」
「あ……その、迷惑だと思ったなら謝りますけど、でも私も私なりに……」
「そうじゃないよ。私がみんなに迷惑なの」
「…………?」

思わず首を傾げるイヴ。
それをどう思ったのか、平坦な声でなのはは続けた。

「私は皆と一緒にいちゃいけない。汚いことは全部私一人でやる。
 誰にも迷惑は掛けない。誰の目にも見えないうちに、全部終わらせる。
 そうすれば、皆苦しまずにジェダと戦いに行けるから……」
「……なのはさんは、苦しくないの?」
「構わないよ。
 私が苦しんだ分皆が苦しまないのなら、それでいい」

なのはの言葉にイヴは言い返さない。静寂が、再び満ちる。
迷いも無くそう言ったなのはに対しイヴが抱いたのは……恐れでも親近感でもなく、嫌悪感だった。
なのはは人形になることを望んでいる。殺人を犯したものを殺すだけのキリングマシーン。
その目的はイヴと同じはずなのに……それを嫌だと、そうイヴは感じたのだ。
だから確かめるために、イヴは聞いた。

「一つだけ、聞いていい?」
「私からも質問させてくれるなら、いいよ」
「そう」
「あなたにとって、人を殺すってことはいけないことじゃないの?」
「……人殺しは、いけないことだよ」
「じゃあなんで?」

イヴもなのはも気付いているのだろうか。いつの間にか、イヴが敬語を使わなくなったことに。
ただ淡々と、機械が音声を発するように二人は声を紡ぐ。

「いけないことだから、全部私がやるの。皆を守るために」
「……守りたい人に怖がられるよ」
「構わない」

やはり淡々と。使命感も悲壮感も見せず。自分に酔っている様子も無く。
躊躇いも見せずに、なのははただ言い切った。


644 :星は届かぬ空から堕ちる -Artificial magician-:2008/01/21(月) 20:11:23 ID:2OmJuwH3
「……あなたは、間違ってる」
「そうだね。そう思うよ……でも、こうするしかないから」

なのはの顔には、喜びも怒りも苦しみも無い。
達観している……或いは、諦めている表情。自分というものを何もかも捨てた顔。
それで、イヴは確信した。
イヴがここで人形になることを選んだことは、自分の願望に対する裏返しに過ぎない。
人形になるということはあくまで過程なのだ。平穏で凡庸な暮らしを勝ち取るための過程。
だが、なのはは違う。人形になったまま、それで終わろうとしている。
イヴにとってそれは自分を待っている人達への裏切りであり……唾棄すべき「結果」。
だから根本的にそりが合わない。いや、合ってはいけない。
そう気付いて……イヴは自分の感情が冷え込んでいるのを自覚した。恐怖もしていない。
イヴにとって、彼女はご主人とするべき相手でも仲間でもない。
イヴが探す「ご主人」には、決してなのはは成り得ない。
人形の主人を人形が勤められるはずがないし、同じ人形でもなのはとイヴの目的は正反対に位置する。
なら、彼女は――

「じゃあ私から質問していいかな。ひめちゃんって、やってることが矛盾してるよね。
 私が殺し合いに乗ってると思って話しかけたのに、縛ってたのを解いたりしてる。
 その割りに私と組もうとして言ったのは一緒に殺し合いに乗ってる人を……
 減らしましょう、それともなんとかしましょうかな? どっちでもおかしいよ。
 ――殺さないといけない人間なの?」

――殺すべき、相手だ。
返答するまでも無く、イヴは手に持っていたバトルピックを振るう。
相手は素手、こちらは武器を所持。トランスせずとも十分……むしろ構えさせてもらっている分こちらの方が速い。
そう考えたイヴの予測どおり、なのははなんとか体を捻って避けたものの無様に地面に尻餅を付いている。
あとはとどめを刺すだけ。イヴはそう思いかけて……それが過ちであることを知った。
体勢は確かに崩れた。だが、その手にあるのは……いつの間にか回収していた、八卦炉。
もしそれが遠くにあったなら、当然回収はできない。ちょうど足元に存在し……
かつなのははその位置を把握していて、それを拾うためにわざと姿勢を崩した。
たまたまではない。なのはの狙い通りであり、彼女があらかじめ仕組んでおいた作戦。
なのははイヴが起きる前にわざとランドセルを地面に落としていた。中身が溢れるように。
そして会話で時間稼ぎをしながら、足で八卦炉を自分の側に持ってきていた。……つまり。
始めから、なのははイヴを信頼する気もなかったということ――

「そう……やっぱり殺さないといけないんだ」

薄暗い密室の中。
イヴには、なのはが笑っているように見えた。

            ※      ※      ※             



645 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/21(月) 20:12:02 ID:ELu8NK9s
 

646 :星は届かぬ空から堕ちる -Artificial magician-:2008/01/21(月) 20:12:27 ID:2OmJuwH3
火花が散る。あたしの幻覚じゃない。
相手が持っているのは炎の剣なんだから、斬り合えばそんなものが見えるのは当たり前だと思う。

「――――」

相手が何を言っているか分からない。少なくとも、戦いを――和解とかそういった形で――終わらせるための言葉じゃなかった。
だったら、そんなのは聞きたくない。ただ相手の剣と腕だけを見て、刀を振るう。
相手が誰だなんて今は締め出さないと、あたしは――

「この……!!!」

左脇下から壱。流れるように相手右腕へと振り切り、最小限の動きで自分の腕を戻す。
軌跡を逆になぞるように弐。相手の剣に当たったけど、僅かに体制を崩せただけ。
どっちも予測通り、踏み込む。本命は次の参。
相手の剣を弾き武器を取り落とさせるはずの一撃は……果たして、相手を少しよろめかせただけ。
今まで何度も繰り返してきたように。

――やっぱり、あたしじゃ駄目なんだ。

一対一なら、これは好機だ。けど、これは一対一じゃない。だから相手は驚くことも怯むことさえしない。
追撃はできない。こうしている間にも、前から衝撃波が迫ってる。
だから、せっかくの好機に後退しながら切り払うことしかできない。

さっきから、ずっとこの調子だった。
今のあたしの脚力はあいての前衛より下、後衛よりは上程度。
だから、生き残るためには逃げる前にまず相手を止めるしかない。
相手が短期決戦ではなく持久戦を仕掛けていることも、
倒すことではなく倒されないこと、追い詰めることを優先していると分かっていても。

剣が迫る。もしさっき相手の剣を腕から弾き飛ばせていればあたしは逃げ切れていた。
けれど、今までそれは一度も成功したことは無い。だから、こうして戦っている。

――あたしは素人だ。だから、戦っている最中に余計なことを考える。

後ろに跳んだ。廊下を曲がって後衛の射線から身を隠す。それが精一杯だ。
前衛はもう既に距離を詰めてる。左上から迫る剣と受け止め、流す。
レックスほどじゃないけど、重い剣質には変わりない。あたしがまともに受けたらそれで終わり。
反撃しようと腕を振って――瞬間、前衛が距離を離した。いや、避けた。後ろから来る何かを。
ルビーが何か叫ぶ。咄嗟に横の病室へ飛び込んだと同時に、衝撃波で床が抉れた。

――勝てないよ。あたしじゃ、ヴィータに勝てるわけないよ……

転がり込みながらベッドを蹴り飛ばす。扉へ倒れこんだそれはバリケードに……なりもしなかった。
炎の剣にあっさり両断され、燃え尽きる。それだけ。稼いだ時間は一秒もない。
確認するまでもなくここは袋小路。外と繋がっているのは入ってきた扉と、夜闇を写す窓だけ。
飛び降りようにもここは三階。あたしはそんなことが出来るほど人間離れしてない。
考えなきゃ。不利なのは分かってる。隙を、何か自分が有利になる材料を。

――そんなの、無理だよ。



647 :星は届かぬ空から堕ちる -Artificial magician-:2008/01/21(月) 20:13:10 ID:2OmJuwH3
再び相手の飛び道具が飛んでくる。
それをなんとか切り払って……そこであたしは気付いた。
今までは廊下で戦っていたから、相手は自由に飛び道具を使ってこれなかった。
直線上に味方がいるから、使えるタイミングは自然と限られる。
けれどここは部屋だから、位置取りをちょっと変えるだけで……あっさり援護できる。
だから……ヴィータに剣を力ずくで叩きつけられ、転倒することになったのは当然のことだったんだろう。
衝撃でランドセルの中身が零れる。とっさにはやての腕を掴んだけど……けれど、それだけ。
武器も道具も全部零れていく。手元に残ったのは腰に差してたカレイドステッキと刀、そしてはやての腕。
右手も左手も塞がっていて、おまけに床についていて。ヴィータはあたしに剣を突きつけている。
もし腕を動かそうと……いや、起き上がろうとしただけで、あたしは殺されるだろう。
相手に傷一つ負わせることもできず、あたしは負けた。それが、現実だった。
……当然だ。こんなの当たり前じゃないか。
あたしがどうやったって、ホンモノに勝てるわけないじゃないか。
なのにはやては死んで、フェイトも死んで。なのははどっかいっちゃって。
ヴィータはあたしを殺そうとしてる、現実――

「なんで……なんでよ! なんでそうなのよ皆!
 なのはもそう! なんでみんなそうやって……!」

思わず、叫んでた。目の端に何か滲んでいるような気もする。
本当の子供らしく喚き散らして、床を叩いて。交渉術だとかそんなのは全部頭から吹き飛んでた。
けれど……ヴィータは、あたしを見てなかった。

「なんだよ……それ」

その表情は、本当に……それこそ悪夢でも見たような表情だった。
視線を追う。納得した。その先にあるのは、はやての腕だったから。

「誰の腕だよ、それ……なんでそんなの持ってるんだよ!」
「これは……その」
「はやての服の袖と同じだよな、それ。
 ――お前がやったのか」
「――! そんなわけないでしょうが! あたしはずっとはやてと一緒にいて……」
『アリサさん!』
「なるほど、つまりはやてとずっといたんだな。
 じゃあ……紫穂、お前!」

ヴィータの視線がさらに動く。あたしを追う形で。
その先には、いつの間にか銃を準備していたヴィータの相方――紫穂というらしい――の姿があった。


648 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/21(月) 20:13:44 ID:ELu8NK9s
 

649 :星は届かぬ空から堕ちる -Artificial magician-:2008/01/21(月) 20:13:51 ID:2OmJuwH3
「……別に、何かしたわけでもないわ。脅しやすい武器に持ち替えただけよ」
「嘘付け。どう見ても話してる隙にアリサを殺そうとしただろ。衝撃波ならアリサの剣に防がれるかもしれねーからな。
 お前としてははやてを殺してる奴について、あたしが知らない方が好都合。
 だけどアリサがはやての腕をもってるってことは、はやて殺しの犯人を知ってる可能性がある。
 だからさっさと殺しておこうってわけだ!」

ヴィータの声はそれこそ、紫穂に掴みかかりそうな勢いだった。
剣こそあたしに突きつけているけれど、視線も注意も完全に逸れている。
だから……ルビーは小声であたしに囁いたんだ。これ以上の好機は、ないから。

『アリサさん――ヘルメスドライブを。はやてさんがやったことを』
「え――」
『早く!』

促されるように、視線を脇に移す。左腕なら十分届く距離に、それはあった。
咄嗟に腕を伸ばす――気付かれた。ヴィータが剣を突き出す。紫穂も銃をあたしへ向けた。
間に合うかどうか判断する余裕さえない。ただ目を閉じてイメージした。
何よりも強く、強く――左手の感触を、信じて。

「……痛っ」

そうして、まぶたの向こうが白くなって戻ったと思ったら。
何か、金属が降ってきた。

『大丈夫ですよ、アリサさん。転移成功です!』
「……ここは」

目を開ける。降ってきたのはただのガラクタらしい。
場所は……どこかの施設の中だと言う事しか、分からない。

「……どこ?」
『アリサさんは誰をイメージしましたか?』
「なのはだと思う、けど……」

なのはの姿は欠片も無い。
場所を確かめようにも地図も何もかも置いてきたんだから、確かめようが無かった。
理由については、一応ルビーが推測してくれた。

『多分、ヘルメスドライブに傷が付いていたからですね。
 それで空間転移にズレが生じるようになったんでしょう。
 いしのなかにいる、なんてことにならなくてよかったですね〜』
「…………」
『……あの、アリサさん?』
「なのはを探すの。近くにいるんでしょ」

それだけ返して、あたしは歩き出す。ただ黙々と。
色気のない近代的な壁に電灯。まさか城じゃないだろう。
むき出しのパイプを見る限り学校や病院、シェルターでもない。どこかの街だろうか?
ともかく分からないなら歩くしかない。上手くいけば、案内みたいなものが見つかるだろう。
そんなあたしにどう思ったのか、しばらくしてルビーがまた喋り始めた。



650 :星は届かぬ空から堕ちる -Artificial magician-:2008/01/21(月) 20:14:35 ID:2OmJuwH3
『アリサさん、無茶してませんか?』
「……そんな風に見える?」
『ええ。そんなんじゃすぐバテちゃいますよ。というか、少し休んだ方がいいんじゃないですか?
 ナマケモノのようにりらーっくすしましょう』
「駄目。すぐなのはを探さないといけないんだから」
『…………』

さすがのルビーも黙り込んだ。
緊張を解こうにも会話がほとんど成り立たなくては意味が無い。
適度な緊張感は必要だけど、気負いすぎたっていい事は無い……そんなこと分かってる。
だから、一つだけ弱音を吐くことにした。

「……ねぇルビー。あんた、病院で肝試しがどうとか言ってたわよね」
『ええ、まあ』
「幽霊はいると思う?」
『は?』

いつの間にかあたしは足を止めていた。だから、足音はもうしない。
響くのは呆けたようなルビーの声だけ。あたしはそれにただ淡々と言葉を返していく。

「なんとなく思ったのよ。
 魔法使いとかそんなのがいるんだったら、幽霊だっていておかしくないかな、って」
『まぁ、それはいますけど。精霊がいて亡霊がいない道理はありません。
 並行世界に無限の可能性がある以上は、アリサさんが幽霊やってる世界もあります』
「…………」

あたしの沈黙という言葉をどう受け取ったんだろう。
ルビーはどこか咎めるように……あるいは慰めるように言葉を続けた。

『……先に言っておきますが、少なくとも今の私じゃイタコの技術をダウンロードなんてことはできませんよ』
「――そんなんじゃ、ない」

それだけ返して、あたしは壁に背を預けた。
そのまま、少しだけ目を閉じる。

(別に、疲れたわけじゃない。これくらいじゃへこたれない、これくらいで……)

そう、自分に言い聞かせる。
ただずっとこんなところにいて、自分はこんな暗いところにひとり。
だからそれに影響されて、変な気分になっているだけ。

誰かに泣きつくことなんて、もう出来ない。
自分ひとりで、なのはやヴィータを止めなくちゃいけないんだから――



651 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/21(月) 20:15:25 ID:ELu8NK9s
 

652 :星は届かぬ空から堕ちる -Artificial magician-:2008/01/21(月) 20:15:30 ID:2OmJuwH3
『アリサさん』
「…………」
『アリサさん!』
「え、なに?」

ルビーの言葉に、慌てて意識を現実に引き戻した。
目の端を右手の指で拭う。刀を持ったままやるのは少しやりづらいけど、できないわけじゃない。

『何か、声がしませんか?』

言われてみれば、確かにそうだ。
かすかに話し声が聞こえる。それも二人分。
ヘルメスドライブの機能がよっぽどおかしくなってない限り、声の主は多分……

『行ってみましょう!』
「うん!」

ヘルメスドライブは変形させて小さくしてポケットに入れ(正確にはしまっておきたいと思ったら勝手に形を変えた)、
その方向めがけて走り出す。いい加減くたくただけど、それでも普段のあたしが走るよりはよほど速い。
そうして完全遮断された通路から窓がある廊下へ場所が変わり、
窓からの星の光があたしに当たり始めたころ……話し声は物音に変わった。
嫌な予感を抱きながら走って、三十秒くらい後。
ちょうど前の十字路を折れ曲がって出てきた金髪の女の子と……それを追って来た女の子が、一人。


653 :星は届かぬ空から堕ちる -Artificial magician-:2008/01/21(月) 20:16:24 ID:2OmJuwH3
「なのは!」
「アリサ……ちゃん?」

とっさになのはが立ち止まってこっちに振り向いたのは、きっと幸運だったと思う。
追いかけようとしたなのはを待ち伏せていた相手の腕が、変わっていく。
はやての腕をその場に置いて駆ける。そのまま左手でなのはを強引にどかして、右手で刀を一気に振り切った。

「くっ……!」

受け止めた。けれど、腕が痺れる。やっぱり片手持ちはきつい。ここが廊下だと言うのもまずい。
よく知らないけど、あの時を思い返す限り多分なのはは遠距離戦を得意としていたと思う。
そして位置取りはやはり直線状。つまり病院でのヴィータ達と同じ、二人がかりという利点を生かせない状態。
問題は、前衛のあたしはヴィータほど強くないということで……

「……え?」

けど、相手は何を思ったのか。あっさり腕を下ろして、そのまま後ろに下がった。
飛び道具を持っているわけでもない。何か変な行動をしようとしない。
少し動いたけど、それはあくまでなのはの射線から隠れるためだろう。
後ろでかすかになのはが動いたのが聞こえたし。
混乱するあたしを尻目に、相手は私に質問してきた。

「こんな人を、守る価値があるの?」
「え……」

いきなり会った事も無い相手が聞いてきたのは、そんな観念的なこと。何で聞いたのは全然分からない。
理由はともかく、どっちにせよ結論は一つしかない――あるに決まってる。
けれど。今のあたしはなぜか――そう断言することが出来なかった。

「当然、でしょ……友達なんだから……」
「立派だね」

なんとか捻り出した言葉は、自分でも言いよどんでるって分かる情けないもの。
それでも相手の子は笑いもせず、馬鹿にした様子も無い。
そのまま無表情で歩き出して、見えなくなった。

「――きっと後悔する。
 あなたみたいな人が、この人と一緒にいても」

最後に、そう言い残して。


654 :まひるの星は琥珀色に -dolls and humans- ◆2G4PiPq.z. :2008/01/21(月) 20:17:35 ID:2OmJuwH3
静かになった。二人きりだった。
けど、あたしは黙っていた。何を言えばいいんだろう。分からない。
だから――なのはが先に話し始めてしまったのは当然だ。

「なんで来ちゃったのかな、アリサちゃん。私を殺しに来たの?」
「そ……そんなわけないでしょ! あたし達友達じゃない」
「私を友達だと思うのは間違いだよ、アリサちゃん」

あたしの言葉は、あっさりなのはに潰された。

「私ははやてちゃんを殺しちゃった。例えどんな理由があっても、それは変わらない。
 だから、償いをしないといけないの」
「それが……なんで友達じゃないってことに……」
「私はもっと人を殺さないといけない」

そう、なのはは言い切った。何の迷いも無く。
その迷いのない口調で、当然だと言わんばかりになのはは続ける……おかしな言葉を。

「アリサちゃんも分かってるよね。この殺し合いに乗った人は一杯いるってこと。
 放って置けばたくさんの人が殺されちゃう。
 私も人を殺しちゃった。汚れちゃってもう綺麗なところにいることはできない。
 だから全部私がやるの。アリサちゃんが皆が汚れないように、殺し合いに乗った人を全部、できるだけ早く。
 そうすればたくさんの人が助かるから。そんな私と、アリサちゃんは友達になりたいの?」

なのはは、そんな狂ってるとしか思えないセリフを言った。あくまで、普通の表情で。
あたしはなりたい、と絶叫するべきだったのかもしれない。
……けれど、あたしはなのはの言葉から逃げて。真正面から立ち向かえず、話題を変えた。

「ヴィータも……殺すの?」
「ヴィータちゃんがどうかした? また殺し合いをすることにしちゃったの?」
「そうよ! ヴィータが言ってたのよ!
 はやての仇はどんな事でもするって! そのためならあたしだって殺すって!」
「……そっか。またやっちゃったんだ、ヴィータちゃん。
 じゃあ、また動けないようにしないと……」

絶句する。理解できない。
なのはは……こいつは、何を言っている?

「私が殺されるのは、この殺し合いから皆が脱出した後じゃないと駄目だよね。
 ――ヴィータちゃん一人だけのために死ぬなんて、逃げるような真似はできないから。
 一人でも多くの人が生き残れるように頑張って、その後に殺されないと。
 ヴィータちゃんが私を殺そうとするのは当然のことだけど、だからって他の人まで巻き込んじゃ駄目なの」
「なの……は」

分からない。なのはが理解できない。友人のはずなのに。よく見知った仲のはずなのに。
暗い部屋の中、そんなことを平気で言うなのはは、まるで私の知らないひとのようで。
……怖いと、思ってしまった。
一歩後ずさった私を見て、なのはは笑った。悲しい笑みだった。
それを消したくて。あたしはなんとか言葉を出した。


655 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/21(月) 20:17:39 ID:ELu8NK9s
 

656 :まひるの星は琥珀色に -dolls and humans- ◆2G4PiPq.z. :2008/01/21(月) 20:18:18 ID:2OmJuwH3
「頑張るって……どう、頑張るの?」
「殺すんだよ。殺し合いに乗った人は全部殺すの。
 捕まえてる余裕は無いし、説得してる間に被害が増えるかもしれない。
 だからできるだけ効率よく殺すの」
「そん……なの……」
「怖いよね。絶対おかしいよね。
 だからアリサちゃんは私といちゃいけないの。私は人殺しだから。
 アリサちゃんは人を殺しちゃ駄目だよ。私といちゃだめだよ。共犯者に、なっちゃうから」

笑みは、消えない。まるで能面のように、凍てついた笑顔だった。
あたしは何も言えない。言葉を出したのは、ルビーだった。

『楽しいと思うんですか。そんなことになって、楽しいと思うんですか。
 願望を移す鏡さえ見られない人形になって、あなたは楽しいんですかなのはさん?』
「私は楽しくなっちゃ駄目なんだよ。皆が楽しめるようになればいい」
『……残念ですが、それは有り得ません。
 なのはさんが死んだらアリサさんは泣きますから』
「生きてればきっといいことあると思う。
 こんなこともあったな、あんな子もいたなって、いつか笑える日が来るよ。
 だからね、アリサちゃん。今すぐじゃなくてもいい。
 私のことなんてどうでもいいと思わなきゃ困るの。私はわるいひとだから」
『…………』

そうして、ついにはルビーも黙り込んでしまった。
なのはの言っていることはあたしには全然理解できない。したくもない。
あたしは皆が無事に、一緒に帰ることを望んでた。誰だってそう思ってると思ってた。
けれど、それは違った。友達だと思っていたのに。どいつもこいつも、自分勝手なことばっかりで……
なんだか――ムカついてきた。子供らしく癇癪起こして刀を振り回したい衝動をなんとか抑える。
行き場の怒りをどうしようかと周りを見やって、ふとそれは見つかった。
ああ、そうだ。少しなのはに意地悪してやることにしよう。試してやる。
なのはが少しだけでも……一つだけでもあたしが望んだ通りのことを言ってくれれば。
それさえしなかったらもう我慢の限界だ、本気で怒ってやる。今だって――泣きたいのに。

「ルビー」
『は、はい!』
「多元転身。モードは中国拳法で」
『アリサさん……その、何をなさるつもりでしょうか……』
「いいからさっさとやる!!!」
『わ、分かりました!』
「…………?」

今まで散々あたしが繰り返してきたことも、なのはにとっては初めて見ることだ。
どうやら、なのははルビーにかなり興味を示したらしい。じっとルビーを見つめている。

「すごいデバイスだね、アリサちゃんに魔力はないのに」
「うっさい」
『私は愉快型魔術礼装です、お間違いの無いように』

律儀になのはと会話するルビーはすごいと思う。実はかなり我慢強い性格なんじゃないだろうか。


657 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/21(月) 20:19:39 ID:ELu8NK9s
 

658 :まひるの星は琥珀色に -dolls and humans- ◆2G4PiPq.z. :2008/01/21(月) 20:19:48 ID:2OmJuwH3
……はっきり言って。あたしはもうあんまりなのはと話したくない。
友達だった相手が、得体の知れない宇宙人になった気分だ。意思疎通ができている感じがしない。
それこそなのはの言っている言葉はどこか遠い星の言葉のように聞こえる。
それでも、せめて最後に一回だけ試しておきたかった。
少し歩いてそれを拾い上げる。頭の無い、白い猫の死体。
……正直、あまり気分のいいものじゃない。猫好きの友人を持っている身としては尚更。
人間の生腕を持ち歩いてた身で言える言葉じゃないとは思うけど、それでも死体になんか慣れたくない。
一応、本題に入る前に聞いておく。

「これやったの、なのは?」
「そうだよ。 寝ている私に何かしようとしたから」
「うっさい、後ろ半分はいらない。
 本題はここからよ、なのは。猫を見て思い出すことは何」
「え?」
『…………』

あたしの質問が理解できないのか、なのはは目をパチクリしただけだった。
ルビーは黙っている。なんだかんだいってルビーは空気が読めるタイプだ。普段はわざと空気を無視するだけで。
最後の望みだった。こんな下らないことくらいは同じことを考えて、思い出して欲しかった。
この猫を見て思う、じゃない。猫を見て思い出す、と聞いた理由くらい汲み取って欲しい。友達なんだから。
そんな、あたしのみっともなくて儚い願いを。

「動物だからって甘く考えるのは駄目だよ、アリサちゃん。ユーノくんみたいに動物に変身できる魔導師もいるし、
 アルフさんみたいな使い魔は動物でも人間と同じことができるんだから」

なのはは正面から跡形も無く粉砕し、さらに完全に焼き尽くした。
どうやら、あたしが怒ってるのは動物虐待をしたからだとでもそのおめでたい頭は勘違いしたらしい。
キレそうになる精神を抑えて、語気を落ち着けながら話す。まだ言っていないだけの可能性もあるし……

「……それだけ?」
「だってそうだよ、アリサちゃんは何を怒ってるかわからないけど……
 そもそも人じゃないんだから人殺しじゃないと思うの」
「……他には」
「え?」
「あたしがこんな馬鹿なことを聞いた理由について考えないの?」
「……だって、アリサちゃんは猫を殺すなんて可哀想だと思ったから聞いたんでしょ?」
「可哀想だと思う理由については?」
「え……? アリサちゃんが動物が人間と同じように動くと思ってないからじゃないの?」
「――そう。
 なのはは、そんな奴だったんだね」

せめてものヒントも完全スルーされた。もう、なのはの思考の外にあったんだって判断していいだろう。
丁寧に猫の死体をベッドの上に置く。どんなことをしようと、あたしは猫をひどく扱うことは無い。
きっとあの子に怒られるからだ。ついでに、贄殿遮那も左手に持ち替える。これで右手が空いた。



659 :まひるの星は琥珀色に -dolls and humans- ◆2G4PiPq.z. :2008/01/21(月) 20:20:59 ID:2OmJuwH3
「さて、と。なのは――」

そうして、薄暗い部屋の中。あたしは溜め息を吐きながらなのはに向き直った。勤めて冷静に。
そして。

『アリサさん、だめ――!』
「――歯ぁ食いしばれ!!!」

殴った。グーで。何の容赦もなく顔面を。腰の捻りも入れて全開で。
それこそいい音がして、なのはは盛大に地面とキスをした。よく鼻血が出なかったと思う。
普通の子供だったら失神ものだけど、なのはは普通じゃないから意識はあるだろう。
――この程度で気絶していたら、またぶん殴って起こしてやる。

『アリサさん、落ち着いて!』
「うっさい黙れルビー!
 猫はすずかの大好きな動物。それがあたしにとっての模範解答。
 今のあんたは、友達の気持ちどころか名前さえ思い浮かばない大馬鹿ってことよ!」

ああ、分かってる。自分がとんでもない理不尽な質問をしたかもしれないとは思ってる。
それでも……こんな下らないことでもよかった、なのはは自分と同じことを考えていてほしかった。
だってそうじゃない。まさか……すずかのすの字も出さないなんて、予測したくもない。
ユーノやアルフの名前は出すくせにすずかは出さないのか。
一緒にすずかの家で猫と遊んだのに――思い出すのは魔導師とか使い魔とかそんなことなのか!
けれど。なのはは倒れたまま、さらにとんでもないことをほざいてくれた。

「ああ、そうだね……すずかちゃんには、アリサちゃんから私が謝ってたのを伝え……」
『あ、アリサさん!?』

蹴った。そりゃもう本気で蹴った。
中国四千年だとか脚力向上だとか、そういった技術を全て使って倒れてるなのはを蹴飛ばした。
ボールみたいになのはは飛んで、壁に叩きつけられる。手加減なし、下手をすれば死んでいたかもしれない。
……少なくとも肉弾戦なら、今のあたしはなのはを殺せる。そういう、ことなんだろう。

「自分で謝りなさいこの馬鹿っ!!! もう知らない!」

そう叫んで後ろを向いた。ああ、視界が歪んでいる。泣いてるな、あたし。
ルビーが何か言っている。聞きたくも無い。みっともなくて、逃げ出すように走った。
そのままここから出ようとして……ふと視界の端に映ったものを見て、やめた。それを回収して部屋に戻る。
拾ってきたのははやての腕。それをなのはに向けて放り投げた。

「はやてに呪われて死んじゃえ、この馬鹿! 屑!
 あんたがどう謝ろうとしてもはやては許そうとはしないわよ、そんなんじゃ!
 あんたなんかと友達になんか――ならなきゃよかった!!!」

叫んだ。ついでに八つ当たりで贄殿遮那を床に叩き付けた。
なのはの表情は見えない。涙で目が滲んでまともに前も見えやしないし、見る気もない。
この会話で、よく分かった。なのはが帰ってちゃんと暮らす気がないのは。
――なのはがあたしとすずかとのなんでもない平穏な暮らしを捨てたいっていうのは、よく分かった。
だったら、もう話すことなんて無い。はやての腕に謝らせても無駄だ。天国で泣いてるに決まってるから。
ここにいる理由も無い。あたしはもう絶対ここには来ないだろう。
何もかもがむかつく。とんでもない馬鹿だったなのはも、みっとくなくキレたあたしも、
何か言ってるルビーも、ポケットでカチャカチャうるさい金属音も。
ムシャクシャしたから金属音の原因をなのはに投げつけて――あたしはその場を後にした。

            ※      ※      ※             


660 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/21(月) 20:21:16 ID:ELu8NK9s
 

661 :まひるの星は琥珀色に -dolls and humans- ◆2G4PiPq.z. :2008/01/21(月) 20:22:05 ID:2OmJuwH3
私は洗面台に戻っていた。髪の毛を回収するためだ。
元々、私は体の中にあるナノマシンのお陰で怪我の治りが異常に早い。
ましてやトランスなんて、基本的に質量保存なんて無視したものばかり。
自分の一部である髪の毛には、切り離してもナノマシンが存在する。それをもう一度くっつけなおすなんて簡単だ。
ナノスライサーやゴールドラッシュの使用を考えれば、戦闘ではくっつけておいた方がいい。
とはいえ私の姿を見られている可能性を考えて、今のところは一応切ったままにしておくけれど。
ひとまず髪の毛だけランドセルにしまい込んで、その他は元通り隠して。

「……泣き声?」

そこで気付いた。誰かが泣いている。
身を隠しながら廊下を見ると、泣きながらアリサが走り去っていくのが見えた。
別に不思議には思わなかった。高町なのはが突き放したんだろう。ひどい言い方で。それでアリサが泣いた。
可哀想に。あんな奴といるからこうなったんだ。けど……

――私には、関係ないこと。

私はアリサを放置して工場を出た。単純な話だ。アリサを殺す理由が無い。
人形なんだから、命令が無い限り動かない。けれど――

「高町、なのは」

彼女は違う。同じ人形でも、あんな人形は許さない。
人形になることそのものが救いだなんて在り得ない。そんなことは認めない。認められない。
彼女だけは、自分の手で否定する――絶対に。

【A-3/工場外/1日目/真夜中】
【イヴ@BLACK CAT】
[状態]:左腹部に銃創(処置済み・回復中)、全身に小程度の打撲(回復中)、疲労感中
[服装]:ゴロンの服
[装備]:スタンガン@ひぐらしのなく頃に、バトルピック@テイルズオブシンフォニア
[道具]:支給品一式×7(水と食料少々減)、アタッシュ・ウェポン・ケース@BLACK CAT、
神楽の傘(弾0)@銀魂、 、魔晶石(15点分)、テーザー銃@ひぐらしのなく頃に、
ロボ子の着ぐるみ@ぱにぽに、 林檎10個@DEATH NOTE、勇気ある者の盾@ソードワールド、
ドラゴンころし@ベルセルク 、エーテライト×1@MELTY BLOOD、ころばし屋@ドラえもん、
小銭入れ(10円玉×5、100円玉×3)、胡蝶夢丸セット@東方Project、
 エルフの飲み薬×1(1/4程消費)@ドラゴンクエストX、自分の髪
[思考]:……馬鹿な子。
第一行動方針:「主人役」を探す。ひとまずはこのエリアから出る。
第二行動方針:「主人役」にはできるだけ他参加者の抹殺を進言し、なるべく早く全ての戦いを終わらせる。
第三行動方針:ブルーはもうどうでもいい。見つけたら殺す?
第四行動方針:高町なのはを追い詰める。アリサは放置。
基本行動方針:マーダーチームの戦闘要員として行動し、最後の最後に「主人役」に牙を剥いて優勝する。
         そして全てを忘れて、元の世界に戻る。
[備考]:第一回放送をまともに聞いていません。髪を切りました。
    ブルーが「4歳児の姿」になるのは、ブルー本人が持つ特殊能力だと信じています。
    ゴロンの服の特性に気付いていません。

            ※      ※      ※             


662 :まひるの星は琥珀色に -dolls and humans- ◆2G4PiPq.z. :2008/01/21(月) 20:22:48 ID:2OmJuwH3
「う……げほっ、げほっ」

思わず、咳き込む。
凄く、痛い。アリサちゃんは何か特別な力を持ってたみたいだ。
あのデバイスみたいな杖。あれがアリサちゃんに力を与えているんだと思う。

――じゃあ、私はいらないよね。自分で戦えるんだから。

アリサちゃんは私と一緒にいちゃいけない。さっきの戦いもそう。
アリサちゃんが割って入らなかったら自分の身体で攻撃をわざと受け止めて、
その隙に相討ちで相手を倒すことが出来たのに。運が悪ければ私も死んじゃうけど……いや。

「それは、駄目なのかな。
 私はまだ生きてないといけないから……」

そう。
残っている参加者全てを集めて、ジェダを倒す。その際殺し合いに乗っている参加者を全て取り除く。
少しでも多くの人を生き残らせるようにする……そうしないといけない。そうじゃないといけない。
たった一人を救った程度で私が許されるなんてことは、絶対にないんだ。

「ね、そうだよね? はやてちゃん」

そう言って、笑いながらはやてちゃんの腕を触れる。冷たくなっちゃったね、はやてちゃん。
しまい込もうとして、脇に六角形の金属があるのに気付いた。アリサちゃんが投げていったようだ。
拾い上げてみると、なんとなくだけど……からだが楽になるような気がする。
行動する上ですごく便利だ。だけど……

「駄目だよ、アリサちゃん。
 私のことなんか、嫌いにならなきゃ駄目だよ……」

悲しくなる。
これを渡していったってことは、アリサちゃんはまだ私を助けたいと思ってるってこと。
アリサちゃんは私を憎んで、私が死んだ時悲しまないようにしないといけないのに。

ランドセルを拾い上げる。どうやらひめ(多分イヴと同一人物なんだろう)は地図とかを残していったみたいだ。
他の道具は惜しいしかなり不利になったけれど……それでも殺す。殺さないといけない。
それが、はやてちゃんを殺してしまった私に出来る償い。
罪を犯した私は、罰を受けないといけない。アリサちゃんやすずかちゃんと楽しく過ごすなんて、許されない。
さあ、早く殺さないといけない相手を探さなきゃ。それが私の罰。それが贖罪。
それだけしてやっと、私は少しだけ許される。それだけが、私の目的。
どれだけの人が殺し合い乗っているのかは分からない。
けど、そういった人を殺せば殺すほど0に近づくのは確かだろう。


663 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/21(月) 20:23:08 ID:ELu8NK9s
 

664 :まひるの星は琥珀色に -dolls and humans- ◆2G4PiPq.z. :2008/01/21(月) 20:23:30 ID:2OmJuwH3
痛みなんて感じちゃいけない。自分の身体は形だけの細工だと思えばいい。
以前の暮らしを望んじゃいけない。罪人の自分は人並みの生活なんて送れない。
でも、アリサちゃんやすずかちゃん、お父さん達が悲しむのは困るかもしれない。
私なんかがいなくなって悲しむことなんかないのに。私はヒトゴロシなんだから。
そうだ、私は人形だと思うことにでもしよう。血管は一本ずつチューブになって、
血液は蒸気のように消えていって、心臓も脳も形だけの細工になる。
そうなれば思い出も、ただのユメ。痛みも感じずに戦い続けられる。
例えるならガードマシン。特定の相手にだけ反応して殺す機械。私はそうなってしまえばいい。
それならアリサちゃんたちが、お父さんや皆が悲しむことも無い。だって物が一つ壊れただけなんだから。

ほら、そう思えば。
もう悲しくも、ない。

そのことに気付いて。私は、久しぶりに心の底から、笑えた。
例え、それがただの思い込みだったとしても――それはきっと、私にとって救いだったと思う。

【A−3/工場内部(仮眠室前廊下)/1日目/真夜中】
【高町なのは@魔法少女リリカルなのは】
[状態]:僅かな残存魔力、軽度の耳鳴り・聴覚への衝撃による頭痛、両手首から軽く出血、
    頬骨にヒビ、アバラ一本にヒビ、精神負担極大(破綻寸前)
[装備]:ミニ八卦炉@東方Project、クロウカード×1(翔)@カードキャプターさくら
    ヘルメスドライブ@武装錬金(破損中・核金状態、使用者登録者アリサ)、
[道具]:エーテライト×2@MELTY BLOOD、はやての左腕、支給品一式
[思考]:早く見つけて、殺さないと。
第一行動方針:アリサに気付かれないようにこのエリアを脱出。
第二行動方針:少なくともこの殺し合いが終わるまではヴィータを完全に行動不能にする。
基本行動方針:ジェダを倒して生き残りで脱出。自分は危険人物を全て単独行動で殺す。


            ※      ※      ※             



665 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/21(月) 20:24:03 ID:ELu8NK9s
 

666 :まひるの星は琥珀色に -dolls and humans- ◆2G4PiPq.z. :2008/01/21(月) 20:24:41 ID:2OmJuwH3
アリサに逃げられた私達は、ひとまずベッドに腰掛けて食事を取ることにした。
適度な休憩と食事は、行動する上では重要。睡眠は……もう取ってあるかな。
もっとも、ヴィータは気に食わないらしくてキャンキャンがなりたてているけれど。

「まともに話聞く気あるのかよ! まず食うのをやめろ!」
「だって喉が渇いたもの。おなかも空いたし。あなたは空かないのかしら?」
「そういうことを聞いてるんじゃねえ!
 情報を持ってるアリサを殺そうとしたことはどう言い訳すんのかって聞いてんだよ!」
「ふーん、それで?」
「……ああそうかよ。そうやって余裕こいてろ。
 いい加減、お前をここで殺してアリサに会いにいった方が手っ取り早いって思っていいよな?」
「――彼女と再び会える保証はあるのかしら?
 そもそも……彼女が今のあなたに情報をくれるのかしらね? 友情を裏切った、あなたに」
「……こ、の」
「あなたに対して持っていた好意。それがそのまま憎悪にひっくり返ったなら……
 例え拷問されても彼女はあなたに手を貸そうとはしないと思うけど?」

剣を突きつけようとするほどの勢いも虚しく、彼女はあっさり言葉に詰まった。
元々、私とヴィータの同盟関係は契約によるもの。信頼?友情?そんなものはどこにもない。
あくまで互いの利害が一致するから組んでいるだけ。そこに感情は不要なもの。
同盟を続けるにはそれを確認させればいいだけの話。
彼女の「利益」は目の前から消えた。残っている利益は私だけ。それが事実。
……とはいえ契約履行そのものを疑われてはどうしようもないから、餌くらいあげよう。

「そうね、でも悪いとは思うわよ?だから先払いで、一つだけヒントをあげる。
 ――八神はやての遺体は、腕以外消滅したの」
「な……!」
「それだけのことができる人間が彼女を殺したっていうこと。ヒントになるわよね?」

ヴィータの表情は一瞬にして困惑に変わった。それも当然。
彼女はそれが出来る人物に思いあたりがいるのだろう。そしてそれは多分正解。
けれど――この場には多種多様な人間がいる以上、これは断定するには小さすぎるピース。
彼女が確信に至るには遠く及ばない。

「悪いけど今教えられるのはそれだけ。今は何を聞かれても正解は教えないわ。
 正解を教えるのは朝になってから――それまではちゃんと働いてちょうだい。
 少なくとも、今更殺しを躊躇ったりはしないでしょう? だってあなたは、友達も殺そうとしたんだから」
「……く……」

まるで歯軋りが聞こえるよう。もっとも、殺すようにけしかけたのは私だけど。
それもこの結果を見越したため。友人を殺そうとした事実、それ自体が彼女に後戻りを許さない。
そして彼女はより私の意のままに動いてくれるようになる。計画通り、と言ったところかしら?


667 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/21(月) 20:25:02 ID:ELu8NK9s
 

668 :まひるの星は琥珀色に -dolls and humans- ◆2G4PiPq.z. :2008/01/21(月) 20:25:30 ID:2OmJuwH3
「それじゃ、少し休んでから出発しましょうか」

そう言って、私はパンを頬張った。運動をするとおなかが減るし。
もっともヴィータは食事をする気はないみたい。感情を整理するのに必死なようだ。
もし私が正解を――現実を伝えた時彼女はどうなるんだろう。
怒り狂う?それとも驚愕に打ちのめされる?
どちらにせよ、そんな動揺した人形を扱うことなんて――簡単なのだけど。

【B-3/廃病院/1日目/真夜中】
【三宮紫穂@絶対可憐チルドレン】
[状態]:精神汚染。
[装備]:邪剣ファフニール@TOS、ワルサーPPK(銀の銃弾5/7)@パタリロ!、七夜の短刀@MELTY BLOOD
    ショックガン@ドラえもん
[道具]:支給品一式×3(水1.5人分パン二人分弱−一食)、デスノート(ダミー)@DEATH NOTE、
     血濡れの庭師の鋏@ローゼンメイデン、きんのたま@ポケットモンスター、包帯、
     双葉の肉片セット
[服装]:病人着
[思考]:せいぜい踊りなさい、お人形さん?
第一行動方針:利用できそうな仲間を探す
第二行動方針:参加者の復讐心や不和を煽る。
第三行動方針:邪魔者は消す。
基本行動方針:扇動、ステルス、実力行使、あらゆる手段を用いて殺し合いを加速させて楽しむ。
備考:紫穂は朝の放送ではやて殺害犯のことをヴィータに教える約束をしています。

【ヴィータ@魔法少女リリカルなのは】
[状態]:「ヒント」に動揺、両腕に痺れが残っている、左足に火傷跡、左手爪全剥(痛みは減衰)
[装備]:祈りの指輪@DQ、フランヴェルジュ@テイルズオブシンフォニア
[道具]:基本支給品(食料・水二人分−1食)
    ぬのハンカチ×20(即席ロープ)マシカルアンバーミサイル×6@メルティブラッド 、
    救急箱、はやて特製チキンカレー入りタッパー、
[服装]:普段着(ドクロのTシャツ、縞模様のニーソックス等)
[思考]:いくらなんでも、そんなこと……
第一行動方針:一先ず紫穂に従う。
第二行動方針:はやてを殺した犯人を見つけ出し、殺す。
基本行動方針:もうどうでもいい。
備考:「ヒント」からはやてを殺したのがなのはかもしれないとは思っていますが、
   少なくとも決め付けるのはまだ早いと思っています。

            ※      ※      ※             


669 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/21(月) 20:25:38 ID:tigJek40
厨メ見てたら昔のことを思い出して背中がむず痒くなった
今思えばあの時の友は厨二病だったなぁ…
(天使の羽や黒背景や血やグロなんかをサイトに使いまくる・オフ友に欲しくない名前変換小説のリク権進呈)

今もだけどorz


670 :まひるの星は琥珀色に -dolls and humans- ◆2G4PiPq.z. :2008/01/21(月) 20:26:28 ID:2OmJuwH3
ずっと思ってた。
なのは達ってすごいなって。なのは達の戦いを見てからずっと。
ここに来てひょんなことから魔法の力を得ても、それは変わらなかった。むしろ、強くなった。
レックスにぼっこぼこにされたのも理由だったんだろう。
きっと本気のなのは達は今のあたしよりきっともっと凄いんだろう、そう思った。
たまたまひょんなことからあっさり力が手に入るなんてことを信じるほど、あたしは子供じゃなかったからだ。
例えるなら、なのは達は夜空の星だった。あたしがスペースシャトルに乗っても、そう簡単には届かないユメ。
はやてが戦えなくても変わらない。むしろ話を聞いて納得いった。
デバイスっていう道具があれば、なのは達は本気で戦える。
そうすればきっとジェダなんてあっさりやっつけて皆で帰れる。
なのはもいる、フェイトもいる。はやてだってヴィータだっている。簡単だ、この四人が負けるはずがない。
そう、思ってた。子供らしくヒーローを信じてた。凄い友達が助けてくれるって。
あたしはあくまでその手助けをするだけだって、そう。

けれどユメは破れて、あたしは現実を知った。
結局、みんなあたしと同じただの人間だったってことを。

【A-3/1日目/真夜中】
【アリサ・バニングス@魔法少女リリカルなのは】
[状態]:全身に軽い火傷(右腕・顔は無事)、左腕から出血(打撲、軽度)、背中から出血(切り傷、深い)
    上記の怪我は全て応急処置済み。精神負担大、疲労中
[装備]:贄殿遮那@灼眼のシャナ、カレイドステッキ@Fate/stay night
[道具]:なし
[服装]:チャイナドレス
[思考]:…………。
第一行動方針:もうなのは達には頼らない。自分がはやての遺志を継いでなんとかする。
基本行動方針:ゲームからの脱出。


671 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/21(月) 20:26:35 ID:ELu8NK9s
 

672 : ◆2G4PiPq.z. :2008/01/21(月) 20:27:16 ID:2OmJuwH3
投下終了です。支援ありがとうございました。


673 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/21(月) 20:59:01 ID:ELu8NK9s
投下GJ。もうなんか全員病み過ぎててやばい。
一人だけ現実と戦ってるアリサが肉体的にも精神的にもボコボコにされているのが痛い……。
あれだけ頑張ってもなのはにもヴィータにも力も想いも届かなかったか……。アリサ頑張れアリサ。
イヴとなのはの人形の対比も良かった……というか怖え。
まさかイヴのほうが人間らしいと思うことがあるとは思わなかった。
紫穂の外道っぷりとか戦闘描写とかも面白かったです。
ああ、どいつもこいつもなんか真っ黒だよ!実に素晴らしい殺伐空間だ!

674 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/21(月) 21:10:47 ID:4gIR0EHD
投下GJ。
アリサ……。
アリサの心情を考えると鬱だ。猫じゃなくて夢魔だけど。
みんななんかもう駄目だな…。
唯一の清涼剤アリサもやばい。
死人が出るんじゃないかと緊張したw
なのはさんの殺害数が更に増えそうな良展開でした。GJ!

675 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/21(月) 21:21:20 ID:UbBaQKmu
死者0なのに何という殺伐展開……GJ!
イヴもなのはも行き着くとこまで行き着いた感じ、これからの行動に期待
ヴィータは相変わらず軽くあしらわれてんなーw


676 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/21(月) 22:05:58 ID:wW4Mkdtp
投下乙でした。
話が進むたびに「もうどん底じゃね?」とか言われてたなのはさんですが、
これ以上ないとこからさらに落ちる姿にドキドキです。

そういえば、ヴィータが「なのはさん修羅ルートフラグ」踏まなければ、はやて生きてたんじゃね?

677 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/21(月) 22:08:49 ID:ltVX9n31
うわ……「こんなに早く出会って大丈夫なのか!?」と思ったら、この殺伐展開……。
本当に救いが消えたな……。
なのはもアリサもヴィータも、自分のためじゃないから余計に痛い。GJ。

さりげなく気になるのは今後のイヴの行方かな。果たして主人を見つけることができるのか。

678 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/21(月) 22:25:06 ID:3hgF73kh
投下GJ。
なんというリリカルカワイソス。グルグル組の温泉やスケベ称号を分けてやりたいぐらいカワイソス
なのはさんにぞくぞくしました。いいぞ!もっとやれ!
アリサが殴るシーンが怖かった。いつ殺られるん(ry
イヴとヴィーダ組とトマから情報が伝わってるレックスは逃げてー!

イヴの周りに誰がいるかなと思ったけど、そんなにひといないな。
タワーか塔辺り?展開が気になる。

679 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/22(火) 00:17:38 ID:g7BNYqR1
投下乙
なのはとエスパーの病み具合に萌えますた
エスパーは剣のせいでもあるけど、なのはは素だなんて・・・!

680 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/22(火) 00:26:08 ID:GZraCi73
「もうどん底じゃね?」
この書き込みを見たのは何度目だろうか?w
手を変え品を変え改心フラグも(少なくとも今回は)ボキリと折れたと。
このもがきっぷりがいいぜ……。

681 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/22(火) 00:40:09 ID:gLpvbNZV
すでに自分の死を望むとこまで来ちゃってるからなぁ、なのはさんは。
今のところ、改心する理由がない。
フェイトが生きてれば、愛の力でどうにかなったかも知れんがw
つくづく、あそこでヴィータがお約束のセリフを言わなければ、と思わずにはいられないな。
時間も一気に真夜中まで進んだし……さすがにもうどん底じゃね?

682 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/22(火) 00:53:39 ID:g7BNYqR1
もう真夜中なのか。
書き手のなのは人気は異常ww
タワーや街や病院の戦闘は、一段落すんでるころだよなー

683 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/22(火) 01:00:29 ID:syUXJGSa
>>682
真夜中になってるね、気付かなかった。
現在他の話が全て【夜】枠なのに【夜中】枠をすっ飛ばして【真夜中】にすると整合の関係でキツくなると思うので、
【夜中】にしてはもらえないでしょうか。他のキャラがこの地域に近付いてきたり大きな音が鳴った場合にすごく困る。

684 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/22(火) 01:05:36 ID:Wi5R57rp
なんという修羅……なんというセイギのミカタ……
それでもレイジングハートなら……レイジングハートなら何とかしてくれる……

685 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/22(火) 01:10:33 ID:GZraCi73
>>683
確かに整合性はきついけど、今回の話はヘルメスドライブのチャージとなのはの睡眠時間(これはいざとなれば削れるだろうけど)
の兼ね合いを考えると時間的には真夜中のほうが自然だとも思う。展開的に夜中でも無理ではないけど……どうだろう。
今のところ工場廃病院の周りにいるのがタバサ、蒼星石、ミミ、インデックス、リンクか。うーむ。


686 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/22(火) 01:30:19 ID:0opbMDDy
のび太の話聞いたタバサたちはおそらく北東市街に行くだろうし
インデックスは長時間気絶してたらしいからリンクへの伝達も遅くなるかもしれないし
多分、大丈夫

687 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/22(火) 01:52:41 ID:CHCuwH9y
ああ、欝だ。欝過ぎる。
このまま偽悪者になっていくんだろうか?

688 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/22(火) 02:38:19 ID:6f43jvp+
なんという鬱
なのはさん、イヴ、琥珀さんの対比が面白かったです、GJ!

689 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/22(火) 10:18:32 ID:vAm6El5v
流石だぜなのはさん。イブにさえ否定される生き様とは・・・・w
なにはともあれGJでした

690 : ◆xncBWD4TMo :2008/01/22(火) 10:54:58 ID:84LHtrk7
リンク で予約します。今度こそ…

691 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/22(火) 12:53:25 ID:g7BNYqR1
楽しみにしてます。

どうでもいいけど、もう200話は突破したよね。
数にすると凄いなぁ。

692 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/22(火) 17:23:01 ID:bPv9o5Iv
大丈夫だって。











一年留年しても

693 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/22(火) 17:23:42 ID:Is1CEsoo
超炉簿の狂助信者と悪競る信者。
ネタバレスレでバレが来る度に喧嘩するな。
調子に乗って他キャラまで叩くな。

狂助信者:踏み台の悪競るざまあwww狂助主人公マンセー。流星編やる価値無し(前作)
      「…こういう踏み台行為はマジで良くないと思う」(続編)→お前らが言うな
悪競る信者:悪競る死亡なんて後味が悪い!踏み台にした狂助(相棒含めて)市ね!!(前作)
       復活確定バレ→他にも復活キャラ付き(幼女付き)「あいつらはあのまま
       死なせた方が幸せだった」(続編)→他キャラの幸せがどうとかまで言われたくない
       狂助より扱いが良いので調子に乗って狂助がいかに弱いか馬鹿にする
       →同じことやって正当化するなボケ

普段から炉簿の性能や台詞の多さでの対立がやたらと起こるが
前作からこいつらが暴れているのがやたらと目立つ。
携帯超炉簿で荒れそうな作品があと2作はあるから疲れる。
据え置きでも荒れそうな要素あるけど携帯のキャラ厨はかなり濃いな。


694 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/22(火) 17:43:18 ID:XNNBtQrS
アリの巣コロリってあるじゃん。
蟻の行列にポンと置くと、一瞬ビックリして列が乱れる。
邪魔だなと言わんばかりに迂回する列が出来る。
そのうち好奇心旺盛な一匹がアリの巣コロリに入る。
そいつをマネして何匹も入る。
毒とも知らずにツブツブを運び出す。
一匹が一粒づつ。
いつのまにか行列はアリの巣コロリが折り返し地点になる。
黄色い粒と黒い蟻が作り出す模様は綺麗で見てて楽しい。
一匹が一粒づつ、丁寧にせっせと毒の粒を運ぶ。
せっせと、せっせと、せっせと、せっせと。
蟻さんって働き者だなと思う。
俺も頑張らなきゃなと思う。
次の日、あれほど沢山いて俺を困らせた蟻が一匹もいない。
ほんとにいない。
探してもいない。
泣きたくなった。





このレスを見た人は4日後にあなたの大切な人がいなくなるでしょう・・・・
それが嫌ならこのレスを5つの板にコピペしてください。
信じるか信じないかはあなた次第です。


695 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/22(火) 17:55:55 ID:gNml/aYS
懐かしいコピペを

696 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/22(火) 18:52:14 ID:GZraCi73
>>690
期待。

>>691
第一話が投下されてから一年経ったなあ。
このときは自分が書き手になるとは思ってなかったぜ…。

697 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/22(火) 22:07:55 ID:U2dnhO4P
一日遅れで投下GJ。

なのはの思考がもうやばいな……
他人のためという思考の筈なのに、
最後の辺りは一周して自己満足になってるのがなんともカオス。

698 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/22(火) 22:21:52 ID:KTlMPbwr
>>684
レイハさんも病み気味ですが
ここの書き手、ホントになのはキャラに容赦ないわーw
それも某2ndとは違ったベクトルでw

699 :名無しさん@お腹いっぱい:2008/01/22(火) 23:02:04 ID:ilggC9Mt
まとめwikiの「刀銀十字路」のページなんだけど、
シャナのSSをよむのリンクで「刀銀十字路」の次が「血と涙がまだ足りない」になってる。


700 : ◆2G4PiPq.z. :2008/01/23(水) 00:16:32 ID:faop6jOV
修正スレに一部修正を投下しておきました。

701 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/23(水) 00:26:14 ID:Mhk0n8rN
素早い対応乙。
修正スレ>>172のほうは、ヴィータがはやての腕かどうか分かっていないようなので、
本スレ>>666-667の紫穂ヴィータの最後のやり取りに齟齬が残っているかと思います。

702 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/23(水) 04:39:08 ID:udbSDbZJ
――体は星で出来ている
血潮は蒸気で、心は細工
幾度の惨劇を越えて不屈
ただの一度も迷うことなく、
ただの一度も理解されない
彼女は常に独り、砲の跡で殺戮に酔う
故に、思い出に意味はなく
その体は、きっと星で出来ていた

703 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/23(水) 07:41:37 ID:xqcCNNBZ
今現在「放送後」が書かれていないキャラは…
ククリ、ひまわり、ニケ、一休、タバサの五人かな。意外と多い。

704 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/23(水) 07:59:29 ID:EYqIBaGp
パタリロも確か夕方。
ククリは、街に人が集まる時に描写を入れれば問題ないけど。
タバサも寝てたらw蒼星石が戻るときに、描写入れたら平気そうだな。

705 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/23(水) 12:37:48 ID:EH6R2uOp
駄フラグゲッターな勇者に期待するしかねな。

706 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/23(水) 15:40:20 ID:wpDBMOWJ
いつも萌え語りばかりなのに珍しく愚痴っていた。
何やら仕事でいつも小言ばかりのお局様がいるらしい。我慢していたがついにブチ切れたらしく復讐してやると書いていた。
おいおい……と思ったら
『仕事場に二時間早く行き、徹底的に掃除してやった。その後人が来る前に一度出て何食わぬ顔で出社。
『なんか今日仕事場綺麗で気持ちいいわね』
フフフ、気持ちいいか。貴様の嫌いなやつに知らないうちに気持ち良さを味あわせてもらう気分はどうだ。思う存分気持ちよがるがいい!!』

アホスwww


707 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/23(水) 16:52:37 ID:G2tTmi94
支援用組曲ができたから、投下しとく。
ttp://www.nicovideo.jp/watch/sm2115412

ほとんどなのは関係になってしまった。
おまけに、あんまり音程があってないや・・・・・・。

708 : ◆2G4PiPq.z. :2008/01/23(水) 17:10:45 ID:faop6jOV
>>701
了解です。修正版を投下しておきました。

709 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/23(水) 17:58:42 ID:a4as/jmc
ニコニコみれねぇ

だが感謝する!

710 :名無しさん@お腹いっぱい:2008/01/23(水) 18:00:40 ID:i/1Gd7QI
>700
修正されているのを確認しました。ありがとうございます。

711 : ◆sUD0pkyYlo :2008/01/23(水) 20:00:06 ID:npDszrsD
>>707
乙です。ところどころニヤリとしてしまう歌詞がw

ククリ、ひまわり、トリエラ、リルル  以上4名予約します。


712 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/23(水) 20:14:59 ID:Mhk0n8rN
>>708
修正乙です。

>>707
カオスwww けど歌詞聴いてるだけで色んなものが脳裏に浮かんだ、GJ。

>>711
ついに着火準備ktkr

713 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/23(水) 21:25:06 ID:EYqIBaGp
>>711
ついに街が動くか!
ククリとリルルが気になる所。
楽しみにしています。

714 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/23(水) 21:29:18 ID:hYga2m6g
ジェバンニが一晩でやってくれました。
200話達成記念MADです。
ttp://sakuratan.no-ip.org/up/src/up2657.wmv.html
DLKeyはLSです。
読み専ですが、いつも楽しませてもらってます!

>>707
幸薄いはやてさまに吹いたw

>>711
これは期待!

715 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/23(水) 21:44:20 ID:Mhk0n8rN
>>714
さすがジェバンニだ、Sugeeeeeeee!
退廃的って言うのか、とにかく雰囲気良すぎ。
最初のみなみけとガーゴイルのシーン見ただけでニヤニヤしちまったw
いや、このロワの雰囲気が実に良く出ていて素晴らしい。
中盤の「罪と罰」のところでおぉって唸ってしまった、超GJ。
今日はいい日だ、てかMAD作れる人こんなにいたんだなあ。


716 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/24(木) 01:13:09 ID:MgN4qrUU
>>707>>714
お二方とも超GJです!!
今までのこと思い出して吹いたり、シリアスな雰囲気に見入ったり素晴らしかったです。

>>717
ついに戦地になりそうでこわい街が動き出すのかな、楽しみにしてます。

717 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/24(木) 01:47:43 ID:2nr1qu7+
イヴ→人形になっていたい
なのは→人形になってしまいたい

718 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/24(木) 02:31:42 ID:qnrMhsbA
お二人ともGJ
>>707
笑わせてもらいました
>>714
うますぎる、最後とか鳥肌立った

719 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/24(木) 02:45:51 ID:0ER6a9rn
>>714
GJGJッ! カラスとか血とかすごくロワらしくて美しかったです。

720 : ◆xncBWD4TMo :2008/01/24(木) 22:29:48 ID:BpdHFhwr
テスト投下スレに リンク を投下しました。
ひぐらしにあまり詳しくないので祭具殿の中は想像で、というかほぼ曖昧に書いたつもりです…
祭具殿の事で間違ってるところがあったり、何か指摘等ありましたら遠慮なくお願いします。

>>714
とてもGJです! 感動して何度も聴いてしまいました。
ニコニコ見れないので>>707が見れないのが無念…

721 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/24(木) 23:03:20 ID:zF6Z4nyX
仮投下乙
問題はないと思います。

リンクは思考がファンタジーだなww
そういう世界の人間だから仕方がないんだろうけど。
感想は本投下の時に。

722 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/24(木) 23:39:16 ID:cScT+QqY
仮投下乙。同じく問題はないかと。
感想は本投下時に。

723 : ◆xncBWD4TMo :2008/01/25(金) 00:13:41 ID:rEOkjlUa
問題ないようなので、これから本投下いきます。

724 : ◆xncBWD4TMo :2008/01/25(金) 00:18:12 ID:rEOkjlUa
タイトル『彼女の意思を継いで僕は……』


ザクッ、ザクッ、ザクッ……。

神社の本殿のわきにある土場。乾いた土が次から次へと削り取られる音が聞こえる。
ただでさえ木々が生い茂り薄暗い空間、その薄闇の中でリンクはひたすら穴を掘っていた。
何のための穴か、といわれれば言うまでもない。

「ごめんね……ごめんね……梨花、ちゃん……」

本殿に偶然置いてあったスコップを土壌に差しながら、悲痛な面持ちでリンクは呟く。
リンクのそばにある縁側には、さっきまで元気な笑顔を見せていたはずの梨花が横たわっていた。
ジェダに対抗できる勢力が徐々に集まりつつある現状に希望を見出していた梨花。
彼女は辛い現実と向き合いつつも、決してめげることなくいつも活気に満ちた笑みを浮かべていた。
その笑顔にリンク自身、何度も心洗われただろう。
梨花はもう動かない。もう何も喋らない。
「にぱー」と言いながら満面の笑みを浮かべる彼女の顔は、もう見られない。
夜の空気に晒されてすっかり冷たくなってしまった梨花の体は、二度と温もりを帯びることは無い。


自分が守ると誓った少女が、あまりにもあっけなく死んでしまった。
それがリンクにとって、悔しくてたまらなかった。
ただ悔しいだけならまだよかった。
乱太郎の時のように殺し合いに乗った人物に襲われて、決死の想いで挑んだけれども結局救えなかったのなら、納得いかずとも踏ん切りがついたのかもしれない。
自分の力量不足が原因で悲しい結末を迎えてしまったのだから、潔く諦める他無かっただろう。
それ以上望みのある展開など無かったのだから。


725 : ◆xncBWD4TMo :2008/01/25(金) 00:20:23 ID:rEOkjlUa
だが、今回の場合は違う。明らかに自分の判断ミスによるものだ。
インデックス達が去った後、武器を探しに祭具殿へ行かず、先にエヴァの存在を確かめていれば。
馴染みのある建築物だからと単身で鍵を探そうとした梨花に無理にでも同行していれば。
……まだ幼くか弱い梨花に代わって、幾度となく身辺の危機を経験してきた自分がしっかりしていれば。
哀の時もそうだったが、自分は結局何も出来なかった。

「あのとき僕がついて行けば梨花ちゃんは……糞っ!!」

激情のままにスコップを地面に突き立てる。スコップを握る手がぶるぶると震える。
怒りは専ら、自分に対して、だ。
当然、梨花を殺したエヴァも憎いが、それ以上にリンクは己の愚行が許せなかった。
一瞬の気の緩みがその後の悲劇を導く、ここはそんな世界だったのに。
リンク自身もそのことに関しては十分理解していたはずなのに。
梨花を残すことがどれほど危険なのか、先の一休との戦闘で身を持って体感したはずなのに――――――。


絶えずこみ上げてくる自責の念に捕らわれながらも、リンクはようやく穴を掘り終えた。
それは少女一人がすっぽり埋まってしまうであろう、小さな穴だった。
土で汚れた衣服には目もくれず、リンクは最早動かない梨花の方へと歩み寄る。
その小さい手を握ると、とてもとても冷たかった。

その冷たい感触に触発され、リンクの体はまた悲しみに震える。
やりきれない想いがうずうずと募り、再びリンクの心を蝕んでいく。
やっても意味の無い仮定を繰り返しながらも、リンクは現実の非情さを忘れられない。
決して救えないわけではなかった少女の亡骸を見つめ、

「ごめん……ね」

リンクはただ謝ることしかできなかった。
それだって意味の無い謝罪だと分かっていても。

改めて梨花の死を認識し、リンクはまたむせび泣いた。



*   *   *


726 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/25(金) 00:22:17 ID:gkdKfnvB


727 :.:2008/01/25(金) 00:54:35 ID:1UxAKpKW


728 :代理投下:2008/01/25(金) 00:56:48 ID:1UxAKpKW
371 名前: ◆xncBWD4TMo[sage] 投稿日:2008/01/24(木) 22:17:00 ID:IKBC9ZxU0



梨花を埋葬した後、リンクは祭具殿の前に立っていた。
梨花が最後にやろうとしていたこと。この中にあると思われる武器を手に入れるためだ。
扉には南京錠が掛かっていたが、その鍵と思しきものは既に手中にある。
本殿の中を必死に探し回ったあげく、とある部屋の引き出しの中から発見したものだ。

この鍵が祭具殿を開けるためのものだという保証は勿論なかったが、他にそれらしきものも見当たらなかった。
これがダメならまた神社内を探す羽目になる。
最悪、エヴァが持っていたランドセルに入っていた爆弾を使って強引に開けることも考えていたが……その心配は杞憂に終わった。
錠前に鍵を差込み回すと、カチャッと音が鳴り、難なく外れたのだ。

「この中に武器が……」

扉を開けずとも感じられる威圧感。
それはちょうど、ボス部屋に続く道を開いた時に感じるものとどこかしら酷似していた。
初めてデクの樹サマの中に潜んでいたゴーマと対峙した時なんかは、相手の未知なる力に酷く恐れをなしたものだ。
今の心境もそれと似たようなものだっただろうか。
別にこの中にモンスターが潜んでいるわけでもないのに。

固唾を呑みつつ、リンクは祭具殿の扉に手をかける。
ギイと板が軋む音が響き渡り、薄闇の中に更なる闇が顔を出す。
中は真っ暗で何も見えない。当然と言えば当然だが。
後ろ手に扉を閉める前にランドセルから懐中電灯を取り出し、神聖なるこの建物の内部を照らし出す。

「うわ、大きいな……」

明かりの先にまず浮かび上がったもの、それは巨大な金色の像だった。
魂の神殿にあった巨大邪神像ほど大きくはないが、その荘厳たる立ち振る舞いには禍々しさまで感じられる。

「これが梨花ちゃんの言ってた、オヤシロ様……かな」

372 名前: ◆xncBWD4TMo[sage] 投稿日:2008/01/24(木) 22:17:58 ID:IKBC9ZxU0

梨花と出会った頃になんとなくしていた他愛も無い会話を思い出す。
なんでも梨花は古手神社の巫女を務めていたらしく、その神社ではオヤシロ様なるご神体が祭られていたんだとか。
その時は神社というものがどんなものなのかリンクにはあまりピンと来なかったが、要は自分の世界で言う神殿のようなものだ。
マスターソードを通して大人の体に成長した後、ハイラル各地の様々な神殿に赴いた経験を持つリンクには概ね想像はつく。

神社の巫女、それは自分の世界で言う神殿を守る賢者に当たるのだろうか、とリンクは思っていた。
本当は外に出たいけれども、神殿を守るという重要な仕事のため、それが一切出来ない。
梨花の場合は外に出られたみたいだが、それでも自分のやるべきことは決して怠ってはならなかっただろう。
まだこんなに幼いのにサリアやダルニアのような凄い使命を担っていたんだなあ、とリンクは感心したものだ。

「それなのに……それなのに僕はっ!!」

ぎり、と無意識に拳を握り締める。
リンクの世界にいた賢者達は誰一人欠けることなくその使命を果たしてくれた。
サリアも、ダルニアも、ルトも……皆まだ生きている。だからハイラルの平和も保たれている。

だけど、梨花の世界ではどうだろう?
神社の守り手としてはたらいていた梨花がいなくなった今、とんでもないことになっているかもしれない。
邪悪なる魔の力が蔓延し、大勢の人々が苦しみ嘆いているのかもしれない。
リンクの世界で言えば、かつてガノンドロフに支配されたコキリの森のように、ゴロンシティのように、ゾーラの里のように――――。
自分は梨花を助けられなかっただけでなく、梨花の住んでいた世界をも破滅に追い込んでしまったのではないか?


729 :代理投下:2008/01/25(金) 00:57:59 ID:1UxAKpKW
「だめだ、こんなことばかり考えてちゃ……」

頭を左右にぶんぶん振り、ネガティブな思考を振り払う。
罪の意識を痛いほど感じるも、今はぐずぐずしている場合ではない。
自分は梨花の意思を継がなきゃいけないのだから。
もう二度と梨花のような過ちを繰り返さないためにも。
それに……武器を探し出して一刻も早くここを出たかった。
ここに居る限り、自分の心が罪悪感に呑まれて発狂してしまいそうだったから……。


祭具殿の奥に行くと、なにやら色んな物が散布されていた。
懐中電灯で照らしてみると、どうやら梨花の言っていた通り、武器に使えるもののようだ。
鉄製の斧や、金属バット、先端が尖った鉈、所々錆付いた鉄パイプ、などなど……。
中にはリンクが見たことの無いような異質の代物も含まれていた。

どうしてこんなものが神を祭るための施設に納められているのか甚だ疑問だったが、リンクは敢えて考えなかった。
いや、考えたくなかったのだが、しかし新たに視界に飛び込んできたものを見て思わず息を呑んだ。

「これって、まさか……」

そこに在ったのは人型に模られた板、いわゆる貼り付け台のようなもの。
四足を拘束して身動きできなくした後で見るに耐えない拷問を加えるための。
リンクもこのテの処刑道具は一度見た事があるから分かる。
カカリコ村の井戸の底、そして闇の神殿の中に茫洋と広がっていた暗黒の世界。
鎖、牢屋、鉄格子、手錠。それは人を痛めつけるためだけに使われた空間。
木製の十字架におびただしい量の血痕が残っていた光景は、今なおリンクの脳裏に焼きついている。

「どうしてこんなものが、まさか梨花ちゃんは……いや、そんなはずないか」

一瞬頭に浮かんだ事を、すぐに否定する。
梨花がこんな人道に反する野蛮な行為をするわけがない。
神社の巫女という大層な役目があったとはいえ、梨花はまだいたいけで純粋な少女だったはずだ。
哀の死を間近に感じ、高町なのはにあからさまな怒りをぶつけていた梨花が、拷問紛いの処刑なんてするわけがない。

それによくよく考えれば、ここはリンクや梨花が住んでいた世界とは明らかに違う世界なのだ。
梨花曰く、この神社は梨花の知る古手神社とそっくりの構造をしていたようである。
だが、それはあくまでも見た目だけだという可能性もある。
外観は似ていても、細部まで全く似ているとは限らない。
あのジェダのことだ、大方この神社を模倣する際に祭具殿の中にあったものを一新していたのだろう。
そして殺し合いがスムーズに行われるように、このような武器までご丁寧に配置していたのだ。
さらには本来ありもしない拷問道具も添えておき、参加者に恐怖感を植え付ける。
ジェダならやりかねないことだ。
何故わざわざ古手神社のコピーを造る必要があったのかは皆目検討がつかなかったが。

730 :代理投下:2008/01/25(金) 00:58:46 ID:1UxAKpKW
374 名前: ◆xncBWD4TMo[sage] 投稿日:2008/01/24(木) 22:19:51 ID:IKBC9ZxU0

梨花の言っていた武器がどんなものだったのかは最早知る由もないが、少なくともこんな非道極まりないものではないだろう、とリンクは結論付ける。
いや、武器に非道もなにもないとは思うが、仮にも神を祭るための建物である。
もっとこう……神殿を守る守護者が使うそれ専用的なものだと思っていた。
そして……同時にジェダに対する憤りも沸々と湧いてきた。
梨花にとっておそらく最も大切な場所であった古手神社の祭具殿を、こんな処刑場じみた恐ろしいものにすり替えたことが許せなかった。
ジェダのあくどさは重々承知していたが、嫌がらせにも程がある。

とはいえ、今此処にいないジェダに対して延々と憎しみの念を増幅させても仕方が無い。
リンクは自分の使えそうな武器をいくつか回収し、それらをランドセルに仕舞い込むと、足早に祭具殿から抜け出した。
念のため鍵を掛けておき、中にあったものを今一度封印しておく。


もうこの中には入りたくない。ついでに言えば他の誰にも入って欲しくない。
――――中にあるものを誰にも見られたくなかった。




*   *   *




祭具殿を出た僕は再び神社の本殿へと赴き、とある一室に潜んでいた。
特に何をするわけでもない。今僕がすべきことは、ニケやインデックス達が帰ってくるのをひたすら待つのみ。
支給品の整理も、祭具殿で手に入れた武器の使い方の把握も、ばっちり終えている。
部屋の中は物音一つしない静寂に包まれていて真っ暗だけど、窓から外の様子なら分かる。
境内に誰か入れば、容易くその存在が確認できるだろう。
念のため左手に祭具殿で手に入れた斧を握りしめ、僕は外の様子を休むことなく監視していた。
背中の痛みも、もうほとんど感じない。いざとなれば、僕はいつだって戦える。




…………梨花ちゃんのことは、確かに悔しい。
悔しいどころか、自分が情けなくも思えてくる。
自分で守ると誓っておきながら、結局梨花ちゃんを助けられなかったのだから。

731 :代理投下:2008/01/25(金) 00:59:33 ID:1UxAKpKW
375 名前: ◆xncBWD4TMo[sage] 投稿日:2008/01/24(木) 22:20:41 ID:IKBC9ZxU0
でも、梨花ちゃんの死をいつまでも未練がましく反芻しているわけにはいかない。
もう起きてしまったことは変えられない。ここには時の歌なんて便利なものはないのだから。
僕は梨花ちゃんの意思を継いで、このゲームを破壊しなければならない。
あのにっくきジェダを倒して、梨花ちゃんみたいな善良な子供達をみんな救い出さなければならない。
これは僕に課せられた新たなる使命だ。
ハイラルを救うことができた僕になら、きっとできる。いや、必ずやり遂げてみせる。
今の僕には武器もあるし、仲間だってまだ沢山生き残っている。
一休みたいな変質者が相手だろうと、ゲームに乗った人殺しが相手だろうと、僕は絶対に屈しない。
諦めたらそこで終わりだ。ゲームオーバーだ。この島で辛い思いをしたのは僕だけじゃない。
どんな辛苦にぶち当たっても、どんな悲劇に見舞われても、みんなそれを乗り越えて奮闘しているんだ。
僕も梨花ちゃんの死を潔く受け入れて、ゲーム破壊のために頑張らなくちゃいけないんだ。
前向きに考えよう。悲観的になってちゃダメだ。
希望は……まだ残っているんだから。


「それにしても、遅いな……」

思考を戻す。過去のいざこざについて耽るのはもう終わり。
今、神社を離れて活動している人達はどうしているだろうか。
梨花ちゃんを埋葬したり、祭具殿の鍵を探してあちこち奔走してたりしたもんだから、予想以上に時間が経っている。
それなのに、神社の境内には人っ子一人現れる気配もない。
インデックス達の方はともかく、学校に斥候しているはずのニケは距離的に近いこともあって、もうそろそろ戻ってきてもおかしくないはずだ。
アラストールも『すぐに帰ってくるだろう』と言っていたし……。

「まさか、何かあったんじゃ……!」

予感はいやでも悪いほうへと傾く。
もしかしたらゲームに乗った参加者に襲われて、戻ろうにも戻れない状況なのかもしれない。
それに学校は今火事になっているはずだ。逃げ遅れた人を偶然発見して、それを救出するのに時間が掛かっている可能性も否定できない。
だとしたら一刻も早く助けに行かなければ……。もう梨花ちゃんみたいな犠牲者は出したくないから。

でも、一方で単なるとり越し苦労だ、とも思う。
例えば学校で他の参加者と出会って情報交換でもしていれば、帰りが遅くなるのも頷ける。
もしそうだったなら、僕が神社を出てすぐに入れ違いで戻ってくることだってありうるだろう。


732 :代理投下:2008/01/25(金) 01:00:18 ID:1UxAKpKW
376 名前: ◆xncBWD4TMo[sage] 投稿日:2008/01/24(木) 22:21:26 ID:IKBC9ZxU0
インデックス達の方も、もしかしたら今すぐにでも戻ってくるかもしれないし。
だったら僕はここに残ってみんなの帰りを待ってた方が――――





『すぐに戻ってくるので心配しなくてもいいのですよ。この神社は僕の庭みたいなものなので任せてほしいのです』





「……待ってた方がいいなんて、そんなことあるかっ!!」

下手したら誰かが死ぬかもしれないのに? 冗談じゃない。
僕はもう同じ過ちは二度と犯さない。犯すわけにはいかないんだ。
入れ違いになるかもしれない? 確かにそうなることも考えられる。
けど、それがなんだ。人が死ぬのに比べれば入れ違いになることなんて大したことじゃない。
なに、そんなに遠くへ行くわけじゃないんだ。ちょっと確認して、何事も無ければすぐに戻ってくればいい。
予感が的中してニケ達が何か危険な目に遭っていたなら、加勢して片付ければいい。
律儀にずっとここで待ちぼうけしている必要なんて、全くない。

僕はすぐさま荷物を抱えて部屋を飛び出した。もう、いてもたってもいられなかった。
僕はもう迷いはしない。助けるべき人がいれば、躊躇うことなくそこへ向かう。
何もしないで後悔するよりは、何かしてから後悔するほうがよっぽどマシだ。
自分の手で望みある未来に貢献できるなら、それを実行するのに越したことは無い。

本当に、何事も無ければいいんだけれど――――。









もし……、いや、『もし』なんて仮定は要らない。
いずれジェダを倒してこの世界を脱出したら、できることなら僕は梨花ちゃんの世界を訪れたいと思う。
梨花ちゃんは僕のせいで死んでしまったようなものだ。その事実はいつまでも僕の心に残るだろう。
だから、許してもらおうとは思わないけど、せめて梨花ちゃんの知り合いの人達に謝罪の言葉を言わせて欲しいんだ。
謝ったところで梨花ちゃんが戻ってくるわけじゃないけど……それでも僕は何もせずに終わらせることなんて出来ない。出来るわけがない。

それと、これは是非ともあって欲しくはないことだけど……。
もし梨花ちゃんの死が原因で梨花ちゃんの世界がとんでもない事態に巻き込まれていたら――――。
その時は僕がちゃんと責任をとって、梨花ちゃんの世界に平和を導いてみせる。
なんとしてでも。絶対に。

733 :代理投下:2008/01/25(金) 01:00:59 ID:1UxAKpKW
377 名前: ◆xncBWD4TMo[sage] 投稿日:2008/01/24(木) 22:22:13 ID:IKBC9ZxU0

【C−4/古手神社入り口/1日目/夜】

【リンク(子供)@ゼルダの伝説 時のオカリナ】
[状態]:左太腿、右掌に裂傷(治療済み)、左肩に打撲
[装備]:勇者の拳@魔法陣グルグル、鉄製の斧
[道具]:基本支給品一式×5(食料一人分−1)、クロウカード『希望』@CCさくら、歩く教会の十字架@とある魔術の禁書目録
時限爆弾@ぱにぽに、じゃんけん札@サザエさん、エスパー錠とその鍵@絶対可憐チルドレン、
 ふじおか@みなみけ(なんか汚れた)、5MeO-DIPT(24mg)、祭具殿にあった武器1〜3つ程、祭具殿の鍵
[服装]:中世ファンタジーな布の服など。傷口に包帯。
[思考]:何事も無ければいいけど……。
第一行動方針:学校へ行き、ニケらの安否を確かめる。
第二行動方針:もし桜を見つけたら保護する。ニケたちに会ったらエヴァの伝言を伝える。
第三行動方針:祭具殿には出来ればもう入りたくない。
基本行動方針:ゲームを壊す。その後、できることなら梨花の世界へと赴き、梨花の知り合い達に謝罪したい。
参戦時期:エンディング後
[備考]:リンクが所持している祭具殿にあった他の武器が何なのかは次以降の書き手さんに任せます(少なくとも剣ではないと思われます)。
    リンクは祭具殿の内部を詳しく調べていません。
※斧はアニメで圭一が使っていたものをイメージしています。
※神社の本殿のわきに古手梨花の死体が埋められています。
古手梨花の平常時の服は梨花の死体とともに埋められています。

734 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/25(金) 01:22:40 ID:0mVMlIrL
投下GJ
知らぬが仏とはこのことかw 
確かに怖いよな拷問器具は。喜ぶのは三四さんぐらいだぜ。
そしてリンクが動くか。空気空気言われてるけど挽回できるかな?

735 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/25(金) 01:25:16 ID:gkdKfnvB
作者&代理投下の人、乙!
リンク立ち直ったか、伊達に勇者は名乗ってないな。
そして梨花の世界の事まで考えているなんて、ホントに勇者の鏡ですね。
だが気をつけろ……君が目指しているのは全く別タイプの勇者なんだからw

736 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/25(金) 06:28:22 ID:YsdeQd23
投下GJ!
さすがファンタジーの人間は言うことが違うぜ!
リンクは圭一のように頑張れるのか?w
思い出は美化しがちだよな。うん。
ジェダ涙目ww

学校行ったら変態坊主か…。
意外に学校周囲も密集しているのが…

737 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/25(金) 10:31:35 ID:L3rYVvqs
投下GJ
リンクの心情が丁寧でよかった
そして当たり前だけど、認識の違いに笑った
インデックスはこの時間はまだ寝てるんだろうか
すれ違いにならないのを祈るばかり
むしろ梨花ちゃんがいなくなれば祟りはおきないんじゃ、って解決後の世界だっけ

738 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/25(金) 13:19:42 ID:j3P1PpLH
>>737
女王感染者がいなくなったら集団発症起こるんじゃなかったっけ?

739 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/25(金) 13:36:30 ID:8ZiFSSv/
GJでした〜
えぇと、「時の歌」で時間をさかのぼれるのはムジュラの仮面設定なので、今のリンクにとってはあまり使用価値のない歌だと思います。
どっかで楽器手に入れて嵐の歌とか使わないかなぁ

740 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/25(金) 14:23:12 ID:zZ6ChCUd
ジェダ様テラ濡れ衣www

741 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/25(金) 14:35:28 ID:YsdeQd23
>>738
集団感染が起きるっていうのは、村人皆殺しの口実じゃなかった?
毎回梨花が死ぬと、もれなく村人全員三日以内に皆殺しだから、真相は分かんないけど。
と思ったら、双子の話の時は梨花が殺されてもなんともないな。

742 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/25(金) 14:40:52 ID:4YpQp4b3
口実っていうかデマというか勘違い?
女王感染者が死んだだけじゃ発症はしない。
それに確か祭囃し編クリア後からの参戦だからどっちにしろ惨劇は起こらない。

743 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/25(金) 15:22:32 ID:ZfZ4oc56
けどオヤシロ様の巫女である梨花ちゃんが死んだ(行方不明?)となっちゃ、村の老人何人かくらいは発症してしまいそうだ。

744 :魔ゼ ナンタラ きイヌ の関西企画!:2008/01/25(金) 15:45:35 ID:PZExUR1f
日程:2/16(土)

企画名:「スカムの日」

会場:レジャービル味園2階
   ライブシアター「ディグダグ」
  (2月open→山田ジャックさんの箱)
   http://mixi.jp/view_community.pl?id=3970
     千日前2-3-9
   なんば駅 日本橋駅より徒歩5分
http://db1.voiceblog.jp/data/mazerunaki/1200431894.jpg

・18時過ぎぐらい
・1500円ぐらい

「佐伯誠之助」
http://www.youtube.com/watch?v=AusfTtQ2W_E
:サマーソニック歌手・淫踏らっぱー!

「クリトリック・リス」
http://www.youtube.com/watch?v=ij_d-skm7AU
:ひっぷほっぷ?!パンク?!

「アメリカンバッドボーイ」
http://centralscum.sakura.ne.jp/centralscum/index.html
:ウルトラファッカーズのKAWAI氏ソロ!

「No.305」
http://www.youtube.com/watch?v=E2Yomp2Da_E
:スカムでHCでアニメで

「悪魔大根」
http://www.myspace.com/akumadiekon
:色色するので予測不能。コラージュのいず?

「魔ゼルな規犬」
http://www.youtube.com/watch?v=A3QkCmmpSF4
:競演してくれる女性パフォーマー募集!

「チコピドー」
http://www.nicovideo.jp/watch/sm370013
:詳しくは上記の曲を!

「TASKE」
http://www.youtube.com/watch?v=cYaZgPQJsAc
:真のスカムキングは彼です!久々に是非見てください!

「パンチョリーナ トドロキ」
http://www.youtube.com/watch?v=ThIYccqb5Kw
:サルバドール=ダリの 血を継ぐとの噂

※転換中に出会い系時間あり!
※フリースタイル=ディスり合い時間予定!


745 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/25(金) 21:42:18 ID:kJcS1uwl
遅くなったけど投下GJ。梨花の世界のことまで考えるなんてさすが勇者だぜ。心情描写もいい。
しかし、誰も帰ってこないから不安になるのは分かるけど、今神社を離れるのは色々とやばそうだ……。


746 :名無しさん@お腹いっぱい:2008/01/25(金) 21:55:27 ID:G3JHBT7x
ふと思いついたんだが、結界を魔力無効化のグルグルで破壊できないか?

トマの能力で拷問具を改造できるよな?リンクとトマ合流しないかねぇ。

747 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/25(金) 22:01:26 ID:0mVMlIrL
>>746
結界破壊なら、他にニケの完全版勇者の剣(このロワのニケは風の剣が足りない)、なのはのSRB+とかがあるね。
トマ以外にはヴィクトリアあたりも技術屋スキル持ってるような持ってないような。

748 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/25(金) 22:06:49 ID:3HrXpY4b
結界破壊のグルグルって長い声のネコか?
あれで壊されたらシリアスシーンまで破壊されちまうw

749 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/25(金) 22:59:02 ID:YsdeQd23
パロロワの伝説になるな。

750 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/25(金) 23:20:03 ID:bIhrm1D2
>>747
レベッカってMITで学位3つ取ったんだろ。
テクノロジーだったら相当つよいんじゃね。

751 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/25(金) 23:24:25 ID:kJcS1uwl
だがしかし、エアコン一つ直せないのもまたベッキー
「り、理論はしってる」

752 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/25(金) 23:45:19 ID:xT0CvjSO
とはいえ、光子郎のパソコンを有効活用できそうなのもまたベッキー
「来週までに論文書かなきゃ」

753 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/25(金) 23:51:17 ID:YsdeQd23
むしろベッキー以外にパソコンを有効に使える参加者はいるんだろうか。
トマは電話を初めて体験したばかりだというのに。
これがッ…文化格差か

754 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/25(金) 23:52:06 ID:d1AfdyxW
だがパソコンをドロップするのは中ボスレベルの無差別マーダー。
ベッキーの所有コネクションは敵だらけの元マーダーコンビと絶賛マーダー中のレミリアのみ。ダメだこりゃ。

755 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/25(金) 23:55:18 ID:kJcS1uwl
>>753
確かにあんまりいない気がするw リルルとかヴィクトリアくらい?
あと紫穂なら使えるだろうけど使う理由がなさそうで困る。

756 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/25(金) 23:58:59 ID:ZfZ4oc56
>>755
カレイドステッキ装備のアリサがいるじゃないか!

757 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/26(土) 00:31:55 ID:FAlrTH8G
パソコンか…少なくとも現代かそれに近いあたりから出てこないとムリか。
コナンとか生きてりゃなあ。
ポケスペ勢の生き残り三人は、作中でコンピュータやPC使ってた
場面描写があったはず。


で、思い出した。
何かのフラグっぽい支給品の【ポケモン図鑑】。持主のミミと一緒に空気になってね?

758 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/26(土) 00:33:42 ID:Aan3FqaB
>>756
病院で葵と鉢合わせになったら
どうなるんだろう。
薫とは因縁があったからなあ。
同じ制服着てるから一発だろ。

759 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/26(土) 00:37:57 ID:08kxWJmE
確か図鑑は、アイテムの使い方が分かるんだっけ?
紫穂の能力のアイテム限定版みたいな感じだよな。
でも、ミミが持ってても有効に生かされる気がしない。

パソコンはブルーとデスノ勢もいるじゃないか!
忘れてたけど、デスノ勢は強そうだぞ

760 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/26(土) 00:39:36 ID:mpxauVyN
葵、薫の姿のベルカナ、レベッカ
この三人間接的な因縁がかなりやばいな

761 :758:2008/01/26(土) 00:44:58 ID:s9evUHd1
ゴメン
>>756 じゃなくて
>>754 だった。

762 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/26(土) 00:45:40 ID:08kxWJmE
なんという爆弾。

763 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/26(土) 01:01:12 ID:ltxsKNh8
>>760
ベッキーが止めようとしているレミリアは葵にとって超危険人物。
葵が探してる薫はベッキーと湖で諍いを起こし、そのままF-lineで敵対してる。
葵はベルカナを薫を虐待した犯人だと思っている。そしてベルカナはその薫に変身している。
ついでにベッキーの仲間であるアルルゥはベルカナにマーダーと認識されている(丈を襲ってるシーンを目撃)。

こんなところか。
ふと思ったが、ベルカナにとって今のベッキーは完全にレッサー・バンパイアだなー
退治されたりしないかちょっと心配だ。

764 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/26(土) 01:05:06 ID:0a6+tjYk
対主催抹殺に定評のあるベルカナだからな……

765 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/26(土) 01:07:34 ID:mpxauVyN
待つんだ、丈一人だからまだ定評はないw
まあそうなりそうな要素は多々あるような気はするけど

766 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/26(土) 01:23:27 ID:nsTtAsZx
>>763
もっともSWでのレッサー・バンパイアは、一般的な吸血鬼のベッキーと違う点も多い。
視線での精神力奪取、空は飛べない、水や十字架は平気……etc.
ヘタするとバンパイアと間違えるかも。Lv.10だ。勝てんw
どう判断するかは、セージ技能の知識ロール次第かなww

>>764-765
あれは介錯だから、勘弁してやれww

767 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/26(土) 01:49:53 ID:xsN4pY6y
遅くなったけど投下乙です
リンクの決意がいいな…頑張れよリンク、正統派勇者

768 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/26(土) 02:42:34 ID:mpxauVyN
wikiの本編と目次更新。一応修正されたSSは勝手ながら修正を反映しました。
けど見落としがあるかもしれないのでチェックよろしく。
追跡表とかはまた後で……。

769 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/26(土) 05:15:34 ID:6X5jHX5x
>>764はトリエラと間違えた予感

770 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/26(土) 19:22:52 ID:0B/6QOpL
支援組曲完成版がようやく完成。
ttp://www.nicovideo.jp/watch/sm2142937

一晩じゃ無理でした。

771 : ◆sUD0pkyYlo :2008/01/26(土) 19:32:01 ID:EbPlGkRK
すいません、あと30分ほどで予約期限の3日間ですが、少しだけ延長させて下さい。
ペース的に、推敲も含めて明日には投下できると思います。

772 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/26(土) 20:06:55 ID:ltxsKNh8
>>770
ジェバンニ(≒)乙! ニコニコ見れないのが口惜しい。

>>771
期待してます。

773 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/26(土) 22:22:43 ID:mpxauVyN
>>770
GJ。画像のチョイスがナイスで色々笑ったw
やっぱ絵があると違うなー。歌詞ともあってたし完成度上がりすぎだろw

>>771
報告乙。

774 : ◆sUD0pkyYlo :2008/01/27(日) 20:42:18 ID:9+qy21K1
遅くなりました、北東部温泉組、投下します。

775 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 20:42:50 ID:NRc0w6VC
 

776 :いのち の ぬくもり ◆sUD0pkyYlo :2008/01/27(日) 20:50:26 ID:9+qy21K1

――やがて泣き疲れたのか、ひまわりはスースーと寝息を立て始めた。
ククリは彼女の上にそっと布団をかけてやる。

「これから……どうしよう……」

泣き腫らした目で、ククリは改めて手元の名簿を見る。
既に日は暮れ、電灯を点けていない(というより、ククリにはその方法が分からない)部屋は暗くて仕方ない。
それでも僅かな月明かりに照らされて、いくつもの名前に線が引かれているのは分かる。
既に死んでしまった人の名前。あまりにも多くの名前。
その数だけでも彼女にはショックなのに、さらに、そこに含まれていたのが……

26番、ゴン。
32番、ジュジュ・クー・シュナムル。
50番、野原しんのすけ。
60番、フランドール・スカーレット。

ジュジュ。
元の世界で友情を交わし、くーちゃん、と互いに呼び合った大切な友達。
また会えると思っていた。また一緒に笑い合えると思っていた。それなのに……!
あの掴み所のない不思議な少女が殺される所なんて、とてもではないが想像できない。
どんなピンチもあの独特の笑みを浮かべて乗り切ってしまいそうな、そんな印象があったのに。

ゴンとフランドール。
戦いの結果を知りたいと思っていた2人、朝方に出会った2人。
正直なところ、どちらか一方の名前は呼ばれるかも、とは危惧していた。
片方が片方を殺めてしまっているかもしれない、とは薄々覚悟していた。
けれど……まさか2人とも呼ばれてしまうなんて。
仲良くなってどこかに行ったわけではなかったのか。それとも、どこかに行ってから何かがあったのか。
全く状況が分からない。

そして……今、ククリのすぐ傍で眠るひまわりの兄であるらしい、しんのすけ。
彼の名が呼ばれたあの瞬間、ひまわりは火がついたように泣き出した。
オムツが汚れた時とは比較にならない激しさの、まさに号泣だった。
赤ん坊に放送の意味など分かるはずがない、とは思うのだが、しかし確かに彼女は理解したのだろう。
兄の死を、もう二度と会えないのだという事実を、理解してしまったのだろう。
理屈や言葉よりも、直感で。
ここに至るまでに何度もククリが見てきた、人並み外れたカンの良さで。
しんのすけの身に何があったかは分からない。
けれども、ククリもひまわりも共に死にそうな目にはあってきた。この半日で何度か生命の危機と直面した。
きっと彼もまた、似たような危機に遭遇してしまったのだろう。
そしておそらく、ほんの少しだけ、幸運が足りなかったのだろう。
そう分かってしまったひまわりは、泣いて、泣いて、泣き続けて……とうとう泣き疲れ、眠ってしまった。
ククリは、天井を仰ぐ。

「本当に……これからどうすればいいの、勇者さま……?」

777 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 20:51:32 ID:NRc0w6VC
 

778 :いのち の ぬくもり(前編) ◆sUD0pkyYlo :2008/01/27(日) 20:52:15 ID:9+qy21K1
 
本当はククリだって泣き出したい。いや、声こそ出さなかったが、さっきまでずっと涙が止まらなかったのだ。
泣きながらも、それでも放送で呼ばれた名前を最後までチェックして、その後のジェダの話も聞いて……
それから、ひまわりが泣き止むまであやしてあげて、寝付かせて。

もしもこれがククリ1人きりだったなら、きっとここまで頑張れなかっただろう。
ククリは本来、あまりそう強い子ではない。
ちょっと夢見がちなだけの、ごくごく普通の女の子だ。
でも、もしここで大事なことを聞き逃したら、ククリだけの問題ではなくなる。ひまわりも大変なことになる。
だから哀しみを堪え、全てを投げ捨てたくなるのを堪えて頑張ったのだ。
自分より弱い、守ってやらねばならない弱者がいると、人は普段以上の力を発揮できるものなのか。
彼女には珍しい決意の表情で、拳を握り締める。

「この子だけでも、守らなきゃ……ううん、私が守るんだ! 今度は、私が!」

ククリは女の子で魔法使い、という立場上、ニケや大人たちに守られるポジションが多かった。
でも今は自分1人しかいない。ひまわりを守れるのは、自分だけしかいない。
いずれニケたちとは頑張って合流するとして、それまでは自分がこの子を守らなきゃ!
決意を新たに立ち上がったククリは、そして次の瞬間、ハッとする。

――まさにそのタイミングで、窓の外、温泉旅館の敷地内に、動く人影があった。

まだまだ遠くて容姿の見分けはつかない。木々や柵、電柱などの障害物のせいで、チラチラとしか見えない。
2人はいるようだ、ということ以外は、まだほとんど分からない。
それでも、こちらに向かって来ているのは分かる。つまり、温泉旅館の玄関の方向に。

ククリは思い出す。そうだ、数多くある旅館の部屋の中で、何故この部屋を選んだのか。
それはここが「外を見張りやすい位置にあったから」だ。「建物の出入り口に近い」からだ。
何者かがこの大きな旅館に近づいてきた際、いち早く発見して対応するためだ。
幸い、電灯も点けていない室内は暗く、向こうがこちらの存在に気付いた様子はない。今なら先手を取れる。
ククリはゴクリと唾を飲むと、チラリとひまわりの寝顔を見る。

あの人影が、殺し合いに乗っていないならいい。怖くない人たちならいい。
それなら普通に挨拶してお話して協力も出来るだろう。
でも、もしも殺し合いに乗っている人だったとしたら……!
複数で行動していることは、その懸念を否定する材料としてはやや足りない。
元の世界で敵となった魔物たちの中にも、徒党を組んで人に害を成す連中もいたのだ。
あれが、そんな魔物たちのような存在だったとしたら。

「グルグルでやっつけちゃうか、それとも、ゴンくんみたいに……」

黒魔法グルグルで戦って、相手を倒すなり逃走させるなりするか。
それともゴンがしてくれたように、注意を自分に引きつけて逃げ、ひまわりの安全だけでも確保するか。
どちらにせよ、今ここで寝ているひまわりを連れて行くのは賢明ではない。
可愛らしい寝息を立てる赤ん坊をそのままに、ククリはそっと部屋を出た。

        *     *     *

779 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 20:52:34 ID:NRc0w6VC
 

780 :いのち の ぬくもり(前編) ◆sUD0pkyYlo :2008/01/27(日) 20:52:56 ID:9+qy21K1
 
「海鳴温泉、つまり『ウミナリ・スパ・リゾート』、ね……。リルルは『温泉』って分かる?」
「地下水が地熱で温められて、高温になって湧き出してくる場所のことね?
 母星の『メカトピア』でも、火山の近くなどで稀に見られた現象だわ」
「えーっと、それはまぁ、確かにそうなんだけど。
 その様子じゃ、『人間社会における意味』とか『人体への影響』については知らないみたいね」

大きな温泉旅館の敷地内。
建物の方に向かって歩きながら、トリエラは微苦笑を浮かべる。
別にリルルに人間社会について教育してやる義理は無いのだが、無言で歩いているのも味気ない。
彼女の方から話題を振ってくることはまず無いので、このように自然とトリエラから話しかけることになる。
本来トリエラは、『任務』の時以外は人当たりがいい性格だ。人並みの社交性はある。

「温泉って、昔から傷や病気、疲労の治療に使われてきたのよ。
 それこそ、ローマ人が地中海世界を支配していた古代から使われてた、自然療法として」
「高温の水でダメージやバグが治るの? どうやって?」
「人間にある程度の自己治癒能力があるのは知ってる?」
「ええ。性能は高くないけど、最初から全ての個体に自己修復機能が備わっているのよね?」
「温泉に浸かって温まることで、その自己治癒力が増すの。ほんのちょっとだけどね。
 他にも、温泉に溶けた成分が皮膚病の原因になる菌を殺したり、皮膚に刺激を与えたり……。
 泉質によっては、飲むこともあるわね。消化器系の病気などに効くそうよ」

トリエラの得意分野は古典と歴史で、だからこういった理系的なことはあまり詳しくはない。
今の話の大半が義体棟で同室の親友・クラエスからの受け売りだ。あとは常識の範疇の知識。
リルルに伝わりやすい言葉を選んで喋ったつもりだが、どれくらい理解してくれたのかは少し怪しい。

「武器を探してから休憩、とも思ってたけど、温泉を優先した方がいいかもね。
 傷口の消毒にもなるだろうし、正直な話、ここまでの連戦で疲れてないわけじゃないのよ、私も」
「その温泉の効果、私の身体にも働くかしら?」
「どうかな……あなたの母国で知られていなかったなら、あんまり効き目は期待できないかもね。
 ま、傷が直らなくても、リルルもけっこう汚れちゃってるし、身体を洗うくらいしておくべきかな。
 防水は大丈夫なのよね? なら、その左手の破損箇所だけ気をつければ」

森の中を駆け回り、何度も戦ってきた彼女たちは、それなりに疲れて汚れている。
身体を清め温かな温泉に浸かったら、さぞ気持ちの良いことだろう。
想像して顔を綻ばせかけたトリエラは、次の瞬間。

「――!?」
「? どうかしたの?」
「静かにッ!!」

一瞬にして表情が切り替わる。鋭敏な感覚で捉えたのは、小さな足音。人の気配。
不思議そうに首を傾げるリルルを片手で制し、気配を探る。
……温泉旅館の中だ。建物の中に誰かいる。こちらに向かってくる。
足音を忍ばせ、身を隠しているつもりなのだろうが……その動きはどう見ても素人だ。
手にした棒や揺れるお下げが物陰からはみ出ている。服らしきものが地面と擦れる音が微かに聞こえる。

781 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 20:54:07 ID:NRc0w6VC
 

782 :いのち の ぬくもり(前編) ◆sUD0pkyYlo :2008/01/27(日) 20:54:27 ID:9+qy21K1
 
「……誰かがいるわ。戦いに備えて」
「殺し合いに乗っているの?」
「分からない。私が先行して接触する。リルルはちょっと下がって周囲を警戒して」

この相手、気配を殺すことに関しては素人だが、だからといって脅威でないとは限らない。
正規の訓練を受けてないのは確かだろうが、この島には魔法使いのような常識外の存在もいるのだ。
相手が身を隠している「つもり」なら、その意図を考えなければならない。
単に怯えているのか、それともこちらの不意を討とうとしているのか、慎重に見極めなければならない。
こちらの存在に気付き、なお隠れながら接近してくる以上、敵である可能性が高いのだろうが……。

(もう、あんなミスは繰り返したくないしね……)

彼女は苦々しい自戒と共に、日没前の最後の戦闘を思い出す。
野比のび太の稚拙な嘘に踊らされ、シャナと無益な戦いを演じてしまったあの一戦。
もう少しで無実のシャナを殺し、「殺し合いに積極的な」のび太を助けてしまうところだった。
あんな失態は、何度も繰り返すわけにはいかない。
過去に殺めた2人の素性や事情を知らないトリエラは、しかしだからこそ「同じミスを繰り返さないこと」を誓う。

相手に戦う意思が無いなら、トマの時のように情報交換をすることも出来るだろう。
相手が戦うつもりなら、倒してしまえば『3人目』だ。武器弾薬を探しに行く手間も省ける。
見極めが肝心だ。相手の出方によって、取るべき行動も得られるものも全く変わってくる。

トリエラは同行者をその場に残し、1人で旅館の建物に近づく。
リルルにはその辺りの複雑な判断は無理だ。頭が悪いわけではないが、あまりに常識が欠け過ぎている。
第三者の乱入、敵による挟撃などに対する一応の備えとして、周囲の警戒だけ軽く頼んで先行する。
いつでも拳銃やナイフを抜くことのできる構えで、彼女はそのまま歩を進めて、

「――出てきなさい。そこに居るのは分かってる」
「ッ!!」
「10秒待つわ。その間に出てこなかったら、容赦なく撃つ。出てきてくれたら、攻撃はしない」

大きな旅館の玄関前。
柱の影、息を飲んだ気配に対し、トリエラは冷たく言い放った。
できれば相手の真意を確認したいから、奇襲は仕掛けない。弁明の機会は与えてやる。
その代わり、主導権は決して渡さない。
指示に従えないようなら、たとえ殺し合いに乗っていなかったとしても多少の怪我は覚悟して貰おう。
そのまま心の中でゆっくり数字を数え始める。

10……9……8……まだ出てこない。
7……6……5……トリエラは拳銃を静かに抜き、安全装置を解除する。
4……3……2……交渉決裂か。トリエラは一気に飛び出して敵を仕留めるべく、身体のバネを溜めて、

1……ゼロ、と心の中で呟こうとした、まさにその瞬間。
今にも泣き出しそうな表情をした少女が、ゆっくりとトリエラの前に姿を現した。

783 :いのち の ぬくもり(前編) ◆sUD0pkyYlo :2008/01/27(日) 20:56:00 ID:9+qy21K1
 
        *     *     *

また、「怖いひと」だ――
1人で旅館に近づいてきた「お姉さん」の厳しい声に、ククリは逃げ出そうかとも思った。
叱り付けるような、怒っているような冷たい口調。怖くて仕方がない。

それでもしばらく悩んだ末、ククリは姿を見せることにした。
ここで逃げたら、また森の時と同じことになってしまう。ここで逃げたら、ひまわりにも危険が及んでしまう。
それに彼女は「出てきたら攻撃はしない」と言っていた。
ということは、話が通じる相手なのかも……そう考えて、勇気を振り絞ったのだが。

「あ、あの……」
「そのまま、武器を捨てて両手を挙げて。変な動きはしないように」

ズボン姿の男装の「お姉さん」は、厳しい態度を崩さない。
何やら金属の筒をククリに向けたまま、杖を手放すよう要求する。
拳銃など見たこともないククリだが、それが武器らしいことは彼女の態度から簡単に想像がつく。
トマの魔雷砲のようなマジックアイテムだろうか? 何にせよ、脅威であることは確かだろう。

武器を向けたまま、ククリには命綱である杖を手放せだなんて……。
向こうも怯えているのだろうか? それとも、手放した途端に攻撃されてしまうのだろうか?
ファンタジー世界の住人であるククリは、「警察官が容疑者を確保する際の定番の言動」を全く知らない。
だから、相手の意図が読めない。言葉どおりの意味しか分からない。
この薄暗さでは「お姉さん」の褐色の肌は闇に沈んでしまう。表情もよく見えない、窺えない。
判断材料の不足が、ククリの不安をさらに煽る。

「聞こえなかったの? その手にしている棒を捨てて。さもないと……」
「で、でも……」

784 :いのち の ぬくもり(前編) ◆sUD0pkyYlo :2008/01/27(日) 20:57:26 ID:9+qy21K1
 
「――あら」

銃口を向けたまま1歩踏み出す「お姉さん」、杖を抱いたまま1歩下がるククリ。
そんな2人の緊張に、少し間の抜けた声が水を差した。
第2の人物の登場。そういえば旅館の窓から確認した人影は2人分あったっけ。
そう思い出したククリは、「お姉さん」の後ろからやってきた人物の姿を認めて、絶句する。

「……何よリルル。後ろで見張っててって言ったじゃない。今あなたが出てくるとややこしいことに……」
「その子、知っているわ」

間違いない。
あの時と違って服を着ているが、その桃色の髪といい顔つきといい、間違いない。
いきなり電撃を浴びせ、ククリを攫ったあのロボットの少女だ。
よくよく見れば、彼女の服には洗っても落ちきらぬ黒いシミがついている。あの色は、もしかして……!?
そう思ってみれば、武器を向けている男装の少女の服にも、返り血らしき斑点があちこちに……!
気付いてしまったククリの心に、恐怖が満ちる。
やっぱりそうなんだ、この人たち殺し合いに乗ってるんだ、魔物たちのようにつるんで殺し合いに……!

「何? またのび太みたいな知り合い?」
「知り合いっていうか……トリエラさんに会う前に……」
「――え〜いッ!!」

……無我夢中のうちに、身体が動いていた。
2人の注意が逸れ、銃口が僅かにズレたその隙に、ククリは恐怖に駆られて杖を振り回していた。
空中に描かれた魔法陣は、彼女のグルグルの中でも比較的シンプルなデザイン。
描くのも早く、簡単で信頼性の高い攻撃魔法。
慌ててトリエラは拳銃を構えなおすが、魔法の完成の方が早い。最後に魔法陣を杖の先で突いて――

初歩的ながら「大砲」にも例えられた高威力の火炎魔法、「とかげのしっぽ」。
恐怖に駆られたククリは、手加減も何もなく、2人に向けてそれを撃ち放った。
紅蓮の炎の吐息が、トリエラとリルルを丸呑みに――

        *     *     *

785 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 20:58:09 ID:NRc0w6VC
 

786 :いのち の ぬくもり(前編) ◆sUD0pkyYlo :2008/01/27(日) 20:58:44 ID:9+qy21K1
 
炎の吐息が2人を丸呑みに――は、しなかった。

「――やっぱりッ!!」

灼熱の炎の帯が夜の闇を赤く染め上げる中、トリエラもリルルも瞬時にその場所を飛びのく。
トリエラは地面を転がるように、リルルは空中にふわりと浮かび上がるように。
迂闊にも少し油断してしまったが、ククリのこの攻撃は想定の範囲内。
どんな魔法が飛び出してくるかは見当もつかなかったが、少なくともその場にボーッと立ってはいられない。
相手の火力に驚きつつも、トリエラは素早く一回転して立ち上がる。

(こっちの『増援』が来たのを見て、慌てて仕掛けてきたってわけ!?
 今の火炎放射、反応が遅かったら2人まとめて倒されてた。この子、見かけによらずえげつない!)

午前中、トマと出会い情報交換をした際、トリエラはいくつかトマから魔法の「基本」を聞き出していた。
魔技師のトマ曰く――
  『魔法によっては、その発動に道具を必要とするんです。
   ククリさんのグルグルのための杖とか、僕を襲った魔獣を呼び出した宝石とか』
  『でも、あたりまえですけど、そういう魔法ってその『道具』なしには使えないんですよ』
  『もっとも、世の中には特別な道具を必要としない魔法もありますけどね』
銃が無ければ弾は撃てない。当たり前の道理だ。
ならば、杖で魔法陣を描く魔法使いは――

「――ハァッ!!」

トリエラは一気に浴衣の少女との間合いを詰める。
少女は慌てて次の魔法陣を描こうと杖を持ち上げるが、遅い。
飛び込みざまに放たれた鋭い蹴りが、杖を捉える。
人間離れした、パワーとスピードの乗った蹴り。ごく普通の棒でしかない杖は、耐えられない。
杖が折れる。あっさりとへし折れながら、杖が少女の手から弾き飛ばされる。少女の表情が驚愕に歪む。

銃を持つ敵と対峙したなら、その銃を叩き落としてやればいい。
杖を手にした魔法使いと対峙したなら、その杖を叩き落としてやればいい。
やっていることは普段の訓練と一緒。だからその先も訓練と一緒。
敵の「メインウェポン」を奪ったところで安心してはいけない。
予備の武器を持っているかもしれないのだ。道具なしで使える魔法もあるかもしれないのだ。
だから相手を殺すまで、油断はない。
流れるような動きで、そのまま今度は水面蹴りを放つ。少女の両足を素早く払う。
これも素人には避けようもなく、少女はぺたんと尻餅をつく。
尻餅の拍子に、適当に結ばれていた帯がほどけ、はだけた浴衣から弱々しい裸体が曝け出されて――
それでもトリエラは一切の容赦をしない。「魔法使い」相手に通常の常識は通じない。
シャナの時にはその身体能力が脅威だった。だから四肢の自由を先に奪った。だが、魔法使いが相手なら。

流れるような動きで、トリエラは素早くマウントポジションを取る。
自分の全体重を使って魔法使いの少女の動きを封じる。呪文の1つも唱えさせはしない。
トリエラはこの距離では逆に使いづらい拳銃を諦め、ベンズナイフを抜き放ち、
訓練された滑らかさで、一撃で命を奪うべく、少女の細い首に、

787 :いのち の ぬくもり(前編) ◆sUD0pkyYlo :2008/01/27(日) 20:59:32 ID:9+qy21K1
 
        *     *     *

「冒険の終わり」を目前にして、ククリは、全てがゆっくりと、スローモーションで動いていくのを感じていた。

押し倒された地面がひんやりと冷たくて気持ち悪い。
せっかくお風呂に入ったばかりなのに、また泥で汚れてしまった。
浴衣がはだけ、夜の空気に晒された肌からも、温もりが逃げていく。
ただ1箇所、トリエラと呼ばれた褐色の肌の少女が馬乗りになった腹の上だけが暖かい。
――体温があるんだ。
今から自分を殺そうとしているこのお姉さんも、自分と同じように、生きているんだ。
場違いにも、そんなことが頭を過ぎる。

いびつに歪んだ不気味なナイフが、街灯に照らされてギラリと光る。
刃が、首元に迫る。
死が、ククリに迫る。
勇気を出して侵入者を迎え撃ち、グルグルでやっつけようとしたククリの作戦は失敗した。
作戦失敗の代償は、死という究極のペナルティ。
コンマ数秒のうちに、ククリの命は刈り取られるだろう。

不思議と、怖さは無かった。
敵への怒りも無かった。
ただ――少しだけ、悔しかった。
こんな所で誰にも知られずに死んでいくのが悔しかった。
ひまわりの安全を確実なものに出来なかったことが心配だった。
そして。

(勇者さま……会いたかった……)

迫り来るナイフを前に、彼女が最後に思ったのは、ニケへの未練だった。
せめて最後に、あの無責任ながらも心温まる笑顔が見たいと思った。
涙が1滴、綺麗な瞳から零れ落ちて、そして――











        *     *     *


788 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 20:59:45 ID:NRc0w6VC
 

789 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 21:00:20 ID:NRc0w6VC
 

790 : ◆sUD0pkyYlo :2008/01/27(日) 21:00:38 ID:9+qy21K1


(スレの残り容量の問題を失念していました。
 前編終了のここで切って、後編は次スレで投下しようと思います。)


791 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 21:01:57 ID:NRc0w6VC
じゃ、スレ立ていってきます

792 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 21:13:39 ID:NRc0w6VC
次スレ
http://human7.2ch.net/test/read.cgi/subcal/1201435693/

次スレの>>1でhttpが多すぎますとかエラーが出てしまったので、
前スレ以外のリンクからhを抜きました。


793 : ◆o.lVkW7N.A :2008/01/28(月) 01:06:26 ID:07C8NaF5
こっそりこちらのスレで予約。
面子は、トマ、葵、ベルカナ、ベッキーの四人。

794 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 01:08:31 ID:AABG4C/+
こっそりだと?だがお見通しだぜ!
久しぶりの予約にwktk

795 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 11:57:40 ID:+PWJH6Z5
        ヽー--、ヽ_ソ .>' "i  
  _,. '´ ̄`    / >'′ |  
  _>         `く⌒ゝ、|  
 ´/´  ,   、  、   ∨ V ゝ、 
 /イl /  ,.ィ|,.ィz| |l ,|| ハ|  ,ゝ  
  |. |l /|/シィ」ッソハトハトト|    ト!   
  }イハ|ハ::ノ `     |' |リ ,、 ト ! 
   ハ l.〈、__    イ/|イ ト、  トl     
    lイ l人こ′  ,. ' V V ト!        
    |ルイlハ__,.  '′  /  `ヽ、_  __    `
        `ヽ 、   /   ,. '"´    `ヽ、
           〉   /ノ .rヘ           ヽ
          /′ /  ハ ∨ヽ、  fヽ、     ヽ
      __,∠ '⌒〈⌒ヽ  ハ  ∨ ー }  ト 、   ',
   / 、    / >、 \ノ 、 \_/ |  ヽ、|
 ./ ー/     / {  \  \\       |    ヽ{
./    /    /  ー,、_ ` 、 ヽ、    ハ 、   |
′/ ,′    人   ヘ、` 、          ヽ    ',
 '′ {    /   ー---≧ 、          ト‐ 、!
    〉‐ '′             \       ヽ  ヽ   \
   /  ,. T ‐- 、        > 、_            }
  ,' /  !    `      ̄   ,.イ |`ヽ、       ノ
  |′  _ノ ‐    , 、  ` ̄   / ∨        {


あ……ありのまま今起こったことを話すぜ!

「ザフィーラで埋めネタをしようとしたら、保管庫に単体AAがほとんどなかった。
 人型単体AAに至ってはこれだけだった」

な……何を言っているかわからないと思うが、
私も訳が分からなかった……

頭がどうにかなりそうだった……

バーニングアリサやシャマルゥ(というかなぜかなのはAA保管庫にいたエルルゥ)
と同等かそれ以下だとか、不人気とか空気だとか犬扱いだとかそんなちゃちなものじゃ断じてない。
もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ……

796 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 11:58:31 ID:+PWJH6Z5
     , -:.‐:. :.¨:.  ̄:. :.`:. ..、
  , :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :\
. /:. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :ヽ :. :. :. ヽ
':. :. :. :/:. :. /M:. :. :. :. \:. :. \:. :. :ヽ /
:. :./:./:./:./:.j!川:. :.ヽ:.\: ヽ:. :. :ヽ:. :/
:. /:./:.:j:. |:. :|l川:. ,l. -―ヽ:、:',:. :. :∨
:.:j:. |:. :|:,ム-|゙ "|:. |:, :.l:. : j:. :.',:. : /
:. !:.:|:. :/:.|: :_|  j : !:. イ乏:_:.',r―‐、
:. |:.:|:. .l:. ハjテム N∧: ハ::::z:リ./ /二J
:. |:.:|:. :ハ'弋:zリ      ー' / ―、 l
ヽハ:l:ハ :小    ,       l 二 .l lJ
  'j   l:ハ、   r 、   , .| ヾ! lJ
  ,'   ;ハ:,l≧-   .._ .. イ !  し
 ,' : : : ,、'{ヽj  l ヽ  / l!  }
.,': : : :,、'ヽ/ヽ \_|__/   f!  :l
': : :,、'\/  ヽ ==== " ハ  j
: ,、'  /     \ __/ノ ム ∧
'"  /      l;:  / i  v ム
   /       l!:;/  ハ   l ム

……で、結局私にお鉢が回ってきました。
LSロワのみなさ〜ん!うたわれるものですよ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!
まあ残り容量も少ないですしさらっと流しましょう。さらっと。
さて、今回は「場所別解説編」です。
方角別に盛り上がってるところについて解説を入れちゃいましょう。

え、私の名前?柚……エルルゥです。

797 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 11:59:26 ID:+PWJH6Z5
                     __
               ,  ⌒`"´:::::::::`ヽ
               //::::::::::::トム::::::::、::ハ
              ,'::':::::li/州 l从:::::}::i}
              }::l从lr=z  r=、}:::ル'
               {/w|::ト  _',  ハ八_
              イWリ从 、  /_/--ゝ
               ゝイl_`三三了}
             / > 、 ̄∨ _lニト、 お茶どうぞ
            /  { ,  >┬彳ニlハ
               /_  ∨::.  ∨ 〃-ミ.__>、
           〈ヶ‐-、`ヽ:::: /  /ゝニソ _>
           7   `ヽ}::::/  / , // l
           / _   l二二二二二} _ヽ
           ,' _ 旦旦旦旦毒旦旦旦旦旦_
             {{イゝ二二二二二二二二二二二二フ
            ll >'‐'‐'j|  |   .::/  ト //ゝゝ‐ケ
           lH|   / |  |      | { { {{   l

えーと、カオスな所は……やっぱりアルルゥがいる中央森ですか。
雛苺とれみりあう〜が散々暴れた挙句ヘタレックスがあっさり改心したカオス地帯ですね。
人の妹で何やってるんだとは思いますが、殺しあわないことはいいことです。
少なくとも私が仇を討つために空想旅のフォークでぶちまけろォ!とか
力ちゃ……ハクオロさんがヴィクター化して固有時制御で起源弾とかしなくてすみます。

798 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 12:00:12 ID:+PWJH6Z5
                 /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::>─-
                /|/!::::::/ -── 、\::::::::::::::::
                   /  /l |//:::::::::::!:::::::ト、ハ、\|\::::
              / ./:::| //:::::::://|:: /|l`~ヾ|::\ l\
              /〃:!:::/:::::廾¬-x、j_,、 リ   !:::::: i:::、::::
              /::::::::|/|::::/代らぅゥ、ゝ :  <、 jハ::::::}::::l::::
              /::::/ル:ト、{  ー`─ゞ    _,、_`ト、/:::: |::::
               //  /:::::::ト         ミ゙心、.}/ル:
             /{ィイ/|::::::::|       丶  `ヾ´/:::/::|::
         /: ;_;_;_;_,;,;;|::::::::|      rュ     /:::/:::::}::
        ´⌒{~::::::{:::::::::\:::|、            /:::/::::::ノ'
           V::::::ヽ::::::::::::ト{ \        _.イ:: /::::: /{
           \zz==彳|   _,,.ゝ---‐≦辷/:::/:::::::/ '、
            〈_└--‐‐'''_゙´ -‐''"´ ̄ ̄ /:〃:::::::ハ、,
               \ ̄ ̄         __/ン'::::::: ∧}:} ̄
      ,.、 -────'-- 、,___,.、、-─\/ /':::::::::::///
      {、、         _ ;.::}  __  _ノニ'''z;ノ ̄~"''''
        )        ...:(´ ̄ ̄  }// .:.:.::/
     _/         ' ,zハ      ,.' .:.:.:.;.´   ノ
    _f_/__ :゙,、        : . :゙,_,,、-‐/ .:.:.:./ / /
  /_____丿         : . :.i/  /‐-、:.;/ //
  {‐'′ ノ 、          : . : }_,ノ´`゙ヽソ:.:/

次は南西……もう言うまでもありませんね、ヒキコモリが生命の危機です。
タイムリミットは一時間……そもそも一時間であそこから抜け出せるんでしょうか、彼。
正直、説得してたら普通にギリギリかそれ以下だと思うんですけど……
弥彦くんが向かっていることが唯一の救いかもしれません。

この辺はタワーにこそ人が集まりましたが反面それ以外の施設がないので、
この辺りを語る時はほとんどタワーとその周辺中心になっちゃいますね。
一時期は山小屋がありましたけど、もう完全に散らばっちゃいましたし。
中央森は東と南東を繋ぎ更に学校に近いという点で地理的に人を集めましたが、
その分この辺が過疎になってしまった傾向があります。

799 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 12:00:54 ID:+PWJH6Z5
                 !
                ノ
      ┛┗      <_    い 私 対 い
      ┓┏ ,〉、__ノ_ )   ま  た 主 ま
      /` ̄`:::::::::::::::::::::´'ァ   せ ち  催 .せ
   --イ/::::::::/:/::∧ハ::::l::::l_ノ   ん の な ん
    //::|:::::/:∧/   l::ト、;ト─-、. ! 中 ん 
    /ハ::::!:::l::;ト=|、  、 _,∠|::::::::::|   に て
    |l ヽト、|リ` 一`:::::::ゝー'゙ト、:::::/      !
     /  |ト   r── 、 u|;;|::::'ト-、
    /ィ__, 人ト、_l    〉_,从::├ー'|
    〈/  < \二二彡´ゝノ::ノヽノ! ∧  /\/
    ノ \  \三三三/∧//  ∨ `´
 ト、_r'´ ヽ ',   ',: :/: : //'Y゙ 、    ト、
. ヽ/ヽ   {    Y: : : fゝ=ミ、 ',    ∧
 /: : : : \__ |   l: : : ノヾ__ノノ  .}___/: :ノ、

南東……この辺はあまり人が来ませんね。
序盤にいた子のほとんどは城前へ行くかシェルターに篭ってましたし……
あんまり言う事もありません。トマが南下してますが、肝心の二人は脱出しようとしてますし……
文字通り廃墟としか……

北西工場地帯。なのはちゃんがエミヤになったりアリサちゃんがカミーユになったり大変です。
この辺は元々拠点が多く色んなチームがいた地域ですし、南西や北東でイベントが終わった後、
人が一気に戻って来る可能性があります。かなり危険じゃないでしょうか。
ヘルメスドライブのせいでかなり時間進んでますから、そこにも注目ですね。
カミーユと言えば……カミュちゃんとか参加してなくて本当よかった。
絶対に裏人格が出てたんでしょうね。まぁ出た方が面白いと思いますけど(というか出しますけど)……



800 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 12:03:57 ID:+PWJH6Z5
.  r、        
 _,r| | ,、           
〈トゞY /               
..ゝ_ イ     , -−-ー- 、_.
  ヽ \  /ィ´,/ /`  \.
   ゝ  \_ ̄./ / .__,」 ,.イ l lヽ 
.   \  }∧l /! /V !/二ト/ / ! 
    /ハ// ノト、lイ⌒  ト'::l〉 ∧ / 
.  /:/ // //イ 〉ゞ,ー- `¨// ヾ, 
  .!/ // ク /:.トヽ`_<´イ\-、ハ   
  K/ /_/:.:/`iヾ、ヾヽ〉「i_j、トソ  
  ヽ-ヘ´_,__/, -ゝV>(ヽ| {」])    
   _[7l  /.:r'´ ̄ fニゝ てノ.     
  /,.イ l ヽ/_/_ __,ノ __ト、 〈≫    
 /   ゝ、::::::::::::/  ∨ ト、ヽトミ、
./    /.:/  ̄二〉._ 〈 .〈ヾ三ニV
l     l:.:.l  ̄ <::::::: ̄ハ `ーミ、ヾ
|    |:.:.l     ヾー<_\ ノ _/
.!     l:.:.l      \_  ヾヽ ̄
.l    l:.:.l       ヽヽト、j::リ
.l    !:.:.!      _, ヘ)イ/ 
..!     l:.:.l_ - ニr−z、〉  


個人的に驚いたのは、意外と人気ないんですね、城。中央森が全部人を持っていったんでしょうか?
学校は大炎上して近くで死屍累々、今も変態一休と見捨てられた青がいるんですけど。
まああんな小さいのに巨乳だなんて死ねばいいと思いますよ。

中央森の後継者になりそうなのは北東の町ですけど……
最近少し落ち着きましたけど、火種はまだかなりありますから危険なんじゃないでしょうか。
まあ、少なくともアルルゥにはもう関係ないと思います。

801 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 12:04:46 ID:+PWJH6Z5
         /:/V :/_ ィ ´  i i 1 ┴イー⌒ ー-i_ |  _ ハ:\j   /
          ,' イ . :/  . i :! i:i| :||   |i、_!__:_: i: :丁: : : :|: : | /
        i:/ ! !: , :i . : :i + 爪|丁|   |ハ: :|リ|、:T: :j : :i: : :! : :レ'
        |l i i: :| :i : : :i |Vィ≠xリ   |{ ,ィ|示ぇY: : :!: : |: :,l
        |{ i i: :| :i : : :| { {|::::::::}`     {:::::::::} } | : : i: : :|: :l'
.          |:|: :И、 : :ド 、廴.ソ       廴 .ソ ,i : : ,: : :ハ :|    ……なんで
         ヘ\: :V\i:、ゝ     ′      ̄ i : : ': : :l  ゙! こんなAAばっかり
           ヽハ:ヤ/ト :、 ゝェェ-----ェェイ'  ,i : :, : : j、  ! なんですか?
  ト、       /: :ヽ/小i: :\ ` ー─‐ ´   ,ィ : , : : ム_ヽ|   
  | ヽ     ゝ- ¬´  | ト、: : :ミ: 、     _.. </ :/ : ゝ二二_
  |  ',           ゝ >トトゝ-}>.彡‐ .二7 / //__  __ ハ
  l   }          〈ー --- 二 -‐ ' ´  / / //  V__ハ: :ヘ
  l   l           \二 二.. -― x/ /:/:/ ̄ Y  {:ノ ヽ
  |   |            ハヽ|  _ -―ハ `ー7 _. ィ 二二ム  \


なんか口調と話の内容が全然私らしくないものになりましたが、
全ては黒い表情なものばっかりなAAのせい、もしくはうたわれラジオに影響されまくったせいです。
気にしないで下さいね。
それにロワ的に考えても、私と同じ声の女子高生はいつもマーダーになりますから……
先立たれ率100%ですから……私より上ですから……驚きの黒さ(というより狂気)ですから……
それじゃ、公務王の世話をしてきますね。あ……ここでもマーダーだった……

501 KB
■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています

★スマホ版★ 掲示板に戻る 全部 前100 次100 最新50

read.cgi ver 05.04.00 2017/10/04 Walang Kapalit ★
FOX ★ DSO(Dynamic Shared Object)